【芸術系コース】
 

 
池 田   操(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 大学院の独唱Tでは,専門性に偏らず,個々の技能に合わせ課題を提示,選曲をして指導した。独唱Uでは学校音楽の教材も取りあげたが,音楽的感動の体験を有する教員像を目指し,大学院生であるからこそ演奏できる深い音楽性を追求し,指導した。成績評価は達成度を評価した。
【観点2】教育の達成状況
 ゼミの指導では,学部4年次生3名の実技指導を行った。3名とも声楽を専門として学ぶ事は初めてであったが,卒業演奏会では2年間の集大成として,日本歌曲の他,イタリア歌曲,オペラアリアにも挑戦し,それぞれ大変立派な演奏を行った。
研究指導
【観点1】学部
 教育現場では音楽の時間には主とした位置に歌唱指導があるので,発声法,発音法を基礎として実践力,応用力も視野にいれながら歌唱指導を行った。
【観点2】大学院
 1年次生1名,2年次生2名の修士論文及び研究演奏指導を行った。研究演奏は1年次生については歌唱法の基本を,2年次生については研究論文に沿ったテーマで指導を行ったが,より高度な声楽技法を修得するためにベルカント唱法の追求を行った。
その他の教育活動
 独唱Tは大学院で前期のみの授業であるが,後期においても研究を希望する学生の指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成21年9月:日本歌曲その流れをたどって−28−ガラコンサート, ピアノ:徳富香恵, 旧東京音楽学校奏楽堂, 主催:東京室内歌劇場
(2)平成21年10月:池田操ソプラノリサイタル, ピアノ:塚田佳男, 上越リージョンプラザコンサートホール, 後援:二期会,東京室内歌劇場
◎特色・強調点等
 長年研究してきた日本歌曲の演奏法をまとめ,日本歌曲二枚目のCDを塚田佳男のピアノで録音した。内容は日本歌曲の系譜をたどり「時の流れに寄せて歌える日本の抒情」として山田耕筰,平井康三郎,高田三郎,中田喜直の作品を演奏している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成21年5月:楽しいコーラスの集い−ワークショップ,主催:「楽しいコーラスの集い」実行委員会,青海総合文化会館
(2)平成21年6月:新潟県音楽コンクール予選会審査委員,長岡リリックホール
(3)平成21年7月:楽しいコーラスの集い−ワークショップ,主催:「楽しいコーラスの集い」実行委員会,青海総合文化会館
(4)平成21年8月:楽しいコーラスの集い−ワークショップ,主催:「楽しいコーラスの集い」実行委員会,青海総合文化会館
(5)平成21年9月:「楽しいコーラスの集い」,主催:「楽しいコーラスの集い」実行委員会糸魚川市民会館
◎社会への寄与等
 音楽コンクール審査員やコーラス団体の指導,また,演奏会における個別のコメントや全体講評をとおして,地域の音楽的文化活動に関与した。
 

  
後 藤   丹(教 授)
 
<教育活動>
研究指導
【観点2】大学院
 全く異なる領域の4つの修士論文を指導し,完成に導いた。
その他の教育活動
 ゼミの学生の教育実習を参観しアドヴァイスした。
特色ある点及び今後の検討課題等
 いままでの授業経験を踏まえて,作曲関係授業のテキストを執筆したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年4月:『動物の謝肉祭 ISBN978-4-11-160261-2』(単著) 全音楽譜出版社
(2)平成21年8月:『愛のショパン』(単著) 全音楽譜出版社
(3)平成21年8月:『祈りのバッハ』(単著) 全音楽譜出版社
(4)平成21年8月:『癒しのドビュッシー』(単著) 全音楽譜出版社
(5)平成21年12月:『氷上のピアニスト』(共著) 全音楽譜出版社
作】(1)平成21年4月:作品『パガニーニのカプリスによる幻想曲』 新潟市だいしホール
(2)平成21年7月:作品『朱鷺は輝く大地に』 東京文化会館小ホール他
(3)平成21年10月:作品 組曲『新潟幻影』 新潟市りゅーとピア
(4)平成21年11月:作品『祝婚のうた』 リージョンプラザ上越コンサートホール
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月〜7月:新潟県音楽コンクール審査員, (2)11月:アドヴァイス・コンサートのアドヴァイザー(上越教育大学講堂), (3)10月:コーラスおおがた第23回ふれあいコンサートへのゲスト出演, (4)11月:「妙高なかよしコンサート」アドバイザー(国立妙高青少年自然の家), (5)6月:黒川小学校訪問演奏
 

