【自然系コース】
 

中 川   仁(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 小学校,中学校,高校における単元との関連を明らかにし,目的を明確にすることを心がけた。板書の量とスピード,適切な演習問題を出すことについても留意した。
【観点2】教育の達成状況
 学生は意欲的に授業に取り組んでいたことが,試験結果からもわかる。
研究指導
【観点1】学部
 3年生のゼミでは,ピタゴラス数,ペル方程式,フィボナッチ数列等について,整数論に関する基本的なことを習得してもらうことができた。
 4年生のゼミでは,テキストとして用いた整数論に関する入門書をほぼ読み終えることができ,中学校の数学教員に要求される十分な数学的素養を身につけてもらうことができた。
【観点2】大学院
 整数論に関して各自が深く学ぶことができ,中学校,高等学校の数学教員として基本的な数学的素養を身につけてもらうことができた。
 
<研究活動>
学会活動への参加状況
(1)上越数学教育研究会 会長, (2)上越地区高等学校数学教育研究会 顧問, (3)第92回 全国算数・数学教育研究(新潟)大会(日本数学教育学会) 実行副委員長
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)9月〜10月:公開講座「数の不思議」講師
 

松 本 健 吾(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 平成23年度は着任1年目であり,かなり多くの授業負担にも関わらず,授業準備に多くの時間を割き,丁寧に説明することを心掛けたつもりである。数学の深い部分まで教えようと意気込んで授業に臨んだ。
【観点2】教育の達成状況
 こちらが考えているよりも予想以上に学生の理解力が低く,日々の学習をする習慣付けと学習に対する熱意を高める必要があることを実感している。これは大学院における教員免許取得プログラム(免P)の学生についても同様で,数学の基礎力を持っていない学生が多いことから,基礎的事項の理解を前提に授業を行うことが難しく,予定していた内容を時間内に終えることができないことも多かった。そのため,私がシラバスを書く段階で考えていた内容は,どの科目も達成には程遠いものとなった。
研究指導
【観点1】学部
 解析学セミナーで3年生で,数学的に面積という考え方を教えた。
 これを知っていれば,学校の授業で面積という概念の数学的な定義や様々な一般的な性質が理解できる。
【観点2】大学院
 修士課程1年生の解析学研究セミナーで 記号力学系の研究を指導した。
その他の教育活動
・3年生の教育実習の研究授業に参加した。
 上雲寺小学校, 高田西小学校, 春日野小学校
特色ある点及び今後の検討課題等
 授業で一生懸命教えても自宅で学習する習慣が少ないためいわゆる教え甲斐がなく,砂漠に水を撒くようなむなしさをおぼえるときもある。教育現場の教師には,実践力はもちろん大事であるが,教科の基礎学力がなければ授業の内容で子どもたちを引きつけることができず,すぐにメッキは剥げ落ちることになり,結果として子供たちと教師の双方にとって不幸と言わざるを得ない。この問題は単にひとりの教員の問題ではなく,大学全体で捉えるべきであり,入学から教員免許を与え卒業させるまで一貫した課題として認識する必要があると思われる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成22年10月:『Structural Analysis of Comlex Networks』(共著) Birkhauser
論】(1)平成22年4月:『Actions of symbolic dynamical systems on $C^ast$-algebras. II. Simplicity of C*-symbolic crossed products and some examples.』(単著) Mathematiche Zeitshrift
(2)平成22年5月:『Orbit equivalence of topological Markov shifts and Cuntz-Krieger algebras』(単著) Pacific Journal of Mathematics
(3)平成22年12月:『Orbit equivalence of one-sided subshifts and the associated C*-algebras』(単著) Yokohama Mathematical Journal
(4)平成23年2月:『A class of simple C*-algebras arising from certain non-sofic subshifts.』(単著) Ergodic Theory and Dynamical Systems
発】(1)平成23年3月:『タイルばりの作用からできるC*環について』(単) 日本数学会
◎特色・強調点等
 記号力学系という位相力学系の中での最も大切なクラスの研究を,作用素環というヒルベルト空間上の作用素のなす環の代数構造を用いて研究している。
 力学系という古典的な対象に,作用素環という量子的な非可換構造をもった無限次元代数を応用するのが画期的なアイデアであり,この種の研究は,私が15年ほど前に,開始しその時は,私以外世界の誰も研究していなかった。その後,私の出版論文を読んだ人たちが続々と私の後を追いかけ始め,デンマークやオーストラリア,アメリカなどでグループを作り,私と競い合っていた。しかし,上越教育大学に着任してから,授業と会議と書類書き等の雑用に忙殺され,研究時間が全くとれなくなった。現時点では,私が彼らの後塵を排しており,これから増々遅れをとるだろう。何とかせねばならない。
 道具としては,解析だけでなく,幾何学的なアイデアを使ったりするのがおもしろく,作用素環自身の分類理論とも密接に関連し,まだまだ未解決な問題も多い。
 非可換で無限次元な対象を扱っているので,一般の人に研究内容を紹介するのが非常に難しいのが難点である。
 

溝 上 武 實(教 授)
 

