【芸術系コース】
 

後 藤   丹(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 各自の個性に合わせる。公正さを目指す。
研究指導
【観点1】学部
 基礎力の充実。
【観点2】大学院
 進度に合わせた指導。
特色ある点及び今後の検討課題等
 自身の研究活動の成果を授業に生かすこと。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成23年2月:『情熱のリスト』(単著) 全音楽譜出版社
論】(1)平成22年12月:『岡野貞一の旋律構造ー作品特定の手掛かりとしてー』(単著) 音楽表現学 Vol.18,pp.49〜66
作】(1)平成22年11月:『左子真由美の詩による五つの歌』 だいしホール
(2)平成23年2月:『故郷による幻想曲(オルガン版)』 石丸由佳オルガンリサイタル(新潟市民芸術文化会館)
(3)平成23年2月:『さくら幻想曲(オルガン版)』 新潟市民芸術文化会館
(4)平成22年4月:『新潟市立両川小学校校歌』 新潟市立両川小学校
(5)平成22年6月:『新潟県音楽コンクールの審査員』 新潟市音楽文化会館他
学会活動への参加状況
(1)日本音楽教育学会 理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:JCV公開講座の出演, (2)8月〜 10月:地域の委嘱による「青田川の歌」の作曲
 

平 野 俊 介(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 限られた授業回数の中で,個々の学生の音楽実技力をできる限り向上させることと自ら学ぶ姿勢を持たせることを目標に,授業内容と方法の改善を心がけている。評価面では,毎回の課題への取り組み状況をきめ細かく見取るように努めている。
【観点2】教育の達成状況
 今年度は,学部生,大学院生を通して自主的に学び取ろうとする姿勢が顕著で,受講学生の音楽力向上につながった。個々の学生の向上心を引き出すことが,授業の達成度と密に関わっていることを実感している。
研究指導
【観点1】学部
 鍵盤楽器に関わる演奏実技力を,各学生の才能や資質に沿って,できる限り向上させることを目標に,毎回のゼミを行った。
 学生自身が考え,解決できる力の育成が,技能の向上には欠かせないことを重視し,取り組んだ。
【観点2】大学院
 鍵盤楽器に関わる研究課題を中心に,各院生の課題に沿って,教員,院生の双方向から課題に取り組み,掘り下げた研究となるように努めた。院生自身が考えて,問題解決できる力の育成が,今後の教育現場でも大いなる力となることを念頭に,毎回のゼミに取り組んだ。
その他の教育活動
・教職講座:教員採用試験前のピアノ実技指導を担当した。学部1年の『音楽』受講後,音楽実技の練習をしていない学生もおり,実技講座の必要性は高い。
・教育実習における学生指導:学部と大学院のゼミ生を中心に,音楽学生の実習の参観と事後指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 ゼミと音楽実技に関わる授業では,学生自身が授業で習得したいと望む実技力をよく見極め,各人にとり的確な課題と学習内容を精選して,導くように努めている。教員から学生への一方的な知識の伝達にならないように,受講学生自らが問題解決できる力の育成を心がけている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年4月:『平野俊介ピアノリサイタル』 上越文化会館
(2)平成22年11月:『高田木曜会合唱団第57回定期演奏会』 リージョンプラザ上越コンサートホール
(3)平成22年6月:『新潟県音楽コンクールピアノ部門審査員』 上越文化会館,他
(4)平成22年11月:『日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディジョン審査員』 ヤマハミュージック関東 新潟
(5)平成22年12月:『新潟県ヤマハピアノコンクール審査員』 リージョンプラザ上越コンサートホール
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:久比岐野合唱フェスティバルでのピアノ伴奏, (2)7月:第40回上越市民芸能祭でのピアノ伴奏, (3)8月:上越市民芸能祭発足40周年記念演奏会でのピアノ伴奏, (4)8月〜9月:上越教育大学公開講座「ピアノ入門」, (5)11月:第7回子どものためのアドヴァイスコンサートの審査, (6)11月:子どものためのアドヴァイスコンサート参加者のための公開レッスン
 

峯 岸   創(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○ 授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 本学に赴任して4年目(最終年度)になり,学部生,大学院生の就学意識等も読み取ることができるようになり,過去3年間の体験を基にこれまでにない教育方法や評価の工夫ができた1年であった。学生のレベルとかけ離れないように,分かり易い説明や授業のテンポを工夫したりすることで,諦めないで授業に食い付いてくることを実感として感じ取ることができた。
○ 成績評価法に関する取組状況
 評価については,将来学校教育の中で活躍できる実力を身に付ける基盤を定着させることを目標にして進めてきた。参考資料に記載されている「成績評価基準」の視点ではなく,「成績評価規準」としての取組をしたことで,学生は評価をランク付けとしてではなく,クライテリア・ディファレンスととらえることで,意欲を失わない授業ができたと考える。
【観点2】教育の達成状況
○ 進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 観点1でも述べたように,全国トップクラスの音楽教員を育てることに目標を置き,授業を進めてきていたため,本年度では学部の2年間指導してきたゼミ生のうち,一人は福島県の小学校,もう一人は新潟県の中学校音楽教員として採用になった。また,大学院生は2名の現職教員,もう一人はストレートマスターだったが,厳しい埼玉県中学校音楽教員を受験して不採用だった。しかし,能力の高い学生であり,今後大いに期待できる。
研究指導
【観点1】学部
 学校現場を20年経験してきている私は,常に現場感覚で音楽教育実践力を身に付けさせる視点から指導を行ってきた。例えば,歌唱指導においては日本歌曲の指導を行うのには,日本語の特性を理解しなければならないことを基盤に,@ストレスアクセントと旋律との関わりを理解した指導をすること。A日本語のもつ音色の変化と五線譜を用いた西洋書法の歌唱とどのように折り合いを付けるか。B子音・母音の配分をどのくらい工夫すれば,聴く人の心に届く歌唱になるか。などである。
【観点2】大学院
 音楽教育の特性から学習内容の曖昧性が指摘されているため,音楽教育が気分や雰囲気のみにならないよう,年間指導計画(マトリックス)の作成,題材の設定,特定の題材による指導と評価計画の作成,教材の研究開発,指導法の工夫,模擬授業または研究発表など,プレゼンテーション等を徹底して行った。特に現職の教員にとっては大きな刺激になったと思われる。
その他の教育活動
・上越教育大学附属中学校音楽科の研究会 指導・助言
◎特色・強調点等
 『「新しい指導要録とこれからの評価」無藤隆編』(ぎょうせい)の執筆協力者として中学校音楽科のこれからの評価の在り方を分かり易く解説した。全国の中・高等学校の音楽担当教員が,評価についてし易くなったと考えている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)福井県教育センターにおける音楽教員研修講座の講師, (2)TBSこども音楽コンクール審査員として指導助言, (3)財団法人伝統文化活性化国民会議「伝統文化こども教室選考委員会」委員, (4)新潟県高等学校総合文化祭(日本音楽部門)審査員
 

