第一章 組織の運営状況に関する自己点検・評価
 
2 平成22年度の大学運営
 
 平成22年度は,第二期中期目標期間の初年度に当たり,新たな中期目標・中期計画の達成に向け,以下の事項について,学長のリーダシップの下,取組を行った。
 
 一つ目に,「教育指導の充実と修学条件の整備」に関し,@修学条件の整備に関連し,修得すべき到達目標や確認指標を示した『上越教育大学スタンダード』と各授業内容との関連付けを把握するとともに,『上越教育大学スタンダード』に準拠し設定した教科指導法に係るルーブリックを作成した。A教育の「質保証」への取組として,GPA制度に連動したCAP制を定め,その取扱いを制定し,成績評価に関する客観的な基準の認識について共有化を図った。B新たな教育プログラムに取り組むため,平成22年度大学生の就業力育成支援事業(就業力GP)に応募し,本学の「人的交流を基軸とする活力ある教員養成」が教育系大学で唯一採択された。C教員採用試験に関する支援として,キャリアコーディネーターによる就職相談,論文・面接指導や都道府県の教育委員会担当者による教員採用試験説明会の開催,教員採用模擬試験について受験料の一部無料化を実施するなど,きめ細かな就職指導で,教職関係機関就職率の向上を図った。
 
 二つ目に,「大学院レベルでの教員養成と再教育の先導的な取組」に関して,@大学院の入学定員を充足するための取組として,分かり易い情報を提供するために,ホームページをリニューアル,説明会において体験談の発表や個別相談に対して在学生を活用,新たに福岡,仙台で入学相談会を開催するなど,本学大学院を知ってもらうための方策を積極的に行った。A第三者機関による質の保証という点から,平成22年度から新たに実施された教職大学院等認証評価に関し,初年度に受審し,適合の評価結果を得た。
 
 三つ目に,「学校教育の地域的重要課題への積極的な取組」に関して,@地域との連携・協力という点で,学校図書館司書教諭講習や教育職員免許法認定講習など,教員養成大学としての使命との関連において,地域社会や学校現場への支援を積極的に行った。A新潟県及び新潟市の教育委員会等と共同し,理数系教員(コア・サイエンス・ティーチャー)養成拠点構築事業を実施した。
 
 四つ目に,「研究の活性化と若手研究者の育成」に関して,@本学が重点的に推進するプロジェクト研究に任期付研究員を配置する制度(『専修研究員制度』)の構築,A研究支援体制の強化のため,『研究推進支援室』の整備,B若手研究者の育成のため学長裁量経費による研究費助成など,研究の実施体制の整備を重点的に行った。
 
 
 また,上記の他,以下の事項に関しても重点的に取り組んだ。
 
 まず,「業務運営の改善及び効率化」に関し,@学長補佐体制の充実,A女性教職員が活躍できる環境作りとして,『上越教育大学男女共同参画基本計画』の策定,B監査に関する組織的な体制を整えるため『監査室』を設置,C事務系職員の資質・能力の向上させるため『平成22年度職員研修計画』を作成し計画的に研修を受講させるなどの取組を行った。
 
 次に,「財務内容の改善」について,科学研究費補助金の申請件数の増加に向けて,@科学研究費補助金説明会の他に,A教授会において申請の流れやポイントの説明,B研究推進支援室における支援,C採択者及び不採択者への研究費支援の取組を行った。
 
 また,「情報公開等の推進」という点で,社会に分かりやすい形式で正確,かつ,迅速に情報を提供するため,ホームページを全面的にリニューアルした。
 
 さらに,@学生・院生の学習環境,生活環境のニーズに対応した整備,A健康保持増進のため積極的に啓発活動,B研究費不正使用防止推進実施計画を踏まえての『会計ルールハンドブック』の整備,C幼稚園・小学校・中学校の全ての附属学校園が文部科学省の研究開発学校として実践研究を通した新しい教育課程・指導方法の開発に取り組むなど,上越教育大学大学憲章で示している本学の基本的使命と目標の実現に向け,様々な取組を行った。