  
平 野 俊 介(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 音楽実技授業を受講する学生は,音楽の免許状取得や実技技能の向上を目指しているので,一人一人の技能を見極めたうえで,その学生の相応しい指導内容と指導法を導き出したいと考えている。音楽分野学生に対しては音楽教員として備えておかなければならない実技力の涵養に努めながら,個々の学生の能力を発展させることができるように,常に指導内容と方法の改善には取り組んでいる。また,人間教育学セミナーでは,現代の教育現場で起こっている様々な問題を認識し,問題解決に向けて討議することで,受講生一人一人が自分の問題として深く考える機会となった。評価に関しては,課題に対する取り組み方とその達成度を重視している。
【観点2】教育の達成状況
 教育の達成度は,概ね良い状況であると思う。個々の学生の学習目標の達成度には個人差があり,非常に成果があがる場合とそれがさほど感じられない場合がある。今年度は後者のケースで検討しなければならない事例があったが,この差を埋めて全受講生が満足いく達成感にまで到達できるように,指導内容の改善に取り組んでいきたい。
研究指導
【観点1】学部
 3年1名の演奏実技と論文指導,4年1名の演奏実技を担当。卒業研究のレヴェルに相応しい演奏表現に到達できるように導いた。その成果は学年末の演奏発表で示すことが出来た。
【観点2】大学院
 大学院2年1名,大学院3年1名の論文指導と演奏指導を行った。ドビッシーとベートーヴェンのピアノ作品に関する研究で,資料研究と演奏研究の両面から作品の本質に迫ることができ,成果は修士論文と修了演奏会,また秋に行われた院生演奏会で発表された。
その他の教育活動
 教職講座で音楽実技のピアノを担当。
 教育実習ではゼミ学生3名の実習先の3校に赴き,授業を参観し事後指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 指導学生が音楽の専門実技を学ぶなかで,その習得した実技を学校現場でいかに還元し,日常の音楽指導で応用することができるかに留意し,単にピアノを教授するだけではなく,実技教育やゼミ指導を通して全人教育に繋がることを重視して取り組んでいる。時代の推移とともに,根本的に変わらないこと変わっていかなければいけないことを精選して,教育内容の改善には常に検討を加えていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年6月:『新潟県合唱祭での木曜会のピアノ担当』 上越文化会館
(2)平成21年6月:『新潟県音楽コンクール ピアノ部門審査員(予選・本選審査)』 上越文化会館, 新潟市民芸術文化会館
(3)平成21年10月:『第6回 子どものためのアドヴァイス・コンサート』 上越教育大学講堂
(4)平成21年11月:『木曜会合唱団第56回定期演奏会』のピアノを担当 リージョンプラザ上越 コンサートホール
(5)平成21年度:『新潟県ヤマハピアノコンクール審査』 リージョンプラザ上越コンサートホール
◎特色・強調点等
 今年度は演奏・審査共に地域社会の要望に応える活動となった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月〜7月:新潟県音楽コンクール ピアノ部門審査員(予選・本選審査), (2)新潟県ヤマハピアノコンクール審査, (3)4月〜6月:公開講座「ピアノ入門」, (4)8月:教職免許法講習, (5)10月:第6回 子どものためのアドヴァイス・コンサート, (6)11月:公開レッスン
 

  
峯 岸   創(教 授)
 

  
阿 部 亮太郎(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 個別の専門性の向上をめざすことはもちろんだが,実践場面での実践力の確認とその向上に重きをおいている。単に目の前の課題だけを解くだけの解決能力ではなく,どのように解決するかの力をつけるかということが評価されることを伝達することは,特にブリッジ科目「音楽」の初心者,初級者の教育に効果があった。
【観点2】教育の達成状況
 個別の授業では,専門的な力,および実践力の向上はかなり達成されたが,実践力については,全学の連携なくして,総合的に達成されるものではなく,その点では,まだかなりの向上の余地があるという点は,このところかなり長い間の解決されない課題である。
研究指導
【観点1】学部
指導学生がゼロのため記述なし
【観点2】大学院
 非常に実力のある院生が一人いたが,その院生の希望の方向と実力が必ずしも完全にはマッチしていなかった。こちらは可能性はあると判断し,その希望に沿おうと努力したが,やがて方向は次第に変化していった。自主的,必然的な変化であり,止むを得ない進展ではあったと思うが,音楽上の能力は一朝一夕に育つものではないという自明な点もあらためて考え,それぞれの時点での最善の判断と対応を心がけたい。
特色ある点及び今後の検討課題等
(1) 日本教育大学協会音楽部門北陸地区会に於いて,音楽の教員養成に於ける履修カルテについて,特に,教職実践演習に向けての取り組みを念頭に提案を行った。
 これらは,本学に於いては上越スタンダードの策定などで進展もしているものの,各教科,とりわけ教科専門に於いては,認識が浸透していないという意味では,大きな課題である。
(2) それぞれの専門が重要なのはもちろんだが,いわゆる「研究業績」の範囲だけでの教育ではなく,実践の場面においてどのように力を発揮できているか,また状況を読み取ることができているかに相当の重きを置いて,学生の「受け取る力」「実践する力」の向上に貢献する活動を行っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年8月:「音を音楽へと構成することの意味について」 月刊『音楽鑑賞教育』平成21年8月号
作】(1)平成22年3月:市民創作音楽劇《くびき野の歌》(新作初演) 上越文化会館30周年記念公演 原作:杉みき子 上演時間1時間半の27曲からなる音楽劇
他】(1)平成21年9月:「輝きと拡がりの松村作品/平易でも質の高い邦人作品の数々」 吹奏楽専門サイトBAND POWER ニュース 2009年10月9日
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成21年4月〜平成22年3月:《くびき野の歌》への継続的支援。内容は,上越文化会館や演出,指導の担当者とともに行った市民参加方法等の検討,出演する市民のオーディション,練習やリハーサルへの参加と助言。
 

  
上 野 正 人(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業は声楽実技を中心としている。各受講学生の力量に即した教材を選択し,授業だけではなく自主練習でも効果的な練習が行えるよう指導を行った。また,評価では,出席などの授業への取り組みと試験の結果を総合して判断を行った。
【観点2】教育の達成状況
 今年度は修士2名,学士2名の指導を行った。修士のうち1名は現職教員であり,論文を仕上げ「合」判定となり,学位を取得し職場に復帰した。もう1名はストレートマスターであった。こちらも論文「合」判定で学位を取得し,現在は臨時採用教員として働いている。学士2名とも論文「合」判定で学位を取得した。1名は,自然の家の職員として教育に従事している。もう1名は,臨時採用教員として働いている。
研究指導
【観点1】学部
 声楽実技を中心とした授業を担当しているが,個人レッスンではその力量にあった指導を行い,またクラス授業においては楽曲分析法を通して演奏法について重点を置き指導した。
【観点2】大学院
 声楽の実技レッスンは,個人指導が主体である。また,論文指導では研究室に所属する学部から大学院間での学生を交えて定期的に研究成果の発表を行い成果を挙げている。
その他の教育活動
 新潟大学教育学部にて非常勤講師として授業を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 各学生の力量にあった課題を出し,効果的な指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年4月:『合唱団雪ん子スプリングコンサート 指揮』 リージョンプラザ上越コンサートホール
(2)平成21年5月:『花いっぱいコンサート』 長岡リリックホール
(3)平成21年6月:『ピアノ&バリトンコンサート』 妙高高原メッセ
(4)平成21年6月:『久比岐野合唱フェスティバル』指揮 上越文化会館
(5)平成21年7月:『卯の花音楽祭』 大潟区コミュニティセンター
(6)平成21年8月:『新潟県うたごえ合唱発表会』指揮 大潟区コミュニティセンター
(7)平成21年10月:『バッハアンサンブル富山定期演奏会』 バッハ「カンタータ147番」他 富山市
(8)平成21年10月:『震災復興祈念柏崎第九演奏会』 柏崎市総合体育館メインアリーナ
(9)平成21年11月:『高田木曜会合唱団定期演奏会』指揮 リージョンプラザ上越コンサートホール
(10)平成21年11月:オペラ『直江の婿選び』 りゅーとぴあ劇場
(11)平成21年11月:『ベーゼンドルファーは歌う』独唱 見附市アルカディアホール
(12)平成21年12月:ベートーヴェン『第九交響曲』独唱 妙高市文化ホール
(13)平成22年3月:『くびき野の歌』 風船配りの男,上演総合監督 上越文化会館
他】(1)平成21年4月:『ようこそ上野研究室へ/HP』
◎特色・強調点等
 本年度の活動の特徴として,地域との連携による演奏会の企画立案と指導,そして出演を行い,成功に導いた点にある。このような活動は,研究成果の地域への還元とともに自己の研究の発展に大いに寄与していると考える。
 