阿 部 亮太郎(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 いわゆる「研究業績」の範囲だけでの教育ではなく,実践の場面においてどのように力を発揮できているか,また状況を読み取ることができているかに相当の重きを置いて,学生の「受け取る力」「実践する力」の向上に貢献する活動を行っている。
【観点2】教育の達成状況
 楽曲分析関係の授業と,ソルフェージュ関係の授業では,上記の取り組みをいっそう進め,学生の状況に即した対応をさらに心がけた。向上の余地はまだまだあるが,授業評価アンケートでは高評価を得た。
 前期サバティカルで出来なかった前期授業の一部を後期に移動して行った。
研究指導
【観点1】学部
 指導学生がゼロのため記述なし(前期サバティカル)
【観点2】大学院
 指導学生がゼロのため記述なし
特色ある点及び今後の検討課題等
 個別の専門性の向上をめざすことはもちろんだが,実践場面での実践力の確認とその向上に重きをおいている。楽曲分析や,ソルフェージュの授業に於いても,専門性と実践力の関わりを体感しながら学ぶ態勢を構築し,実践場面を想定した教育を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成22年12月:「いわゆる“西洋音楽”と「異文化」なるものと関わりについて」(単) 『音楽表現学のフィールド』日本音楽表現学会編 東京堂出版
作】(1)平成23年2月:《一条の光 雲と虹》クラリネットアンサンブル 保谷こもれびホール
発】(1)平成22年6月:『三善晃の三部作に対する批評に見られる問題について』(単) 第8回日本音楽表現学会発表
学会活動への参加状況
(1)6月12日?13日:第8回日本音楽表現学会出席
◎特色・強調点等
 論文集では,「音楽について考えること」を踏まえた原理的な考察を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
特に無し
◎社会への寄与等
 対外活動という意味でなく,教員養成にふさわしいあり方を考え学内で提案するという点では寄与しようとしているが,実際にシステムとして実現したかどうかは別である。
 

上 野 正 人(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 より実践に役立つ臨床的な視点を中心とした指導法に重点を置いて指導を行った。評価においては,指導法的側面では身につけた技量をいかに伝えられるかという点について,演奏表現法については,各人がいかに自らを発展させたかという点を評価した。
【観点2】教育の達成状況
 学部生3名を卒業させたが,うち1名は正規採用教員として兵庫県,2名は一般企業に就職した。修了生は1名で,そのものは郷里で次回の採用試験に向けて勉強をしている。
研究指導
【観点1】学部
 実技面においては,演奏表現そのものが高まるよう,各人の技量にふさわしい教材を用いて指導を行った。また,指導法においては実践的な指導場面に対応できる臨床的な視点を重視した指導を行い成果を上げた。
【観点2】大学院
 大学院においても学部と同様に,実技面においては,演奏表現そのものが高まるよう,各人の技量にふさわしい教材を用いて指導を行った。同時に修士論文作成に向けて,研究方法および内容について指導を行った。また,指導法においては実践的な指導場面に対応できる臨床的な視点を重視した指導を行い成果を上げた。
その他の教育活動
 新潟大学教育学部の非常勤講師として,「音楽実践T」「音楽基礎実践」を担当している。
特色ある点及び今後の検討課題等
 自らの演奏研究や,社会教育の場で担っている合唱を中心とした指導の中で得た実践を,指導に反映させている点にある。このことによって,より実践的な視点,臨床的視点を具体的に提示することで,学生が現場で役立つ知識および実践力を身につけることができる。今後の課題として,指導書の作成がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年6月:『ピアノ&バリトンコンサート』 糸魚川市,仁兵衛書林
(2)平成22年6月:『第24回久比岐野合唱フェスティバル』 きらら青海
(3)平成22年6月:『フレンドシップコンサート』 見附市アルカディアホール
(4)平成22年7月:『上越市芸能祭「合唱の集い」』 上越文化会館
(5)平成22年9月:『長岡リリックホールアウトリーチコンサート』 長岡市立石坂小学校,長岡市立山古志小学校,山古志中学校
(6)平成22年10月:『新潟県音楽コンクール第45回記念演奏会』 新潟市音楽文化会館
(7)平成22年11月:『バリトンコンサート』 上越教育大学附属小学校
(8)平成22年11月:『長岡市民音楽祭ベートーヴェン「第九交響曲」』 長岡市立劇場
(9)平成22年11月:『高田木曜会合唱団第57回定期演奏会』 リージョンプラザコンサートホール
(10)平成22年12月:『バッハアンサンブル富山定期演奏会』 富山県教育文化会館
(11)平成23年2月:『新潟県文化振興財団アウトリーチコンサート』 上越市内施設若竹寮,ほか
(12)平成23年2月:『ふるさと新潟の童謡』 長岡市立劇場
(13)平成22年度:『新潟県音楽コンクール審査員』 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
(14)平成22年度:『NHK学校音楽コンクール上越地区大会審査員』 上越文化会館
(15)平成22年度:『NHK学校音楽コンクール中越地区大会審査員』 長岡リリックホール
他】(1)平成23年1月:『HPの作成,公開/研究室での研究内容,指導内容についての広報』 本学サーバー
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:新潟県うたごえ合唱講習会講師(大潟コミュニティープラザ), (2)妙高市文化ホール主催文化体験プログラム講師
◎社会への寄与等
 社会への寄与として,市民合唱団への定期的な指導,ジュニア合唱団への定期的な指導を行っている。また,NHK学校音楽コンクール,新潟県音楽コンクールなどの審査を通して,音楽文化向上へ寄与している。
 

