【生活・健康系コース】
 

 
市 川 真 澄(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 実技授業の指導に関しては,言語による指導のみでなく,高速カメラなどの機器を用いて,自己の実技技能習得状況を視覚によって得ることのできる方法を構築している。理論の授業においては,マルチメディア機器を活用して授業を展開し,授業内容の理解を容易にしている。また,学校現場との関連性を重視し,指導実践とのかかわりについて重点をおいて授業を展開した。
【観点2】教育の達成状況
 実技教育に関しては,バイオメカニクスの知見を根拠にした授業内容を実施し,学生の評価および提出されたレポートの内容から,目標とした運動技能の習得と理解が達成されたものと考えられる。講義に関しても,難解な内容に関しても運動指導実践との関連について重点をおいて講義した結果,十分な理解が達成されたものと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
 学部3年次の学生に対しては,バイオメカニクスの基本的知識の習得に重点を置いて指導している。第1に,バイオメカニクスに関する文献を読み,専門用語の理解と研究の歴史的な流れについて理解する。第2に,バイオメカニクスに関する研究に必要な測定手法を習得させる。第4年次の学生に対しては,卒業研究を行うために必要なバイオメカニクスに関する測定テクニックの専門的トレーニングを行うと同時に,卒業論文を作成するための方法について個別的な指導を行っている。
【観点2】大学院
 修士課程1年次の学生には,まず自己の研究テーマを決定し,そのテーマに関するバイオメカニクス的な測定に関する専門的手法を指導するとともに,研究テーマに関する関連論文の検索,講読,発表を行わせ,修士論文作成のために必要な事項について重点的に指導している。第2年次の学生に対しては,修士論文完成のための指導を個別的に行っている。また,修士論文に関する研究を円滑に行うために必要な実験装置等を最新なものにするように,予算的な面からも最大限に努力している。
その他の教育活動
・名古屋リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 学部における陸上運動および陸上競技の実技系授業においては,各教材の指導方法を中心に授業を展開した。特に,授業中に毎秒300フレーム撮影可能な高速カメラを用いて自分自身の運動フォームを観察・検討する試みを行った結果,学生の示範能力の向上に効果が得られた。講義系の授業においては,新学習指導要領における体育科の特徴である「教える内容の明確化の重視」に沿って各運動をバイオメカニクスの視点から解説することに重点を置いた。これらの点については,今後さらに工夫を重ねて授業内容を充実する必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成21年11月:『スノーボード滑走姿勢における脚の屈曲伸展動作と荷重・角づけ角度の関係』(共) 東海体育学会
◎特色・強調点等
 平成21年度においては,スノースポーツの集中授業の教材のひとつであるスノーボードのバイオメカニクス的研究に重点を置き,バイオメカニクスの主要な研究方法であるキネマティクスとキネティクスの両面から分析を行い,指導実践に役立つ研究成果を得た。その結果,スノーボード初級者に対する新しい指導法の提案が可能な段階まで研究を進めることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)12月:全日本スキー連盟指導者研修会講師, (2)12月:全日本スキー連盟スノーボード指導者研修会講師, (3)12月:愛知県スキー連盟スノーボード指導員養成講習会講師, (4)2月:第6回東海北陸スノーボード技術選手権大会検定員, (5)2月:愛知県スキー連盟スノーボード準指導員検定会講師, (6)3月:愛知県スキー連盟スノーボードバッジテスト会検定員, (7)8月:平成21年度教員免許状更新講習講師
◎社会への寄与等
 全日本スキー連盟スノーボード振興部に所属するスノーボード技術員として,東海北陸ブロックのスノーボード指導員やスノーボード準指導員に対して,スノースポーツの講義やスノーボードの実技指導を行った。また,本学学生の他に,一般社会人に対してスノーボードの指導を行い,練習成果を確認するためのスノーボードバッジテストの検定員を行い社会に寄与した。また,妙高市が主催する森林セラピー指導者養成に関わり実技指導や身体と運動に関する講義を行った。
 

  
伊 藤 政 展(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育心理学,体育心理学特論の授業では,体育・スポーツの学習における付加的フィードバックや示範の効果的利用法に関する最新の理論と研究成果を取り込み,年少者を対象とした体育・スポーツの学習指導上の諸問題について問い直す努力をするとともに,生態学的知覚論の視点から感覚統合を促す運動遊具や運動遊びについて積極的な討論を行った。また体育心理学実験,体育測定評価の授業では,データの収集をとおしてそれらの解析方法と解釈の仕方を理解させるとともに,各自の研究成果の発表をとおして研究会や学会におけるプリゼンテーションの在り方について学ばせた。
【観点2】教育の達成状況
 「学生による授業評価アンケート」の集計結果によれば,成績評価の責任を持つ授業科目のすべてにおいて評価点は平均が4.0以上であり,概ね当初の目標は達成できたのではないかと考える。「よくわかる授業」,「全員が参加できる授業」を心がけたことの現れであろう。
研究指導
【観点1】学部
 卒業論文2件の指導に当たった。卒業論文では,運動技能の学習における自己調整フィードバックの効果と付加的フィードバックの呈示量の効果に関する問題を追及した。また体育心理学を選択したゼミ生とともに,体力・運動能力の発達に関する専門書を講読し,それらを高める運動課題について理解させるとともに,研究課題に関連する学術論文を輪読し,研究の進め方について学ばせた。
【観点2】大学院
 修士論文6件の指導に当たった。修士論文では,授業実践を通して,運動有能感と集団凝集性に及ぼす長縄とびやタイムリミットリレー走の効果,運動能力の発達に及ぼすお手玉の効果,運動学習におけるモデル映像とKP映像の同時呈示の効果等について追求した。また体育心理学を選択したゼミ生とともに,年少者の身体運動の制御と学習及び身体運動と動機づけに関する専門書を講読し,年少者の心身の健康に及ぼす身体運動の効果について理解させるとともに,研究課題に関連する学術論文を輪読し,研究の進め方について学ばせた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成21年11月:『ボールジャグリングが児童の目と手の協応性に及ぼす効果』(共) 日本スポーツ教育学会
(2)平成21年11月:『中学校の体つくり運動における長なわとび運動が生徒の集団擬集性と運動有能感に及ぼす影響』(共) 日本スポーツ教育学会
(3)平成21年11月:『小学校の陸上運動における「タイムリミットリレー走」が児童の運動有能感に及ぼす効果』(共) 日本スポーツ教育学会
学会活動への参加状況
(1)8月26日〜28日:日本体育学会第60回大会出席, (2)11月6日〜8日:日本スポーツ教育学会第29回大会出席, (3)日本スポーツ心理学会理事, (4)日本体育学会編集「体育学研究」編集委員, (5)日本スポーツ心理学会編集「スポーツ心理学研究」編集委員
◎特色・強調点等
 心理学的視点から学校体育の指導に還元できる研究を行った。特に,動作の巧みさの発達における伝承的運動遊びの効果について検討を加えた点に特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)日本学生氷上競技連盟副会長, (2)財団法人日本体育協会公認スポーツ指導者養成講習会心理部門講師, (3)出前講座の開設(2件), (4)北信越学生氷上競技連盟会長
 