<社会との連携>
(1)高田木曜会合唱団の指導及び指揮, (2)合唱団雪ん子の指導及び指揮, (3)上越市民オペラの総監督・指導, (4)新潟県音楽コンクール審査員, (5)上越市民創作音楽劇の総監督, (6)妙高ジュニア合唱クラブの指導・指揮, (7)新潟県うたごえ合唱講習会講師, (8)NHK学校音楽コンクール上越地区予選の審査, (9)NHK学校音楽コンクール中越地区予選の審査, (10)震災復興祈念柏崎第九演奏会合唱指導, (11)長岡アウトリーチコンサートにおける演奏, (12)妙高市誕生5周年記念 第九スペシャルコンサートの指導及び演奏
 

  
時 得 紀 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部3年必修の初等音楽科指導法では,90名ずつ2クラス,学部1年では全員で180名の講義もあったが,極力,学生に主体的な実践活動を課すことに努めた。歌唱,器楽活動に加え,新学習指導要領で一層重視された,「音楽づくり」に焦点をあて,グループ活動による探究的,課題解決的な音楽学習に取り組んだ。
 成績評価は,15回の各講義毎に,学生が考察した事柄,疑問点,実践に生かしたいと考える事柄などを記述させることで,総合的な評価を工夫した。この記述シートは同時に出席確認のためにも活用した。出席重視とともに,一発試験ではなく15回の記述からの評価を行うことで,学生の毎回の講義への意欲・関心を高めることにもつながった。
【観点2】教育の達成状況
 学部・大学院ともに何よりも音楽活動そのものを体験させ,実践的な活動から指導法,教材づくりを探究させることに努めた。
 その結果,教育実践への関心を高めることに有効であった上に,学生・院生の生き生きとした表情,活力あふれる学びの姿勢が観察されたと捉えている。前述のように,評価においても,毎授業で学生・院生の考察を記述させたことで,学生の各々の進歩のプロセスも把握することが可能となった。これらの意見を次週の講義に活用したり,個々の学生への助言に活用するなど,きめ細かな指導に生かすことを可能にした。
 学校現場の授業映像資料の活用は,学生・院生に少しでも臨床のイメージを捉えてもらう場面分析の手立てとして,大変有効であった。
研究指導
【観点1】学部
 幼児教育に関心をもち,保育士をめざす学部生を研究指導した。
臨床経験を増やすため,市内の保育所のみならず,大学の附属幼稚園にもリサーチを繰り返し,手遊び歌を含む,遊び歌についての教育的な役割の探究の研究を支援した。
 特に4年生の担任であったため,各種論文発表会の司会を全て担当した。学部の研究であっても中間発表を始め,論文発表には充分な資料を整えて発表に臨むことを指導した。
【観点2】大学院
 大学院生では,音楽科における中1ギャップについてのテーマおよび,キリスト教の幼児の歌が我が国においてどのように歌われてきているかといった研究テーマであった。
 全国の学校,および幼稚園へのアンケート調査を入念に実施し,時間をかけての分析,そして事前の調査結果の仮説が支持されなかった項目についても充分な質的検討を加えることを指導した。
 学部と同様に教育現場への積極的な参与観察を促し,子供たちへのパフォーマンス評価においては様々な観点から,授業実践への分析がなされるように指導した。
 そうした成果が,論文の集大成として考案された,効果的な実践のための学習指導案の作成などに反映された。いずれも論文への高い評価をえることができた。
 また,地域のみならず,筑波大学附属小学校や奈良女子大学附属小学校など,多くの研究先進校への授業観察に同行し,院生と共に修論資料の獲得に努めた。
その他の教育活動
 附属小学校,附属中学校,南川小学校,八千浦中学校への実習生による研究授業の参観および授業後検討会における指導に携わった。
特色ある点及び今後の検討課題等
 新学習指導要領においてクローズアップされてきている,小・中学校音楽科における,子供の創作の活動に焦点をあてることに努めた。具体的には,学部・大学院の講義においても,学生らによるグループ形態の活動から探究的,課題解決的な活動を推進し,学生自らが音・音楽にかかわる創作活動に取り組むことを積極的に導入した。
 こうした教育活動の特徴を今後さらに充実させていくことは有意義であると捉えている。その一方で,今日的な課題として,音楽科と他教科・領域との関連を模索した授業の探究を導入していくことも今後の検討課題に掲げている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年4月:『最新『中等科音楽教育法』中学校・高等学校教員養成課程用』(共著) 音楽之友社
論】(1)平成21年6月:『The Importance of Integrated Arts Curriculum for Japanese Students: Increasing Motivation for Learning and Cultivating Self-Expression』(単著) Proceedings of the 7th World Conference of the APSMER ) in Shanghai,2009 pp.473-478.
(2)平成22年3月:『総合表現型カリキュラムの実践への一考察』(単著) 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 教育実践学論集第11号, pp.155-166.