時 得 紀 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部3年必修の初等音楽科指導法では,90名ずつ2クラス,学部1年では全員で180名の講義もあったが,極力,学生に主体的な実践活動を課すことに努めた。歌唱,器楽活動に加え,今次学習指導要領で重視されている,「音楽づくり」「創作」に焦点をあて,グループ活動による探究的,課題解決的な音楽学習に取り組んだ。
 成績評価は15回の各講義毎に,学生が考察した事柄,疑問点,実践に生かしたいと考える事柄などを記述させ,総合的な評価を工夫した。この記述シートは同時に出席確認のためにも活用した。出席重視とともに,単発の試験ではなく15回の総合的な記述からの評価であるため,学生の毎回の講義への意欲・関心を高めることにもつながった。
【観点2】教育の達成状況
 学部・大学院ともに何よりも音楽活動そのものを体験させ,実践的な活動から指導法,教材づくりを探究させることに努めた。
 その結果,教育実践への関心を高めることに有効であった上に,学生・院生の生き生きとした表情,活力あふれる学びの姿勢が観察されたと捉えている。前述のように,評価においても,毎授業で学生・院生の考察を記述させたことで,学生の各々の進歩のプロセスも把握することが可能となった。これらの意見を次週の講義に活用したり,個々の学生への助言に活用するなど,きめ細かな指導に生かすことを可能にした。
 学校現場の授業映像資料の活用は,学生・院生に具体的に臨床のイメージを捉えさせる場面分析の手立てとして,極めて有効に機能したものと捉える。
研究指導
【観点1】学部
 取り分け初等音楽科教育に関心をもち,「鑑賞活動」「音楽づくり」に焦点を絞った卒論テーマを希望する学部生らを研究指導した。学生らの臨床経験を増やすため,市内公立小や附属における授業参観,あるいは,学部1年次・3年次生への指導にかかわる意識調査にも共に取り組んだ。これらの結果を分析することで,卒業論文の資料とする方向で,ゼミに於いても分析の助言指導に携わった。
 また,初等音楽科指導法の全3年生を対象とした,創作活動にかかわる学生への意識調査結果を活用し,実践セミナーや論文指導においても,今後も教材研究の工夫の必要性や,改善を促すカリキュラムのあり方の提案を行った。
【観点2】大学院
 大学院生(免プロ及び,現職派遣教員)においては,音楽科における総合表現活動を取り入れた授業のカリキュラム開発を共に探究した。また,新学習指導要領に出現した「共通事項」の扱い方をめぐり,全国の小・中学校の先生方へのアンケート調査を入念な準備と共に実施した。回収後も事前の調査結果の仮説が支持されなかった項目についても充分な質的検討を加えることを指導した。
 学部と同様に教育現場への積極的な参与観察を促し,子供へのパフォーマンス評価と通じた多様な観点からの授業実践の分析を指導した。また,県内はもとより筑波大附属小や奈良女子大附属小など県外の研究先進校への授業観察にも積極的に同行し,院生と共に修論資料の獲得に努めた。
その他の教育活動
・名古屋女子大学文学部子ども学科における音楽科授業にかかわる講座
・本学附属小,本学附属中,豊原小,大手町小,城西中学校他多数の小・中学校への実習生による研究授業の参観および授業後検討会における指導に携わった。
・本学附属中学校,わくわく授業における,ミュージカル舞台上演に向けた授業を担当
・アカペラ部顧問
・ストリートダンス部顧問
・MMS(モダンミュージック・ソサエティ)顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
 今次学習指導要領において取組の充実が期待されている,小・中学校音楽科における,「音楽づくり」「創作」の活動を原著論文,教育研究誌,および国際・国内学会での研究発表等を通じて発表し,学生や現職教員に発信することに努めた。また,学部・大学院の講義においても,学生によるグループ形態の学習から探究的,課題解決的な活動を実施し,音・音楽にかかわる創作活動を積極的に導入した。
 こうした教育活動の特徴を今後さらに充実させていくことは有意義であると捉えている。現在進行中の国際的な研究プロジェクトへの参画を通じた,音楽科と他教科・領域との関連を模索したカリキュラム開発もさらなる今後の検討課題として継続したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成22年4月:『最新 中等科音楽教育法 中学校・高等学校教員養成課程用』(共著) 音楽之友社
論】(1)平成23年3月:『初等教員養成におけるリトミック指導の一考察 −創造力と課題解決力を培う音楽づくりを中心に−』(単著) ダルクローズ音楽教育研究  通巻第35号 日本ダルクローズ音楽教育学会編pp.33−43.
(2)平成23年3月:『創作表現活動で培われる力を視座とした実践的研究−舞台制作過程と生徒への意識調査を基に−』(共著) 日本教育大学協会研究年報第29集 日本教育大学協会 年報編集委員会編 pp.41−54.
(3)平成22年8月:『“Using Cross―Curricular Classes to Help Meet the Mandated Goals of Japanese Music Classes”』(単著) ISME(International Society for Music Education)2010 World Conference : Beijing, China : Full Paper Proceedings of the 29th World Conference , pp203−206.
(4)平成22年10月:『“A Study of Expressional Education from the Viewpoint in Close Coordination between Kindergarten and Elementary School: Through the Cases of the Current Situations of both Japan and U.S.A.”』(単著) KSECE (The Korean Society for Early Childhood Education): Busan, Korea: Full Paper Proceedings of the 6th International Conference, pp177−180.
(5)平成22年12月:『“Practical Teaching Skills and Teacher Education in School Music: With Reference to the U.S. Case”』(単著) 中教師教育学術研究集会(第4回国際大会 於:鳴門教育大学) 日中研究集会集録 English Proceedings 全8頁
(6)平成23年3月:『表現力を高める「音楽づくり」についての一考察』(共著) 名古屋女子大学紀要 第57号 pp.139−149.
(7)平成23年3月:『ICTを活用した音楽学習の一考察 −初等教育段階への実践を通して−』(共著) 上越教育大学研究紀要 第30巻 pp.256−274.
(8)平成23年3月:『思考力・判断力・表現力を高める活用型音楽学習の実践』(共著) 上越教育大学学校教育センター 実践研究第21集 pp.19−28.
業】(1)平成22年4月:『小・中学校の総合表現型カリキュラムの開発と評価 −日米の研究先進校をモデルとして−』(共著) 科研成果報告書 平成19−21年度 科学研究費補助金 基盤研究(C) (研究代表者:時得紀子)
発】(1)平成22年9月:『米国教員養成における芸術教育カリキュラムの一考察―コロンビア大学ティチャーズカレッジを視座として―』(単) 日本音楽教育学会全国大会 於:埼玉大学
(2)平成22年8月:『Using Cross―Curricular Classes to Help Meet the Mandated Goals of Japanese Music Classes』(単) ISME(International Society for Music Education) World Conference: Beijing, China
(3)平成22年10月:『A Study of Expressional Education from the Viewpoint in Close Coordination between Kindergarten and Elementary School: Through the Cases of the Current Situations of both Japan and U.S.A.』(単) KSECE (The Korean Society for Early Childhood Education): Busan, Korea
(4)平成22年12月:『Practical Teaching Skills and Teacher Education in School Music: With Reference to the U.S. Case』(単) 日中教師教育学術研究集会(第4回国際大会 於:鳴門教育大学
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1))総合表現活動の理論と実践 代表者:時得紀子(上越教育大学) 研究協賛上越音研 中越音研 (現職教員組織)
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)『言語活動を取り入れた活用型音楽学習の開発と評価−創作表現の日米授業比較をもとに−』代表者:時得紀子(上越教大学) 日本学術振興協会 科学研究費補助金 基盤研究(C)
(2)Integrated Study of Music and Other Curriculum 代表者:Markus Cslovjecsek(University of Western Sydney) ISME World Conference :Greece 2012 Integrated Study Project
学会活動への参加状況
(1)平成22年度:長岡市子供のための演奏会, (2)9月25日26日:日本音楽教育学会第41回埼玉大会出席,研究発表も行った, (3)10月21日:新潟大学附属長岡校園研究協議会,指導協力を行った。また,学部・院生を引率した, (4)7月31日〜8月8日 国際音楽教育学会 北京大会 科研成果発表,北京師範大学との研究交流及び表現活動の科研調査研究, (5)10月15日〜10月19日 韓国幼児教育学会 釜山国際大会 科研成果発表,釜山教育大学との研究交流及び表現活動の科研調査研究, (6)12月11日〜12月12日 日中教師教育学術研究集会 於:鳴門教育大学 科研成果発表,中国各地からの教育者・研究者との研究交流及び表現活動の科研調査の情報収集。
◎特色・強調点等
 平成22−24年度 科研基盤研究(C) 研究代表者:時得紀子『言語活動を取り入れた活用型音楽学習の開発と評価−創作表現の日米授業比較をもとに−』の初年度であった。平成19−21年度基盤研究(C)研究代表者:時得紀子の継続研究であり,これらの国際比較研究には6か年間を通じ継続して取り組む。
 研究代表者として他大学及び全国の附属学校教員,欧米との共同研究,米国研究者との日米比較研究の総括に専念した。その成果を国際音楽教育学会北京大会等で発表,審査を経てProceedingsに投稿論文の全文掲載が許可され,各国の研究者に高く評価された。国内では本学附属中のミュージカル実践への研究協力,学部・大学院の講義等でも科研の成果をあまねく発信した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:長岡市子供のための演奏会, (2)上越市文化・スポーツ振興委員, (3)「教員養成における協働型の表現活動」講師, (4)新潟大学附属長岡小,新潟大学附属長岡中学校における音楽科授業にかかわる研修講座 講師
◎社会への寄与等
平成22年度は3つの国際学会において,招待講演等の機会を得た。いずれも中国・韓国での開催,および我が国の教員養成系大学における開催の日中国際大会となり,アジア各国の芸術教育に携わる研究者らに日本の音楽教育の現状を発信し,教育実践の研究成果を互いに交流することに貢献できたものと捉えている。
 国際音楽教育学会においては,本学附属中との共同研究である「音楽科,英語科,環境教育のクロスカリキュラム」の実験的授業を例に,表現活動が他教科・領域と複合的関わることで生徒の表現力が格段に拡がったという成果等について,生徒への意識調査およびパフォーマンス評価からの分析結果を考察,各国の研究者から高い評価を得た。
 