  
直 原   幹(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育分野において,運動学,武道学および体力学を指導する中で学校現場での指導実践・体験を有機的に融合させた指導プログラム開発し(1)教育実践力に富む教員の養成,および(2)地域の体育教育・スポーツ活動の支援を目指した。(1)については,大学院の「実践場面分析演習T・U」と学部の「実践セミナーT・U」を融合させた授業において,近隣の小・中学校との連携に努めることにより教科臨床的研究の機会を増やし,指導実践力を高める努力を行った。さらに,新しい教員養成カリキュラムの開発にも努め,その成果は夏季に開催された教員免許状更新講習における教科「体育」領域の講習プログラムにも活用した。(2)については,大学課外活動の運動部活動を顧問する中で個人的に学生を引率して上越市内の剣道大会の運営を支援した。
 その他,教育方法面での取り組みでは,例えば,教員免許状「保健体育」取得上で必修となっている「解剖生理学」の授業評価では,「自身の取り組み」のうち「意欲的に取り組んだ」に対して,「はい(5)・(4)」で85.7%の回答が得られ,学生の良好な受講態度が伺われた。また,「授業の方法」のうち「話し方は分かりやすい」「教材の適切な配布」「板書等のわかりやすさ」「教え方」に対して「はい(5)・(4)」がそれぞれ75,67.9,67.9,89.3 %という回答割合であった。「授業の内容」についても,「内容がわかりやすく整理」:89.3%,「目標の明確さ」:82.2%,「難易度」:85.7%,「興味深い内容」:89.3%,「満足」:96.4%が「はい(5)・(4)」であった。おおむね良好な結果と考える。このような「学生による授業評価アンケート」集計結果を参照し,当該授業科目の改善のための課題・方策については,「授業の内容」の結果で「はい(5)・(4)」が82〜96%であったのに対し,「授業の方法」の結果で「はい(5)・(4)」が67〜89%とやや低かったことから,次年度は教材配布や画像の呈示方法を工夫する必要があると考えている。一方,前年度と同様に,免許取得プログラム履修者,他コースからの副免許取得希望者および保健体育専攻学生における身体教育に関する素養にばらつきが大きい実態がある。次年度以降も教材を工夫して対応したいと考える。
【観点2】教育の達成状況
 修士論文1編,卒業論文3編を指導,提出した。論文指導を担当した2009年度大学院修了生1名は,新潟県公務員に採用された。また,学部卒業生3名については,新潟県小学校教諭正式採用,福井県小学校教員講師採用,長野県一般企業に正式採用という結果であった。
研究指導
【観点1】学部
学部3年生4名の卒業研究指導として週1回のセミナーおよび学部合同のセミナーを週1回実施した。学部4年生については週2回のセミナーおよび随時の論文執筆指導を行った。4年生3名は,保健体育分野運動学領域の卒業研究3編を提出,受理された。研究テーマは,「スポーツ少年団における剣道練習の運動強度に関する研究」,「教員養成系大学におけるドーピングに関する意識調査研究」および「サッカーにおける心臓震盪予防の視点からみた胸トラッピングの指導法に関する研究」であった。それぞれ,各分野における興味深い知見を得た。また,学部3年生については,各人の関心領域に係る基礎的知識についての情報収集と論文へのまとめ方について指導を行った。
【観点2】大学院
大学院2年生4名(免P3名を含む)および1年生2名(免P2名)の修士論文指導を随時行った。修士論文提出者は1名であり,「柔道学習における体さばきシートの活用と背負い投げの上達過程に関する実践的研究」として提出,受理された。本研究は,教科臨床的視点からみて学校体育における「武道」必修化へ向けた基礎的知見となりうる興味深い実践的研究であった。その他の5名については,各人の関心領域に係る基礎的知識についての情報収集と論文へのまとめ方について指導を行った。
その他の教育活動
(1)平成21年度教員採用試験直前実技指導 90分×4回
(2)教育実習における学生指導(実習校訪問2回,授業参観および指導6回。)
特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学の研究内容,授業内容等において教科臨床的視点に立った専門内容の再構成化を試みている。特に,(1)日本の型文化からみた現代の子どもの体の拘束性,(2)武道教育からみた「いじめ」と「フザケ」,(3)東洋的体育の再構成化と身体開発,(4)学校現場における対人的な危機回避能力の育成等,東洋的な身体運動文化の学校教育における今日的意義を検討している点に特色がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成21年11月:『居合道演武』 第49回新潟県居合道大会
(2)平成21年6月:『居合道演武』 第33回東北日本居合道大会
(3)平成21年11月:『居合道演武』 第15回凌雲館居合道演武富山大会
(4)平成21年11月:『居合道演武』 第14回関東甲信越居合道大会
(5)平成21年5月:『剣道演武』 第105回全日本剣道演武大会
(6)平成21年1月:『居合道演武』 第105回全日本剣道演武大会
(7)平成21年4月:『居合道演武』 第34回全国各流宇和島居合道大会
(8)平成21年6月:『居合道演武』 第4回全国各流居合道さくらんぼ大会
(9)平成21年8月:『剣道試合』 第51回全国教職員剣道大会
(10)平成21年5月:『第51回北信越学生剣道選手権大会』 新潟大学
(11)平成21年9月:『第51回北信越学生剣道優勝大会』 福井県立武道館
(12)平成21年11月:『第47回北信越学生剣道新人大会』 信州大学松本校舎
(13)平成21年12月:『第6回全日本学生剣道オープン大会』 仙台市体育館
(14)平成21年度:『剣道部顧問』 学内 柔剣道場
(15)平成21年度:『柔道部顧問』 学内 柔剣道場
(16)平成21年度:『少林寺拳法部顧問』 学内 柔剣道場
学会活動への参加状況
(1)9月 日本体育学会出席, (2)8月 日本武道学会出席, (3)9月 日本体力医学会出席
◎特色・強調点等
 武道の技術特性(構え―攻防)に関する先行研究では,武道技術の客観化という視点から様々なバイオメカニクス的研究が,大学生の競技選手を対象になされてきた。そこでは,武道選手の技術特性とそのパフォーマンスを人の筋・骨格系の生理現象と捉え,スポーツ競技場面に適応されるべき運動力学的な合理性の立場から議論されたものが多かった。その理由として,戦後禁止されていた武道の競技化と普及という時代背景から,特にスポーツ科学的な合理性を重視する傾向があったためと考えられる。しかし,武道における技術特性をスポーツ競技としての側面からみる研究に加えて,さらに日本固有の伝統的な指導法の運動学的価値を自然科学的な知識として明確にすることができれば,今後の学校体育における身体教育の新しい分野を開発できるその基礎ともなろう。本年度の研究成果では,従来のスポーツ競技としての側面からみた研究に対して,武道の伝統的な言語教示と姿勢調節系の制御様相の関係を定量的に実証しようとしている点に特色がある。また,学習指導要領の改訂に伴い必修化された「武道」の今後の課題に関連しても有益である点に特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:平成21年度 コンソーシアム新潟 教員免許状更新講習, (2)上越教育大学学校コンサルテーション推進事業, (3)8月:上越教育大学・信州大学間の連携協力個別事業地域貢献事業「剣道で培う心・技・体」, (4)2009年度上越教育大学附属中学校教育研究協議会指導者, (5)8月:第83回謙信公祭奉納武道大会, (6)2月:東日本第20回如月剣道大会, (7)2月:第37回建国記念剣道大会, (8)11月:第31回全国スポーツ少年団剣道交流大会新潟県予選, (9)11月:第31回全国スポーツ少年団剣道交流大会新潟県予選, (10)12月:第28回修錬館少年剣道大会, (11)10月:第56回全日本学生剣道優勝大会, (12)9月:平成21年度新潟県高等学校秋季地区体育大会, (13)5月:平成21年度新潟県高等学校春季地区体育大会, (14)7月:第44回全日本少年剣道錬成大会, (15)7月:平成21年度全日本少年武道錬成大会, (16)7月:第57回全日本学生剣道選手権大会, (17)6月:第18回新潟県女子剣道選手権大会, (18)6月:第38回県央少年少女剣道大会, (19)5月:第23回新潟県少年剣道錬成大会全国予選錬成大会, (20)4月:第74回上越少年剣道大会, (21)11月:第28回全日本女子学生剣道優勝大会, (22)12月:第12回潮風旗争奪柏崎剣道大会, (23)3月:第31回飛燕旗争奪剣道大会, (24)2月:第10回日本剣道形柏崎大会, (25)12月:第34回高田剣道スポーツ少年団親善剣道練成大会, (26)4月〜10月:平成21年度小学校教員資格認定試験実施委員, (27)高田剣道スポーツ少年団代表
◎社会への寄与等
 上越地域の児童の健全育成に寄与するため,以下のような剣道を通じたフレンドシップ的な活動および新潟国体に向けた技術強化委員長としての錬成稽古会を,本学学生と共に年間150日以上実施した
(1)平成21年5-7月:上越市少年剣道教室開催, (2)平成21年7月:新潟県夏季剣道講習会(新潟県剣道連盟)指導講師, (3)平成21年8月:上越教育大学・信州大学間の連絡協議会(地域貢献部会)個別事業(少年剣道交流フレンドシップ)実施, (4)年間:上越地区小・中・高校生剣道強化練成会指導(年間24回), (5)年間:上越市内在住の幼児・児童の剣道指導(スポーツ少年団,週2回/年間), (6)年間:県内の各種剣道大会に審判員として協力参加, (7)年間:高齢者を対象とした早朝剣道稽古会主催(週1回/年間), (8)その他:全日本学生剣道連盟理事,全日本学生剣道連盟事業委員会委員,北信越学生剣道連盟理事,新潟県剣道連盟審議員,全上越剣道連盟常任理事,上越市剣道連盟理事長,高田修道館館長,NPO法人上越市体育協会理事。
 

  
榊 原   潔(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 どの授業も小学校や中学校で体育の授業を行うことを想定した授業内容にしている。講義でも,調べる,話し合う,発表する活動を多くしている。
【観点2】教育の達成状況
 学生による授業評価アンケート結果によると,内容や満足度は4.0程度の評価を得ている。概ね達成されていると思われる。
研究指導
【観点1】学部
 学生が日頃から疑問に思っていることや興味・関心のある事柄を研究対象として,卒業研究としてまとめるよう,指導している。
【観点2】大学院
 学生が日頃から疑問に思っていることや興味・関心のある事柄を対象として,運動学的観点から検討すること,それを指導に生かすかことを大切にしながら,修士論文としてまとめるよう,指導している。
その他の教育活動
・新潟工科大学非常勤講師 体育実技講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 小学校の体育授業を想定した内容で授業を構成しているが,学生の中には小学校教員にならない学生も存在する。今後は,そのような学生にも配慮した内容を構築する必要がある。また,スマートボード,ipadなど新しい教育機器にも対応した教材作りが必要になるであろう。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越地区山麓線サッカーリーグ運営支援, (2)公開講座講師「少年少女スポーツ教室(山屋敷サッカークラブ低学年)」, (3)出前講座講師「体つくり運動を取り入れた授業実践研究」, (4)平成21年度教員免許状更新講習講師「身体教育の実践理論U」
◎社会への寄与等
 自分の専門分野である,運動遊びやサッカーに関する研究成果を社会へ還元しようと考えている。
 

  
清 水 富 弘(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 「スポーツ実践」の水泳を担当している。受講生の技術・能力レベルが授業開始時点で大きく異なり,それが学生相互にも認知しやすい特徴がある。そこで各レベルの学生個々の動機付けを高めるため,泳げない者を泳げるように保証する「水泳教材データベース」を作成し,水泳能力の評価,分析および指導教材を提供し,学生の水泳に関する問題解決を支援した。また,授業では能力レベル別のグループを作り,グループごとに達成可能な課題を提案している。また夏休みに補講を実施し,泳ぐ技術習得に時間のかかる受講生に対し,その結果を出すことを重視している。その他集中授業の「マリンスポーツ」「野外運動B(カヌー)」では,シラバス,全体ガイダンス,受講者ガイダンス,学内実習,本実習というステップを経ることで本実習までに野外教育に必要な情報,方法を段階的に伝えることを重視している。大学院でも上記と同様の「到達度評価」を実施しているが,特に指導理論と自己の能力との融合を重点的に捉えさせている。また,自己の課題も学部より多岐にわたるよう工夫している。
【観点2】教育の達成状況
 小中学校の教師に必要な体育実技・指導能力の1つに水泳がある。また小中学校の教員採用試験にもほとんど水泳が課せられる。このため,学部授業「スポーツ実践」の「水泳」を担当しているが,前期授業において水泳初心者には100m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。最初の授業の段階でこの基準を既に達成している者には200m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。また5分間泳のパフォーマンス向上を最終課題においている。本学の学生は,当授業終了時までに水泳の能力を必ず身につけることになる。また,その過程における支援的教授により,水泳能力が未熟な学生にとっては不可能と思える課題を系統的に挑戦することで,段階的に克服する体験を味わい,さらに成果を上げることを重視している。さらに学生が自主的に水泳技術を習得するために,具体的にどのような課題に取り組めばいいかを明確にするために水泳教材データベースを作成した。また,夏期休業期間には基準の未達成者に対し4,5日の補講を実施している。
研究指導
【観点1】学部
 研究指導を開始する時点で,1年間の最終目標を明確にし,その目標の達成のために,毎月の活動がどのような意味をもつのかを学生自身が自己評価することを重視することで,学生の研究に対する動機付けを高める指導を行った。
【観点2】大学院
 研究課題となる内容について,院生自身が実験・調査のために必要な環境を具体的に明確にし,その交渉自体を院生の手によって行わせる。研究目的の明確化(GOAL)→現状の把握・問題の認識(Reality)→選択肢の創造(Option)→具体的スケジュール(Will)という「問題解決をめざすGROWモデル」を院生自身が推進するための,コーチング(教官は直接指示することなく,質問・傾聴・提案・要求・承認により院生に気づかせる方法)を主体にコミュニケーションをとることを重視した。このようなゼミを前期は週に1回,後期は週に2回実施した。また,学校教育現場との教員との関わりからの学びの必要性から修了生を中心とした現場教師との共同ゼミを積極的に開催した(年間2回)。
その他の教育活動
 新潟県立看護大学にて「健康スポーツ学」(講義及び実技)を,前期及び後期担当した。教職講座では,水泳を担当し,受験する都道府県の出題傾向に応じた実技(特に水泳)指導を行った。個別の指導により,短期間で技術(泳法技能,スタート,ターン)の改善に成功した。
 城西国際大学にて「スポーツ・温泉療法事業論」を担当した。
 教採試験対策講座を担当した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 学生とのコミュニケーション及び教授過程において,「コーチング」手法を導入した。コーチングとは,教官は直接指示・指導することはなく,質問を多用し,状況に応じ提案や要求を提示することに徹し,学生・院生自身に気づかせ「自問自答」する習慣をつくることを目的とした支援型コミュニケーション法である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年5月:『特集「水中運動療法の歴史的概観」(3)ヨーロッパにおける現代の水中運動療法』(単著) 日本温泉気候物理医学会雑誌第72巻3号
(2)平成21年8月:『特集「水中運動療法の歴史的概観」(4)アメリカにおける現代の水中運動療法』(単著) 日本温泉気候物理医学会雑誌第72巻第4号
業】(1)平成22年3月:『経済産業省「地域総合健康サービス産業創出事業」医・農・食・運動・温泉の異業種連携による総合健康サービス事業基盤の構築・実証』(共著) 新潟県天・地・健康人コンソーシアム
他】(1)平成21年度:『大学院説明会』
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 編集委員会, (2)平成21年度:一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 評議員, (3)5月14〜16日:第74回日本温泉気候物理医学会出席
◎特色・強調点等
 主な研究活動の1つに水中運動や温浴(全身浴・足湯)を通した健康づくり・リハビリテーションが挙げられる。そのために近隣地域の健康・医療施設との連携をとりながら独創的なプログラム開発を推進している点が特徴である。また,研究成果を広く公開することにも努めている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 編集委員会, (2)一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 評議員, (3)文部省認定・日本体育協会公認A級スポーツ指導者養成講習会講師, (4)(財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会委員, (5)マウンテンバイク選手 山本幸平への各種トレーニング指導, (6)平成21年度経済産業省「地域総合健康サービス産業創出事業」委員会委員, (7)新潟県看護協会ファーストレベル研修講師
◎社会への寄与等
 社会貢献には他大学への非常勤及び各種委員会への参加,各種団体から依頼された講習・研修の講師としての指導が挙げられる。これらに関しては関係諸機関との連携を密に取りながら,かつ,最新の情報や状況等の情報収集に常に心掛けることを目指した。これらの点を目指したことに関しては一定の成果は挙げられたと評価できる。
 