(3)平成22年2月:『「創って表現する活動」から「音楽づくり」へ−星野圭朗の実践をめぐって−』(共著) 上越教育大学研究紀要第29巻, pp.309-319.
(4)平成22年3月:『身体表現活動を取り入れた拍感の体得をめざす試み―小学校低学年の音楽科授業を通して―』(共著) 上越教育大学学校教育センター教育実践研究第20集, pp.27-36.
(5)平成22年3月:『ダルクローズ音楽教育研究「教員養成大学における表現活動の実践の試みと課題」』(単著) ダルクローズ音楽教育研究通巻第34号
(6)平成22年3月:『小・中学校の総合表現型カリキュラムの開発と評価−日米の研究先進校をモデルとして−』(共著) 平成19年度―21年度 科学研究費補助金 基盤研究(C)報告書
発】(1)平成21年11月:『教員養成大学における表現活動の実践の試みと課題』(単) 日本ダルクローズ音楽教育学会
(2)平成21年6月:『The Importance of Integrated Arts Curriculum for Japanese Students: Increasing Motivation for Learning and Cultivating Self-Expression』(単) The 7th World Conference of the APSMER (Asia-Pacific Symposium on Music Education Research) in Shanghai,2009
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)地域における学校の特色を生かした総合表現型カリキュラム開発の研究 代表者:時得 紀子(芸術・体育教育学系) 
(2)身体表現活動を取り入れた小学校音楽科授業の研究 代表者:時得紀子(上越教育大学) 音楽づくり
(3)「創って表現する活動」から「音楽づくり」へ−星野圭朗の実践をめぐって− 代表者:内海昭彦(新発田市立二葉小学校) 「音楽づくり」授業研究会
(4)「言語技能科」における言語表現活動 代表者:本間則昭(校長)(新潟市女池小) 新潟市女池小,上所小学校,鳥屋野中学校(共同研究開発指定校)
(5)表現活動と英語のクロスカリキュラムについて 代表者:時得紀子(上越教育大学) 表現活動と英語のクロスカリキュラム研究会
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)小・中学校の総合表現型カリキュラムの開発と評価−日米の研究先進校をモデルとして− 代表者:時得紀子(研究代表者)(上越教育大学) 科学研究費補助金 基盤研究(C)
(2)Integrated Arts Curriculum for Students: Cultivating Communication Skills 代表者:Noriko Tokie(Joetsu University of Education) The Curriculum Research and Development Association of Integrated Arts Curriculum
学会活動への参加状況
(1)6月24日〜28日 国際音楽教育学会(ISME)第7回アジア環太平洋地区大会(APSMER上海大会)に参加した。
(2)10月3日〜4日:日本音楽教育学会第40回広島大会出席司会も務めた。
(3)7月11日〜12日:日本カリキュラム学会第20回千葉大会出席 司会も務めた。
◎特色・強調点等
 平成21年度は科研基盤(C),小・中学校の総合表現型カリキュラムの開発と評価にかかわる研究の3年間の最終年度であり,研究代表者として他大学及び全国の附属学校教員等と共同した日米比較研究の総括に専念した。
 その成果を国際音楽教育学会上海大会で発表,審査を経て,Proceedingsに投稿論文の全文掲載が許可され,各国の研究者に高く評価された。
 国内ではダルクローズ音楽教育研究学会,著書では教員養成課程用教科書への執筆,論文では学内紀要,学教センター,兵庫連合教育実践学論集への執筆等を通じて成果発表した。
 本学附属中のミュージカル実践への研究協力,学部・大学院の講義等においても科研の成果をあまねく発信した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)長岡市子供のための演奏会, (2)上越市文化・スポーツ振興委員, (3)新潟県教育研究集会(指導講師)
◎社会への寄与等
(1)県内の子供たちに向けた演奏会における企画,ナレーションを担当した。楽曲のバックグラウンドを充分に考察,様々な解釈を総括した上で,小学校低学年にもわかりやすく解説した。
 ナレーションでは,声の抑揚やジェスチャーをふんだんに取り入れた。学校音楽では習得の機会がない難曲も,地域の演奏会において親しみ易いナレーションと共に提供する機会は有意義であることを演奏後の評価からも得ることができた。
(2)上越市内の文化振興に際し,百年に一度の不況下にあって,芸術やスポーツへの支援は特に重要な役割を担う。個人や団体から多くの申請を平成21年度も受けたが,芸術への支援をできるだけ拡大するように委員として尽力した。
 