玉 村   恭(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 与えられた知識や技能を「覚える」だけでなく,いかにそれを「使える」ようになるか,に重点を置いて教育および成績評価を行っている。とりわけ留意しているのは,演習の形態を活用すること,講義形式の授業であっても双方向的な形になるようにすることである。この観点から,@事前に課題を具体的に提示する,A一人ひとり必ずコメントをさせる,B出された意見や提出課題に対して反論・補足・添削等のフィードバックを行う,の三点を実践した(講義においてはできる限り,演習では必ず)。
【観点2】教育の達成状況
 社会人として生きていくうえでの最低限の知識・技能の習得が第一であるが,上記取り組みの結果,学生は主体的に意見を持ち,疑問点を率直に口にする習慣が身についてきたように感じられる。むろん,言い散らせばよいというものではないが,口に出す内容および形式(要するに「言葉」の如何)の重要性に気が付いたこと,その上で,抽象的・客観的な水準での議論がある程度展開できるようになったことは,特に「実技」に携わることの多い芸術系の学生にとっては,大きな成果であったと思う。
研究指導
【観点1】学部
 学生の進路に合わせ,今後に生かすべき知見と技術を見極めつつ,「介入」し過ぎない指導を行っている。この時期にこれをこうしろ,という「指示」ないし「命令」に従うのではなく,どの時期までにどれをどのようにしておけばよいか,自分の頭で計画を立て,それを実行できるようになることを重視しているからである。とはいえ,近年の音楽文化の動向で求められていることに関していえば,日本の古典音楽,諸民族の音楽等,「知らなければ始まらない」部分が多いことも確かであるため,それらの面については,「とにかく数多く触れさせる」方法をとった。
【観点2】大学院
 大学院生には専門性の高い研究が求められる。芸術分野では,「専門性」とは技術ないし感性のこと(のみ)であると捉えられがちであるが,そうではない。求められるのは「知性」と「感性」とのバランスのとれた涵養であり,両者の関係を高い次元で捉え返すことのできる包括的な視点(広い意味での知性)である。その点を養うべく,身近な事象から問題を立ち上げること,常に自己の「生活」に研究をフィードバックさせること,扱う対象には積極的に「解釈」を行うこと,それに対する「批判」を受けること,そしてその過程を「(言語で)記述」することに意を用いるよう,指導を行っている。
その他の教育活動
・上越教育大学附属小学校2010年研究会「自尊感情に着眼して取り組む教科・教育活動」,音楽科(「自尊感情に着眼して取り組む音楽科の取り組み」,授業者:江谷和樹)研究協力者
特色ある点及び今後の検討課題等
 近年の我が国の文化的動向を見ると,とりわけ芸術分野では,「技術」および「感性」が過剰に強調されるきらいがあるが,求められるのは「知性」と「感性」とのバランスであり,両者の関係を高い次元で捉え返すことのできる包括的な視点(広い意味での知性)の涵養であると考える。その観点から,学生には,どのような場面でも,その時々に応じた「知的思考力」「論理性」が発揮できること,そうする必要があることを示し,「理詰め」で事を運ぶ作業を敢えて多く課している。しかし現状では,まだまだ「専門性」を誤解している学生が多い(知性と感性,論理力と技術力が別物であると思っているか,無関係ではないにしても接点が見いだせていない)ことは否定できず,この点をいかに改善するか,どのような教材と教育法を開発し練磨していくかが,今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成22年12月:『多様な音楽における認識法の違いをどう伝えるか――「共通事項」の「音楽を形づくっている要素」との関係において』(共著) 『音楽教育学』第40巻2号,69-74頁
発】(1)平成22年5月:『浮揚する焦点――世阿弥「序破急」論の芸術論的特質』(単) 能楽学会第9回大会
(2)平成22年9月:『個性とは何か――能管の実践例を手掛かりに』(単) 日本音楽教育学会第41回大会
(3)平成23年3月:『唱歌(しょうが)再考――〈芸道〉的教育観の解明に向けて』(単) 日本音楽教育学会第26回北陸地区例会
他】(1)平成22年10月:『寄稿 邦楽歌入り芝居「きぬという道連れ」公演/糸魚川市市民演劇公演とその意義に関する紹介・批評』 上越タイムス
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)人間社会を生きる子どもが育つ学校〜自尊感情に着眼して取り組む教科・教育活動〜 代表者:林泰成(上越教育大学附属小学校) 上越教育大学附属小学校2010年研究
学会活動への参加状況
(1)10月9〜11日 第61回美学会全国大会, (2)11月6〜7日 日本音楽学会第61回大会, (3)11月13〜14日 東洋音楽学会第61回大会
◎特色・強調点等
 教育現場への直接のフィードバックを主として念頭に置きながらも,専門性の見地から,問題設定の際に議論の抽象度をやや高く設定している。とりわけ,研究を進めていく上で,隣接している(しかし直接に関係はしていない)領域の研究にも積極的に触れ,広汎な情報の収集と視野の拡大をはかるとともに,柔軟性と奥行きのある議論の展開に努めている。その結果,教育現場と専門研究の双方で,これまでにない知見を得ることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)10月:アジア音楽(ガムラン)のデモ演奏・講演, (2)「月影雅楽保存会」との連携, (3)「久比岐野邦楽アンサンブル」との連携, (4)NPO法人「佐渡芸能伝承機構」との連携
◎社会への寄与等
 出張演奏・講演等の要請,研究協力の依頼等に対して,応えられる範囲で最大限の寄与を行った。また,地域の芸術・芸能団体およびその代表者と連絡を取り,学生研修の受け入れ,本学での特別講義開催のほか,地域振興を視野に入れた各種事業の共同的な運営および企画の立ち上げ等,連携的な事業の展開に向けた態勢作りを行っている。
 