  
土 田 了 輔(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 実技授業では,現在,科研費をいただいて取り組んでいる分業に基づくボールゲームの戦術アプローチを実施している。なお,同授業は2009年米国健康体育スポーツレクリエーションダンス連盟リサーチ部門で発表した内容である。成績については,構成主義的観点から,学習者がゲームの中での気づきに基づき,ゲームの傾向と対策を練る中でチーム内のメンバーと構成したゲームについて評価している。ゲーム中の認識の拡大に関しては,米国のRichardson&Henningerにより提唱された戦術的情況判断能(Tactical decision-making competency:TDCのレベルも併用し,常に最新のボールゲーム指導の知見を用いている。講義,セミナー等についても学習者の気づきを促す指導を重視し,一方的な知の伝達にならないように注意している。
【観点2】教育の達成状況
 実技においては,学習者のTDCが授業を追うごとに上昇していることを確認している。分業に基づくゲーム中での気づきが効率よく向上していることがうかがえる。研究室所属の院生は1名が修了,学部4年生は3名とも卒業した。
研究指導
【観点1】学部
 学生各人が本人の興味にしたがってテーマを設定し,はやくから卒論に取り組んだ。本人の興味やスポーツ経験に基づき,それぞれ教育現場での参与観察,長期にわたる調査,ユニークな観点でのゲーム評価等,成果を上げた。指導においては,ソシオメトリックや参与観察法等の社会学的な調査方法についてはやくから理解を深めさせた。
【観点2】大学院
 日常的にスポーツの練習場面や試合場面で生起する声の特徴についてあらためて考え直すような研究を指導した。専攻研究の知見を乗り越えるために,文献のサーベイに力を入れ,基本的な研究能力の向上を図った。
その他の教育活動
 新潟大学にて,教育学部の専門実技「バスケットボール」を非常勤で担当。また,新潟工科大学工学部で一般体育実技を担当した。教職講座は例年通り,6月から7月の上旬にかけてバスケットボール実技を担当した。教育実習においてはゼミ生の研究授業を見学,指導した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 従来の欧米で発達したものと異なる,新しい戦術アプローチでボールゲーム指導をしている点に特色がある。従来の指導は,動きの学習を既存の技術の中で展開する,いわゆる「文法」を教えるものであった。しかし,私が取り組んでいるのはゲームの目的に基づき,役割を明確化し,個々が役割を遂行する中で,メンバーシップを獲得し,動きを自ら発見する点が大きな特徴となっており,米国でも発表している。同様の考え方は世界に類を見ないユニークな指導法であり,近年は体育科教育の雑誌等でも取り上げられるようになった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年12月:『ジュニアユースサッカーにおける情況判断トレーニングの検討』(共著) 新潟工科大学研究紀要, 第14号
(2)平成22年2月:『分業に基づくバスケットボールの戦術アプローチが中学生の運動有能感と戦術的情況判断能に及ぼす影響』(単著) 上越教育大学研究紀要, 第29巻
発】(1)平成22年3月:『New instrument for assessing performance in game observation settings』(単) AAHPERD National Convention & Expo in Indianapolis
◎特色・強調点等
 ボールゲームの指導において,ゲーム中のパフォーマンスではなく,有意味な参加に力点を置いている点が特徴的である。正統的周辺参加論をボールゲーム学習に導入している点で優れているといえる。
 
<社会との連携>
・平成21年 上越教育大学附属小学校研究協力者
 

  
大 橋 奈希左(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部では,それぞれの授業の対象学生に応じて,将来の指導者としての身体面の資質の育成を目指した。特に,ブリッジ科目体育Tでは,表現運動の特性や教材を学ぶ中で,身体コミュニケーション力の育成を目指した。また,個人スポーツ(ダンス)では,中学校での必修化を念頭におき,指導法についても従来以上に授業内容とした。大学院の授業では,即現場で実践できる教材を提案し,その教材を実施する際の授業の構造についての気づき,学びがあるよう展開を工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 最終レポート等から,学部・大学院ともに,目標は達成できたと判断する。
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年3月:『教師教育における「アート」教材開発の試み』(共著) 日本教育大学協会研究年報 第28集
(2)平成22年3月:『教員養成学部学生の表現・コミュニケーションに関する実習授業について(3)』(共著) 上越教育大学研究紀要 第29巻
(3)平成21年12月:『大学体育授業における身体コミュニケーション力育成のための実践研究』(共著) 島根大学教育学部紀要 第43巻
発】(1)平成21年8月:『表現運動・ダンス領域における「学習内容」について−モノを使った教材の意義の考察−』(単) 日本体育・スポーツ哲学会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:新潟県高体連上越地区ダンス指導者講習会講師, (2)8月〜1月:上越市立宮嶋小学校健康づくり講座講師, (3)6月:第62回新潟県高等学校総合体育大会兼第22回日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)予選会審査員
 

  
周 東 和 好(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育教育における「理論と実践の統合的理解」の必要性を鑑み,理論の実践的理解および実践の理論的理解を促すよう配慮した。関連する授業を有機的に結びつけて理解できるように,時間割の配当および授業内容を計画した。例えば,特論と演習を2時限続きで配当し,実践した内容に基づき理論的理解を促したり,理論を学んだ上でそれを実践的に確認したりするということである。シラバスでも2つの講義内容が有機的に結びつくように計画した。成績評価については出席,レポート提出の状況等を点数化して厳格に算出した。
【観点2】教育の達成状況
 概ね計画通りに授業を実施することができた。指導法の授業では模擬授業を取り入れ,その後,授業研究会形式で議論することを通して,教育の実践的能力の涵養を図り,受講生のレポートからは,現場で必要とされる反省的な実践家としての資質の向上が見られた。
研究指導
【観点1】学部
 本年度はゼミへの所属学部生はなかった。他の研究室に所属する学生の卒業論文に関わる内容で質問や助言を求められ応答した。また,他の研究室との卒業論文作成に向けた合同ゼミ合宿を通して助言を行った。
【観点2】大学院
 専門セミナーでは,通常のゼミ,運動実習,ゼミ合宿等を実施したことで,体育教育をめぐる実践的な諸問題を抽出し,それらについて多面的に捉える視点の涵養を図った。日本スポーツ教育学会(研究発表2名),日本スポーツ運動学会(研究発表1名),日本体操競技・器械運動学会への参加引率・発表指導を通して,研究成果を公表し,研鑽を積ませることができた。大学院2名の修了者を送り出すことができた。1名は日本教育大学協会保健体育部門の推薦論文として選ばれた。
その他の教育活動
1)教職講座:「器械運動」を4回実施した。参加者は毎回25名位,延べ100名程度であった。また,その後も学生の申し出があったため4回実施した。
2)教育実習における学生指導:初等教育実習では,里公小学校の実習前後の実習依頼,お礼の挨拶の担当となった。実習前に3名の実習生に対して事前指導を行った。実習中は,3名の授業実践の見学に赴き,指導助言した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 特色としては,運動を伴う体育教育という特徴を踏まえ,その実践能力の涵養を目指し,理論の実践的理解と実践の理論的理解を促すよう,教室での授業と運動を伴う授業を融合する形で行っている。特に,体育教育では,指導者目線で学習者の動きの学習世界を理解するのではなく,動く主体として共感的に動きを観察し,学習者を理解することが重要であり,そうした考え方と具体的な指導方法を,学生・院生に習得させようとしている。
 学習者の目線での理解を促すために実技実習を行うと時間が不足気味になる。この点が今後の検討課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年12月:『運動の指導法の共有と改善に関する実証的研究―後方宙返りの指導を対象として―』(単著) スポーツ運動学研究, 第22号
作】(1)平成21年7月:『平成21年度新潟県体操競技選手権大会 審判員』 リージョンプラザ上越
(2)平成21年8月:『第40回全国少年少女体操交歓大会 審判員』 上尾市立体育館
(3)平成21年8月:『第63回全日本学生体操競技選手権大会 審判員』 ぐんまアリーナ
(4)平成21年9月:『第64回国民体育大会ときめき新潟国体 体操競技の部 審判員』 リージョンプラザ上越
(5)平成22年2月:『日本体操協会 男子体操競技 D審判員認定』 日本体操協会
業】(1)平成22年3月:『幼児の動きを豊かにする運動カリキュラムの実践的開発』(単著) 上越教育大学ホームページ研究プロジェクト報告
発】(1)平成21年11月:『「踏み切り逆上がり」の幇助用具と練習方法の開発』(共) 日本スポーツ教育学会第29回学会大会
(2)平成21年11月:『初心者における「一輪車乗り」の習得過程に関する考察』(共) 日本スポーツ教育学会第29回学会大会
(3)平成21年11月:『中学校の体つくり運動における長なわとび運動が生徒の集団凝集性と運動有能感に及ぼす影響』(共) 日本スポーツ教育学会第29回学会大会
(4)平成22年3月:『運動ファミリーの考え方に基づいたバドミントンの指導体系の提案』(共) 日本スポーツ運動学会第23回学会大会
学会活動への参加状況
(1)6月4−5日:Internationales Deutsches Turnfest-Congress(国際ドイツ体操祭学術会議)出席, (2)8月26−28日:日本体育学会第60回記念大会出席, (3)11月7−8日:日本スポーツ教育学会第29回学会大会出席 第3会場座長, (4)12月20日:日本体操競技・器械運動学会第23回大会出席, (5)3月6−7日:日本スポーツ運動学会第23回学会大会出席 総会議長
◎特色・強調点等
 器械運動の指導法の改善に関する研究では,従来,器械運動で行われている補助者が学習者を直接幇助するという方法を問い直したものであり,直接補助を用いないという指導方法である。すなわち,学習者が今できる運動から新しい動きへと発展させていくという練習方法であり,その指導方法である。この考え方は,本年度修了者の2名の修士論文にも活かされ,成果を得た。
 学会発表,教員研修会などを通して,研究の成果を公表することにも重点を置いた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)日本ラート協会 理事兼技術部会・国際部会委員, (2)全国少年少女体操普及協議会 理事, (3)(社)全日本ジュニア体操クラブ連盟 大会協力委員, (4)桐生市体操協会 常任理事, (5)上越体操協会 参与, (6)上越教育大学 学校コンサルテーション事業への参画, (7)上越教育大学公開講座「体操教室T」講師, (8)上越教育大学公開講座「体操教室U」講師, (9)上越教育大学出前講座「うまくなるには〜動き方のこつのつかみ方〜」開設, (10)上越教育大学出前講座「やわらかなからだ〜柔軟プログラムの提供〜」開設, (11)大間々保育園「幼児の運動カリキュラム」指導助言者, (12)5月:平成21年度群馬県青少年赤十字指導者協議会総会講演「体調を整える体操の方法」講師, (13)9月:大間々保育園保育士研修会「幼児のなわとび運動の指導法」講師, (14)10月:妙高市立矢代小学校 出前講座「やわらかなからだ〜柔軟プログラムの提供〜」講師, (15)10月:矢代小学校保護者研修会「からだをやわらかくする体操」講師, (16)8月:2009全日本ジュニア体操競技選手権大会 役員, (17)9月〜10月:第64回国民体育大会ときめき新潟国体 体操競技の部役員, (18)11月:長岡市立豊田小学校「体つくり運動」授業研究会指導助言者, (19)3月:日本赤十字社群馬県支部救急法救急員養成講習会 講師
◎社会への寄与等
 出前講座や研修などの学校,教育機関からの講師依頼については,研究成果を学校教育に直結させることのできる機会であるので,積極的に協力した。
 公開講座は受講定員を超える需要があり,工夫して受け入れ実施している。一昨年度より継続して受講している児童もおり,保護者へのアンケートでは「引き続き実施してほしい」との要望が多数あった。
 役員については必要に応じて本務に支障がない範囲で取り組んだ。
 