 橋   等(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法としては,学生や院生の数学教育に関する基礎的な素養を高めること,および実践的な関心を鼓舞するように配慮した。特に,学生や院生が将来,算数や数学を専門とする教員として自己研修を積み重ねるような教師になることを願い,学生や院生の意欲など情意的な側面を高めるような工夫をした。学生や院生が教員になったときに雑誌や書籍を読み,実践に応用することができることは大切であり,そのような自己研修をする力量が今日的に求められている。また,教育現場で働くには同僚と共同作業をする力量も求められるため,授業ではグループによる作業なども取り入れた。評価に関しては,試験のみでなく,レポートを提出させるなど,学生や院生を多方面から評価するように努めた。
【観点2】教育の達成状況
 教育の達成状況としては,概ね良好である。今年度は,多くても50名に充たない受講者の授業が多かったため,学生や院生と直接的なコミュニケーションをとることができ,学生や院生の意欲を湧き上がらせるような工夫が有効に働いたものと考えている。しかしながら,すべての学生や院生に対し,そのような手応えがあったかと言えば,そうではない。理想を言えば,学生や院生の誰もがに教師として十分な仕事ができるような力量を身につけさせたいものであり,そういう点では改善点があるものと考えている。
研究指導
【観点1】学部
 学部生に対する研究指導では,セミナーにおいて,日本の算数・数学教育の特長を戦後の学習指導要領の目標や内容の変遷を緻密に調査させることにより,今日における算数・数学授業のよさと改善点を議論することを出発点とした。附属小中の公開研究会などにも積極的に参加させ,実践的な視点と研究の視点との双方を経験させた。教育実習における学生の教育実践を契機とした教材開発も行わせ,将来,教師として,自ら教材を開発するための力量を,卒業研究をすることを通して高められるよう配慮した。
【観点2】大学院
 大学院修士課程においては,日本の数学教育学研究の動向のみならず,海外,特に欧米の数学教育学研究の動向に関心をよせるように指導し,海外の研究の視点を取り入れることにより,日本の数学教育実践を見直すよう仕向けた。およそ良好な研究活動を経験させることができたと考えている。さらに,研究に実践的な特長を取り入れるために教授実験をやインタビューを行わせ,その結果を解釈させることにより,現実に起こっている算数・数学の教育活動を研究を通して考察する経験をさせたことにより,算数・数学教師として仕事をする際の有益な観点を身につけさせることができたと考えている。
その他の教育活動
・平成23年1月16日から平成23年3月31日まで,国立大学法人筑波大学大学院教育研究科非常勤講師。
・教育実習小学校5名,中学校1名の研究授業を指導。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育活動の特色ある点としては,学校現場との関連性を常に保持している点である。学生や院生が特に算数・数学授業の参与観察をしたり,子どもたちと関わる機会を十分に確保するように心がけている。勿論,数学教育理論を十分に研究できるだけの時間を学生や院生が得られるよう,配慮している。数学教育の理論と実践との双方向から学校教育にアプローチできるようにさせている点が,教育活動の特色ある点と言える。今後の検討課題としては,数学教育の実践的な側面をさらに教育活動に取り入れることである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年8月:『Relationships between an elementary school student’s making mathematical discovery and indwelling in learning proportion』(単著) The 5th East Asia Regional Conference on Mathematics Education Proceedings,vol.2,376-383.
(2)平成22年11月:『数学的知識の獲得において形成される価値観の特徴と形成過程の理論的分析』(単著) 第43回数学教育論文発表会論文集,819-824.
発】(1)平成22年11月:『数学的知識の獲得において形成される価値観の特徴と形成過程の理論的分析』(単) 日本数学教育学会
(2)平成22年8月:『Relationships between an elementary school student’s making mathematical discovery and indwelling in learning proportion』(単) The 5th East Asia Regional Conference on Mathematics Education
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:第92回全国算数・数学教育研究(新潟)大会指導助言, (2)8月2日〜8月4日:第92回全国算数・数学教育研究(新潟)大会出席(小学校部会における指導助言), (3)8月18日〜8月22日:The 5th East Asia Regional Conference on Mathematics Education 出席, (4)11月13日〜11月14日:第43回数学教育論文発表会出席, (5)日本数学教育学会数学教育編集部監事
◎特色・強調点等
 研究活動としては,数学教育における科学哲学的なアプローチをするとともに,それから得た視点をもとに,算数・数学授業における臨床的なアプローチを行った。科学哲学的なアプローチでは成果は目に見えて進歩したとは言えないものの,この分野は非常に重い分野であるため,力を注いでいる。算数・数学授業に対するアプローチは算数・数学教育の実践と直接的な係わりがあるため今日的には重要なものである。授業に対するアプローチは現職教員の院生の研究のために寄与する場合も大きいため時間を割いている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)教育実践研究査読委員, (2)穂高西中学校数学部門研究会指導助言, (3)シグマ会指導助言
◎社会への寄与等
 数学教育学は学校における算数・数学教育実践からあげられる課題を研究テーマとして研究し,その成果を実践にフィードバックさせるという一側面をもっており,その点で地域や学校における研究会での指導・助言など様々な社会貢献が求められている。教科教育学研究者としては社会貢献は一種の義務ともなっており,積極的にその役割を果たしていくようにしている。
 

伊 達 文 治(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 担当する全ての授業において,学生・院生の固定的数学観から文化的数学観への変容を図る工夫を盛り込み,その実践に取り組んだ。授業の中で学生・院生の記述や発表等の活動を重視した。
【観点2】教育の達成状況
 学生・院生に固定的数学観から文化的数学観への変容という大きな成果をみることができた。このことは,授業における記述や授業後のレポートなどによって確認できる。
研究指導
【観点1】学部
 世界の数学発達のダイナミズム,数学史全体の流れを捉え,現在の学校数学との関係から考えさせた。
【観点2】大学院
 論証数学の起源や代数学の展開を捉え,さらにわが国の数学教育の原点に遡及し,現在の学校数学との関係を考えさせた。
その他の教育活動
 教育実習におけるゼミ生の研究授業は全て参観し,事後の検討をゼミ生と共に行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 特色ある点は上に述べた通りである。今後の課題は,今回のような文化的数学観への変容を図る実践を,わが国の学校数学全体にも反映させていくことである。これから,そのための方策を探求し,実践をさらに深めていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成22年4月:『高等学校 数学教育の展開』(共著) 聖文新社
(2)平成23年3月:『数学教育における文化的価値に関する研究』(単著) 博士学位論文(広島大学)
論】(1)平成22年11月:『比と比例の指導に関する歴史的考察』(単著) 日本数学教育学会第43回数学教育論文発表会論文集
(2)平成23年1月:『数学教育における文化的価値に関する研究−西洋数学受容による数量概念の変容について−』(単著) 全国数学教育学会誌[数学教育学研究],第17巻 第1号,pp.17-33.
(3)平成23年3月:『ゼミから生まれた数学的活動図』(単著) 『上越数学教育研究』,第26号,pp.13-20.
発】(1)平成22年6月26日〜27日:『数学教育内容の文化的価値に関する研究−西洋数学受容による量概念の変容について−』(単) 全国数学教育学会第32回研究発表会
(2)平成22年11月13日〜14日:『比と比例の指導に関する歴史的研究』(単) 日本数学教育学会第43回数学教育論文発表会
(3)平成22年8月2日〜4日:『円周率に関わる教材研究』(共) 第92回全国算数・数学教育研究(新潟)大会
(4)平成22年8月2日〜4日:『10進位取り記数法のよさを見直す指導』(共) 第92回全国算数・数学教育研究(新潟)大会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)第92回全国算数・数学教育研究(新潟)大会 小学校部会 第22分科会(学習指導法)における指導助言, (2)上越数学教育研究会総会及び講演会における講師
 