長谷川 正 規(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学年全体を対象にする大教室の授業では,学生の音楽的体験の質を高めるため,可能なかぎり実際の楽器の音を聴かせることを重視した。元来CDが多かった資料をDVDに切り替え,視覚にも強く訴える教材を用いて授業を進めた。また器楽独奏・合奏関係の科目を多く担当しているが,学生の能力差が非常に大きく出る分野であるため,学生がもともと持っていた能力を評価するのではなく,それを使って何が学習できたかを評価する授業づくりに努めた。
【観点2】教育の達成状況
 学部1年次での教育は概ね達成されていると考えるが,特に音楽コースへ進まない学生に対して,1年次で身につけたものをどう残すか,あるいは発展させるか,という課題が未だ残されている。音楽コースの学生に対しては,現在のカリキュラムと学生の能力を考慮すれば,こちらも概ね達成されていると考えている。今後は,カリキュラムの見直し,筆者自身の実技能力の向上を目指したい。
研究指導
【観点1】学部
 研究セミナーが2年間しかないため,多様な時代の楽曲に触れられるよう考慮して演奏指導を進めたが,その点に関しては達成された。独奏にはピアノ伴奏が欠かせないため,良いピアノ奏者を確保することが喫緊の課題である。論文指導に関しては,学生の自主的な研究姿勢に期待したため,研究発表会前にはセミナーが一人に対して3時間以上となってしまうことがしばしばあった。学生にも負担となるため,計画的に指導することを今後の課題とする。
【観点2】大学院
 修士課程学生を一人担当したが,滞ることなく研究が進展し,修士論文・修了演奏のどちらも充実したものとなった。またセミナー以外でも,教員になった際役立つよう,我が国の伝統的な音楽や,諸民族の音楽にも触れるよう指導を行うことができた。
その他の教育活動
・教職講座は,リコーダーの演奏法について2人の学生を指導した。
・教育実習においては,セミナーを担当している2人の学生の指導案を点検し実習にも参観し,指導を行った。
・附属中学校吹奏楽部指導 附属中学校および上越文化会館
・本学吹奏楽団指導 学内および上越文化会館
・入学式・卒業式における奏楽の指導(学内)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実際の教育現場で起きている音楽的問題に着目し,その解決法を学生と共有するため,附属中学校との連携を強化している。具体的には「指揮法」授業において中学生の演奏を指揮する機会を学生に与えたり,指導法の研究を行う大学院生は吹奏楽部の生徒を実際に指導させていただき,その成果をみることができた。今後の検討課題としては,この音楽的問題に着目する場面を管楽器関係の合奏だけではなく,合唱・オーケストラ・小学校の授業における器楽合奏等にまで広げることである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年10月:『ブラス・コレクション4』演奏 新川文化ホール 小ホール
(2)平成22年5月:『ブラス・コレクション4』演奏 高岡生涯学習センター ホール
(3)平成22年12月:『グラズノフ 交響曲第5番 他』演奏 高槻現代劇場 中ホール
(4)平成23年1月:富山県アンサンブルコンテスト 砺波支部大会審査員
(5)平成22年8月〜平成23年3月:新潟市北区フィルハーモニー管弦楽団音楽監督
(6)平成22年度:全日本医科学生オーケストラフェスティバル指導
(7)平成22年度:西日本医科学生オーケストラフェスティバル指導
(8)平成22年8月:群大シンフォニカー(群馬大学音楽科管弦楽団)指導
発】(1)平成22年6月:『リコーダー2本吹きの基礎−ソプラノとアルトを用いて−』(共) 日本音楽表現学会
学会活動への参加状況
(1)5月29日:日本教育大学協会音楽部門全国大会出席(分科会記録者として), (2)6月12日〜6月13日:日本音楽表現学会第8回大会出席(発表), (3)10月16日:全日本音楽教育研究会大学部会出席
 

阿 部 靖 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 本年度は,教科専門の授業内容と指導法の授業内容を有機的に結びつけるという目的で,図画工作科指導法の内容を検討し,1年次の学習の振り返りやファイルの提出なども加えて,新しい授業内容で授業を実施した。提出されたファイルや学生のレポートの内容や授業評価からは,授業の目的は概ね達成されたように考えられるが,今後も,さらに検討を加え,授業内容の充実を目指していきたい。また,ルーブリックやスタンダードに基づく評価を今後行うための方法も確立していきたいと考える。
【観点2】教育の達成状況
 本年度の受講生の授業評価を見る限り,いくつかの改善点はあるものの,概ね授業を通したこちらの意図は伝わっていたようである。
研究指導
【観点1】学部
 学部教育において教科教育担当教員として最も重視している指導は,美術コースに所属するすべての学生に対して教育実習や実践セミナーT,Uの中で,実践的な指導を行うことであり,本年度は学生が自ら積極的に相談にきたため,成果があったものと考える。
【観点2】大学院
 本年度は,現職派遣教員の院生と,免許プログラム学生が互いによい影響を与えながら研究を進めていけるように,常に心がけて研究指導を行った。その結果,それぞれの得意とする教育と専門の両方が広がりと深まりを持つようになったと感じられる。また,地域の教育活動(ワークショップや講座など)に指導補助として積極的に関わらせたことで,子ども理解や指導技術の向上が見られた。
その他の教育活動
・信州大学教育学部非常勤講師
・教職講座「図画工作」担当
・上越教育大学附属中学校研究協力者
・アートクラブ 顧問
・教育実習研究授業参観及び事前・事後指導
特色ある点及び今後の検討課題等
 本年度は,美術コースのスタンダードを作成するという過程を通して,自身が担当する各指導法の授業内容を再検討することができ,これは意義のあることであった。また,教育実習のためのルーブリックを併せて考慮する中で,実習前に扱わなければならない内容などが明らかになってきた。今後,さらに教職実践演習との関連などを課題として検討していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年6月:『白のかたち −イナイ イナイ バア−』 第9回美術科連盟新潟県会員展
(2)平成23年3月:『ルン ルン 他 11点』 ギャラリー創(長岡市)
学会活動への参加状況
(1)3月26日〜28日:美術科教育学会富山大会出席
◎特色・強調点等
 本年度の研究活動は,自身の制作や子どもたちとの造形活動を通した美術教育へのアプローチが中心であった。自分自身の実技制作をもとに子どもたちの美術活動について考察することは美術科教育の方法として重要であると考える一方で,実際に子どもたちとのワークショップなどを通して得られた成果も大きいものであった。また,本年度行った画廊でのグループ展は,子どもを鑑賞の対象と考えて制作していた作品が,大人に対しても意味があることを認識させてくれたものとなり,今後さらに対象者を拡大した美術教育のあり方について研究を発展させていきたい。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県森林審議会(会長代行), (2)上越市建築審査会(委員), (3)上越市景観審議会(副会長), (4)上越市建築紛争調整委員会(委員), (5)上越市発明工夫・模型工作展実行委員会(副委員長), (6)9月:上越市発明工夫・模型工作展審査委員, (7)上越市少年少女発明クラブ指導員, (8)8月:NPO法人里やま学校講師, (9)8月:妙高夏の芸術学校講師, (10)上越市美術資料収集委員会(委員), (11)8月:新潟県立近代美術館子どもミュージアム ワークショップ指導者, (12)国営土地改良事業 関川二期地区環境配慮検討委員会(委員), (13)11月:新潟県ジュニア美術展 審査員, (14)日本学術振興会(委員)
◎社会への寄与等
 本年度は,子どもたちの美術教育に直接かかわる内容の貢献と,専門の内容にかかわる委員会などの貢献が,同じくらいの割合であった。これは,学校教育と社会教育に同じくらいかかわることができたということでもあり,望ましい形であったと考える。また,学部生,院生を積極的に補助者として参加させたことで,社会や地域とかかわる場を経験させることができたと思われる。今後,これらで得られた成果を大学における教育に反映できるようにしていきたい。
 