  
山 崎 貞 登(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義・演習の初回オリエンテーションで,学習到達目標及び成績判定基準を事前公開した。成績判定基準では,毎回の学習シートの記述状況,「課題レポート(凝縮ポートフォリオ)」,学習ファイルを採点対象にした。毎回の授業で「学習シート(元ポートフォリオ)」を使用し,学習過程における自己対話と他者との対話の過程及び学習のふりかえりの記述を求めた。受講者に対し,毎時の授業終了後に学習シートの提出を求めた。学習シートの採点と授業改善・次時の構想カリキュラムの変更を毎回行うことで,反省的授業実践を実施した。課題探究型の学習とし,課題レポートの作成と検討会の実施について,昨年度までの実践の反省を生かしながら工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 課題レポート発表会を,ポートフォリオ検討会形式で実施した。各受講者の課題レポートは,受講者全員分印刷させ,全員に配布した上で,1)レポートの概要,2)レポートの工夫した点,3)レポート作成上の問題点・課題点,4)授業者への質問等をレジメ作成した上で,5〜10分程度のレポート発表会を実施した。レポート発表に対する質問・コメントを各受講者に学習シートへ記入させ,授業者が回収し,PDF化し,各受講者にEメール添付で配信し,E共同学習にして,受講者から好評であった。
研究指導
【観点1】学部
 学部のゼミ生はいなかった。
【観点2】大学院
 大学院(修士課程)では,より高度な臨床的な実践力を習得させるために,3人の修士論文では,文部科学省研究開発学校に指定された新潟県三条市立長沢小学校・同荒沢小学校・同下田中学校との協働研究を行った。1名の修士論文では,教育課程実施状況調査,教研式標準学力検査とものづくり学習領域との関連分析を行った。1名の修士論文では,「ものづくり学習領域」教師用ガイダンス資料とワークショップ型授業研究を行った。1名の修士論文では,「ものづくり学習領域」におけるポートフォリオ学習・評価法とルーブリックに関する実践研究を行った。
その他の教育活動
・長岡技術科学大学非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 地域貢献の教育活動として,文部科学省研究開発学校に指定された新潟県三条市立長沢小学校・荒沢小学校・下田中学校と,「創成力」「技術的活用能力」「キャリア発達能力」「エネルギー・環境活用能力」を育む新学習領域の教育課程開発研究の全体指導を,毎月1回以上,学校現場に出向いて行った。前述の研究状況と成果・課題について,本学の学部・大学院の授業等の教育活動で積極的に活用した。三条3校の研究は,平成21年度で終了したが,前述の研究を全国に普及させるための一般化と,小学校と中学校を一貫したものづくり教育課程研究の全国的な推進が,今後の課題の第1である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年9月:『The Effect of Practice on Pupil’s Portfolio Assessments Using Rubrics in Technology Education in Japan: A Case Study for the Learning Area of Cultivation』(共著) Journal of Science Education in Japan,Vol.33, Number 3,  pp.192-200
(2)平成22年3月:『中学校技術・家庭科技術分野における「生活を工夫し創造する能力」の観点に基づく「rubric」のデザイン』(共著) 日本教育大学協会研究年報第28集,  pp.77-91
業】(1)平成21年11月:『「ものづくり学習の時間」実践事例集』(共著) 「ものづくり学習の時間」実践事例集 新潟県三条市立下田中学校・長沢小学校・荒沢小学校
(2)平成22年3月:『技術リテラシーとPISA型学力の相乗的育成を目的とした技術教育課程開発』(共著) 平成20年度〜22年度科学研究費補助金(基盤研究(C))第2年次研究成果報告書
発】(1)平成21年8月:『技術科教育の学習到達目標に着目した図画工作科の実践と評価事例集の開発』(共)  日本産業技術教育学会
(2)平成21年8月:『小学校理科単元名「動くおもちゃをつくろう」における「スタンダード準拠評価」の効果』(共) 日本科学教育学会
(3)平成21年8月:『「創成力」と「科学技術の智」を育成する大教科群に関する研究 −上越地域の特別地方公共団体と連携したカリキュラム開発−』(共) 日本産業技術教育学会
(4)平成21年8月:『「創成力」と「科学技術の智」を育成する大教科群に関する研究 −文科省研究開発学校「ものづくり学習」に対する意識調査−』(共) 日本産業技術教育学会
(5)平成21年8月:『「創成力」と「科学技術の智」を育成する大教科群に関する研究 −「ものづくり学習」指導資料集の開発−』(共) 日本産業技術教育学会
(6)平成21年8月:『「情報とコンピュータ」におけるスタンダード準拠評価を活用した教育実践と評価事例集の開発』(共) 日本産業技術教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)技術リテラシーとPISA型学力の相乗的育成を目的とした技術教育課程開発 代表者:山崎貞登(上越教育大学) 科学研究費基盤研究C
(2)小・中学校を一貫した豊かな未来を切り拓く力をはぐくむものづくり学習(新潟県三条市立長沢小・同荒沢小・同下田中学校) 代表者:若林 久(新潟県三条市立下田中学校) 文部科学省研究開発学校指定(平成19〜21年度)
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本エネルギー環境教育学会理事, (2)9月21日:日本教育工学会第25回全国大会出席
◎特色・強調点等
 平成20年度に引き続き,平成21年度において,平成19〜21年度文部科学省研究開発学校である新潟県三条市立下田中・長沢小・荒沢小学校(以下三条3校)と協働研究を実施した。修士論文題目及びゼミ課題研究の主題として,「創成力」と「科学技術の智(リテラシー)」を育成する大教科群に関する研究とした。我が国では普通教育としての小・中・高等学校一貫した技術教育課程が制度的に設置されていないが,諸外国の多くが近年導入を推進している。次期(平成30年告示予定)学習指導要領改訂に向けた研究の実践知見を得るべく,三条3校と協働研究を進めた。さらに,教育の現代的諸課題である「科学技術」「共生・相互理解」「表現」リテラシー育成の教育課程編成に関する実践的研究を推進し,所与の成果を収めた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成20年度文部科学省研究開発学校研究協議会全体指導者, (2)附属中学校研究協力者, (3)上越水道用水供給企業団 平成21年度上越地域エネルギー等導入促進事業講師, (4)エネルギー環境教育情報センター「エネルギー教育実践のための授業展開例集」監修委員会委員
◎社会への寄与等
 平成21年度においても,エネルギー環境教育にかかわる社会的活動に積極的に参画し貢献した。具体的には,日本エネルギー環境教育学会理事としての学会活動,日本生産性本部エネルギー環境教育情報センターで,エネルギー教育実践例集の監修委員,上越市妙高市地方特別公共団体である上越水企業団の地域エネルギー活用の活性化事情による地球温暖化防止活動のための持続発展教育の講演会を上越市内中学3年生に行った。
 

  
黎   子 椰(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業の目標,概要等をシラバスに明記し,最初の授業で,シラバスの確認,評価方法の説明を行った。受講者の受講状況を把握するように心がけており,受講者数が多い「中国語・中国事情」では,受講者の座席を固定し,毎回練習カードを提出してもらうなどの工夫をした。成績の評価については,出席率,宿題やレポートの提出と内容等を点数化し,公平・妥当な評価に努めた。
【観点2】教育の達成状況
 概ね計画に授業を実施することができた。
研究指導
【観点2】大学院
 留学生の研究指導においては,日本人学生と同じレベルの修士論文を書きあげるようにきめ細かな指導・支援を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年12月:『マシニングセンタを用いたものづくり体験学習』(共著) 上越教育大学研究紀要第29巻
発】(1)平成21年8月:『2次元CAD/CAMソフトウェアの開発と活用』(共) 日本産業技術教育学会
(2)平成21年12月:『マシニングセンタを用いたものづくり教室の試み』(共) 日本機械学会
(3)平成22年3月:『中国天津市における小中学校労働技術教育センターに関する調査研究』(共) 日本産業技術教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本産業技術教育学会第52回全国大会実行委員会委員, (2)平成21年度:日本産業技術教育学会常任編集委員, (3)8月22日〜8月23日:日本産業技術学会第52回全国大会研究発表, (4)12月12日:日本機械学会講演会「技術と社会の関連を巡って:過去から未来を訪ねる」研究発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市中小企業研究開発等支援資金融資委員会委員, (2)10月10日:新潟県国際交流協会平成21年度国際理解講座「アジアをもっと知ろう!」講師(『日中文化の相違について』を講演)
 

  
大 森 康 正(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 最新の情報技術に関する動向を踏まえて授業を行っている。出来る限り,情報技術と現実社会でのギャプを生じさせないように実例を多く取り入れると共に,原理原則について講義および実習するように心がけている。成績評価もテストだけなく作品や途中過程を重視しておこなっている。
【観点2】教育の達成状況
 概ね当初の予定していた教育目標を達成していると考えています。
研究指導
【観点1】学部
学部生の指導はない
【観点2】大学院
 本人の希望と能力のバランスを見て,指導学生と相談しながらテーマを決定している。
各自のペースを守りながら,時には教員からペースのコントロールをして目標の研究結果が得られるように工夫をしている。
特色ある点及び今後の検討課題等
 ICTを出来る限り活用するようにしている。教師のみならず学生にも活用をさせるように工夫をし,実学を重視するように実習は心がけている。
 今後,さらに教育現場のニーズなどを取り入れながら,学問としての原理原則の定着をさせるためのさらなる工夫が必要であると感じている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成21年8月:『生物育成と情報教育のためのセンサネットワークによる土壌水分測定』(共) 日本産業技術教育学会
(2)平成21年8月:『Squeak eToyによる計測・制御を対象としたプログラミング教材の開発』(共) 日本産業技術教育学会
(3)平成21年8月:『オントロジーに基づいた技術科教育における知識の体系化』(共) 日本産業技術教育学会
(4)平成21年8月:『センサネットワークを用いた生物育成と情報教育に関する教材開発』(共) 日本産業技術教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)ものづくり教育を促進する計測・制御と生物育成の融合教材 代表者:南雲 秀雄(新潟青陵大学)
学会活動への参加状況
(1)8月22日,23日:日本産業技術教育学会全国大会出席
◎特色・強調点等
 中学校技術分野で課題として取り組まれている「コンピュータによる計測制御」に関する教材開発や小学校から中学校で使える電子ポートフォリオシステムおよびルーブリック評価システムについて現場のニーズに基づく研究を行っている。また,いかに使いやすいシステムにするか最新のUI理論を考慮してプロトタイピング技法により検討をおこなっている。
 

