【自然系コース】
 

 
中 川   仁(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 小学校,中学校,高等学校における単元との関連を明らかにし,目的を明確にすることを心がけた。板書の量とスピード,適切な演習問題を出すことについても留意した。
【観点2】教育の達成状況
 学生は意欲的に授業に取り組んでいたことが,試験結果からもわかる。
研究指導
【観点1】学部
 3年生のゼミでは,テキストとして用いた整数論に関する入門書を予定していた以上に読み終えることができ,整数論に関する基本的なことを習得してもらうことができた。 4年生のゼミでは,円について,円周率の超越性や等周問題を中心に中学校の数学教員に要求される十分な数学的素養を身につけてもらうことができた。
【観点2】大学院
 整数論に関して各自が深く学ぶことができ,中学校,高等学校の数学教員として基本的な数学的素養を身につけてもらうことができた。
その他の教育活動
 大潟町小学校,直江津東中学校においてゼミの学生の教育実習における指導を行った。
 
<研究活動>
学会活動への参加状況
(1)12月8日〜12月10日 代数的整数論研究集会出席, (2)3月26日 日本数学会年会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
・上越地区高等学校数学教育研究会顧問
・上越数学教育研究会会長
 

  
溝 上 武 實(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 動機付けを十分行うよう努め,授業に対する意欲が低下しないように努めた。
【観点2】教育の達成状況
 かなり目的を達成することができた。
研究指導
【観点1】学部
 教育現場に応用できるよう幅広き幾何学の導入に心がけた。
【観点2】大学院
 研究の深化を増進するよう,絶えず当初の目的を忘れぬよう意識させた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年4月:『数学の新生を求めて―真の研究者と教育者になるために―』(単著) 横浜図書
(2)平成21年7月:『数学の新生を求めて』(単著) デジタル書房
論】(1)平成22年3月:『On Nagata's contribution to theory of generalized metric spaces』(単著) Scientiae Mathematicae Japonicae vol. 71, No.3, pp.273-283
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:Reviewer of Mathematical Reviews(American Mathematical Society), (2)平成21年度:Reviewer of Zentralblatt MATH(European Mathematical Society), (3)平成21年度:Managing Editor of "Questions and answers in general topology", (4)The editorial board member of “JP Journal of Geometry and Topology”(India), (5)The editorial board member of “Global Journal of Mathematical Sciences”(GBS Publishers and Distributors, India), (6)The editorial board member of “International Journal of Pure and Applied Mathematical Sciences”(India)
 

  
森     博(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義では重要な事柄を,特に強調して説明して,練習問題は図を用いて視覚的に理解できるように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 受講生の学力差と取り組む意欲の差が大きく,達成は十分とは言えない。
研究指導
【観点1】学部
 幾何学セミナーUを,テキスト「円の数学」(著者:小林昭七氏)を輪読形式で行った。円周率πの近似値の求め方について,アルキメデスの方法,微分積分の方法等々を数学的正確さを保って解説している。
 ギリシャ数学の三大問題について円周率πが超越数(即ち,係数が有理整数である代数方程式の解でない)であるを示している。この証明は4年次のゼミ生には,これまで身につけた数学的素養に加えてハードな勉強を強いるものである。しかし,ゼミの学生たちは粘り強く輪読に精を出し内容を十分に理解した。
【観点2】大学院
 幾何学研究セミナーにおいて前年度の勉強・研究の継続性を大切にするよう支援した。ユークリッド空間内の古典的な結果(定理)を丁寧な証明を付けて理解した。例えば,Chern教授の講義録をセミナー形式で輪読し,単純閉曲線の回転数,閉凸曲面の剛性定理,Gauss-Bonnetの定理等を講義録の中にある幾つかの証明の不備を補い,より分かり易い証明を与えた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年12月:『Isometric Immersions of Euclidean Plane into Euclidean 4-Space with Vanishing Normal Curvature』(共著) Tohoku Mathematical Journal,vol.61,pp.523-550
◎特色・強調点等
 余次元が2であるユークリッド空間の間の等長的はめこみを共同研究した。共同研究者は偏微分方程式論を専門としており,微分幾何学にも造詣がある。凡そ5年間に渡り上記の課題について研究打合せを頻繁に行った。上の投稿論文は平成21年8月に掲載受理された。
 