 石 次 郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業中に作った作品の出来上がりではなく,制作中に思考することが大切で,それを評価している。そのために,制作中の様々な出来事についてその意味を解説するようにしている。
【観点2】教育の達成状況
 【観点1】で述べた取り組みを,受講生全員が理解することは難しいが,理解できなくとも疑問として残り今後の学習に反映しているようである。
研究指導
【観点1】学部
 美術や工芸の制作を伴う研究と学校教育での子どもの学びとの間にある共通点を身体的に理解すること,つまり美術とは何かを理解することを目標にしている。
【観点2】大学院
 【観点1】で述べたことに加え,自分自身の制作や関心事を研究の中心にテーマとして据え,作ることや考えることの思考を深めることを目的としている。
その他の教育活動
・ゼミの学生の教育実習について指導を行った。
・上越教育大学附属中学校2010研究会研究協力者
特色ある点及び今後の検討課題等
 研究指導でも述べたが,美術や美術教育を作品制作・作品鑑賞などの狭い範疇で捉えるのでなく,人間が考え学び作り=生きる活動の根幹にあることを経験的に理解することを目標にしている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年4月:『フタのついた形』 ギャラリーVOICE(岐阜県多治見市)
(2)平成22年8月:『人と物の間にある遊び』 現在形の陶芸 萩大賞展2010
(3)平成22年12月:『絵皿 新潟のやきもの展』 雪梁舎美術館(新潟市)
(4)平成23年1月:『器うつわ』 春が来た −暮らしの中で楽しむクラフト−
(5)平成22年度:『第51回新潟県絵画・版画コンクール審査委員』 上越市福祉プラザ
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「意味生成表現と教材開発」授業実践 代表者:松本健義(上越教育大学) 東本町小学校
(2)つくる過程で生まれる造形の意味を感じながら,自分らしい表現を作り続ける子ども 代表者:上越教育大学附属小学校長(上越教育大学附属小学校) 第三年次研究「人間社会を生きる子どもが育つ学校」
学会活動への参加状況
(1)11月6日:第13回美術教育実践学会出席, (2)美術教育実践学会事務局
◎特色・強調点等
 美術教育の今日的課題に対応するための情報収集及び研究
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)ふれあいハガキコンクール審査委員, (2)馬上杯オブジェ企画(社団法人 上越青年会議所), (3)上越市美術展運営委員, (4)4月〜3月:新潟日報カルチャースクール陶芸講師, (5)6月〜7月:公開講座―磁器素焼き皿に染付(絵付け)をする―, (6)新潟県展 講評
◎社会への寄与等
 専門の美術工芸の知識を地域社会に還元することにより,地域のより良い文化の発展に寄与することを目的とする。
 

西 村 俊 夫(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教科に関する科目の講義(現代デザイン論他)の授業では,毎回講義資料を配付すると共に,講義内容の理解を深めるためビデオ等の映像資料を使用している。実技・演習の授業(工芸表現A,木工芸研究他)では,特に作りたいもの考えるプロセスを大切にしている。具体的には,一人ひとりのテーマに則した資料の収集と整理,アイデアスケッチ・模型の作成,ディスカッションなどを行っている。制作活動では,道具の使い方や部品の組み立て方などに一人ひとりの工夫がみられるように支援を行っている。実習・演習の授業では,制作プロセスでの様々な工夫や発見の状況などを評価項目に加え,総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
 実技・演習では,小学校図画工作科・中学校美術科の教材を開発するための基礎的能力の育成を大きな目的として授業を進めているが,素材を介しての問題解決の体験等を通して,概ねその力がついているように思う。ゼミの修了生1名は,新潟県で臨時採用の教員として小学校に勤務している。
研究指導
【観点1】学部
所属するゼミ学生がいなかった。
【観点2】大学院
 修士課程のゼミ(大学院生1名)では,修士論文作成を指導した。論文作成の指導においては,修士論文中間発表会において指摘された事項の修正などに留意した。博士課程においては,3名のゼミ生それぞれの研究テーマにそった学会口頭発表・投稿論文作成の指導と博士論文作成の指導を行った。1名が6月に博士論文を提出し,その後審査に合格して9月に博士(学校教育学)の学位を取得した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 美術の授業の他に学部全学必修の表現科目,大学院共通科目(教材開発と評価に関する科目)など多様な授業を行っている。大学院共通科目では,地域の小学校の協力を得て受講生が十分な論議の上で計画した研究授業を行うという実験的授業を行っている。研究室には,博士課程,修士課程の学生がいて,常に熱心な教育・研究に関する交流が行われている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年9月:『関係の椅子 10A』 第74回新制作展 国立新美術館
(2)平成22年9月:第74回新制作展スペースデザイン部審査
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市美術展運営委員, (2)2月:第51回新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査
 

五十嵐 史 帆(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法について,全学で必修の「図画工作科指導法」では,学生が授業に主体的に取り組めるよう各期の計画を提示して見通しを持たせるとともに,昨年度からの取り組みを継続し,ポートフォリオや授業レポート等を活用し授業期間内や授業後に自らの学びを振り返り成長を確認できるような手立てを行っている。「美術科教育教材開発演習」では,授業内だけでなく,地域美術館の協力のもと実践を取り入れた授業を行っている。以上にあげたように,学生の主体的な学びと実践を視野に入れた授業を行っている。
 成績評価面について,それぞれの授業の特性を考慮し,授業態度,提出物,ポートフォリオ等,多様な資料から客観的に評価するよう心掛けている。
【観点2】教育の達成状況
 授業態度,提出物,ポートフォリオ等から,多くの学生が各授業のねらいをおおむね達成していると感じているが,今後もより良い授業や支援のありかたを追求していく。
研究指導
【観点1】学部
 直接,卒業研究を指導する学生はいないが,美術教育に関する視点からの助言・指導を必要に応じて行った。
【観点2】大学院
 直接,修了研究を指導する学生はいないが,副指導教員として美術教育に関する視点からの助言・指導を必要に応じて行った。
その他の教育活動
 教育実習研究授業参観及び指導のほか,学校教育現場や美術館等の地域の文化施設と連携した授業を積極的に行っている。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 大学と地域がともに成長できるような教育活動に実践的に取り組んでいる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年9月:『ラリル'10』第74回新制作展 国立新美術館
発】(1)平成22年9月:『公立学校との連携による授業教材の開発−特別支援学校中学部の「色の学習」の実践報告−』(単) 第49回大学美術教育学会 東京大会
(2)平成22年9月:『初等教育における造形表現力育成のための基礎研究』(共) 第49回大学美術教育学会 東京大会(ポスター発表)
学会活動への参加状況
(1)平成22年9月:大学美術教育学会第49回東京大会発表, (2)平成23年3月:美術教育学会33回富山大会参加
◎特色・強調点等
 積極的に学校現場との連携を進めその報告を含めて学会にて発表を行った。また,教科教育専門という立場ながら公募展に挑戦することで,人として表現することやものをつくることによる学びの意義を実践的に問うている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:みんなでデコレーションハウスをつくろう, (2)8月:ふしぎなぼうし工房workshop, (3)8月:妙高夏の芸術学校「小学生コース」, (4)7月「妙高夏の芸術学校」講師
◎社会への寄与等
 美術館ワークショップの企画運営,ガイドブック作成助言等,地域と文化の発展に微力ながら寄与した。
 