  
東 原 貴 志(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法に習熟させることに努めた。
 大学院の「木材加工学特論」では,上越市所有の町家内部における木造建築とまちづくりに関する講義を実施し,地域の林業・木材産業との関わりについて議論した。原則として,毎時間小レポートを課した。 本年度から「木材加工学実験実習」を開講し,実技に関する論文講読と実験実習を行い,データの取り扱いについて議論し,中学生に対する実技指導のありかたについて考察する授業を展開した。成績に関して,出席回数,授業態度,製作物を総合的に評価した。
【観点2】教育の達成状況
 学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,受講生は,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法については概ね習得しており,作品についても一定の水準に達していた。
 大学院の「木材加工学特論」については,受講生の関心は高く,小レポートの記述内容から,木材加工に関する教育活動,ならびに,地域の林業・木材産業との関わりについて考察を深めることができたと評価した。「木材加工学実験実習」に関して,受講生は,実験操作の基礎を習得し,実技指導に関する能力を高めることができた。
研究指導
【観点1】学部
 学部生の研究指導は行っていない。
【観点2】大学院
 大学院生に木材加工に関する文献講読,実技指導ならびに研究方法を指導した。木材加工に関する授業実践を通して,教材の開発,授業展開の仕方,生徒の学びについて認識を深めた。研究成果を日本産業技術教育学会全国大会および日本科学技術教育学会,日本教科教育学会において発表を行った。また,論文指導を行い,研究の成果を学会誌へ投稿した。
その他の教育活動
 教育実習委員会の委員として,中等教育実習の巡回指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育活動の特色ある点は,地域の木材を利用したものづくり教材として,ちゃぶ台やプランター教材を開発し,授業実践を行っていることである。このことは,林野庁が提唱している「木育」活動の理念および日本木材学会「木づかい円卓会議」の提言書に合致している。
 今後の検討として,学生の地域の森林資源についての興味・関心を高める教材開発を進めること,製材工場見学や町家見学のような,地域の産業・文化に触れる取り組みをさらに進めることが挙げられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年12月:『樹木の特徴と識別方法がわかる樹木観察実習プログラム「この木なんの木ゲーム」の開発』(共著) 生物教育, 50(2), pp.61-68
発】(1)平成21年8月:『科学技術学習を取り入れた森林体験プログラム「森小屋つくり体験活動」の実践』(共) 日本科学教育学会
(2)平成21年8月:『中学生を対象とした木工競技課題に関する検討−「めざせ!!『木工の技』チャンピオン」新潟大会について−』(共) 日本産業技術教育学会
(3)平成21年10月:『中学校技術・家庭科技術分野におけるガイダンス学習に関する考察』(共) 日本教科教育学会
(4)平成22年3月:『からくり筆箱の教材開発』(単) 日本木材学会
学会活動への参加状況
(1)8月22日〜23日:日本産業技術教育学会第52回全国大会出席・発表, (2)8月25日〜26日:日本科学教育学会第33回年会出席・発表, (3)10月10日〜11日:日本教科教育学会第35回全国大会出席・発表, (4)3月17日〜18日:第60回日本木材学会大会出席・発表
◎特色・強調点等
 からくりに関する木工教材の研究として,「からくり筆箱」を開発し,特許申請を行い(特許出願中:特願2009-278845号),日本木材学会において発表を行った。また,科学研究費補助金若手研究(B)20700621中学校技術分野における「木育」教材の開発と活動実践に関する研究を通じて,地域の森林資源を活用した木工教材の開発を行った。この内容は,林野庁が提唱している「木育」活動の理念および日本木材学会「木づかい円卓会議」の提言書の内容に合致しており,社会的なニーズが高い研究活動である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市まちづくり市民大学協働会議委員, (2)めざせ!!「木工の技」チャンピオン新潟県予選審査員
◎社会への寄与等
 上越教育大学附属中学校2年生を対象とした森林学習に講師として参加した。
 上越教育大学附属中学校の生徒を対象とした特別授業「わくわく大学ウィーク」に講師として参加し,「からくり筆箱をつくろう」をテーマとした生徒が高度な木材加工技術を習得し,知的好奇心を高めることのできる制作活動を行った。
 上越教育大学公開講座として,小学生を対象とした「ちゃぶ台をつくろう」を実施した。
 

  
佐 藤 悦 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部における被服学関連の授業は,講義と実験・実習等の内容を関連づけて構成し,消費科学的な視野が養えるよう工夫している。学部生と共に免P院生の履修があるため,多様な学生に対応できるように授業後のミニレポートを課して理解度の把握に努めた。製作実習の内容を大幅に改訂し,基礎となる教材を短時間で完成できるようにした。大学院における授業は,小学校・中学校・高等学校の家庭科の授業内容との対応を意識して取り上げ,専門的な視野からの解説や問題点などを各自が指摘するなどの意見交換を行った。
研究指導
【観点1】学部
 研究テーマを設定する際には,生活に密着した事象から課題を見い出し,研究テーマに発展できるよう指導上において心がけている。本ゼミの共通テーマとして,被服商品の消費性能に関する研究ならびに衣服の着脱動作に関する研究をメインテーマとして位置づけているが,学生が希望するテーマも多様であるため,可能な限り希望に添えるよう指導体制を取りつつ展開している。
 本年度の学部生は,自主的テーマとして着装に関する事象に興味・関心がありつつも,具体的テーマの絞り込みや研究方法までに至らず苦慮している様子が伺えたので,その後は個別指導に多大な時間を要した。自主性を重んじながらの指導態勢が今後の課題であるが,(1)着装に関する色彩・柄の組み合わせに対する嗜好性(2)乳幼児の衣服購入における諸課題(3)パッチワークを手縫い学習に取り入れる教材開発等に取り組み,その成果をまとめた。
【観点2】大学院
 研究テーマを設定する際には,生活に密着した事象から課題を見い出し,研究テーマに発展できるよう指導上において心がけている。本ゼミの共通テーマとして,被服商品の消費性能に関する研究ならびに衣服の着脱動作に関する研究をメインテーマとして位置づけているが,学生が希望するテーマも多様であるため,可能な限り希望に添えるよう指導体制を取りつつ展開している。
 院生には,中国の深刻化する環境問題を取りあげ,文献調査やアンケートから環境教育の必要性及び環境汚染対策の取り組みについて修士論文としてその成果をまとめられるよう指導した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 研究室のゼミ活動として,衣に関連する地域産業や文化への興味・理解を深めることを目的として,施設見学や手作りの機会を設けている。本年度は,7月浴衣の着付け,12月クロス刺しゅうを使った小物作りなどを行った。こうした活動が教員となった時に役立てられることを目差しているので,授業等への展開が望まれる。施設見学等は,時間的な制約からゼミ全員のスケジュール調整が難しく,物作りを研究テーマとする学生のみ研修として実施した。
 また,本年度から現学生と卒業生・修了生との交流を兼ねて,12月下旬に勉強会を開催した。OBから学校現場での報告,卒研・修論等に関してのQ&A等の内容が組み込まれ,有意義な交流会であったと思われる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年9月:「販売員の言葉かけが衣服の購入に与える影響」(共著) 日本家政学会誌, 第60巻, 第9号
学会活動への参加状況
(1)平成21年8月20日〜8月21日:日本家政学会被服心理学部会夏季セミナー出席(札幌:於北翔大学), (2)平成22年3月20日:日本家政学会被服心理学部会「春季セミナー」(東京:於共立女子大学)講演会及び各地区研究会グループによる共同研究の中間報告会の開催に従事した。 (3)日本家政学会被服心理学部会地区委員として,セミナーの企画・運営に携わった。 (4)日本繊維製品消費科学会北陸支部幹事
◎特色・強調点等
 新潟県の伝統的染織物に関する共同研究として,資料収集や調査を行っている。本年度は,中越地区の資料収集・調査を行った。これらの研究調査は,今後も継続的に実施し,地域連携並びに学際的活動へ繋げることを構想している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県教育職員免許法認定講習:講師 (平成21年8月9日〜12日), (2)教員免許状更新講習の実施(平成21年8月5日〜7日)
 

  
得 丸 定 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法として,PPTやDVD,VHFなどを用いて授業内容を具体的,多様性に富む内容にするよう試みた。特記事項として,10人以上受講生がいる科目には,「授業質問・感想カード」を作成した。学生は毎回の授業後にカード記入を行い,そのカード回収後,教員がコメントを記入し次回の授業に返却をするシステムを導入した。そのカード記入により,授業の理解度,質問,感想を把握し,翌週に,授業内容の補充や授業改善への反映を行った。
 成績評価は,出欠席・遅刻状況,レポート等の提出物を重要視した。
【観点2】教育の達成状況
 FDの集計結果からみて,全科目でほぼ授業目的を達せられたと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
 学生の研究指導は,「いのち」を基盤に置いた指導であった。学部3年生の研究指導は,文献検索と資料としての絵本を収集することに専念し,指導した。学部4年生は,全員「いのち教育」を基盤に置く研究であるが,テーマが各自異なり,「学校教育における笑いの導入と実践」「人工妊娠中絶へのグリーフ・ケア」「瞑想の効果とその検証」と幅広いテーマにおける指導を行った。
【観点2】大学院
 大学院3年生の研究指導として「高齢者とこどもの世代間交流とその評価」に取り組んだ。本年は,修論提出の年度であり,しかも,対象学生が3か月間海外語学研修で,渡米したため,出発する10月下旬までに修論を完成するよう指導を行った。
 博士課程2年生の指導は,11月のインターンシップとしてチェコでの調査を含め,日本的死生観を基盤に置く「あの世にまでわたるネットワーク」について研修指導を行った。
その他の教育活動
 教育実習では,実習校への挨拶をはじめ,3年生の小学校実習での指導案作成時におけるアイデアの提供や研究授業授業参観を行った。中学校実習は,免P学生の授業案作成時の相談に乗り,研究授業の参観を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育活動の特色としては,300人単位の授業でも,5人単位の授業でも,ゼミ指導においても,学生個人に視点を置いた指導を心掛けた,その教育活動のために,「授業感想・質問カード」を作成し,毎時間授業終了後カードをチェックし,すべてにコメントを記入し学生に返却した。また,質問に関しては,次の授業日でフォローを行った。
 課題としては,コメント記入とその指導に莫大な時間がついやされ,研究のための時間が確保できないことが課題であり,教育と研究を両立できる方法を探りたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年7月:『子どもの思考を育む 家庭科の授業』(共著) 教育図書
(2)平成21年9月:『いのち 教育 スピリチュアリティ』(共著) 大正大学出版会
論】(1)平成22年2月:『人生観によるペットロス。ペット葬の関係について』(共著) 上越教育大学研究紀要 第29巻, pp.257−268
業】(1)平成21年5月:『アメリカへの訪問調査〜アイオワ大学〜』(単著) 2009年度 9月入学海外訪問調査報告書
(2)平成21年5月:『チェコへの訪問調査』(共著) 2009年度 9月入学海外訪問調査報告書
(3)平成21年8月:『いのち教育の視点から行う福祉教育〜スピリチュアル教育とは〜』(単著) 研究プロジェクト成果報告書 第2号
(4)平成22年3月:『生化学検査・心理尺度を用いた瞑想効果の分析的研究』(共著) コンポン研究所共同研究成果報告書
(5)平成22年3月:『実践セミナー・実践場面分析演習「家庭」』(共著) 2009年度 実践セミナー・実践場面分析演習「家庭」
発】(1)平成21年4月:『自殺予防教育のためのCD-ROM教材−「大切な人を自殺から守るために」−』(単) 日本自殺予防学会
(2)平成21年6月:『家庭科男女必修世代の社会観・家庭観』(共) 日本家庭科教育学会
(3)平成21年6月:『大学生における人生観とペット観との関係』(単) 日本家庭科教育学会
(4)平成21年8月:『大学生のペット観と人生観はどのように関係しているか』(共) 仏教看護・ビハーラ学会
(5)平成21年8月:『介護施設の利用者を取り巻く人間関係〜人と人とのつながりの構造及び機能に関する調査の観点から〜』(共) 仏教看護・ビハーラ学会
(6)平成21年10月:『世代間交流といのち教育としての伝統行事』(共) 日本家庭科教育学会
(7)平成21年11月:『スピリチュアルケアとしてのストレスマネジメントの試み〜介護施設の利用者とスタッフを対象に〜』(共) 日本死の臨床研究会
(8)平成21年11月:『大学生の人生観とペット観との関係〜「いのち教育」としてのペットの「生と死」の学習のために〜』(共) 日本死の臨床研究会
(9)平成21年11月:『学校教育における高齢者福祉教育〜問題点と解決への取り組み事例〜』(共) 日本死の臨床研究会
他】(1)平成21年4月:『得丸研究室「いのちゼミ」HP/本研究室の活動,合同ゼミの様子や,出版物について掲載。全国からのアクセスがある』 ウェブ:http://toku-lab.com
(2)平成21年4月:『得丸研ニューズレター/得丸研究室の活動紹介や,卒論・修論論の文要旨紹介,著書紹介を行った。』 得丸研究室
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「生きがい感」を高める教育の展開と科学的評価 代表者:カール・ベッカー(京都大学こころの未来研究センター教授)基盤研究B
(2)生化学検査・心理尺度を用いた瞑想効果の分析研究 代表者:得丸定子(上越教育大学) (株)コンポン研究所共同研究
(3)瞑想の効果とその評価 代表者:得丸定子(上越教育大学) 高山市立清見小学校
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1) Death, Dying and Bereavement 代表者: Christopher Hall(Australian Center for Grief and Breavment) IWG(International Working Group on Death , Dying and Bereavement)
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本家庭科教育学会北陸地区会 会長, (2)日本家庭科教育学会地区代表者, (3)5月29日〜31日:日本家政学会第61回大会, (4)7月11日〜12日:日本ホスピス在宅ケア学会in 高知, (5)9月11日〜13日:日本宗教学会第67回学術大会, (6)10月31日〜11月1日:日本スピリチュアルケア学会2009年度学術大会, (7)第33回日本死の臨床研究会年次大会「シンポジウム4」出席, (8)日本死の臨床研究会 企画委員, (9)日本死の臨床研究会全国世話人企画委員, (10)仏教看護・ビハーラ学会理事, (11)仏教看護・ビハーラ学会理事, 
◎特色・強調点等
 学校教育における「いのち教育」の一環として,以下の展開を行った
1)高齢者と子どもの世代間交流のプログラム企画とその参加に伴うストレス計測と評価
 板倉区を中心に交流を展開し,交流に伴う高齢者のストレス度を計測し,基礎的知見を得た。今後,ストレスの種類,交流の継続化,交流の質の向上について考察を行うことが課題として得られた。
2)瞑想実践による効用とその心理的・生化学的評価
 特に,大学生を対象とした瞑想による生化学的・心理的評価データを得た。今後,小学校における思いやり感育成教育やストレス軽減についての取り組みの有力な知見が得られた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)H21年度山形県教職10年経験者研修会講演「生きることと学ぶこと」, (2)2009スピリチュアルケア公開講座講師「スピリチュアリティ教育のすすめ」, (3)JCV公開講座講師「いのちを生きる,守る,送る〜いのちの大切さを伝える〜」, (4)JCV公開講座講師「いのちを生きる,守る,送る〜自殺を防ぐとは〜」, (5)国際セミナー「遺された人への悲しみのケア」主催, (6)国際セミナー「遺された人への悲しみのケア」主催, (7)上越教育大学地域貢献フォーラム主催, (8)新潟県不当取引行為調査会議構成員, (9)新潟食の安全・安心審議会委員, (10)上越市情報公開・個人情報保護審議会委員, (11)まちづくり交付金評価委員会委員, (12)上越市都市計画審議会委員, (13)K5講演会講師「生への感謝・生きる意味を問いなおす!」, (14)博士論文審査委員―京都大学
◎社会への寄与等
 社会貢献として,大別すると,フォーラム等の企画・講演と各種委員会委員としての貢献に分類される。
 フォーラム等の企画としては,国内外のフォーラムを主催した。具体的には,本学主催の地域貢献フォーラムや科研費補助金事業としての国際セミナーである。また,地域の公開講座での講演や,教職10年研修の講師として講演を行った。
 地域の各種委員会委員として地域行政に参画した。
 