  
 橋   等(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法としては,講義式による基礎知識の提示の他に,学生が相互作用する場を十分に設けることを心掛けた。相互作用が自らの知識を洗練する実体験を通して,自ら学力を高め,研究を深化させることは,教職を望む学生にとっては有用である。成績評価としては,テストによる測定の他に,レポートや出席状況を観点とし,学生の認知面と情意面とを評価した。
【観点2】教育の達成状況
 教育の達成状況を俄には自ら評価しがたく,したとしても自画自賛となることは目に見えているものの,実感としては良好と判断している。
研究指導
【観点1】学部
 学部生に対しては,算数・数学教育に係る専門書を丹念に読む力量,授業を参与観察し,子どもや教師の活動を見取る力量を高めるよう心掛けた。専門書を読む力量は,教師が自己研修する力量の素地の一つとなるもので,最近,殊に,その力量の低下が懸念されているものである。授業の参与観察は,教師としての実践力に直接的に関連する見取りの力量を高めるためには最適な方法の一つである。専門書講読と授業の参与観察において,その前後で,学生と議論する時間を十分に設けた。この議論を通し,学生が自己の力量を内省し,さらに高めることを促した。大学院生と学部生とが交流する場を設け,研鑽を積ませた。
【観点2】大学院
 修士課程の院生は様々な経歴をもつ者が最近多く,数学教育とは何か,算数・数学教師とは何をする者なのか,という基礎的な立場を意識させることから始めなければならない。現職教員がセミナーの一員である場合とそうではない場合とでは,セミナーの運営は異なる。授業の参与観察や研究の補助をさせることにより,実践経験のない者には,算数・数学教師の活動を実際的,直接的に見て解釈する必要がある。それとともに,修士課程の院生に相応しい教養と研究能力を身につけさせる必要から,文献講読を通して,自己の問題意識を掘り下げ,研究を構築し,子どもや教師の活動を解釈し,考察するように仕向けた。
その他の教育活動
 学部3年生と4年生に対しては教育実習の前後に指導し,公開された授業を参与観察し,事後指導した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 数学教育学を専門としていることから,学生の算数,数学授業実践力を高めることを大きな目的として教育活動を行っている。授業実践の進歩は,如実であるとは言い難く,例えば,研究協議会の授業と通常の授業の違いがあるごとく,教師の心掛けや力量に,その進歩はかかっている。学生が,将来,教師として自らを高め,算数・数学教育実践を願わくば主導的に進歩させていけるような者になれるよう,支援,指導することを心掛けている。採用試験に合格させることは最大課題かも知れないが,将来,担当する子どもたちの人間性や学力を十分に伸ばすだけの力量と自らの研鑽力をもつ者を,数学教育学の視点から育成していくことが肝要あると考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年11月:『割合の知識の形成における関係化の過程と知識の多視的捉え』(単著) 第42回数学教育論文発表会論文集, pp.739-744.
(2)平成22年3月:『アリストテレス的数学観に立つ数学教育学研究の幾つかの方向性』(単著) 上越数学教育研究, 第25号, pp.11-18.
発】(1)平成21年11月:『割合の知識の形成における関係化の過程と知識の多視的捉え』(単) 日本数学教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成21年8月:日本数学教育学会全国大会小学校部会指導助言, (2)平成21年4月:上越数学教育研究会指導助言
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月〜3月:上越数学教育研究会Σ会指導助言, (2)4月〜3月:上越教育大学附属小学校研究協議会研究協力者, (3)4月〜3月:上津教育大学附属中学校研究協議会指導助言 
 

  
伊 達 文 治(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 担当する全ての授業において,学生・院生の固定的数学観から文化的数学観への変容を図る工夫を盛り込み,その実践に取り組んだ。授業の中で学生・院生の記述や発表等の活動を重視した。
【観点2】教育の達成状況
 学生・院生に固定的数学観から文化的数学観への変容という大きな成果をみることができた。このことは,授業における記述や授業後のレポートなどによって確認できる。
研究指導
【観点1】学部
 世界の数学発達のダイナミズム,数学史全体の流れを捉え,現在の学校数学との関係から考えさせた。
【観点2】大学院(修士課程,専門職学位課程,博士課程)
 論証数学の起源や代数学の展開を捉え,さらにわが国の数学教育の原点に遡及し,現在の学校数学との関係を考えさせた。
その他の教育活動
 教育実習におけるゼミ生の研究授業は全て参観し,事後の検討をゼミ生と共に行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 特色ある点は上に述べた通りである。今後の課題は,今回のような文化的数学観への変容を図る実践を,わが国の学校数学全体にも反映させていくことである。これから,そのための方策を探求し,実践をさらに深めていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年6月:『数学教育における文化的価値に関する研究−日本の数学教育が形をなす時代について−』(単著) 全国数学教育学会誌『数学教育学研究』第15巻 第2号, pp.115-127.
(2)平成21年11月:『数学教育内容の文化的価値に関する研究−日本の数学教育における初等代数的基盤−』(単著) 日本数学教育学会第42回数学教育論文発表会論文集, pp.673-678.
(3)平成22年3月:『学生にみる文化的数学観への変容』(単著) 上越数学教育研究, 第25号, pp.19-26
発】(1)平成21年6月:『数学教育内容の文化的価値に関する研究−解析基礎分野における西洋数学の受容−』(単) 全国数学教育学会
(2)平成21年11月:『数学教育内容の文化的価値に関する研究−日本の数学教育における初等代数的基盤−』(単) 日本数学教育学会
(3)平成22年1月:『数学教育内容の文化的価値に関する研究−日本小数文化圏における量概念の受容−』(単) 全国数学教育学会
学会活動への参加状況
(1)10月10日〜10月11日:日本教科教育学会研究大会出席(分科会座長)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:教職免許状更新講習講師
 