洞 谷 亜里佐(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学生の自主性をのばす為に教科の問題点から教材研究をおこなうことを心がけている。
 成績は,授業の取り組みの準備と制作活動の様子を重点に評価する。
【観点2】教育の達成状況
 学生は授業での内容を基に,実践的なワークショップでの指導を積極的におこなっている。
研究指導
【観点1】学部
 生活の中から生まれるもの作りの発想から,自己表現の制作活動へと展開させていく。
【観点2】大学院
 学校教育における伝統的な表現活動の重要性について研究する。
特色ある点及び今後の検討課題等
 学生の実践的な活動として,小学生中学生への美術指導を行う場を提供する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年2月:『タイにおける伝統的壁画技法の再構築に関する研究』(単著) 上越教育大学研究紀要 第30巻
作】(1)平成22年4月:『またあした』「春の院展」 日本橋三越
(2)平成23年1月:『イサーン』「うづら会」 日本橋三越ギャラリー
(3)平成22年5月:『清麗』「雄雄会」 銀座 松坂屋
(4)平成22年度:『上越美術連盟審査』
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)タイとラオスにおける伝統的壁画技法の再構築にむけてのネットワークづくり−パタナシン大学の研究・教育システムの活用をとおして− 代表者:丹羽洋介(富山大学) トヨタ財団アジア隣人ネットワークプログラム
学会活動への参加状況
(1)9月:美術教育学会
在外研究の状況
(1)8月タイ,タイ,ラオスの壁画調査研究
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)古径の楽校(小林古径記念美術館)講師, (2)夏の妙高芸術学校 日本画講師, (3)上越市美術展覧会運営委員, (4)公開講座「日本画制作」講師
 

松 尾 大 介(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 授業の導入では,各学生に動機を持たせたうえで実習等に取り組めるようレクチャーしている。学生が立体表現と平面表現の特徴の違いに着目し,立体的に形象化する際の素材に向けた造形行為と心的内容とのかかわりについて理解することを重視している。授業の内容が彫刻的な表現のみにとどまらず,学生それぞれの多様な表現へ発展できるように支援している。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価では,制作過程における試行錯誤を重視している。また最終日には作品を展示し,合評会を開くことで教員や学生の多様な考えに触れながら,客観的な評価が得られるよう留意している。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 修士課程修了生1名は研究生として自身の研究を進めている。
研究指導
【観点1】学部
 今年度,研究室の学部生はいなかった。
【観点2】大学院
 大学院2年1名は,本学生のこれまでの彫刻制作の経緯に基づき,テラコッタを中心とした素材の特質に着目しながら,実証的な制作研究に取り組み,修士論文としてまとめた。留学生の大学院1年1名は,モンゴルの生活感情と深く結びつく「馬」をモチーフとした表現について,実証的な研究に取り組んだ。
 また,教材開発の延長として学生の実技能力を向上させるよう配慮し,全国的な展覧会への出品を支援した。大学院2年1名は,国展(全国公募,国立新美術館)へ入選した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 ゼミでは,モンゴルからの留学生が在籍しており,東アジアの文化圏を踏まえながら,日本と西洋の美術表現について検証できるよう支援した。来年度,台湾からの留学生も在籍する予定であり,よりいっそうアジア所国の文化に目を向けた,教育活動に取り組んでいきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年3月:『彫刻表現における能動的な手と内触覚の働き』(単著) 大学美術教育学会誌,第43号,pp.351−358
(2)平成23年3月:『私の「像ヲ造ル術」』(単著) 美術教育実践学会誌『美と育』,第9号,pp.63−70
作】(1)平成22年4月:『内燃態』 第84回国展(国立新美術館)
(2)平成22年4月:『焼却炉』 宇都宮大学 Home Coming Day 記念美術展 in 2010(宇都宮大学)
(3)平成22年9月:『焼却炉,或いは内燃態』 第3回次代を担う彫刻家たち展(東京日本橋 三越)
(4)平成22年4月:『第84回国展の審査』 国立新美術館
発】(1)平成22年9月:『初等教育における造形表現力育成のための基礎研究』(共) 第49回大学美術教育学会
学会活動への参加状況
(1)9月19日:第49回大学美術教育学会出席, (2)11月6日:第13回美術教育実践学会出席
◎特色・強調点等
 第84回国展では,作家と子どもたちや市民が自由に対話できるギャラリートーク『トークイン(国立新美術館,東京都教育委員会,文部科学省後援)』が行われた。招待された障がい者対象のギャラリートークを担当。先ず作家が発想の原点,制作の過程,使われる道具等について解説し,次いで作品や道具に手で触れて感じながら作家と自由に対話できる,体験型作品鑑賞会を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月〜3月:上越市美術収集委員, (2)4月〜3月:第84回国展の運営委員, (3)7月〜8月:妙高夏の芸術学校講師
◎社会への寄与等
 「妙高夏の芸術学校」は,妙高市の自然と調和した芸術文化の里づくりをコンセプトとして実施されている。その事業のうち,関東や近隣の小学生を対象とした造形表現活動を支援し,地域の文化的関心の向上に寄与した。
 

安 部   泰(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
 個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。
研究指導
【観点1】学部
・4年生:卒業論文『ピクトグラムの制作を通したデザイン学習に関する一考察』・・・卒業論文,作品制作
※論文及び作品制作の指導。
・3年生:3名の学生に対してそれぞれ個人指導
※個人的な観点から公的な価値を意識させていくよう指導。そのうえで,卒業研究テーマを絞り込ませていく。
【観点2】大学院
 2年生:修士論文『「童画」に関する研究』2年生(免P):「デジタルコンテンツを活用した鑑賞教育についての研究」
特色ある点及び今後の検討課題等
 専門分野である「デザイン」の観点からは,個人の価値観と公的な価値をどのように一致させていくかを重視し,理論の組み立てと実践を繰り返すことにより身に付けていくことを目的としている。同時に,学んだことを学校教育の現場で活かせるよう,視点を変えて発想することを指導している。特に重視するのは結果(成果物)だけではなくプロセスと一体化した学びであり,成績評価についても学生の学びの道筋から総合的に評価している。個々のテーマを明確にさせていき,可能な限りの方法を提示させ,制作・実践を通じて検証していくという最も大切な姿勢や考え方については伝えることができたと考えるが,専門的な知識・技術を修得させるために必要な時間が少し足りない。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成22年6月:『「義の土」袋デザイン』 春日山城趾整備活用事業
(2)平成23年3月:『碧南海浜水族館リーフレット(英語版)デザイン』 碧南海浜水族館
(3)平成23年3月:『碧南海浜水族館リーフレット(ポルトガル語版)デザイン』 碧南海浜水族館
(4)平成22年10月:『「妙高色彩ジュニア芸術展」審査員』 妙高市教育委員会
(5)平成23年1月:『碧南海浜水族館リーフレット(英語版・ポルトガル語版)デザイン』 碧南海浜水族館
発】(1)平成22年9月:『初等教育における造形表現力育成のための基礎研究』(共) 第49回 大学美術教育学会
他】(1)平成22年5月:『水辺に目を向けさせるイラスト研究/新潟日報 地域へ世界へ県内大学研究室から掲載』 新潟日報紙上
学会活動への参加状況
(1)9月19日〜9月20日:第49回大学美術教育学会出席
◎特色・強調点等
 視覚デザインの一分野として,イラストレーションの制作・研究を行っている。テーマを『「水辺」に目を向けさせるイラストレーションの研究』とし,主に魚をモチーフとした手描きのイラストレーションを制作しながら,人々に環境について考えさせることを目的としたグラフィックの制作を目的としている。この研究テーマについては,現在所属している愛知県立芸術大学大学院博士後期課程の研究課題とも関連している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)3月:上越市美術展覧会運営委員, (2)7月:「妙高夏の芸術学校」小学生コース講師
◎社会への寄与等
 「妙高夏の芸術学校」小学生コース講師は,妙高市より小学生コースの実技指導者として依頼されているものである。
 上越市美術展覧会運営委員は,上越市生涯学習推進課より専門の知識を有する者として依頼されているものである。
 