宮 川   健(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 昨年度と同じ学部の授業については,昨年の受講生の反応等を考慮して,授業の内容と方法を構成しなおした。大学院の授業については,昨年度と異なるテーマの授業を行った。
【観点2】教育の達成状況
概ね達成された。
研究指導
【観点1】学部
 学部3年生3名のゼミ生に対し研究指導を行なった。数学の内容の理解とその教育への適用を念頭に各自の研究テーマを深められるよう指導した。
【観点2】大学院
 M1の院生2名,M2の院生1名のゼミ生に対し研究指導を行なった。主に,基本文献の輪読と各自の修士論文のテーマの研究内容の検討をゼミで行なった。また,7月,3月に修士論文の構想発表会に参加するとともに,院生2名については,「上越数学教育研究」誌にこれまでの研究内容をまとめ発表した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業資料をホームページに載せ,欠席者等があとから学習できるようにした。すべての授業において,レポートは採点し返却した。さらに,大学院の授業はコメントを付け返却した。今後の検討課題は,教えるべき内容の多い授業における授業の進め方である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年4月:『フランスの算数・数学教科書』(単著) 日本数学教育学会誌算数教育,Vol.92, No.4, pp. 27-31
(2)平成22年11月:『フランス前期中等教育における証明の生態』(単著) 第43回数学教育論文発表会論文集,第1巻, pp. 295-300.
(3)平成22年10月:『フランスにおける数学教育と数学教授学』(単著) 日仏教育学会年報, 第16号(通巻第38号),pp. 57-65
(4)平成22年8月:『An assessment framework for students abilities/competencies in proving』(共著) Proceedings of EARCOME5, Vol. 2, pp. 416-423
(5)平成22年11月:『量と測定の導入』(単著) 日本数学教育学会誌数学教育,Vol.92, No.11, pp. 72-73
(6)平成22年11月:『Introducing the unit with comparison: difference and constructions of units』(単著) Journal of Japan Society of Mathematical Education, Vol 92, No. 11, pp. 144-145
業】(1)平成22年10月:『理数教科書に関する国際比較調査公開シンポジウム《算数・数学の部》』(共著) 財団法人教科書研究センター
発】(1)平成22年9月:『数学的な知識・技能の評価枠組みの構築に向けて:証明の場合』(単) 日本科学教育学会年会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)国際的な学習状況を改善するための論証学習支援システムの多言語化 代表者:松岡 樂(信州大学教授) 科学研究費補助金
(2)教科書研究センター算数・数学教科書国際比較調査 代表者:長崎栄三(静岡大学教授) 教科書研究センター
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:日本数学教育学会 渉外部幹事, (2)平成22年度:日本数学教育学会第43回論文発表会での座長, (3)国際数学教育心理学会(PME)査読者, (4)9月11日〜12日:日本科学教育学会第34年会, (5)11月13日〜14日:日本数学教育学会第43回論文発表会出席
◎特色・強調点等
 本年度の研究活動は,これまで通り着実に進められた。このペースで今後も研究を進めていきたい。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)「OECD/PISA 2012 国内専門委員会」委員, (2)日本数学教育学会 渉外部幹事, (3)学校教育実践研究センターの紀要「教育実践研究」の査読, (4)日本数学教育学会第92回全国算数・数学教育研究大会での指導助言者, (5)上越数学教育研究会シグマ会への参加
◎社会への寄与等
 本年度の社会貢献は,これまで通り進められた。
 

天 野 和 孝 (教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 高校で地学関係の授業を履修していない学生が多いため,映像や標本を提示し,分かりやすく説明する事を心がけた。成績評価では模範解答等を提示した。
【観点2】教育の達成状況
 学生による評価は平均的に高かったため,目的は達成できたと思われる。
研究指導
【観点1】学部
 卒業研究を指導した。その成果は学会で発表できるレベルに達し,卒業式で学生表彰を受けた。
【観点2】大学院
 在籍なし
その他の教育活動
 中学校実習の研究授業に参加し,アドバイスを行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 高校で地学を履修していない学生が多いため,中学校レベルから復習し,興味を持てるよう工夫した。また,地学セミナーIIでは,専門性を高めることを目標として教育した。その結果,卒業研究で学会レベルまで達する事ができたものと考えられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年12月:『Taxonomy and distribution of fossil Archivesica (Bivalvia: Vesicomyidae) in Japan』(共著) The Nautilus,vol.124, no.4, p.155-165
(2)平成23年3月:『New fossil Bathymodiolus (sensu lato) (Bivalvia: Mytilidae) from Oligocene seep-carbonates in eastern Hokkaido, Japan, with remarks on the evolution of the genus』(共著) The Nautilus, vol.125, no.1, p.29-35
業】(1)平成23年3月:『大学と附属学校園の連携を図った教員養成学部の学士力の質保証に関する研究-教育実習ルーブリックを活用した教育実習指導を通じて-』(共著) 日本教育大学協会研究年報,29集,p.327-344.
発】(1)平成22年6月:『北海道浦幌町より産出した日本最古のシンカイヒバリガイ化石』(共) 日本古生物学会2010年年会
(2)平成22年6月:『Depth-related ecologic structure in fossil cold-seep and whale-fall communities in Japan』(単) 3rd International Paleontological Congress
(3)平成23年1月:『化学合成群集の構造と古水深』(単) 日本古生物学会第160回例会
他】(1)平成22年5月:『日本最古のシンカイヒバリガイ(新種)の発見/北海道浦幌町の3000万年前の地層から日本最古のシンカイヒバリガイ(新種)を発見した』 上越教育大学大会議室
学会活動への参加状況
(1)6月11日:日本古生物学会創立75周年記念行事である国際シンポジウム”The Mesozoic Revolution: a global biological transformation”にて名古屋大学の大路樹生教授と共同コンビナーをつとめた, (2)6月12日-13日:日本古生物学会2010年大会(筑波大学)に出席し,座長をつとめた, (3)6月29日-31日:3rd International Paleontological Congressに出席, (4)1月29日:日本古生物学会第160回例会に出席, (5)日本古生物学会評議員
◎特色・強調点等
 採択された科学研究費のテーマに沿い,日本国内の化学合成化石群集について検討した。その結果,シロウリガイ類を中心とする化学合成群集の分布と構成,古水深との関係などについて明らかになり,その成果を国内,国際学会で発表した。また,日本古生物学会の評議員の一人として学会運営にも寄与した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)理科野外観察指導実習F, (2)糸魚川市立博物館協議会委員, (3)上越市環境影響評価会議委員, (4)上越市文化財調査審議会
◎社会への寄与等
 地方自治体の委員,公開講座の講師をつとめ,地域社会に貢献した。
 