  
宮 川   健(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業の資料,ppt ファイルをホームページに掲載し,授業に出席できなかった受講生も自習できるようにした。大学院の授業では,レポートをコメントし修正再提出可能にすることにより,より深く学習できるように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 おおむね達成された。
研究指導
【観点2】大学院
 理論を勉強するための輪読ゼミと修士論文作成のためのゼミの二つのゼミを行ない,研究指導にあたった。
特色ある点及び今後の検討課題等
 ホームページの作成など,受講生が自学自習できるように工夫した。
 授業の進め方については,授業の最初に関連する問題を提起し授業内容がどのような位置付けであるか示すなど,工夫が必要だと思った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年4月:『Un dispositif japonais pour le travail en equipe d enseignants: etude collective d une lecon』(共著) Education & Didactique, vol. 3 no. 1,  pp.77-90
(2)平成21年8月:『Etude collective d une lecon: un dispositif japonais pour la recherche en didactique des mathematiques』(共著) Nouvelles perspectives en didactique des mathematiques, (CD-ROM: theme 2)
(3)平成21年11月:『Didactical designs for students proportional reasoning: An open approach lesson and a fundamental situation』(共著) Educational Studies in Mathematics, vol.72 no. 2,  pp.199-218
(4)平成22年1月:『Japanese open lessons as institutional context for developing mathematics teacher knowledge』(共著) Proceedings of III International Conference on the Anthropological Theory of the Didactic (CATD-3) (pp.333-338)
(5)平成22年3月:『フランス数学教授学〜「学」としての数学教育研究をめざして〜』(単著) 生涯学習社会における数学的リテラシー構築のための開発研究, 科学研究費補助金報告書, pp.302-326
業】(1)平成21年11月:『学校数学で扱われている数学を知る 〜小学校における比例を例に〜』(単著) 『研究と実践』,上越数学教育研究会, pp.2-7
(2)平成22年1月:『フランスの教科書』(単著) 『新しい算数教育研究』,1月号,東洋館出版社, pp.34-35
発】(1)平成21年11月:『我が国の数学教育における証明研究の課題と展望』(共) 日本数学教育学会第42回数学教育論文発表会
(2)平成22年3月:『学校数学における比例』(単)数学教育学会
(3)平成22年3月:『数学教育における証明研究のスケッチ』(共) 日本学校数学教育学会第1回研究会
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本数学教育学会 渉外部幹事, (2)平成21年度:国際数学教育心理学会 (PME) 査読者, (3)平成21年8月:フランス数学教授学サマースクール 評価委員会メンバー, (4)2009年8月16日〜22日:第15回フランス数学教授学サマースクール参加 (Ecole d ete de la didactique des mathematiques, Clermont-Ferrand, France), (5)1月22日:デンマーク・コペンハーゲン大学科学教育研究所セミナー発表(題目:Mathematics education in Japan)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)5月:上越数学教育研究会講演会講師, (2)国立教育政策研究所「OECD/PISA2012国内専門委員会」委員, (3)国立教育政策研究所「理数教科書に関する国際比較調査公開シンポジウム」調査報告発表・パネリスト, (4)日仏教育学会2009年度研究大会(公開シンポジウム)科学教育の今日的課題「子どもの理数離れをどうするか」発表・パネリスト, (5)学校教育実践研究センターの紀要「教育実践研究」の査読
 