  
玉 村   恭(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 担当した科目がいずれも必修もしくはそれに準ずる位置づけのものであったため,基本的な知識の伝達を第一の目標とした。ブリッジ科目「音楽」および総合演習「芸術社会教育論」は,ともに限られた時間で多くの情報を伝達しなければならなかったため,取り上げる観点と題材を絞り,学生が今後調査・研究を進めていく上での土台となるよう考慮した教材選択を行った。成績は,知識の習得ができているかに重点を置きつつ,授業態度や参加度といった点も勘案して,総合的に評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
 担当した科目について,基礎的な部分の伝達,知識の大枠の提示はできたのではないかと考える。特に,これから専門を深めていく入口にいる段階の学生に,未知の研究領域があるというだけでなく,手持ちの知識が実は大きな奥行きと幅を持っており,見方と扱い方次第で広い射程を持った研究を展開できる可能性があるという感触を得ている様子が見受けられた。
研究指導
【観点1】学部
 2010年1月着任のため論文指導は担当していない。
【観点2】大学院
 2010年1月着任のため,修士論文の副査と,相談に来た学生に対して個別的な対応を行ったことを除いては,論文等指導は担当していない。
その他の教育活動
(1)多摩美術大学美術学部 非常勤講師, (2)日本女子大学人間社会学部 非常勤講師, (3)法政大学能楽研究所兼任所員。
特色ある点及び今後の検討課題等
 着任して日が浅いため学生の状況等模索する段階であったが,音楽文化を広い視野から捉える視点を持った授業を展開するよう工夫した。具体的には,文化圏ごとの風土や気質の違いに注意を払いつつ敢えて境界を越えた地点から分析を加えること,音楽に限らず美術や舞踊なども視野に入れて人間の文化的活動を総体的に見ること等である。これを踏まえつつ,単なる興味付けの段階を超えていかに研究的な視点を学生に持たせるか,また,生演奏など理論と実践の間をつなぐ部分を授業にどのように取り入れていくかが,今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年10月:『《忠度》の花――修羅能における生と死U』(単著) 死生学研究第12号, 74-93頁
(2)平成21年6月:『世阿弥能楽論研究のあゆみ――その表と裏』(単著) 観世 第76巻6号, 26-32頁
(3)平成21年4月:『Reclusion and Poetry; Reconsidering Kamo no Chomei’s Hojoki and Hosshinshu』(単著) AESTHETICS No.13, pp.153-166.
発】(1)平成22年2月:『芸道思想の可能性――仕舞が〈できるようになる〉とはどういうことか――』(単) 日本音楽教育学会
学会活動への参加状況
(1)7月18日〜19日:哲学若手研究者フォーラム出席, (2)8月8日:能楽学会「世阿弥忌セミナー・外からみた世阿弥の芸論」出席, (3)10月10日〜12日:美学会第60回全国大会出席・運営に参加, (4)10月24日〜25日:日本音楽学会第60回全国大会出席, (5)10月26日:第2回「風雅のまちづくり」国際シンポジウム「〈きれいさび〉から〈まぶさび〉まで」出席
◎特色・強調点等
 主たる専門領域は日本音楽史・思想史であるが,近年の文化のグローバル化,思想の多元的状況を受けて,狭い意味での学問の枠に囚われない広い視野を持って研究を進められるよう務めている。今年度はとりわけ,日本および日本文化に対する「外からのまなざし」に着目し,他分野の研究者や外国人研究者との研究の交流の機会を持った。その際,専門からやや外れる立場からの提言や研究成果に対しても敢えて「評価」を試みるなど,積極的な意見の提示や提言を行った。その成果は論文等で示されているが,これをさらに自分の専門の領域にフィードバックし,研究に深みを持たせることが今後の課題である。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 現代のメディア状況を踏まえた新しい形での芸術文化の入門教材の開発に携わる(日本芸術文化振興会監修ウェブ教材「文化デジタルライブラリー舞台芸術教材能楽編その二」企画立案・執筆・監修に参与)など,学界と一般社会の間をつなぎ,懐の深い芸術文化を育成する活動に寄与を行ってきた。こうした形で専門的知識や最新の研究成果・研究動向を社会全体に開いていくことは,現代社会のニーズに学界がいかに応えていくか,基礎的・基盤的な研究が社会教育という観点からいかなる関与と寄与を行えるかということについて,示唆を与えるものであるように思われる。
 

  
長谷川 正 規(講 師)
 
<教育活動>
その他の教育活動
平成21年度:『教育実習委員』 実習担当校(春日新田小学校,直江津南小学校)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年8月:『Concertino for Solo Tuba and Winds(H.Hoshina)』 氷見市民会館大ホール
(2)平成21年12月:『交響曲第4番(グラズノフ)他 指揮 』 広島市南区民文化センター
(3)平成22年1月:『ブラスコレクション ニューイヤーコンサート2010』 滑川市民交流プラザホール
(4)平成22年3月:『創作音楽劇「くびき野の歌」指揮』 上越文化会館大ホール
(5)平成21年度:『上越地区バンドフェスティバル出演』 上越教育大学附属中学校,上越文化会館大ホール
他】(1)平成21年11月:『新潟日報 夢@niigataきらめきトーク/本学教員として創作音楽劇を指揮することについて』
学会活動への参加状況
(1)6月13〜14日:日本音楽表現学会第7回全国大会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越地区吹奏楽連盟理事, (2)第49回山梨県吹奏楽コンクール審査員, (3)8月:第29回全日本医科学生オーケストラフェスティバル指導, (4)5月〜6月:上越教育大学附属小学校研究協力者, (5)1月〜3月:上越交響楽団指導, (6)3月:第21回西日本医科学生オーケストラフェスティバル指導
 

  
阿 部 靖 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 本年度の授業による教育活動において,従来と異なった取り組みを行ったこととして2点あげられる。まず一つは,学部授業「総合演習(芸術社会教育論)」の授業で,昨年度まで音楽と美術の教員1名ずつで行っていたものを,教員の転出その他の理由により4名の教員で担当したことである。総合演習のような多面的視点が重要となる授業においては,そのような多数の教員による取り込みが意義深いと考える。もう一つは,同じく学部授業「保育・表現の指導法」の授業で,これは新任の教員とともに従来の授業方法を改善して新しい方法で取り組むことができた。また,昨年度から開講された大学院共通授業科目「人間科学と教材開発」は,受講生の大幅な増加により,昨年度の授業形態を変更する必要が生じ,来年度の検討課題となった。
【観点2】教育の達成状況
 本年度の受講生の授業評価を見る限り,いくつかの改善点はあるものの,概ね授業を通したこちらの意図は伝わっていたようである。
研究指導
【観点1】学部
 本授業科目群では,研究セミナーは実技の分野が中心になっているため,直接,卒業研究を指導する学生はいない。しかし,美術教育に関する視点からの助言・指導を適宜学生に行った。
【観点2】大学院
 1名の院生の学位論文を指導した。免許プログラム学生であり,3年間にわたる研究の成果をまとめることができた。強く教員を志望している院生であったため,現代的課題を取り上げ美術教育への提言の形で成果を示すことができた。
その他の教育活動
・教職講座「図画工作」担当
・教育実習研究授業参観及び指導
特色ある点及び今後の検討課題等
 美術という教科の特性である非言語による表現(制作を中心とする実技)と,論文という言語による表現の両方を指導しながら,研究をまとめさせている。今後は,さらに,美術以外の人にもわかるような表現方法を自らも高めながら,指導に当たりたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年3月:『教師教育における「アート」教材開発の試み』(共著) 日本教育大学協会研究年報 第28集
(2)平成22年3月:『教員養成学部学生の表現・コミュニケーションに関する実習授業について(3)』(共著) 上越教育大学研究紀要 第29巻
作】(1)平成21年5月:『Hurry up! A food Shortage.』 第19回国際ビエンナーレ「ユーモアと風刺」展, ブルガリア
(2)平成21年6月:『かくれんぼ』 第8回日本美術家連盟新潟県会員展, 新潟
(3)平成21年7月:『かくれんぼ イナイ イナイ バアー』 第10回桜の森彫刻コンクール, 秋田
学会活動への参加状況
(1)平成22年3月27日:美術科教育学会第32回仙台大会出席
◎特色・強調点等
 本年度の研究活動は,制作を通した美術教育へのアプローチと,論文による「表現・アート」教育へのアプローチに分けられる。自分自身の実技制作をもとに子どもたちの美術活動について考察することは,美術科教育の方法として重要であると考えられる。そして,造形的制作をさらに拡大させた「表現」や「アート」という切り口で,美術科の枠を超える研究を理論的に行う必要性も感じている。今後さらに研究を発展させていきたい。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県森林審議会委員, (2)上越市建築審査会, (3)上越市建築紛争調整委員会委員, (4)上越市景観審議会委員, (5)上越市発明工夫・模型工作展実行委員会委員, (6)上越市発明工夫・模型工作展審査委員, (7)上越市少年少女発明クラブ指導員, (8)妙高市夏の芸術学校講師, (9)里やま学校講師, (10)教員免許状更新講習講師, (11)附属中学校研究協力者, (12)上越市美術資料収集委員会委員
 