小 林 辰 至(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 本学の設置目的である初等教育教員養成の観点から,担当している学部の必修科目である「初等理科指導法」では,学習指導要領の理念を小学校理科授業で具現化する具体的な手だてと理論を講義と演習を効果的に取り入れて指導している。評価については,最初の授業でその観点と方法を伝え,「タンポポの継続観察」等の複数のレポートを総合的に判断して行っている。
【観点2】教育の達成状況
 本学のFDの結果,学生自身の授業に対する取り組みに関する質問項目「意欲的に取り組んだか」「この授業で新しい知識,手法,技能を修得できたか」について評価4と5を合わせた割合をみてみると,いずれも約90%である。また,「授業の方法」に関する項目について評価4と5を合わせた割合をみてみると,「授業での話し方は,わかりやすいものになっていたか」及び「教科書,プリント,ビデオ等の教材は,適切に用いられていたか」のいずれも約90%と高い割合を示していることから,概ね達成しているものと考えている。
研究指導
【観点1】学部
 理科の授業構成の考え方と具体,あるいは教材の意義等,現場に出てから役立つテーマを取りあげて卒業研究に取り組ませている。
【観点2】大学院
(修士課程)
 博士課程の学生2名に対して理科教育における現代的課題となっている理科における児童生徒の問題解決の能力育成に関わる実践的研究を指導している。具体的には,小学校理科の教科書に掲載されている観察・実験についてプロセス・スキルズの観点で分析し,理科指導の在り方を考察する研究指導等を行った。
(博士課程)
博士課程に在籍していた学生1人に対して博士(学校教育学)を授与するにふさわしい研究指導を行い,修了させた。
特色ある点及び今後の検討課題等
 近年開発した理科の新しい指導法であるThe Four Question Strategy(児童生徒に自らの力で仮説を立てられるようにする指導法)に基づくワークシートの有効性が実践を通して実証されつつある。また,仮説設定においては,児童生徒が自然事象から変数を抽出することが重要であり,自然体験や物づくりがその基盤となっていることを統計的に明らかにしつつある。我が国の児童生徒は自ら課題をみつけ,探究することが苦手であるとされていることから,これらの知見は体験を重視しつつ問題解決の能力を育成する授業作りに生かされることが期待される
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年11月:『中学生の日常生活での因果関係に関与する経験及び認識の傾向の類型化』(共著) 理科教育学研究,第51巻第2号,pp.125-133 
(2)平成22年11月:『教員養成課程学生の自然観察的な自然事象への気づきに影響を及ぼす要因の検討』(共著) 理科教育学研究,日本理科教育学会,第51巻第2号,pp.21-27
(3)平成22年11月:『小学校教員養成課程学生の天文に関する体験及び興味・関心が天体の運行に関する理解に』(共著) 理科教育学研究,第51巻第2号,pp.1-9 
(4)平成23年1月:『The Four Question Strategy(4QS)に基づいた仮説設定の指導がグラフ作成能力の習得』(共著) 理科教育学研究,第51巻第3号,pp.75-83
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)幼小連携における持続可能性教育の実践的取組の研究:科学性を育む里庭体験の検討,科学研究費補助金基盤研究C 代表者:大澤力(東京家政大学教授) 科学研究費補助金
(2)教師の教育観をベースとした教科横断型問題解決学習モデルの構築,科学研究費補助金基盤研究(C) 代表者:久保田喜彦(上越教育大学教授) 科学研究費補助金
(3)持続可能な社会の構築のための教育の革新的な教材と教師教育プログラムの開発,挑戦的萌芽研究 代表者:五島雅和(国立教育政策研究所総括研究官) 科学研究費補助金
(4)教師の教育観をベースとした教科横断型問題解決学習モデルの構築,基盤研究(C) 代表者:五島雅和(国立教育政策研究所総括研究官) 科学研究費補助金
学会活動への参加状況
(1)日本理科教育学会理事, (2)日本理科教育学会誌編集委員, (3)日本生物教育学会理事, (4)日本生物教育学会誌編集委員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)「理科の指導力向上に向けた教員養成に関する研究」に係る委員(国立教育政策研究所), (2)科学リテラシー涵養のための世代に応じたモデル的なプログラム開発等に関する有識者会議委員(国立科学博物館)
 

 津 戸 秀(教 授)
 
<教育活動>
その他の教育活動
・鳴門教育大学の平成22年度嘱託講師として,大学院の講義科目「有機化学特論」(2単位)を担当した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年3月:『気温と水温の継続観測指導に関する授業実践研究』(共著) 日本教科教育学会誌,vol. 33, no. 4, pp. 51-60
(2)平成23年3月:『支点の理解を通してつり合いを学ぶ授業実践研究』(共著) 教材学研究,vol. 22, pp. 77-85
 