  
天 野 和 孝(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 中学校の新学習指導要領の内容に基づき,画像や実物標本を使用して教育を行った。
【観点2】教育の達成状況
 授業や実験での学生や院生の評価はおおむね満足のできるものであり,教育目標は充分達成されたと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
 3年生は富山県高岡市周辺の貝化石群集について検討し,オリジナリティーの高いデータを得た。また,4年生は上越地域の現生貝類を検討し,地球温暖化と関連付けられる成果を自らの手で得ることができた。
【観点2】大学院
 1名の大学院生は結果的には退学となってしまったが,途中まではエゾシラオガイ科の分類についてオリジナリティーのあるデータを得ていた。
その他の教育活動
 3年生,4年生の教育実習の研究授業を参観し,指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 地層・化石について,得られた研究成果,現在の地球環境問題を踏まえながら教育を行っている。高校での地学履修者が減少しているため,地学の面白さを伝えるため,一層工夫をしていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年11月:『鮮新世における北部フォッサマグナへの暖流の影響−新潟県南魚沼市鎌倉沢川の四十日層および魚沼層群最下部産軟体動物群の検討を通じて−』(共著) 地質学雑誌, vol.115, no.11, pp.597-609
(2)平成22年1月:『A Miocene chemosynthetic community from the Ogaya Formation in Joetsu: Evidence for depth-related ecologic control among fossil seep communities in the Japan Sea back-arc basin』(共著) Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, vol.286, pp.164-170.
(3)平成22年1月:『日本産シロウリガイ類の分類と分布』(単著) 生物の科学 遺伝, vol.64, pp.33-38
(4)平成22年3月:『Redescription of "Calyptogena" shiretokensis Uozumi (Bivalvia: Vesicomyidae) from the Miocene Rusha Formation on the Shiretoko Peninsula, eastern Hokkaido, Japan』(共著) Venus (Japanese Journal of Malacology), vol.68, nos.3/4, pp.165-171
(5)平成22年3月:『Oligocene and Miocene vesicomyid bivalves from the Katalla District, southern Alaska』(共著) The Veliger (California Malacozoological Society), vol.51, no.1, pp.76-84
発】(1)平成21年6月:『Taxonomy and distribution of fossil Vesicomyidae (Bivalvia) in Japan』(共) 4th International Symposium on Chemosynthesis-based Ecosystems
(2)平成22年1月:『北海道知床半島より産出したシロウリガイ類化石』(共) 日本古生物学会第159回例会
学会活動への参加状況
(1)1月29日〜1月31日:日本古生物学会第159回例会出席, (2)6月29日〜7月3日:4th International Symposium on Chemosynthesis-based Ecosystems出席, (3)日本古生物学会評議員,
◎特色・強調点等
 平成20年に採択された科学研究費補助金のテーマである化学合成群集の進化について研究を進めた。また,その成果の一部を国際シンポジウムで発表し,情報交換を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)理科野外観察指導実習F, (2)糸魚川市立博物館協議会委員, (3)出前講座(柏崎市立石地小学校), (4)上越市環境影響評価会議委員
◎社会への寄与等
 日本学術振興会特別研究員審査会専門委員および国際事業委員会書面審査員をつとめた。
 

  
津 戸  秀(教 授)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年6月:『水の蒸発の理解を目指した指導法に関する授業実践研究』(共著) 理科教育学研究, 50巻, 1号, 21-28頁
(2)平成21年9月:『Involvement of C-22-Hydroxylated Brassinosteroids in Auxin-induced Lamina Joint Bending in Rice』(共著) Plant Cell Physiology, Vol. 50, No. 9, pp. 1627-1635
(3)平成21年11月:『自動車排気ガス浄化実験を用いた中学校における環境教育の授業実践研究』(共著) 理科教育学研究, 50巻, 2号, 99-106頁
(4)平成22年3月:『音エネルギーに対する生徒の理解を深める中学校理科学習における授業実践研究』(共著) 理科教育学研究, 50巻, 3号, 135-143頁
発】(1)平成21年11月:『音エネルギーに対する生徒の理解を深める中学校理科における授業実践研究』(共) 日本理科教育学会
学会活動への参加状況
(1)11月21日:日本理科教育学会北陸支部大会出席
◎特色・強調点等
 植物ホルモンであるブラシノステロイドに関する植物科学的研究を内外の研究者と共同研究として継続して行っている。本年度の成果は,学会誌1篇であった。また,理科教材の開発とその教育における授業実践に関する研究を小中学校の教員と共同研究として継続して行っている。本年度の成果は,学会誌3篇であった。
 