  
細 江 容 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導方法等の教育方法に関する取り組み状況
 生活経営学領域(家族関係,家庭経済)であるので,学生が日常生活の中で,特に日頃,疑問に思う身近な事柄をとらえながら授業の導入を行い,知識の習得と同時に,そのような問題がなぜ生じるかを考えさせる授業の展開によって,思考力や判断力を育てる授業を展開した。
 学習への動機付けを目的とし,将来,家庭科の教員として授業を行う可能性のある学生たちに対し授業での知識の習得と同時に,思考力や判断力を育てるために,ディベートや発表などの時間を設けて授業を展開した。また,文献,資料等の提示により事前・事後の学習をさらに深める方法をとった。
○成績評価法に関する取り組み状況
 各授業における学習目標を知識,思考,判断,表現,意欲といった項目を基に,その目的達成のための授業の計画と方法を考え,その視点から成績評価をおこなうと同時に,学生からの授業評価を得ることで,自己の授業改善を行った。
【観点2】教育の達成状況
 教員養成の大学であるので,学生に対して高い付加価値をつけるべく,考えさせる授業を実施した。そのためには,学生が思考のための多様な枠組みを持つことができるように,授業展開に工夫をするさらなる授業改善を行った。
研究指導
【観点1】学部
 教育に関する臨床的な実践力習得のための指導:各授業における学習目標を知識,思考,判断,表現,意欲といった項目を基に,その目的達成のための授業計画と方法によって,学生が教育現場に出た時の新指導要領での評価基準への学生自身の応用も可能となる授業の展開を図った。
【観点2】大学院
 教育に関するより高度な臨床的実践力習得のための指導:大学院においては特に思考力を身に付けることをねらいとし,レポートの報告やディスカッションを多く行う授業を実施した。また,指導・研究内容に関わる国際会議に出席する事により,最新の研究・教育に関する内容について,指導できるように努力した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業においては,導入部とその展開に関する方法を工夫する中で,学生達が授業に興味・関心を持つことが出来るようにすると同時に,学生の長所を積極的に評価し,学生の意欲を引き出すための努力を行った。そのことがとりもなおさず,学生達が児童・生徒を指導する教育現場において,役立つことと考えた。
 今後ともさらに学生達の声に耳を傾けながら,時代に即した積極的授業改善を実施していく。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)平成21年5月『学校教育におけるジェロントロジー』(共著) 老年社会科学 Vol.31-2
(2)平成21年6月『高等学校学習指導要領−改訂のピンポイント解説− 』(共著) 明治図書
発】(1)平成21年5月『中国人シニアの社会活動と社区』 シニア社会学会
(2)平成21年10月『家族関係をどう教えるか』 家族関係学セミナー
(3)平成21年11月『教育者養成大学の立場から教師養成のあり方を考える』 ジェロントロジー特別シンポジューム
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)「東北アジアにおける高齢者扶養と高齢者のウェルビーイング」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University,事務局:細江容子)
(2)「Cross-Cultural Studies on Family Life Education 」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University,事務局:細江容子)
(3)「学校教育におけるジェロントロジー教育」(Suh Hyekyung HALLYM UNIVERSITY, Yun Zhou BEIJIG UNIVERSITY, Hosoe Youko )
(4)「学校教育におけるジェロントロジー教育」(代表:Lind pruski テキサス大学 )
(5)Positively Aging Curriculum  代表者:Michael Lihtenstein(UTHSC) UTHSCSA
学会活動への参加状況
(1)第51回老年社会科学大会, (2)国際家政学会評議委員 IFHE
◎特色・強調点等
 国際比較調査等で高齢者扶養や介護の研究や学校教育におけるジェロントロジー教育の研究を行う中で,高齢者のウェルビーイングが教育やコミュニティー形成の在り方と深い関わりを持つとの認識にいたった。さらに,このコミュニティー形成は子どもの社会力とも関係しており,子ども,高齢者のウェルビーイングに関する研究と,北東アジアの高齢社会における問題解決のための学校教育におけるジェロントロジー教育の研究をスタートさせ研究を続けているところである。これらの研究はまだ十分に研究が行われていない分野であり,調査・研究の結果が,社会に貢献できるとの強い認識を持っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)文部科学省「福祉に関わる講習会実施期間等選定委員会」委員
(2)新潟県労働協議会委員
◎社会への寄与等
 新潟県労働協議会委員として,県の労働問題,特にワークライフバランスに関わる問題の改善に向け積極的に関わった。
 

  
光 永 伸一郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 新聞記事等,身近な話題を積極的に取り上げた。講義内容と日常生活との関連性を理解することにより,講義内容に対する知的好奇心が高まるよう配慮した。成績については期末試験の結果のみではなく,出席日数やレポート内容も十分に反映できるよう配慮した。
【観点2】教育の達成状況
 前期,後期末の授業評価アンケートの結果から,概ね達成できたものと判断する。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年生3名,3年生2名の研究指導を行った。
 4年生については,「ダイコンに含まれるジアスターゼ活性の再検証」,「食用野菜の発芽に伴うポリフェノール含量の変動」,「ひよこ豆に含まれる機能性成分の分析」という題目のもと,卒業研究を行った。
 各々の植物性食品試料を生化学的実験に供し,その成分特性を明らかにした。実験方法を教授するとともに,論文の執筆や成果の発表方法についても指導を行った。
 3年生については,「大学生及び大学院生における食に関する意識調査」という題目のもと,本学学生を対象としたアンケート調査を行い,その分析方法について指導を行った。
【観点2】大学院
 4名の研究指導を行った。
 「中学校家庭科における実験教材の内容検討」という題目のもと,学位論文の作成を行った。
 また,「新学習指導要領に対応した家庭科における食育活動の推進」,「学校教育現場における食教育活動の成果と課題」,及び「穀類のアミラーゼ合成機構の解明に関する研究」という題目のもと,調査研究及び実験についての指導を行った。
その他の教育活動
・新潟県立看護大学 看護学部 臨床栄養学 非常勤講師
・上越看護専門学校 看護学科 生活科学 非常勤講師
・上越保健医療福祉専門学校 看護学科 家事援助の基本(栄養調理) 非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 科学的視点に立った教育活動を行った。加えて,食育についても重視した。
 近年,学校現場においては実験指導が注視されている。そこで,学生が教員になった際,身近な食材を用いて簡単な実験がストレスなく行えるよう,基礎的実験法についての指導を行った。
 今後は実権指導の内容をより学校現場に対応したものへと改編するとともに,現場の要望も積極的に取り入れたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年9月:『発芽玄米のもつデンプン分解能を示すための実験教材の開発』(共著) 日本家政学会誌 第60巻第9号 pp.825-829
発】(1)平成22年3月:『高圧処理による巨大胚芽米のγ−アミノ酪酸(GABA)蓄積およびデンプン分解酵素活性への影響』(共) 日本農芸化学会
◎特色・強調点等
 発芽した植物種子に含まれる栄養成分についての研究を行った。
 また,発芽植物の実験教材としての可能性についても検討した。
 特に,発芽玄米にはデンプン分解酵素が含まれており,結果として,発芽玄米は消化に良い食材と考えられている。
 今回,このデンプン分解能を視覚的に検出する実験系を確立し,実験教材としての可能性を示唆することに成功した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)2009年度上越教育大学附属中学校研究協議会指導者, (2)平成21年度バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業検討委員
◎社会への寄与等
 上越教育大学附属中学校研究協議会においては,「技術・家庭(家庭分野)」の指導者として授業及び協議会に参加した。
 バイオマス等未活用エネルギー事業においては,検討委員の委嘱を受け,4回実施された委員会に参加した。
 