中 村 雅 彦(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 専門分野が動物生態学のため,机上の説明だけでなく,緑の小道や弁天池にでて,身近な生物を対象とすることで学生に動機付けを与え,内容の理解を深める工夫を行った。単に授業にでているだけを成績評価の対象とせず,授業時間内における個人の具体的な行動達成を成績評価の対象とした。
【観点2】教育の達成状況
おおむね良好である。
研究指導
【観点1】学部
 学部授業では,最近の研究成果を取り込むとともに,野外に出て身近な生物を対象とすることで,内容の理解を高めた。
【観点2】大学院
 大学院授業では,学習指導要領に基づき,内容構成を精選し,現職院生の要望と現在の研究成果を取り込んで学習効果や内容の理解を深める工夫を行った。
その他の教育活動
 上越保健医療福祉専門学校において非常勤講師として生命科学を前期に担当した。
 筑波大学大学院生命環境科学研究科に所属する大学院生の博士論文審査委員会に副査として加わり,博士論文の審査を行った
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 上越教育大学は,自然豊かな立地条件にある。学部・大学院生の授業では,上越教育大学に生息する身近な生物を対象とすることで,受講生が学校現場で児童・生徒に即戦的な指導ができるように配慮した授業及び指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成23年3月:『大自然のふしぎ(増補改訂)鳥の生態図鑑』(共著) 学研
論】(1)平成22年12月:『Mating advantage of multiple male ornaments in the Barn Swallow Hirundo rustica gutturalis』(共著) Ornithological Science」第9巻No. 2(141−148頁)
(2)平成22年12月:『Low level of extra-pair paternity in a population of the Barn Swallow Hirundo rustica gutturalis』(共著) Ornithological Science第9巻No. 2(161-164頁)
(3)平成23年2月:『小学校教師の理科野外観察に関する実態調査』(共著) 上越教育大学研究紀要第30巻(215-220頁)
発】(1)平成22年9月:『色素への性選択とコンディション依存性』(共) 日本鳥学会
(2)平成22年9月:『雄の魅力が繁殖戦略に与える影響〜配偶者防衛とつがい外配偶行動の最適時間配分』(共) 日本鳥学会
(3)平成22年9月:『ツバメの雄の無差別交尾と差別的求婚』(共)  日本鳥学会
(4)平成23年3月:『格付けされる夫たち,この夫の子供は産みたくない!?〜雄の複数形質と雌のつがい外交尾追求〜』(共) 日本生態学会
(5)平成23年3月:『ツバメの複数装飾の進化を説明する永続的な性選択圧』(共) 日本生態学会
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)マダガスカル特産オオハシモズ類の適応放散と社会進化 代表者:中村雅彦(上越教育大学) 日本学術振興会科学研究費補助金
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:日本鳥学会英文誌編集委員長, (2)平成22年度:日本生態学会生態学教育専門部会, (3)9月17日から9月30日:日本鳥学会大会出席
◎特色・強調点等
 科学研究費補助金をうけ,マダガスカル島に生息するオオハシモズ類の生態を研究している。オオハシモズ類はマダガスカル固有の鳥類で,研究例がきわめて少なく,我々の研究は生態及び進化の面から世界的に注目されている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)長野県文化財保護審議会委員, (2)長野県環境影響評価技術委員会委員, (3)新潟県上越市春日小学校親子探鳥会講師, (4)上越鳥の会の代表, (5)希少猛禽類の保護に関する検討委員会, (6)希少猛禽類保全検討委員会委員, (7)上越市鳥獣被害防止対策協議会委員, (8)理科野外観察指導実習A, (9)理科野外観察指導実習C, (10) 国営土地改良事業「関川二期地区」環境に係わる情報協議会委員
◎社会への寄与等
 各種委員,アドバイザー,講師として生物,特に鳥類の保護・保全施策に係わり,社会の教育・研究に関するニーズへ寄与した。
 

大 場 孝 信(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義は試験で評価し,実験は一人一人実験をやってもらうか,発表をしてもらって評価している。
 教科書は使っていないが,必要な図やデータはプリントして配っている。
【観点2】教育の達成状況
 講義は試験によりチェックしている。また実験では手順をチェックし,自分で体験することを重視している。このため実験で休んだ場合はレポートで置き換えることはせず,自分で実験や観察をさせることとしている。
研究指導
【観点1】学部
 毎週1回朝と夕方セミナーをおこなっている。朝は一般地質学を読み,卒論,修論を書くための基礎力をやしなっている。また,夕方のセミナーでは学術雑誌の論文紹介と実験結果の発表をおこない。内容についてゼミ生全員で問題点を検討し,お互いの見識を深めている。またお互いに意見を言うことで討論の仕方を練習している。
【観点2】大学院
 毎週1回朝と夕方セミナーをおこなっている。朝は一般地質学を読み,卒論,修論を書くための基礎力をやしなっている。また,夕方のセミナーでは学術雑誌の論文紹介と実験結果の発表をおこない。内容についてゼミ生全員で問題点を検討し,お互いの見識を深めている。またお互いに意見を言うことで討論の仕方を練習している。
 学部生と合同でおこなっている。
その他の教育活動
・新潟工科大学
・院生3年生と学部4年生の中学校教育実習の研究発表を見に行き,指導をおこなった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年3月:『群馬県沼田市白沢町の蛍石を伴う鉱床中の鉱物について』(共著) 群馬大学教育学部紀要, 自然科学編, 第59巻
発】(1)平成22年9月:『北八ヶ岳火山群横岳と蓼科山火山岩類の岩石化学・鉱物学的研究』(共) 日本地質学会
(2)平成22年9月:『新潟県米山火山岩類のK-Ar年代と岩石化学的研究』(単) 日本鉱物科学学会
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)11月:いきいきわくわく科学賞審査委員(新潟日報主催,新潟県教育委員会および新潟市教育委員会共催), (2)4月〜3月:長野県屋代高校スーパーハイスクール講師, (3)8月:公開講座「理科野外観察指導実習G」講師
 