  
 石 次 郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業中に作った作品の出来上がりではなく,制作中に思考することが大切で,それを評価している。そのために,制作中の様々な出来事についてその意味を解説するようにしている。
【観点2】教育の達成状況
 観点1で述べた取り組みを,受講生全員が理解することは難しいが,理解できなくとも疑問として残り今後の学習に反映しているようである。
研究指導
【観点1】学部
 美術や工芸の制作を伴う研究と学校教育での子どもの学びとの間にある共通点を身体的に理解すること,つまり美術とは何かを理解することを目標にしている。
【観点2】大学院
 [観点1]で述べたことに加え,自分自身の制作や関心事を研究の中心にテーマとして据え,作ることや考えることの思考を深めることを目的としている。
その他の教育活動
・免P大学院生及び学部生の教育実習における学生指導
・教職講座
特色ある点及び今後の検討課題等
 研究指導でも述べたが,美術や美術教育を作品制作・作品鑑賞などの狭い範疇で捉えるのでなく,人間が考え学び作り=生きる活動の根幹にあることを経験的に理解することを目標にしている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年7月:『思考形態』 出石美術館
(2)平成21年12月:『アイロニーの陶絵皿5点』 東京国立近代美術館工芸館
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)大学院授業「意味生成表現と教材開発」でのワークショップ及び協議会 代表者:高石次郎 高志小学校
学会活動への参加状況
(1)9月26日:大学美術教育学会第48回研究発表大会出席
国内外の学術賞の受賞状況
(1)平成21年11月:企画展「現代工芸への視点−装飾の力」展 出品依頼(東京国立近代美術館):21世紀における工芸制作と表現活動の可能性を29名の作家の作品で探る。
◎特色・強調点等
 美術教育の今日的課題に対応するために情報収集・協議に参加した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)第50回新潟県絵画・版画コンクール審査委員, (2)上越市美術展運営委員, (3)公開講座講師「陶芸―加飾に凝った器を作る」, (4)NPO団体南部ルネッサンス協力, (5)「馬上杯」制作協力(上越青年会議所)
◎社会への寄与等
 専門の美術工芸の知識を地域社会に還元することにより,地域のより良い文化の発展に寄与することを目的とする。
 

  
西 村 俊 夫(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教科に関する科目の講義(現代デザイン論他)の授業では,毎回講義資料を配付すると共に,講義内容の理解を深めるためビデオ等の映像資料を使用している。実技・演習の授業(造形基礎B/D,木工芸研究他)では,特に何をつくるかを考えるプロセスを大切にしている。具体的には,一人ひとりのテーマに則した資料の収集と整理,アイデアスケッチ・模型の作成,ディスカッションなどを行っている。制作活動では,道具の使い方や部品の組み立て方などに一人ひとりの工夫がみられるように支援を行っている。実習・演習の授業では,制作プロセスでの様々な工夫や発見の状況などを評価項目に加え,総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
 実技・演習では,教材を開発する能力の育成を目的に授業を進めているが,素材を介しての問題解決の体験等を通して概ねその力がついているように思う。ゼミ卒業・修了生の進路は以下の通りである。学部卒業生は1名で,臨時採用教員として新潟県に赴任した。修士課程修了生2名で,1名は東京都からの現職派遣教員であり,もう1名は民間会社に就職している。
研究指導
【観点1】学部
 4年のセミナーでは,木材を使用した作品(椅子)の制作を軸とした卒業研究の指導を行った。卒業研究では,作品制作プロセスを記録するとともに関連する文献・資料の分析を同時に進め,それらを統合した卒業制作ノートの作成を指導した。
【観点2】大学院
 修士課程のセミナーでは,それぞれの研究テーマにそった個人発表及びディスカッションを行い,2年生の大学院生に対しては修士論文作成の指導を行った。博士課程においては,3名のゼミ生それぞれの研究テーマにそった学会口頭発表・投稿論文作成の指導と博士論文作成の指導を行った。
その他の教育活動
 学部4年生のゼミ生が行った教育実習における研究授業に参加した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 美術授業の他に学部全学必修の相互コミュニケーション科目,大学院共通科目(教材開発と評価に関する科目)など多様な授業を行っている。大学院共通科目では,地域の小学校の協力を得て受講生が十分な論議の上で計画した研究授業を行うという実験的授業を行っている。研究室には,博士課程,修士課程,学部それぞれの学生がおり,常に熱心な教育・研究に関する交流が行われている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年3月:『小学校図画工作科における「木」を素材とした造形教材の教育的意義について』(共著) 美術教育学(美術科教育学会), 第31号, pp.319-328
作】(1)平成21年9月:『関係の椅子09』 第73回新制作展, 国立新美術館
学会活動への参加状況
(1)9月25日〜9月27日大学美術教育学会愛知大会出席, (2)3月14日:大学美術教育学会拡大理事会出席, (3)3月27日〜28日美術科教育学会出席, (4)大学美術教育学会監事
◎特色・強調点等
 新制作協会スペース・デザイン部会員として,第73回新制作展において一般出品作品の審査を行った。また,大学美術教育学会で監事を務めたことなど学会及び美術教育の発展に努力した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術展運営委員, (2)第50回新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査, (3)第73回新制作展スペースデザイン部審査
◎社会への寄与等
 上越市美術展運営委員や新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査員を努めることなどを通して,新潟県並びに上越市の美術活動と美術教育の発展に寄与した。
 