  
中 村 雅 彦(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 専門分野が動物生態学のため,机上の説明だけでなく,緑の小道や弁天池にでて,身近な生物を対象とすることで学生に動機付けを与え,内容の理解を深める工夫を行った。単に授業に出ているだけを成績評価の対象とせず,授業時間内における個人の具体的な行動達成を成績評価の対象とした。
【観点2】教育の達成状況
 受講生の学力と取り組む意欲には個人差が大きく,達成は個人によってまちまちである。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年生2名,学部3年生1名の指導教官となった。研究テーマは学生の希望を尊重した。具体的な素材を提供し,科学的問題解決能力の育成を計る指導を行った。学部4年生2名は大学院に進学した。
【観点2】大学院
 大学院生1名(修士課程)の指導教官となった。研究テーマは学生の希望を尊重し,環境教育に関わる臨床的な実践力を取得するための研究の指導を行った。
その他の教育活動
 上越保険医療福祉専門学校にて前期,非常勤講師(生命科学担当)
特色ある点及び今後の検討課題等
 上越教育大学は,自然豊かな立地環境にある。学部・大学院の授業では,上越教育大学構内に生息する身近な生物を対象とすることによって,受講生が学校現場で児童・生徒に即戦点な指導ができるように配慮した講義及び指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年10月:『Family VANGIDAE, Handbook of the Birds of the World, Vol.14』(共著) pp.142-170, Lynx Edicions
論】(1)平成21年6月:『Breeding Ecology of the Tylas Vanga Tylas eduardi in Southeastern Madagascar』(共著) Ornithological Science, Vol. 8 (No.1): pp.15-22
(2)平成21年6月:『Cooperative Breeding in the Endemic Madagascan Chaberts Vanga Leptopterus chabert』(共著) Ornithological Science, Vol. 8 (No.1): pp.23-27
(3)平成21年6月:『Breeding Ecology of the Malagasy Endemic Red-tailed Vanga Calicalicus madagascariensis』(共著) Ornithological Science, Vol.8 (No.1): pp.29-35.
(4)平成21年6月:『Consequence of inter class competition and predation on the adaptive radiation of the lizards and birds in the dry forest of western Madagascar』(共著) Orhithological Sciemce, Vol.8 (No.1): pp.55-66.
(5)平成21年10月:『Divorce and asynchronous arrival in Barn Swallows Hirundo rustica』(共著) Bird Study, Vol. 56 (No.3): pp.411-413
(6)平成21年11月:『コーカサスオオカブトムシの日本本土産カブトムシに対する生態リスク評価』(共著) 保全生態学研究 第14巻: pp.193-202
(7)平成21年12月:『Breeding Ecology of the Ashy-Cuckoo Shrike Coracina cinerea』(共著) Ornithological Science, Vol. 8(No.2): pp.147-150.
(8)平成22年3月:『上越教育大学構内の鳥類相』(共著) 上越教育大学研究紀要, 第29巻: pp.269-279
発】(1)平成21年11月:『ツバメの雌はなわばりの質で雄を選ぶ』(共) 日本動物行動学会
(2)平成22年3月:『雛に擬態して雌をさそうツバメ』(共) 日本生態学会
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)マダガスカル特産鳥類オオハシモズ類の適応放散と社会進化 代表者:中村雅彦(上越教育大学) 日本学術振興会科学研究費補助金
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本鳥学会英文誌編集委員長, (2)平成21年度:日本生態学会生態学教育専門員会, (3)9月17日〜9月24日:日本鳥学会出席, (4)3月14日:日本生態学会出席
◎特色・強調点等
 マダガスカル島に生息するオオハシモズ類の生態を研究している。オオハシモズ類はマダガスカル島固有の鳥類で,研究例がきわめて少なく,生態及び進化の面から世界的に注目されている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)長野県文化財保護審議会委員, (2)長野県環境影響評価技術委員会委員, (3)農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー, (4)新潟県上越市立春日小学校4年生親子探鳥会講師, (5)上越鳥の会代表, (6)希少猛禽類の保護に関する検討会委員, (7)希少猛禽類保全検討委員会委員, (8)上越市鳥獣被害防止対策協議会委員, (9)理科野外観察指導実習A, (10)理科野外観察指導実習C
◎社会への寄与等
 上記各種委員,アドバイザーとして生物,特に鳥類の保護・保全施策に関わり,社会の教育・研究に関するニーズへ寄与した。
 