  
佐 藤 ゆかり(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 初等家庭科指導法AB・CD・免Pの受講人数の多い授業においても,理論と実践を結ぶことができるような実習を取り入れた方法を試みた。また,その実習に適すると考えられる教材の準備を時間をかけて,人数分用意し行った。成績評価面に関しては,小テストや毎時間の感想レポート及び課題レポート,試験等を用い行った。
【観点2】教育の達成状況
 理論と実践を結ぶことを意識して,初めて実習を取り入れた授業を展開した。それも100人程度の人数ではあったが,学生の感想や評価から,当初のねらいはおおむね達成できたと考えている。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年生2名に対しては,それぞれのテーマでの研究が進められるように指導を行った。
 学部3年生2名に対しては,研究テーマの設定及び研究計画の立案ができるように指導を行った。
【観点2】大学院
 免許プログラム3年1名に対しては,修士論文が完成できるように指導を行った。
 免許プログラム2年1名に対しては,修士論文のテーマである授業開発ができるように指導を行った。
その他の教育活動
 教育実習においては,ゼミ生やコースの学生からの相談があった場合に,応じるのはもちろんのこと,他コースの学生に対する指導も場合によっては行った(他コースの学生が,家庭科の授業を担当する場合)。また,必要に応じ,割り当て以外の実習校訪問をし,授業を参観した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 今後も,コースの内外を問わず,家庭科の授業づくりで,自分ができることをしていきたいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年7月:『子どもの思考を育む家庭科の授業』(共著) 教育図書
発】(1)平成21年6月:『戦後の高校教育改革と家庭科』(共) 日本家庭科教育学会第52回大会
(2)平成21年6月:『高校教育改革の「多様化」における家庭科の課題』(共) 日本家庭科教育学会第52回大会
(3)平成21年10月:『生活実践に結びつく金銭教育内容の検討』(共) 日本教材学会
(4)平成21年10月:『教員養成課程学生における家庭科授業実践力の課題』(単) 日本家庭科教育学会北陸地区会第26回大会
(5)平成21年10月:『小学校家庭科衣生活領域でのモバイル端末ipod touchを利用した学習支援の試み』(単) 日本教材学会
(6)平成21年10月:『地域性を生かした住まい学習のための教材開発』(共) 日本教材学会
(7)平成21年11月:『高等学校の「特色化」「個性化」の中での家庭科の授業づくりの課題』(共) 日本家庭科教育学会2009年例会
学会活動への参加状況
(1)6月13日 上越・技術家庭科の会出席, (2)8月1,2日 「学び合い」フォーラム参加, (3)9月12,13日 日本教育社会学会参加, (4)10月10日,11日 教科教育学会参加, (5)2月6日 上越・技術家庭科の会出席, (6)10月:日本家庭科教育学会北陸地区会庶務, (7)10月〜7月:日本家庭科教育学会北陸地区会会計
◎特色・強調点等
 家庭科教育を行ううえでの,現場の課題に即した研究,学生及び現場教員の教師の成長を支援できるような教育・研究を意識しおこなった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月〜1月:名立町「まちづくり交流会」コーディネーター 名立町ろばた館, (2)8月:教員免許状更新講習講師, (3)上越教育大学附属小学校2009年研究会 5年2組 家庭科,総合教科活動 研究指導者, (4)新潟県金融教育研究会研究メンバー, (5)11月:これからの家庭科を考える(ワークショップ開催実行委員:東京), (6)2月:これからの家庭科を考える(ワークショップ開催実行委員:本学), (7)1月:越後『学び合い』の会 (実行委員:本学)
 

  
上 野 光 博(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 衛生学・公衆衛生学と健康科学特論の授業ではプリントを用いる授業のみでなく,コンピュータを用いた授業を行い,図やアトラスを明示して学生の理解に役立てた。また,毎回の授業の終わりに学生に小テスト,授業の感想と要望のアンケートを行い,学生の授業の理解度や要望を知ることができ,その後の授業に役立てた。今後は,学生のさらなる学習意欲と理解度の向上をめざし,教科書の活用,シラバスの改善,マルチメディアの利用,プリントの改善,キーワード提示とそれに関するレポート提出などを行うことを予定している。
【観点2】教育の達成状況
 成績評価は,出席,小テスト,試験またはレポートによる総合評価とした。衛生学・公衆衛生学の試験では,学生個々の答案を採点し,模範解答を添付して各自に返却した。これによって採点基準を明確化するとともに各個人の理解に役立てた。健康科学特論では,レポート提出においては,個々の学生のレポートに評価を記入し,返却することで,個々の評価を明確化した。
研究指導
【観点1】学部
 指導した学生がいないため,記述できない。
【観点2】大学院
 修士課程の学生1名を指導した。前年度作成したアンケート調書を3月から引き続き4月にも研究対象者に郵送し,回収した。次にデータの入力方法を指導し,エクセル形式にまとめさせた。さらに統計解析ソフトSPSSの使い方,データ解析の仕方を指導した。そして院生がデータ処理したものが適正かどうか,判定し,必要に応じて修正解析させた。最終的な学位論文の執筆にあたり,まず論文の構成,書き方を指導した。最後に院生が記述した論文原稿を校正し,修正させた。
その他の教育活動
・国立大学法人新潟大学医学部非常勤講師
・新潟県立看護大学非常勤講師(公衆衛生学の講義担当)
・上越看護専門学校非常勤講師(病態治療学Xの講義担当)
特色ある点及び今後の検討課題等
 衛生学・公衆衛生学の授業では,生活習慣病,少子高齢化,地球温暖化など最近の重要課題に重点をおいて解説した。健康科学特論の授業では,生活習慣病,メタボリックシンドローム,慢性腎臓病,喫煙による健康障害,ウイルス性肝炎や麻疹やHIVなど最近問題になっている感染症を中心に解説した。教育方法は,単に板書やプリントによる授業形式のみではなく,小テストの利用,アンケートの実施を行い,授業に反映させた。今後は,教員と学生の相互のコミュニケーションのさらなる改善を図るシステム(講義支援システム)を活用した新たな教育方法をさらに活用したいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年1月:『自己免疫性膵炎の治療後,腎機能障害が進行したIgG 4 関連尿細管間質性腎炎の1例』(共著) 日本腎臓学会誌,52巻,1号, pp.73-79
発】(1)平成21年7月:『学生定期健康診断の事後指導・保健指導への取組5)検尿血液』(単) 第47回全国大学保健管理協会 関東甲信越地方部会研究集会
(2)平成21年9月:『大学生の性教育に基づく性教育プログラムの開発』(共) 第47回全国大学保健管理研究集会
(3)平成21年10月:『びまん性の急性肉芽腫性間質性腎炎を合併し高用量PSLを使用したサルコイドーシスの一例』(共) 第39回日本腎臓学会東部学術大会
(4)平成21年10月:『学校と学校医(内科)の連携についてー学校医・校長・養護教諭へのアンケート調査を通してー』(共) 第17回日本養護教諭教育学会学術集会
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本老年医学会会員・代議員, (2)日本腎臓学会会員・学術評議員, (3)日本内科学会会員・認定専門医, (4)日本臨床腎移植学会会員, (5)日本透析医学会会員・専門医, (6)国際腎臓学会会員, (7)日本禁煙科学会会員, (8)日本養護教諭教育学会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市障害区分等認定審査会,  (2)全国大学保健管理研究集会会員
◎社会への寄与等
(1)厚生連上越総合病院非常勤医として,毎週火曜日半日または全日,第1,3,5週の土曜日半日の内科外来の診療を行い,地域医療に貢献した。
(2)社団法人上越医師会・上越地域総合健康管理センターにおける健康診断や人間ドックにおける内科診察等診断業務に毎週木曜1時間携わり,地域の保健活動に貢献した。
(3)新潟県医師会報の編集委員として,毎月1回2時間程度の編集会議に参加し,医師会活動ひいては地域の医療に貢献した。
(4)5月16日保健管理センターが主催者となって慢性腎臓病に関する市民公開メディカルセミナー「CKDってなあに?」を開催した。センター長として開催の計画立案,講演者への依頼,広報などを行い,当日は司会,講演も行った。
 

  
下 村 義 夫(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 視聴覚教材などを使用するとともに,印刷資料を配布する等,学習方法を工夫した。成績評価面では,討論への意欲的な参加や発言内容等を加味して総合的に評価することを試みた。
【観点2】教育の達成状況
 体育科の保健領域についての学習が不足しており,まず時間数の確保等の条件整備が必要と考える。
研究指導
【観点2】大学院
 7名の大学院生(修士)の内,5名が現職教員等であり,院生が相互に影響し合うように配慮した。臨床的な研究課題に取り組む際に有効であった。修了生は全国学会で研究発表する等の成果を上げた。ただし,研究論文をまとめていくにはかなりの時間が必要であった。
特色ある点及び今後の検討課題等
 臨床的な教育課題について包括的な捉え方や解決策を提起できるよう配慮した。特に,健康課題と教育や社会との関連に関する文献解題を通して,具体的な事例に即して追究できるよう工夫した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年10月:『学校保健ハンドブック』(共著) ぎょうせい
業】(1)平成22年3月:『平成21年度上越市ライフスタイルに関する追跡調査結果報告書』(共著) 平成21年度上越市ライフスタイルに関する追跡調査結果報告書
(2)平成22年3月:『養護教諭の研究力量の向上』(単著) 日本教育保健学会年報, 第17号, pp.91-96
発】(1)平成21年11月:『中学校における保健学習の充実に関する試み』(共) 第56回日本学校保健学会
(2)平成22年3月:『養護教諭の実践における「省察」と「熟考」』(共) 第7回日本教育保健学会
(3)平成22年3月:『養護教諭のライフヒストリー』(共) 第7回日本教育保健学会
(4)平成22年3月:『小学校における保健学習の教材開発』(共) 第7回日本教育保健学会
学会活動への参加状況
(1)日本教育保健学会 常任理事(編集担当), (2)日本学校保健学会 評議員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)大学設置・学校法人審議会体育学専門委員会, (2)研究指定校(教科別指定)に係る企画委員会, (3)上越市ライフスタイルに関する追跡調査結果検討委員会, (4)10月:平成21年度 養護教諭教職12年経験者研修講師
 