  
福 岡 奉 彦(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 油彩画及び版画の実技指導では,ビデオにおける実技の指導を加えた上に,オリジナル作品を見せることにより,表現によるイメージの拡大を目指した。成績評価面では,指導者のみで評価するのではなく,絵画にかかわる他の教員も参加し,学生たちの作品説明及び成り立ちの発表をもとに,評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
 受講生による授業評価を見る限りでは,新しい表現方法を獲得したことへの満足感が伺われた。
研究指導
【観点1】学部
 セミナーでは,授業で獲得した技法をもとにして,イメージを拡大させ,大学=社会=美術館の観点から,作品を発表する機会を与えている。
【観点2】大学院
 セミナーでは,授業で獲得した技法をもとにして,イメージを拡大させ,大学=社会=美術館の観点から,作品を発表する機会を与えている。また,各自の目的によっての資料収集に努め,新しい観点からの学位論文に至るように指導をした。
その他の教育活動
 学部3年生の教育実習及び4年生の教育実習において,研究授業の参観と指導を行なった。
特色ある点及び今後の検討課題等
 大学と美術館の関係が薄い中,全国の大学生との交流を行なうことで,幅広く表現の領域を知るように努めている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年4月:『アネモネ』開廊20周年記念小品展 ギャラリーヒルゲート
(2)平成21年5月:『窓』F100号他2点 独立の8人展 ギャラリーユニコーン
(3)平成21年7月:『月と屋根』F20号他2点 Present−時−展 ギャラリーヒルゲート
(4)平成21年10月:『幻化』F200号 第77回独立美術協会展 新国立美術館及び地方巡回展
(5)平成21年12月:『ダリア』S0号 ベイリーさんのオマージュ展 みゆき画廊
(6)平成22年1月:『久遠夢期』F100号他2点 EVOLUSION展 日本橋高島屋他 大阪, 京都, 名古屋を巡回
◎特色・強調点等
 独立美術協会(新国立美術館)の会員としての発表とともに,全国の画廊の企画展に参画している。ギャラリートークなどを通して,教育的活動も行なっている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県立近代美術館及び万代美術館の収集委員会委員, (2)独立美術協会全国公募の審査委員, (3)長岡市民美術展の審査委員, (4)上越市民美術展の補助
◎社会への寄与等
 新潟県における美術館への作品収集に関わる事により,文化的貢献を行なっている。また,全国公募の審査にかかわり,日本の絵画の向上に貢献している。更に,長岡市展の審査で市民の絵画教育に貢献している。
 

  
五十嵐 史 帆(准教授)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年3月:『木工作品 maru−wan』 第49回 日本クラフト展
他】(1)平成22年1月:『新聞記事「素材のおもしろさ体感 上教大学生の指導で図工授業」/大町小学校における実践授業の報告』 上越タイムス(2010.01.15)
学会活動への参加状況
(1)9月26日:大学美術教育学会第48回研究大会出席
 

  
洞 谷 亜里佐(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 「ものを見ること,対象と対話することからの写生描写」に重点をおき,写生による発見の楽しさや表現することへの神髄に迫ることで「自分らしさとは何か」という主観的な表現方法を模索していく授業の展開に心がけた。
 ブリッジ科目「図画工作」では,自然を観て,感じることから自分自身を探る表現を試み,描く行為から絵画表現の可能性についての作品作りを行ってみた。
 「表現・<子ども>の活動」は80人授業という大人数のためグループに分かれた指導を行い,学生同志での研究チェックを行うと共に,ティーチングアシスタントの協力により,個々の表現への助言に気を配ることができた。ここでは言葉以外のコミュニケーションの授業として様々な角度から身体を開放して自分を表現する活動を行った。
 「絵画表現」「伝統絵画と鑑賞」では,日本画,東洋絵画を精神性,表現技法,素材などの多方面からの分析を文献や作品を通して研究し,模写などで追体験をすることで,古典絵画を読み取ることを試みた。
 「日本画研究」では,日本画の素材研究と表現の可能性について自由制作の上で展開していった。
研究指導
【観点1】学部
授業以外の積極的な研究活動の成果として,平成21年10月上越市展入選(2名)
【観点2】大学院
授業以外の積極的な研究活動の成果として,平成21年10月上越市展入選(2名・内1名日報賞)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年5月:『夢』(F20号)雄雄会  第9回雄雄会 銀座松坂屋(名古屋)
(2)平成21年9月:『海人』(変150号)再興第92回院展 東京都美術館 各地巡回
(3)平成21年9月:『華』(F15号)他10点 アートギャラリー万代島 新潟市
(4)平成22年1月:『姉妹』(M50号) 2009長湫会 日本橋高島屋 名古屋巡回
(5)平成22年2月:『日溜まり』(F30号)他2点 教員展 上越大和
(6)平成22年2月:『ナヴィリオ』(F30号)うづら会 日本橋三越 名古屋巡回
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)タイ トヨタ財団 アジア隣人ネットワークプログラム −タイ・ラオスにおける伝統壁画技法の再構築にむけてのネットワークの研究− 代表者:丹羽 洋介(富山大学)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成21年9月:「古径の楽校」小中学生の日本画指導(上越市主催), (2)平成22年2月:第50回新潟県児童生徒絵画コンクール審査員, (3)妙高夏の芸術学校日本画講師, (4)上越市美術展覧会運営副委員長, (5)小林古径邸記念美術館運営委員
 