  
大 場 孝 信(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 試験で評価することにしている。インターネットの普及で文章をはりつける能力が成績評価となることが考えられる。面接試験をやったことがあるが人数が多い時,時間がかかりすぎる。授業中の質問により理解力を把握し,評価にもつかっている。
【観点2】教育の達成状況
 試験問題が内容を文章で書くため,理解がどこまで進んでいるかよくわかる。成績が2分されるようになってきており,理解できる学生には面白いと言われている。一方理解できない学生には専門的すぎると言われている。また試験なのに前もって勉強しない学生も増えてきている。
研究指導
【観点1】学部
 朝ゼミとおこない基礎知識の向上に努めている。卒業論文の中間発表を3年生で1回,4年生で3回おこない研究の促進と学生達の進度状況を把握することに努めている。セミナーでは論文とデータの発表をおこない,必要なデータをだすために何が必要か指摘している。
【観点2】大学院
 朝ゼミとおこない基礎知識の向上に努めている。卒業論文の中間発表を1年生で2回,2年生で3回おこない研究の促進と学生達の進度状況を把握することに努めている。セミナーでは論文とデータの発表をおこない,必要なデータをだすために何が必要か指摘している。
その他の教育活動
・新潟工科大学非常勤講師
・清里中学校,北城中学校,東本町小学校に実習の指導にいった
特色ある点及び今後の検討課題等
 川原と海岸の岩石図鑑(上越地域)の本を上越地域の小学校と中学校に配った。清里小学校で石の話をしたり,理科を語る会でその内容について話した。理科を語る会で糸魚川の世界ジオパークの話をしたがしっかりとした研究がないとその地域の大地の変化を語れないと思った。基礎研究が地域に役に立ってことになると思った
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年3月:『群馬県中之条町四万ろう石鉱床産苦土フォイト電気石』(共著) 群馬大学教育学部紀要 自然科学編 第58巻, pp.23-34
発】(1)平成21年9月:『北部フォッサマグナに位置する鉾ヶ岳半深成岩と江星山火山岩類のK-Ar年代と岩石化学的研究』(単) 日本鉱物科学会
学会活動への参加状況
(1)9月9日:日本鉱物科学会2009年年会出席
◎特色・強調点等
 北部フォッサマグナの火成活動を明らかにした。研究成果の一部は世界ジェオパークの参考資料として使われ役に立っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)12月:上越の理科を語る会の講演, (2)「いきいきわくわく科学賞」審査員, (3)8月:教員免許状更新講習, (4)理科支援員等配置授業に関わる特別授業, (5)7月:いきいき大学デー 附属中学校との連携授業
 

  
小 川   茂(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義では,簡単な実験や観察を行ったり,具体的な教材を示しながら授業を行った。実験では,通常の実験に加えて,本学に設置されている走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡を実際に学生に操作させ,教育現場でそれらがどのように活用できるのかを体感してもらえるよう工夫した。大学院の「生物教材実験」では,教育現場に浸透しつつある走査型電子顕微鏡を用いて,画像教材の作成を指導した。時に小テストをおこない,知識の定着を見るとともに,授業内容の改善にむすびつけた。
【観点2】教育の達成状況
 教育の達成状況を示す具体的成果はわからない。授業評価アンケートでは,多くの授業で学生からは比較的好意的な意見をもらえたことから,ある程度の達成段階にあるのではないかと判断する。
研究指導
【観点1】学部
 学部生の研究指導では,専門性の高いテーマと,比較的教材を意識したテーマをとりあげ,学部生の個性に応じて指導を行った。具体的な研究テーマは「担子菌類の教材化に関する研究」,「シロツメクサの花粉の教材化に関する研究」,「シャジクモ精子形成期における色素体DNAの挙動」である。専門性の高い研究テーマであっても,将来教員として児童・生徒の指導を行う際に役立つように,観察機器の使用法,材料の培養と飼育法,化学薬品の取り扱い方などに注意した指導を行った。
【観点2】大学院
 具体的な研究テーマとしては「ヒガンバナ科ヒメノカリス属植物の花粉に関する細胞学的研究」,「花粉の教材化に関する研究」などがあげられる。学部生と同様に,専門性の高い研究テーマであっても,教員として将来役立つと思われる観察機器の操作法,材料の採集,培養,飼育法,教材としての活用法,などを重点的に指導した。
その他の教育活動
 附属中学校,板倉中学校,新井中学校,附属小学校,高志小学校での研究室所属学生の教育実習における指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 「生物教材実験」では,教育現場で実際に活用できる画像教材の作成について指導した。これ以外の,学部と大学院における専門性の高い授業においても教材を意識したテーマをとり入れるように工夫を行った。この点が教育活動の特色と考える。授業における教材を意識した取り組みはまだ不十分であると思われる。より一層の取り組みが必用であると考える。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年9月:『気孔の開閉に関する授業におけるKの細胞化学的検出実験の活用』(共著) 生物教育, 50巻1号, 11-14頁
発】(1)平成21年12月:『マウスのピンクアイドダイリューションメラノブラストではミトコンドリアが小さく数が多い』(共) 日本色素細胞学会
◎特色・強調点等
 専門性の高い研究テーマとして,現在,「花粉の雄原細胞の細胞学的研究」,「接合藻の減数分裂期における細胞骨格の挙動」,などに取り組んでいる。これと同時に,教材を意識した研究テーマとして「重複受精における花粉の役割を示すための教材開発」,「細胞骨格要素微小管の教材化」,などにもとりくんでいる。専門性の高い研究を高校生物レベルの教材としていかに生かすか,を目的としている点が研究の特色であり,強調すべき点であると考える。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)公開講座講師「理科野外観察指導実習D」, (2)8月:NPO法人日本自然学習実践センター 里山探検隊講師, (3)教員免許状更新講習講師(理科教材2)
◎社会への寄与等
 本年度は公開講座「理科野外観察指導実習D」と「里山探検隊」を担当した。前者では本学学生に加えて新潟県高校教員1名の参加が有り,走査電子顕微鏡を用いたプランクトンの観察実習を中心に公開講座をおこなった。後者は,上越市頸城区の小学生とその父兄を対象とした自然観察会であり,大池のプランクトンの観察や,大池周辺でみられる昆虫の走査電子顕微鏡観察等をおこなった。本学に設置されている観察機器を活用して,本学と周辺地域との連携をより深めるよう,次年度も活動を拡げたい。
 