小 川   茂(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業では,簡単な実験と観察をまじえながら講義を行った。大学院の「生物教材実験」では,本学に設置されている走査型電子顕微鏡を用いて「学校現場で活用できる画像教材の開発」をテーマとして実際に教材の作製を受講生に行わせ,どの単元でどのようにその教材を活用するか,発表をとおして考察させた。学部の一部の授業では適宜小テストを行い,知識の定着をみるとともに,その結果を授業の改善にむすびつけた。
【観点2】教育の達成状況
 研究室に配属された学部4年生(1名)は石川県の公立小学校教員として正式採用された。また,免P3年生(1名)は新潟県の公立中学校の臨時教員として採用された。これらの結果が授業の効果によるものかどうかは判断できない。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年(1名)の研究指導を行った。研究テーマは「中学校理科における光合成実験の教材に関する研究」である。この研究指導をとおして,理科の教員として必要な実験器具の使用法,試薬の取り扱い方,生物の培養法,顕微鏡操作法などを習得するよう指導した。
【観点2】大学院
 大学院生3名の研究指導を行った。研究テーマはそれぞれ「発芽花粉における雄原細胞と精細胞の細胞学的手法による観察」,「ヒガンバナ科ヒメノカリス属植物の花粉に関する細胞学的研究」,「花粉の雄原細胞の発生に関する細胞学的研究」である。これらの研究をとおして,理科の教員として必要な実験器具の使用法,試薬の取り扱い方,などとともに研究の進め方,研究論文のまとめ方を習得するよう指導した。
その他の教育活動
 雄志中学校と春日山中学校における教育実習学生の指導をおこなった。
特色ある点及び今後の検討課題等
 授業では専門性の高い内容だけではなく,専門の内容をどのように教育現場で活用するかを意識して講義をおこなっている。学部の実験では,中学校や高等学校で行われている実験・観察テーマを積極的にとりあげ,その実験・観察において失敗しやすい点や注意すべき点を中心に,指導をおこなっている。専門の内容を教育と結びつけて指導していることが,教育活動の特色ある点であると思われる。実践力をいかにつけるかまでは指導していない。今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年2月:『高校生物の重複受精に関する授業への活用にむけたヒメノカリス属植物発芽花粉における雄原細胞と精細胞の挙動の観察』(共著) 生物教育, vol. 51, no.3, pp. 32-36.
発】(1)平成22年9月:『ヒガンバナ科Hymenocallis属植物の成熟花粉にみられる赤褐色領域』(共) 日本植物学会第74回大会
(2)平成23年1月:『Hymenocallis littoralis(ヒガンバナ科)の発芽花粉内における雄原細胞と精細胞の挙動』(共) 日本生物教育学会第90回全国大会
(3)平成23年1月:『生体染色法による花粉管内における雄原細胞と精細胞の観察』(共) 日本生物教育学会第90回全国大会
学会活動への参加状況
(1)9月9日〜11日 日本植物学会第74回大会
◎特色・強調点等
 理学的な専門性の高い研究を行いつつ,その成果を教育の場で生かすための教材開発へと結びつけることを目的に研究を行っている。ここ数年来行ってきた花粉の発生に関する専門的研究の成果を,現在,中学校や高等学校の重複受精を教える授業の中でいかに活用するか,研究を行っている。それらの成果は日本植物学会と日本生物教育学会で発表し,一部は論文として公表しつつある。理学的研究と教育学的研究の融合を目指した取り組みが本研究室の研究の大きな特色であり,強調点である。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 公開講座を開講したが,学内学生以外に一般からの受講者はいなかった。単位認定の講座であるため有料であることが受講者がいなかった原因の1つと考えるれる。講義内容のアピールが不足している可能性も考えられる。一般からの受講者に対応した講座内容にするために検討する必要があると思われる。公開講座以外での活動を展開するように努力したい。
 

定 本 嘉 郎(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 小・中学校の教員となっても観察・実験で活躍できるよう電磁気教材に関する実験教材を使った授業を行った。
 成績評価はシラバスに記載の通りである。
【観点2】教育の達成状況
 授業前に,電圧・電流に関する理解が全くできていなかった学生がいた。授業後,その学生の理解がこちらの意図した通りに変化していた。
研究指導
【観点1】学部
 それぞれの学部学生が強い興味を抱いている次の教材に関する指導を行った。
1)電圧・電流に関する教材。
【観点2】大学院
 それぞれの大学院生が強い興味を抱いている次の教材に関する指導を行った。
1)数値計算プログラムおよびe-Learning教材の開発。
2)磁気に関する教材。
3)力の誤概念を解消する教材の開発と指導法の研究。
4)力の誤概念を解消する教材の開発とその比較研究。
5)地球温暖化モデル教材に関する研究。
6)光教材に関する研究。
7)電気回路教材に関する研究。
その他の教育活動
 教育実習の研究授業において,当研究室所属の大学院生1名の指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年9月:『小学校の電流学習における粒子水流模型を用いた授業実践』(共著) 物理教育,Vol.58,No3,pp.143-146
(2)平成22年12月:『力学的エネルギーと仕事に関する定量的教材の開発と実践』(共著) 物理教育,Vol.58,No4,pp.199-204
(3)平成23年3月:『レンズを通る光の道筋と像に関する教材開発と授業実践』(共著) 物理教育,Vol.59,No.1,pp.14-19
業】(1)平成22年5月:『極小磁場による球状プラズマの高周波加熱』(共著) 平成21年度スペースプラズマ研究会論文集,CD-ROM
他】(1)平成22年4月:『真空館/各種真空管の展示,HPで紹介,冊子「真空館」の配布』 常時,図書館1階に展示。HPで紹介。
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)球状プラズマの高β化とイオン加速の基礎実験 代表者:定本嘉郎(上越教育大学)JAXA共同利用(公募)
(2)MIF素朴概念をなくす教材の開発と中学校での授業実践 代表者:定本嘉郎(上越教育大学)
(3)力学的エネルギーと仕事に関する定量的教材の開発と実践 代表者:定本 嘉郎(上越教育大学)
(4)レンズを通る光の道筋と像に関する教材開発と授業実践 代表者:定本 嘉郎(上越教育大学)
◎特色・強調点等
 当研究室では,従来から児童・生徒が理解しづらい問題を取り上げ,理解を良くするための教材の開発と実践に取り組んでいる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:上越教育大学免許更新講習 理科教材-小・中学校
◎社会への寄与等
 新規に開発した実験教材を新潟県や長野県の公立学校で授業実践し,教育現場へフィードバックさせる活動をしている。
 

