ま え が き

 この度,平成23年度の年次報告書を作成しました。年次報告書は,本学の活動状況に関し年次報告と自己点検・評価としてまとめたものであり,昭和60年度版(昭和61年12月発行)の発行以来,通算で第27号に当たります。
 この年次報告書は,第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」,第二章「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」, 第三章「本学評価基準に基づく自己点検・評価」及び第四章「資料編」の4つの章で構成されています。
 「組織の運営状況に関する自己点検・評価」では,本学の運営状況について各組織の活動状況を通じて自己点検・評価を行いました。ここから,平成23年度の本学の運営状況を見ることができます。
 また,「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」では,大学教員自らが自己の教育・研究活動等の現状を客観的に把握するとともに,特色ある点や改善点等を明確にすることにより点検・評価を行っています。特に,教育活動の授業関係(教育方法及び成績評価面での取組,教育の達成状況)や研究指導関係(学部,大学院)などは,教育の質の向上に大いに役立っているものと考えています。
 さらに,「本学評価基準に基づく自己点検・評価」では,大学としての質の向上を目指し,本学独自の評価基準により自己点検・評価を実施しています。14項目を平成21年度から3ヵ年計画で実施するものであり,平成23年度は4項目を実施しました。
 最後に,「資料編」では,本学の活動状況を数字でまとめたもので,データとして蓄積しているものです。

 平成23年度には,まず,平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被災者の方々へ本学の特色を生かした支援を積極的に実施しました。例えば,上越市と糸魚川市に避難した小・中学生への学習支援や大学教員による福島県内の公立学校教員等を対象とした研修支援,さらには,学生・教職員による被災地でのボランティア活動,被災した学生の授業料免除等の経済的な支援などです。
 また,附属幼稚園で開園20周年,附属小学校及び附属中学校で開校30周年の記念事業を実施しました。今後も,学校教育に関する今日的課題等に応じた教育モデル開発を目指し,大学との緊密な連携・協力の下,教育に関する実践的な臨床研究を進めていきます。
 評価という点では,平成23年5月に,第1期中期目標期間(平成16年度〜平成21年度)の業務の実績に関し,国立大学法人評価委員会から各項目において中期目標の達成状況が「おおむね良好」もしくは「良好」と評価され,大学の質の向上と社会への説明責任を遂行することができたものと受けとめております。

 今後も,本学の自己点検・評価結果などを踏まえ,本学の持つ知的,人的,物的資源を最大限に活用しつつ,幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の学校現場,他大学,他機関,地域との連携協力を進めながら,本学の使命である優れた実践力を備えた教員の養成と現職教員の資質向上に向けて全学をあげて取り組んで参る所存であります。

 本年次報告書をご覧になった方々から,本学が新構想教育大学として,これからも崇高なミッションを高水準で遂行していけますように,忌憚のないご意見と励ましのご支援等をお寄せいただければ幸いに存じます。

平成 25 年 1 月
 
上 越 教 育 大 学 長
若 井 彌 一