  
定 本 嘉 郎(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 小・中学校の教員となっても観察・実験で活躍できるよう電気教材や力学的エネルギーと摩擦による仕事に関する実験教材を使った授業を行った。
 成績評価はシラバスに記載の通りである。
【観点2】教育の達成状況
 授業前には,ほとんどの学生が電気回路の結線図を書くことができ無かったが,電気教材の授業後,多数の学生は電気回路の結線図を書くことができるようになった。また,力学的エネルギーと摩擦による仕事の関係を理解できるようになった。
研究指導
【観点1】学部
 それぞれの学部学生が強い興味を抱いている次の教材に関する指導を行った。
1)作用反作用に関する教材。
2)視覚に関する教材。
3)音エネルギーに関する教材。
【観点2】大学院
 それぞれの大学院生が強い興味を抱いている次の教材に関する指導を行った。
1)電圧や電流に関する教材。
2)電気磁気に関する教材。
3)力学的エネルギーと摩擦による仕事に関する教材。
4)光の行路に関する教材。
5)MIF素朴概念を解消する指導法や教材。
6)e-learning教材.
その他の教育活動
 教育実習の研究授業において,当研究室所属の大学院生2名と4年生3名の指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 力学的エネルギーと摩擦による仕事の関係について実験教材を使った授業をおこなった。この実験教材は,新学習指導要領に新たに付加された内容を取り扱うために開発されたものである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年9月:『MIF素朴概念をなくす教材の開発と中学校での授業実践』(共著) 物理教育, 57巻3号 pp.215-219
(2)平成22年3月:『レンズを通る光線の作図と結像の理解』(共著) 物理教育, 58巻1号 pp.12-15.
業】(1)平成21年6月:『トルネードプラズマの損失イオン測定器』(共著) スペースプラズマ研究会論文集, pp.96-99.
発】(1)平成21年9月:『Electrostatic Probes for Studying Transport Properties in Tokamak Plasmas』(共) オーガナイザー:University of Innsbruck
(2)平成22年3月:『Present Status of “QUEST” Project』(共) オーガナイザー:General Atomics
他】(1)平成21年:『真空館/各種真空管の展示,HPで紹介,冊子「真空館」の配布』 常時,図書館1階に展示。HPで紹介。
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)MIF素朴概念をなくす教材の開発と中学校での授業実践 代表者:定本嘉郎(上越教育大学)
(2)球状プラズマとイオン加速の基礎実験 代表者:上原和也(日本原子力研究開発機構)宇宙科学研究所共同研究
◎特色・強調点等
 当研究室では,従来から児童・生徒が理解しづらい問題を取り上げ,理解を良くするための教材の開発と実践に取り組んでいる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:上越教育大学免許状更新講習 理科教材T, (2)8月:上越教育大学免許更新講習 理科教材U
◎社会への寄与等
 新規に開発した実験教材を新潟県や長野県の公立学校で授業実践し,教育現場へフィードバックさせる活動をしている。
 

  
濤 ア 智 佳(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 適宜アンケートをとり,学生の理解度をはかりつつ授業を進めた。
【観点2】教育の達成状況
 試験の結果を見ると,概ね達成されていたと考えられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年5月:『Spatial Correlation between Submillimetre and Lyman α Galaxies in the SSA22 Protocluster』(共著) Nature, Vol. 459, No. 7243, pp61-63
(2)平成21年6月:『Determination of the Pattern Speed of Barred Spiral Galaxies』(共著) Publication of the Astronomical Society of Japan, Vol. 61, No. 3, pp.441-450
(3)平成21年10月:『Suzaku and Multi-Wavelength Observations of OJ 287 during the Periodic Optical Outburst in 2007』(共著) Publication of the Astronomical Society of Japan, Vol. 61, No. 5, pp.1011-1022
(4)平成21年12月:『ASTE CO (3-2) Mapping Toward the Whole Optical Disk of M83: Properties of Inter-arm Giant Molecular-Cloud Associations』(共著) Astrophysical Journal, Vol. 706, No. 2, pp.1213-1225
発】(1)平成22年3月:『野辺山45m鏡M33レガシープロジェクト III:全面マップ−多波長データとの比較』(共) 日本天文学会
(2)平成21年9月:『ASTE Dense gas Imaging of Star-forming galaxies(ADIoS)』(共) The Forth North America ALMA Science Center Conference
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市企業振興審議会委員
 