濤 ア 智 佳(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業時に複数回のアンケートを実施し,学生のレベルをはかりつつ授業計画を立てている。
【観点2】教育の達成状況
 概ね達成していると考える。
研究指導
【観点1】学部
 卒業研究のための指導とともに,教員としても役立つようなスキルを身につけさせるよう指導している。
【観点2】大学院
 修士論文のための研究指導とともに,将来の糧となる経験を持てるような機会を積極的に与えている。
その他の教育活動
・上越教育大学付属中学校 教育研究協議会 指導者(科学科)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生の自主性を重視し,自ら学び行動できる学生の育成を目指している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年2月:『AzTEC/ASTE 1.1-mm survey of the AKARI Deep Field South: source catalogue and number counts』(共著) Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, Volume 411, Issue 1, pp. 102-116
(2)平成22年12月:『 Aperture Synthesis Observations of CO, HCN, and 89 GHz Continuum Emission Toward NGC 604 in M33: Sequential Star Formation Induced by a Supergiant H II Region』(共著) The Astrophysical Journal, Volume 724, Issue 2, pp. 1120-1132
(3)平成22年10月:『Variation of Molecular Gas Properties Across the Spiral Arms in IC 342: Large-Scale 13CO (1-0) Emission』(共著) Publications of the Astronomical Society of Japan, Vol.62, No.5, pp.1261-1275
(4)平成22年10月:『Breakdown of Kennicutt-Schmidt Law at Giant Molecular Cloud Scales in M33』(共著) The Astrophysical Journal Letters, Volume 722, Issue 2, pp. L127-L131
(5)平成22年7月:『Deep 1.1mm-wavelength imaging of the GOODS-S field by AzTEC/ASTE - I. Source catalogue and number counts』(共著) onthly Notices of the Royal Astronomical Society, Volume 405, Issue 4, pp. 2260-2278
(6)平成22年4月:『Dense and Warm Molecular Gas and Warm Dust in Nearby Galaxies』(共著) Publications of the Astronomical Society of Japan, Vol.62, No.2, pp.409--421
発】(1)平成22年9月:『NRO legacy project: M33 all disk survey of Giant Molecular Clouds (GMCs) with NRO-45m and ASTE-10m telescopes』(共) the 5th Zermatt ISM symposium:"Conditions and Impact Star Formation: New Results with Harschel and beyond"
学会活動への参加状況
(1)日本天文学会内地留学選考委員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市企業振興審議会委員, (2)新潟県環境審議会委員
 

長谷川 敦 司(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 大学に赴任して1年目だったこともあり,学生の学力がわかりづらかった。力学は履修者の理解力があったため,授業には問題なかった。物理学は,授業での反応,アンケートなどから,学生の理解度が高くなかったこともあり,試験落第者と希望者向けに補講を2時間行い,理解しやすい授業に改善した。さらに,年度の途中から概算要求プロジェクトに参加し,平成23年度の授業に向けた教材開発を行った。(平成23年3月に完成し,平成23年度の授業で実践した)
【観点2】教育の達成状況
 力学,理科研究法については,学生の理解が進んだと思われる。物理学については,通常の講義では,あまり高い理解度には至っていなかったと思われる。物理学の補講では,理解度の低い学生の理解度が上がったことは,補講後の試験や感想などから確認できた。修士の現代物理学特論については,授業内容を学生のレベルに合わせて授業を行ったので,それなりの理解は得られたと思われる。
特色ある点及び今後の検討課題等
 講義時間内で理解が不十分だった学生対象に,より基礎的な物理および数学の部分を追加した補講を行った。
 今後の課題は,物理学を数学と勘違いする学生が多いため自然現象を解釈するための物理学ということを定着させること,興味を持って取り組ませることにより,知識,考え方の定着率を向上させることである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)経済産業省 関東経済産業局 委託事業 平成22年度戦略的基盤技術高度化支援事業 「金属担持触媒製造のための新しいめっき技術および担持触媒ペーストに関する研究の研究開発推進委員会」 アドバイザー (法認定事業者:アリオス株式会社)
 