伊 藤 将 和(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 実技指導において,絵画(水彩,油彩)および版画の技術,技法,素材の特色等を実践をとおして体感させ,習得させている。
 絵画表現の基礎を重要視させ,確かな基礎力の上に成立する,各個人の表現を模索させる。また,新たな表現に対して,その価値や意味を見いだすことを心がけ,受講生(制作者)に,自己の新たな可能性を模索させる。
 授業内の課題として各自作品を制作させ,提出された作品を多角的に評価し,授業の成績として評点する。
【観点2】教育の達成状況
 絵画制作において,絵画表現,技法はその多くが暗黙知である。技術習得のための基礎的な知識を学ばせ,実践させることで,学生がそれらの技術を習得していく。無論,個人の資質や技量も尊重し,各自の表現に対する見解や,展開を含め,技術習得における達成と言える。しかし,その多くは短期間で習得もしくは,完成されるものではなく,長い時間と反復において習得できるものであり,教育として技術伝達を口頭もしくは,実演でそのすべてを教授できるものではない。よって『教育としての達成状況』とは,学生が絵画表現における技術,素材に対する基礎知識を持ち,絵画制作への真摯な姿勢を確率することで達成していると言える。
研究指導
【観点1】学部
 絵画表現に対する基礎知識を深め,絵画技術の習得と表現を模索する。
 「個人」と「社会」との関わりや,「個人」の興味関心のある事柄を掘り下げ,各自のテーマを模索する。
 取り組むべきテーマをもとに,表現への変換を試みる。表現方法として絵画や立体,インスタレーションなど,幅の広い表現方法を模索する。
 各自のテーマを作品として成立させるため,様々な技法を習得する。また,自己の確立から表現への変換へ必要な知識,素材を収集する。
 これまでの研究の集大成として卒業制作を制作させる。
【観点2】大学院
 各自のテーマを明確にさせ,「個人」と「社会」との関わりや,「個人」の興味関心のある事柄を掘り下げ,「教育」の切り口から,表現の可能性を見いだす。取り組むべきテーマをもとに,表現の可能性を探り,表現方法の拡大と,多様化を促す。各自の表現を発表する場を設け,社会とのつながりを意識させ,テーマから見える表現と社会と個人の関係性を深める。
 各自のテーマとして取り組んできた研究成果を修了論文としてまとめ,修了制作を制作する。
特色ある点及び今後の検討課題等
 学部,大学院の隔たりを無くし,希望者に対し社会と美術の関係を築く活動を促している。既存のアートプロジェクトにチームとして参加し,その活動を通して,社会と美術,個人の表現に関して,授業内では展開が難しい内容にも触れることができる。また,教員である私自身がアーティストとして活動することで,自分の研究活動を,率直に学生の指導へ還元できる。現代で展開される最先端の美術に触れ,体験できる場を設ける。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成22年9月:『デッサン ビギナーズ・ノート』(共著) グラフィック社
(2)平成22年11月:『透明水彩 カラー・マニュアル』(共著) グラフィック社
作】(1)平成22年10月:『灯火の器ー漆ー2010』 会津漆の芸術祭 2010
(2)平成22年9月:『撞球ー漆ー』 会津漆の芸術祭 2010
(3)平成22年12月:『水彩 パプリカ』 伊藤将和 個展
(4)平成22年12月:『水彩 バナナ』 伊藤将和 個展
(5)平成22年12月:『水彩 グラス』 伊藤将和 個展
(6)平成22年12月:『水彩 椿』 伊藤将和 個展
(7)平成22年12月:『水彩 サクランボ』 伊藤将和 個展
(8)平成22年12月:『水彩 ポンカン』 伊藤将和 個展
(9)平成22年12月:『水彩 アボカド』 伊藤将和 個展
(10)平成22年12月:『水彩 顔料瓶』 伊藤将和 個展
(11)平成22年12月:『水彩 ガーベラ』 伊藤将和 個展
(12)平成22年12月:『水彩 自転車』 伊藤将和 個展
(13)平成22年12月:『水彩 銚子電鉄』 伊藤将和 個展
(14)平成22年12月:『水彩 巨峰』 伊藤将和 個展
(15)平成22年12月:『水彩 雀』 伊藤将和 個展
(16)平成22年12月:『水彩 苺』 伊藤将和 個展
(17)平成22年12月:『水彩 フラミンゴ』 伊藤将和 個展
(18)平成22年12月:『水彩 トウモロコシ』 伊藤将和 個展
(19)平成22年12月:『水彩 象』 伊藤将和 個展
(20)平成22年12月:『水彩 ペンギン』 伊藤将和 個展
(21)平成22年12月:『水彩 静物1』 伊藤将和 個展
(22)平成22年12月:『水彩 マツボックリ』 伊藤将和 個展
(23)平成22年12月:『水彩 静物2』 伊藤将和 個展
(24)平成22年12月:『水彩 風景1』 伊藤将和 個展
(25)平成22年12月:『水彩 蓮』 伊藤将和 個展
(26)平成22年12月:『水彩 ショートケーキ』 伊藤将和 個展
(27)平成22年12月:『水彩 ティーポット』 伊藤将和 個展
(28)平成22年12月:『水彩 風景2』 伊藤将和 個展
(29)平成22年12月:『水彩 風景3』 伊藤将和 個展
(30)平成22年12月:『水彩 風景4』 伊藤将和 個展
(31)平成22年12月:『水彩 紫陽花』 伊藤将和 個展
(32)平成22年12月:『水彩 無花果』 伊藤将和 個展
(33)平成22年12月:『水彩 静物3』 伊藤将和 個展
(34)平成22年12月:『水彩 静物4』 伊藤将和 個展
(35)平成22年12月:『水彩 鴻大』 伊藤将和 個展
(36)平成22年12月:『水彩 環』 伊藤将和 個展
(37)平成22年12月:『水彩 少女』 伊藤将和 個展
(38)平成22年12月:『水彩 巻貝』 伊藤将和 個展
(39)平成22年12月:『水彩 風景5』 伊藤将和 個展
(40)平成22年12月:『水彩 テラス』 伊藤将和 個展
(41)平成22年12月:『水彩 金魚』 伊藤将和 個展
(42)平成22年12月:『水彩 古河庭園洋館』 伊藤将和 個展
(43)平成22年12月:『水彩 野菜果物』 伊藤将和 個展
(44)平成22年12月:『水彩 花束』 伊藤将和 個展
発】(1)平成22年9月:『初等教育における造形表現力育成のための基礎研究』(共) 大学美術教育学会
学会活動への参加状況
(1)9月19日:大学美術教育学会東京大会出席
◎特色・強調点等
 私の研究活動の一環に,地方の歴史や文化を採掘し,芸術表現に結びつける活動がある。「会津漆の芸術祭」に参加したことも研究活動の一環であり,漆という素材の歴史やその特色を活かし,漆職人と共に,あたらしい美術作品の制作を試みた。芸術作品の制作だけを目的とせず,芸術作品を生み出すまでの過程や,行程で関わる人や事柄を含め,それらを包括した関係そのものを現代の美術として位置づけることを目的としている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)妙高夏の芸術学校 講師, (2)上越市展運営委員会
◎社会への寄与等
 妙高夏の芸術学校では,小学生コース講師として参加した小学生と共に美術の楽しさを共有できるプログラムを開設した。
 上越市展運営委員会では,洋画・版画部門において,展覧会開催における運営業務に携わった。
 どちらの活動に対しても,美術の専門知識を有する必要があるため,研究活動の成果を地域に還元することができた。