  
下 村 博 志(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 今年度は学部向けの「化学」を初担当した(前半7回分+試験)。授業の内容については他の教員養成大学・学部のシラバス等も参考に構成した。化学結合論を中心に,ハンドアウトはA4版37枚を作製し配布した。授業は毎回テーマを完結させた。必要に応じてプロジェクターによる資料の提示も行い,理解しやすい説明を心がけた。成績評価方法は最初に説明し,その通り行った。本学のFD以外に独自のアンケートも行っており,教育方法の改善を行っている。オフィスアワー以外にも研究室での個別の質問等に対応した。
【観点2】教育の達成状況
 試験結果からは,平均的には授業内容について概ね理解が得られていることがわかった。ただし理解の程度には差があり,一部理解が困難であった者も居た。学生(特に免許プログラム受講者)の選抜方法等,本学の制度とも関係する様々な問題を,末端の授業だけで吸収できるものではないと思われるが,できる限りの対応を行いたい。
研究指導
【観点1】学部
 4年生2名と3年生2名を指導した。関川の底質中の金属類の分析を行った。流下に伴う金属濃度の変動を明らかにした。また,同じく関川の河川水に含まれる金属のうち,マンガンにていて,その流下に伴う変動,季節変動を形態別に測定し明らかにした。他に,底質金属の形態別分析を行うための基礎実験や,身近な材料を用いる分析化学実験の開発をテーマとして研究指導を行った。
【観点2】大学院
 2年2名を指導した。固相抽出の教材化と光触媒の教材化をテーマとした研究指導を行った。
その他の教育活動
 教育実習における学生指導:小学校の研究授業における学生指導2回,中学校の研究授業における学生指導2回。
特色ある点及び今後の検討課題等
 ゼミ生の研究指導には実験を豊富に取り入れ,実験技術があり,実験指導の力量を備えた理科分野の教員を養成するよう努力している。授業は解りやすく,かつ内容を落とさないものを実施している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年2月:『上越教育大学構内弁天池の水質季節変動と底質』(共著) 上越教育大学研究紀要 第29巻 pp.249-255
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本分析化学会関東支部新潟地区部会幹事(庶務)ニュース編集副担当, (2)9月18日:第23回日本分析化学会新潟地区部会研究発表会座長(新潟テルサ), (3)8月27日:日本化学会関東支部,高分子学会北陸支部合同新潟地方大会参加(新潟大学)
◎特色・強調点等
 化学,特に分析化学を基盤として,教育に貢献できるよう意識した研究を行っている。本年度まとめた弁天池水質の季節変動は,教育現場でのモニタリングの一つのモデルケースを提案することを意図した。関川河川水中の金属の形態別分析や底質中金属の分析は,物質循環の理解の為の一つの基礎資料を得ること意図して行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越物理・化学同好会(理科教員の勉強会)
 

  
谷   友 和(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 分かりやすく明解な授業を心がけた。特に板書をていねいに整理して書くことに注力した。成績評価はテストまたはレポートにより,公平な評価を行ったつもりである。記述内容や思考方法が良いと感じた部分は積極的に評価するように努めた。
【観点2】教育の達成状況
 担当授業に関して,授業アンケートの回答を見ると概ね良好な評価を受けていた。改善の余地は多々あるが,授業内容は及第点に達していたと考えられる。また,テストやレポートに関しても成績が著しく悪い学生はごく少数であり,多くの学生が授業の到達目標に達してくれたと思われる。
特色ある点及び今後の検討課題等
 幅広い教育活動に携わっていくことが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成22年3月:『バイケイソウの一斉開花現象と地理的な同調性』(単) 日本生態学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)多年生林床草本の空間的個体群動態解析  代表者:島谷健一郎(統計数理研究所) 統計数理研究所 公募型共同利用
◎特色・強調点等
 日本海側多雪地域に適応した植物の生長・生理特性に関する研究を行っている。上越地域は多雪地として全国的にも有名であり,直江津から妙高にかけて積雪量に大きな傾度が生じているため,このような研究に適していると言える。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 社会貢献が大学教員としての一つの責務であることは重々承知しているが,2009年度は本項目に関して該当事項はなかった。今後,理科教育分野や植物学研究分野を通じて積極的に地域社会に寄与していきたい。