稲 田 結 美(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 受講生の比較的少ない授業については,受講生が自ら思考し,活動できるような場面を可能な限り設定し,一方的に知識を与えるだけにならないように心がけた。また,成績評価については,毎回の授業における学生の取組状況を把握できるよう,ワークシートを用意し,毎回提出させて評価および次回の授業の改善へとつなげた。受講生の多い初等理科指導法やブリッジ科目についても,受講生が受身的に授業を聞くだけの形にならないよう工夫し,理科の内容と社会や日常生活との関連性を強調し,理科への苦手意識を軽減させるよう努力した。また,評価についても授業において考えたことを記述できるシートを用意し,毎回詳細に評価の記録をとるようにした。
【観点2】教育の達成状況
 毎回の授業で提出させたワークシートの記述から,受講生が講義内容について思考し,活動に積極的に取り組めた様子がうかがえた。また,受講生の意見を取り入れて,次の授業内容を変更したり,もう一度解説したりといった授業改善にも利用することができた。さらに,次の年度の授業での改善点も浮かび上がった。FDの結果を見ても,受講生にとって有益な授業となったことがうかがい知れる。
研究指導
【観点1】学部
 2010年度は着任した初年度であったため,自分の研究室に在籍する学生はいなかったが,同学問領域の教授のゼミに加えていただき,その研究室の学生の研究に関して,テーマ設定や研究方法等についてアドバイスをしてきた。
【観点2】大学院
 2010年度は初年度であったため,自分の研究室に在籍する院生はいなかったが,同学問領域の教授のゼミに加えていただき,院生の研究の進捗状況を聞き,助言を行った。免許プログラムの学生については,修士論文の副査として,論文の内容や調査の分析方法まで細かく指導をし,学会の支部大会で発表させることができた。
その他の教育活動
 就職支援室が実施している教員採用試験直前講座(理科実験)の講師を担当した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教員採用試験直前講座では,受講生全員が基本的な理科実験の技能を高められるように,受講生一人一人が作業できるように実験器具を揃え,時間内に確実に実験器具の操作を習得できるようにした。今後は基本的な実験技能については,初等理科指導法の授業の中で学生が完全にマスターできるように,実技の時間とそれを評価する時間をより多く設けたいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成22年8月:『諸外国における料理を題材とした理科授業の展開―女子の理科学習促進の視点から―』(単) 日本理科教育学会 第60回全国大会
(2)平成22年10月:『初等教員養成課程学生を対象とした理科実験のトラブル場面における原因への気づきの実態』(共) 平成22年度 日本理科教育学会北陸支部大会
(3)平成22年10月:『仮説・検証の観点からみた小学校理科観察・実験の特徴』(共) 平成22年度 日本理科教育学会北陸支部大会
学会活動への参加状況
(1)5月29日:日本科学教育学会研究会・北陸甲信越支部会出席, (2)8月7日〜8月8日:日本理科教育学会第60回全国大会出席, (3)9月11日〜9月12日:日本科学教育学会第34回年会出席, (4)10月16日:日本理科教育学会北陸支部大会出席, (5)11月28日:教育実践学会第18回大会出席
◎特色・強調点等
 自分の研究テーマである「女子の理科学習の促進」に関して,海外の文献を収集し,学会で発表した。また,外部資金(科学研究費補助金)も獲得することができた。さらに,次年度以降の実践的研究のための下準備として,上越教育大学附属中学校を複数回訪ね,研究についての打ち合わせも行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成23年1月:岩手大学男女共同参画推進室主催:女性研究者裾野拡大のための教員研修「児童・生徒の理科への学習意欲を高める指導のあり方」(講演およびパネルディスカッション)
◎社会への寄与等
 岩手大学の男女共同参画推進室から招待され,女性研究者裾野拡大のための教員研修会で講演させていただいた。これからの理科教育には女子の学習促進の視点が重要であることを伝えることができたので良い機会となった。
 

下 村 博 志(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業の内容を精選し教科の内容を充分理解した,力量のある教員の養成を目指している。
【観点2】教育の達成状況
 免許プログラム受講者の単位取得率が悪い授業があるものの,授業目的にそった概ね有効な教育を行えていると考えている。
その他の教育活動
 教育実習においては研究室所属学生の研究授業(中学校2名)を参観し学生指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 実験を豊富に取り入れ,教科の内容理解について力量のある教員の養成を行っている。平成22年度実施の採用試験において,研究室所属の4年生1名が新潟県の中学理科教員として正採用された。他に昨年卒業した研究室出身の学部卒業生が新潟県の小学校と中学校(理科)で正採用された。修士課程修了者も千葉県で小学校教諭に正採用され,近年,研究室修了者のほぼ全員が卒業後1〜2年以内には希望する教職に就いている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年2月:『容易に自作可能な二段式つり合い比色計の開発』(共著) 上越教育大学研究紀要第30巻207-214頁
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)教員養成における「教科内容学」研究 代表者:増井三夫(上越教育大学) 平成22年度日本教育大学協会特別研究助成
(2)教科専門と教科教育を架橋するか養育研究領域の構成案(小学校教科専門「理科」内容構成案) 代表者:小林辰至(上越教育大学) 先導的大学改革推進委託事業
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:日本分析化学会関東支部新潟地区部会幹事(ニュース編集担当), (2)9月10日 日本分析化学会関東支部新潟地区部会研究発表会出席
◎特色・強調点等
 基礎化学だけでなく,環境理解や教材開発などの,教員養成系で行われるにふさわしいテーマを積極的に取り上げようと試みている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成22年度教員免許状更新講習「理科教材」担当
 

谷   友 和(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学生の多くが将来,教員を目指していることを踏まえて,小中高の教員として必要な知識をつけてもらえるように,授業の中で基礎学習事項の確認が行えるように心がけている。また,生物の観察力を養ってもらうべく,野外観察や野菜の観察などを通じて生の生物材料に触れる機会を多くするよう心がけている。
【観点2】教育の達成状況
 これまでのテストの成績,レポートの記述内容,授業アンケートの結果などを総合すると,多くの学生は授業内容を理解し,シラバスに記載した授業の到達目標に達していると判断している。また,授業に対する評価も概ね良好であった。
研究指導
【観点1】学部
 卒業研究のテーマを選択する際に,学生の興味や関心に合わせて決めるようにしている。研究上,野外調査や植物の栽培を行うことがメインとなるが,それらの作業を通じて理科における思考方法や研究方法を身につけてもらいたいと考えている。調査や栽培にはなるべく教員が同行して指導を行うようにしている。
【観点2】大学院
 基本的に学部学生の指導に準じているが,大学院生はすでに卒業研究を経験していることを踏まえて,研究における学生の自主性を尊重するようにしている。研究内容も学部学生よりやや専門性を持ったものとしている。免許プログラムの学生においては,研究が過度な負担にならないように配慮している。
 
<研究活動>
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)一回繁殖型多年生草本における時空間的個体群動態の解析 代表者:谷 友和(上越教育大学) 平成22年度統計数理研究所共同利用公募
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:新潟県生態研究会における講演, (2)平成22年度:日本生態学会大会企画委員会ポスター部会委員, (3)平成23年3月8日〜12日:日本生態学会第58回大会出席
◎特色・強調点等
 北日本の多雪地域に生育する林床植物の生態について研究を行っている。特に,北日本において個体サイズが大型化している草本植物の成長メカニズムを興味の対象としている。積雪量の多い上越地域は研究の適所である。植物の生育スケジュールは年単位であるため,データの蓄積に数年かかることがあり,今年度は研究成果を出すことができなかった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)11月:上越市立南川小学校6年生かがやき活動(総合学習)講師, (2)8月:免許法認定公開講座「理科野外観察指導実習E(身近な植物)」講師
◎社会への寄与等
 今年度は上越市立南川小学校での出前講座,免許法認定公開講座としての活動を通じて,地域レベルでの社会活動を行うことができた。今後,貢献の質を高める努力もしていきたい。