  
立屋敷 かおる(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育方法: 昨年度までと同様,学部の担当授業科目「食科学B」,保育士資格対応科目「食生活論」等の授業内容が広範囲に亘る科目のシラバスには,予習,復習が必要であること,併せて,人と食の関わりを理解するために食科学の関連授業科目の履修が望ましいこと等を明記し,初回授業の際にも指示した。なお,学部2年次選択必修の「総合演習(学校と食の教育)」では学校全体で行う食の教育を協同的に担う教員を養成する立場から,授業5回に教員養成実地指導講師として今年度新潟県が新たに配置した栄養教諭2名(現職及び指導主事)を依頼した。 大学院では昨年度までと同様,食の科学特論・食科学特論において自身の研究を軸にして食を総合的に取り上げ,教養的な内容に学校での総合的な学習,食の指導,健康教育にも関連した専門的な内容を加えて講義した。大学院修士課程で昨年度より開設された共通科目「現代社会と学校教育」を担当し,「学校での食の教育」について2回講義を行った。
成績評価: シラバスに評価項目等について記載した。学部の授業内容が広範囲に亘る科目では,小テストを適宜実施し,さらにその成績の受講者自身の評価に基づく追加レポートを作成することにより学習を深めるよう工夫した。成績評価は,小テストとそのレポート,授業内容に関連した課題のレポートの評価,出席状況等に基づいて行った。大学院の授業では,各授業科目の授業目標に関する課題を最終回に提示し,そのレポートを用いて受講者の学習達成の評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
 全体的にはここ数年来と同様の達成状況であった。
 学部の授業で受講生がシラバスを確認せずに履修登録しており,前期,後期ともに授業開始が滞ることが多い。シラバスを確認しないと履修登録できないシステムにするなど,教育の達成度を上げるためにも全学的な対応策の検討を要望する。
研究指導
【観点1】学部
 担当学生なし
【観点2】大学院
 修士論文・試験の副査・試験員の立場から,修了予定者に対してこれまでの院生等への研究指導の経験に基づいて指導を行った。
その他の教育活動
・連合大学院博士課程の学位審査委員及び博士候補認定試験委員
・早稲田大学人間科学学術院非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 学校教育における食の教育や健康教育を協同的に担うことができる教員の養成,及び教育基本法等改正などに伴う学校教育の変革等にも充分対応できる資質・能力を備えた教員の養成を意識的に行っている。
 今後の課題は,さらに上記の成果を高めることである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年12月:『調理学―健康・栄養・調理―』(共著) アイ・ケイコーポレション
(2)平成21年9月:『運動と免疫 からだをまもる運動のふしぎ』(共著) ナップ
論】(1)平成21年9月:『Effects of dexamethasone on the expression of β1- , β2- and β3-adrenoceptor mRNAs in skeletal and left ventricle muscles in rats.  』(共著) Journal of Physiological Sciences, 59 (5), 383-390
(2)平成21年6月:『Acute effects of dihydrocapsaicin and capsaicin on the distribution of white blood cells in rats.』(共著) Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 55, 282-287
(3)平成21年4月:『Zinc-deficiency induced changes in the distribution of rat white blood cells.』(共著) Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 55, 162-169
(4)平成21年11月:『酒と共に食を楽しむ―酒酔い軽減の知恵―』(共著) アルコール健康医学協会 NEWS & REPORTS, Vol.15 No.02, 8-9
発】(1)平成21年9月:『骨格筋と心筋のβ2-アドレナリン受容体mRAN発現とその調節因子に及ぼすβ2-アゴニスト・クレンブテロールの影響』(共) 第64回日本体力医学会大会
(2)平成21年9月:『亜鉛欠乏および亜鉛欠乏解除後のラット白血球系細胞の応答特性』(共) 第64回日本体力医学会大会
(3)平成21年9月:『ラット骨格筋β-アドレナリン受容体mRNAおよびグルココルチコイド受容体mRNA発現に及ぼすデキサメタゾンの影響』(共) 第64回日本体力医学会大会
(4)平成21年9月:『デキサメタゾン投与によるラット血漿インスリン・FFAグリセロールの変動』(共) 第64回日本体力医学会大会
(5)平成21年9月:『デキサメタゾン投与によるラット白血球系細胞数への影響』(共) 第64回日本体力医学会大会
(6)平成21年9月:『唐辛子の辛味成分投与によるラット白血球系細胞数と血漿エネルギー基質レベルの動態』(共) 第64回日本体力医学会大会
(7)平成21年7月:『Effect of zinc-deficiency on the distribution of rat white blod cells』(共) The XXXVI International Congress of Phisiological Sciences
(8)平成21年7月:『Effects of dihydrocapsaicin and capsaicin on the distribution of white blood cells in rats』(共) The XXXVI International Congress of Phisiological Sciences
(9)平成21年7月:『Subacute effects of cpsaicinoids on the number of white blood cells and stress organ mass in rats』(共) The XXXVI International Congress of Phisiological Sciences
(10)平成21年7月:『Acute effects of allyl isothiocyanate on plasma FFA and glycerol concentrations and the number of white blood cells in rats』(共) The XXXVI International Congress of Phisiological Sciences
(11)平成21年7月:『Effects of the synthesized glucocorticoid, dexamethasone on beta1-3 adrenoceptor mRNA expressions of skeletal and left ventricle muscles』(共) The 36th International Congress of Phisiological Sciences
(12)平成21年7月:『Effects of B2-agonist, clenbuterol on the mRNA expression of mRNA binding/degradation factors of B-aadrenoceptor in rat muscles』(共) The XXXVI International Congress of Phisiological Sciences
(13)平成21年8月:『Effects of the β2-agonist clenbuterol on β1- and β2-adrenoceptor mRNA expressions of rat skeletal and left ventricle muscles.』(共) International Sports Sciences Network Forum in Nagano 2009
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)箸操作のラテラリティと視覚・認知フィードバック系の関連に関する筋電図学的研究 代表者:立屋敷かおる(上越教育大学) 科学研究費補助金基盤(C)一般
(2)情動知能を育む教育「人間発達科」の新たな展開 代表者:松村京子(兵庫教育大学) 連合研究科共同研究プロジェクト経費
学会活動への参加状況
(1)9月18日〜20日:第64回日本体力医学会大会出席
◎特色・強調点等
 食と健康(エタノール代謝・自律機能・筋容積・免疫機能)との関係,食に関連する動作(調理や食具の操作)と神経筋協応能等についての研究を早稲田大学人間科学学術院生体機能学研究室(今泉和彦教授)と共同で行っている。今年度も,これらについて以下の様な共同研究を推進すると共に,これまでの成果を国内・国際学会発表及び学術論文として学術雑誌(国際誌)に発表(投稿中もあり)した。 (1)「ライフステージに応じた健康増進と多様性保持」文部科学省学術フロンティア研究プロジェクト(研究代表者:今泉和彦(早稲田大学人間科学学術院教授))の分担研究テーマ共同研究者 (2)「箸操作のラテラリティと視覚・認知フィードバック系の関連に関する筋電図学的研究」科学研究費補助金基盤(C)一般(代表者:立屋敷かおる)連携研究者:今泉和彦
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市食育推進会議委員, (2)附属小学校研究会研究協力者, (3)上越市食に関するポータルサイト検討会議委員, (4)上越市中心市街地活性化協議会委員, (5)上越市謙信公アカデミー評議員, (6)上越市環境衛生公社評議員
◎社会への寄与等
 上越市の食育,中心市街地活性化等に関連して以下の様に寄与した。 ・上越市食育推進会議委員等,市の食育推進に積極的に参画した。・学校における食の教育推進に積極的に関わった。 ・上越市中心市街地活性化協議会委員として上越市中心市街地活性化の検討に積極的に関わった。上越市謙信公アカデミー評議員として上越市の研究奨学金,修学奨学金の審査に積極的に関わった。
 

  
増 井   晃(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 欠席する学生が少なくないので,できる限りオムニバス形式の授業を心懸けている。多人数の授業については講義形式,少人数についてはグループディスカッションを積極的に取り入れている。評価については,学部生は出席と試験の成績,大学院生については出席とレポートを基本とする。
【観点2】教育の達成状況
 勤務時間の多くを授業の準備に取られているが,それだけ内容の濃い授業となっていると考える。学生の自己学習へと発展しているかについては不明。
研究指導
【観点1】学部
 担当なし(セミナー未開講のため)。
 ただし,生活健康系に所属する学生から,指導を受けたいとの申し出があったため,今後の検討課題とする。
【観点2】大学院
 所属する学生の大半が,大学院への進学理由として1)専修免許取得,2)教員採用試験合格,3)研究という優先順位である。したがって研究への意欲,論文執筆へのモチベーションが低いため,修士論文の質の保証が困難な状況にある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年12月:『教員養成系大学新入生の23年間にわたるメンタルヘルスの変化』(共著) 学校メンタルヘルス12(2)
(2)平成22年2月:『大学生の性意識に基づく性教育プログラムの開発』(共著) CAMPUSU HEALTH 47(1)
発】(1)平成21年9月:『大学生の性知識に基づく性教育プログラムの開発』(共) 第47回全国大学保健管理研究集会
(2)平成21年10月:『学校医(内科)と養護教諭の連携について−学校医(内科)と養護教諭へのアンケートを通して−』(共) 第17回日本養護教諭教育学会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟倫理委員会, (2)国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟外部評価委員会
 

  
角 田 智恵美(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義形式を基本とする授業においてもできるだけ実践的な場面設定を行うように工夫した。修士課程の授業でのとりくみ(模擬授業の構想と教材の作成)を学部授業で学部生を対象に実践するなど,本学の特徴,有効性を生かした方法を実施した。また,学園祭で健康教育の実施を行うことを目的に演習の授業で準備にとりくみ,授業やとりくみの意義が実感できるように努めた。授業では,「記憶」することよりもそれぞれの健康や子どもに関する「観」を育むことが主としたねらいであったため,試験も小論形式の記述を重視した。
【観点2】教育の達成状況
 昨年本学に赴任し,初めて担当する授業科目も多かった。中には,専門外と思われる担当授業もあった。また,対象者が体育専攻と保育士取得を目的とする学生等,本来は授業内容の重点がかなり異なるべき学生たちが同一の授業を受講する設定になっているため,本来必要と思われる内容も省かざるをえなかった(自己学習とした)。教材研究や授業方法の工夫は行ったが,実際の授業では,十分な教育がなされたとは言い難く,今後授業内容について熟考,精選していく必要がある。
研究指導
【観点1】学部
 科目群が大学院のみのため,学部の担当なし
【観点2】大学院
 担当していたのは1年の免許プログラムの学生1名である。原則,個別の指導を毎週1時間行い,併せて研究領域が近い他のゼミとの合同ゼミを毎週1時間程度実施した。当該学生が免許プログラムの関係で多くの授業の受講が必要であり,また1年生であるため研究内容をあまり絞り込まずに,広く関連の領域の学びができるように工夫した。特に,合同ゼミでは他コースの現職教員等との交流もあり,また様々な研究手法をとっていることからも刺激が多く,深い学びができたのではないかと考えられる。
特色ある点及び今後の検討課題等
 自身が学校現場での経験が長いため,理論だけでなくできるだけ実際的,現実的な内容の学びやスキルの習得ができるように努めている。また,教育を行う上で最もその基盤となる,子どもの健康や安全について実際に守り育てることができる教員を養成したいと考え,学生の健康観や子ども観を育てるように努めている。一方,実践的な授業のときは動き,考えざるを得ないため学生も取り組むが,講義形式の授業の場合は集中力に欠けることも少なくない。一定数の受講者がいる講義形式の授業において,いかに学生が集中し,一定の緊張感をもって臨めるようにするかが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年4月:『新養護学概論』(共著) 東山書房
論】(1)平成21年8月:『ピアサポートを活用した効果的な禁煙支援に関する研究』(共著) 鳴門生徒指導研究, no.19, pp.14-27
業】(1)平成22年3月:『学校等における望ましい連携の在り方について』(共著) 学校教育実践学研究者・指導者の育成 取組報告書, 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科471
発】(1)平成21年9月:『大学生の性意識に基づく性教育プログラムの開発』(共) 全国大学保健研究集会
(2)平成21年10月:『健康相談活動における養護教諭の専門性が確認できる記録の試み』(共) 日本養護教諭教育学会
(3)平成21年10月:『養護教諭養成課程におけるキャリア発達の促進−教育支援センターとの連携を図ったとりくみを通じて−』(単) 日本養護教諭教育学会
(4)平成22年3月:『養護教諭のライフヒストリー』(共) 日本教育保健学会
学会活動への参加状況
(1)7月19日〜20日:第1回アジア太平洋ヘルスプロモーション健康教育学会出席, (2)9月19日:日本安全教育学会第10回大会出席, (3)9月20日〜9月21日:日本心理臨床学会第28回秋季大会出席, (4)10月10日〜11日:日本養護教諭教育学会第17回学術集会出席, (5)10月12日:日本LD学会第18回大会出席, (6)3月7日:日本学校健康相談学会第6回学術集会出席, (7)3月27日〜28日:第7回日本教育保健学会出席
◎特色・強調点等
 自身が専門とする養護実践分野は,心身の健康その他幅広い分野との関連がある。従って関連分野の様々な情報収集にまず当たった。研究活動の実際に当たっては,できるだけ大学院生との共同研究を行うようにした。特に専門分野については未だ学問的に確立しているとは言い難い状況にあること,また実際の養護教諭の実践に依拠した学問構築がなされるべきものであるため,特に教職(養護教諭)経験者との共同研究が有効と思われる。一つの研究が一応の結果を見た後,また新たな課題設定を行い,共同研究を継続して来ている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市養護教諭・保健主事研修会, (2)ライフスタイルに関する追跡調査結果検討委員会委員, (3)教員免許状更新講習講師
◎社会への寄与等
 元来,上越地区の学校保健,養護活動は他地域に比べ優れている。特に上越市教育委員会を中心とした研修,研究活動は盛んである。赴任初年度であり,地域の学校や養護教諭の状況もあまり把握していない状態での研修講師や委員の担当であった。内容的にも,時間的にも不十分さは多分にあったが,今後大学を一つの拠点としてさらに地域の学校保健,養護活動を学校現場の養護教諭らとともに促進させて行く足掛かりは築けたのではないかと思われる。