  
松 尾 大 介(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 授業の導入では,各学生に動機を持たせたうえで実習等に取り組めるようレクチャーしている。造形表現における立体と平面との特質の違いに着目させながら,立体的に形象化する際の素材に向けた行為と,心的内容との結びつきについて理解させるように配慮している。授業の内容が彫刻分野だけにとどまらず,様々な表現に生かされるよう留意している。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価では,制作過程における試行錯誤を重視している。また最終日には作品を展示し,合評会を開くことで教員と学生の多様な考えに触れながら,客観的な評価が得られるよう留意している。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 研究生1名は非常勤講師(臨時採用)の教員として採用された。
研究指導
【観点1】学部
 今年度,研究室の学部生はいなかった。
【観点2】大学院
 大学院1年1名は,本学生のこれまでの彫刻制作の経緯に基づき,テラコッタを中心とした素材の特質に着目した,実証的制作研究に取り組んだ。研究生1名は,モチーフの内部構造の把握と具象彫刻のリアリティに関する研究を深めた。
 また,教材開発の延長として学生の実技能力を向上させるよう配慮し,全国的な展覧会への出品を支援した。研究生1名は二紀展(全国公募,国立新美術館)出品し,二紀会同人に推挙された。大学院1名は,国展(全国公募,国立新美術館)へ入選した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 平成16年度から信州大学との研究協力として学生による合同美術展覧会を毎年開催している。単なる作品発表の場ではなく造形表現活動を通じて地域の人々や学生自身が,美術の果たす役割や生活との結びつきを考える場となるよう配慮している。今年度は5年間の活動の経験を積んだ学生の成長をふまえ,作品の発表に併せて,学生たちに自身の表現活動について論考を課し,研究報告書としてまとめた。報告書は展覧会場で掲示し,他大学等の研究機関にも配布した。一連の活動は,色や形を通じて考える美術表現の意義について,お互いに語り合い,共有できるものとなった。今後も制作研究を研究報告書としてまとめることで,学生たちの実証的研究が深められるよう支援していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年4月:『焼却炉,或いは内燃体』 国展(国立新美術館)
(2)平成21年8月:『畜』 「第2回中之条ビエンナーレ」(中之条町/群馬県)
(3)平成21年11月:『内燃態』 「第2回次代を担う彫刻家たち展」(長泉院付属現代彫刻美術館)
(4)平成21年12月:『小さな焼却炉』 「第33回国画会彫刻部の試み展−コラボレーション−」(東京都美術館)
◎特色・強調点等
 第33回国画会彫刻部の試み展で実施された国画会彫刻部トークイン(東京都美術館)では,団体の枠を超えた表現の交流・美術運動となるよう配慮されている。他団体の作家等を招待し,交流作品展及びギャラリートークが開催された。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術収集委員, (2)第83回国展の審査及び運営委員, (3)「妙高夏の芸術学校」における小学生を対象とした造形表現活動の講師, (4)「妙高市文化ホール『夏』文化体験プログラム」の企画及び指導
◎社会への寄与等
 「妙高市文化ホール『夏』文化体験プログラムでは,音楽分野上野准教授とともに企画・運営に従事した。「手とカラダで音を創ろう」をテーマに近隣の小学生対象の造形表現活動および演奏会を行い,地域の文化的関心の向上に寄与した。
 

  
安 部   泰(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
 個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。
研究指導
【観点1】学部
4年生:卒業研究「透明パネルの層による平面表現」・・・作品制作,制作レポート。
 ※制作指導及びレポート作成の指導。
3年生:「視覚トリックを利用した表現の研究」及び「ピクトグラムの制作研究」
 ※個人的な観点から公的な価値を意識させていくよう指導。そのうえで,卒業研究テーマを絞り込ませていく。
【観点2】大学院
 3年生(免P)・2年生:修士論文『「鑑賞すること」と「表現すること」の連続する関わりについて―鑑賞を切り口に表現を捉える―』,『高等学校におけるデザイン教育についての一考察―装飾の効果を活かして―』
 1年生:「イラストの研究」→「児童文学における挿絵の研究」→「叙情画・童画の研究」→「童画の研究―武井武雄を中心として―」
特色ある点及び今後の検討課題等
 専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年1月:『Barrior to Observation』 愛知県立芸術大学芸術資料館
(2)平成21年2月:『みんなイワナみんな同じ?』 中部クリエーターズクラブ ポスターエキシビション
(3)平成22年2月:『上越教育大学美術教員展』 上越大和4階アートサロン
発】(1)平成21年3月:『「水辺」に目を向けさせるイラストレーションの研究(1)』(単) 日本デザイン学会第三支部
他】(1)平成21年9月:『上越教育大学芸術系コース「美術」HP作成/ホームページ作成』 上越教育大学HP
(2)平成21年度:上越教育大学広報誌「JUEN」デザイン・監修
学会活動への参加状況
(1)6月26日〜6月28日:日本デザイン学会第56回春季研究発表大会出席, (2)3月21日:日本デザイン学会第三支部研究発表会出席, (3)1月21日:愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程生研究発表
◎特色・強調点等
 視覚デザインの一分野として,イラストレーションの制作・研究を行っている。テーマを『「水辺」に目を向けさせるイラストレーションの研究』とし,主に魚をモチーフとした手描きのイラストレーションを制作しながら,人々に環境について考えさせることを目的としたグラフィックの制作を目的としている。この研究テーマについては,現在所属している愛知県立芸術大学大学院博士後期課程の研究課題とも関連している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)3月〜3月:上越市美術展覧会運営委員, (2)7月〜8月:「妙高夏の芸術学校」小学生コース講師, (3)10月〜11月:「妙高色彩ジュニア芸術展」審査員
◎社会への寄与等
 上越市美術展覧会運営委員は,上越市役所生涯学習課より専門の知識を有する者として依頼されているものである。
 「妙高夏の芸術学校」小学生コース講師及び「妙高色彩ジュニア芸術展」は,妙高市より前者は小学生の実技指導者として,後者は作品の審査員として依頼されているものである。