【生活・健康系コース】
 

市 川 真 澄(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部の実技授業に関して,陸上競技および陸上運動の各種目の技能の習得のために,バイオメカニクスに関する理論を基礎として実技授業の内容を組み立てた。また,大学院の実技授業(演習)においては,バイオメカニクスの理論的背景をいかに指導方法に応用するかという点に重点を置いた。成績評価に関しては,実技の示範の能力向上に重点を置き,各技能のポイントを押さえた示範ができたかを評価の観点とした。
【観点2】教育の達成状況
専門セミナーで担当した4名の学部学生については,卒業後1名が小学校採用試験に合格した。他の3名は臨時採用で教職についている。また,4名の大学院生は,修了後2名が民間企業に就職し,他の2名が臨時採用で教職についた。この結果は,本学においては標準的であると考えられるが,専門セミナーで行った研究活動により,学校現場や職場において遭遇する様々な事象や問題について,客観的な道筋で解決・処理する能力が身につけられたものと考える。
研究指導
【観点1】学部
体育実技における各教材の技能指導は,感覚的な指導ではなく,バイオメカニクス的な理論的基礎に基づいた客観的な指導が必要である。そのために,ヒトの運動時の力発揮やエネルギー消費に関する基礎理論の理解を目標とした指導を行った後,各自の専門種目の指導方法に着目して研究課題を決定し,研究課題に関する測定,結果の分析および考察を行った。最終的に得られた研究結果について,さらに実践場面での活用方法について論議した。
【観点2】大学院
大学院においては,各自の専門領域における実技指導の問題点について,より深い考察を行うために,これまでに報告された研究報告および原著論文について広範囲な領域から収集を行い,得られた論文を詳細に検討して研究課題とすべき点を明確にした。研究課題決定後に実験計画を策定して測定及び分析を行った。得られた結果を指導実践場面においていかに応用するかに重点をおいて論議を行い,修士論文としてまとめた。
その他の教育活動
・ 名古屋リゾート&スポーツ専門学校非常勤講師(スポーツ生理学,スポーツバイオメカニクス)
・ 教員採用試験直前講座(体育実技,陸上運動)講師
・ 陸上競技部顧問
・ スキー部顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
特色のある点としては,運動技能のしくみについてバイオメカニクスの観点から分析を行い,その結果を基礎として実技(演習)および講義を行っているところにある。特に,実技(演習)の授業においては,高速度カメラを用いて運動動作中のフォームの撮影を行い,自分自身の動きを受講者自ら観察して改善点を検討することにより実技示範能力の向上を図っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成24年1月:『スノーボードバッジテスト 検定員』 岐阜県ほおのき平スキー場
(2)平成24年3月:『スノーボード準指導員検定会』主任検定員 岐阜県ほおのき平スキー場
(3)平成24年3月:『スノーボードバッジテスト』検定員 岐阜県ほおのき平スキー場
学会活動への参加状況
(1)平成23年9月25日〜平成23年9月27日:日本体育学会第62回大会出席, (2)平成24年3月17日:第15回体力医学会東海地方会出席
◎特色・強調点等
バイオメカニクスの研究は,優れた能力を持つ競技者を研究対象とし,運動中の動作フォームの解析や力の発揮状態をとらえてその競技者の能力を評価している。しかし,体育実技授業の指導実践に競技者の動作の特徴をそのまま当てはめることは困難な場合が多い。現在行っている研究は,研究対象とする運動種目をまず自分自身で実践し,運動中の運動感覚と力学的な基礎理論を統合させてより効率的な動作を開発しようとしているところに特徴がある。その結果,目的とする運動種目の指導実践においてより効果的な指導方法の開発が可能となることが期待される。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:『森林セラピーサポーター養成講習会』講師(NPO法人妙高自然アカデミー)
(2)平成23年12月:『全日本スキー連盟スノーボード指導者研修会』理論講師 岐阜県ほおのき平スキー場
(3)平成23年12月:『全日本スキー連盟スノーボード指導者研修会』実技指導員 岐阜県
(4)平成23年12月:『スノーボード特別講習会 実技指導員』 新潟県赤倉観光リゾートスキー場
(5)平成24年1月:『スノーボード特別講習会 実技指導員』 岐阜県ほおのき平スキー場
(6)平成24年1月:『スノーボード指導員・準指導員養成講習会 理論講師・実技指導員 岐阜県ほおのき平スキー場
◎社会への寄与等
全日本スキー連盟のスノーボード技術員として,スノーボード指導者研修会,スノーボード指導員・準指導員養成講習会,スノーボード準指導員検定会などの理論講師,実技指導者および検定員を務め,スノーボード指導者養成に寄与した。また,スノーボード特別講習会指導者やスノーボードバッジテスト検定員として,スノースポーツのひとつの種目であるスノーボードの普及発展に努めた。特に,スノーボード指導者研修会では,理論指導者と実技指導者の両者を務め,理論に裏付けられた指導が行われたと高く評価された。
 

伊 藤 政 展(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
体育心理学, 体育心理学特論の授業では, 内在的フィードバックの機能に関する最新の理論と研究成果を取り込み, 体育・スポーツの学習指導上の諸問題について問い直す努力をするとともに, 生態学的知覚論の視点から感覚統合を促す運動遊具や運動遊びについて積極的な討論を行った。また体育心理学実験(大学院)と体育測定評価(学部)の授業では, 各自の研究成果の発表を,卒論,修論の発表会形式で実施し, プリゼンテーションスキルの向上を図った。
【観点2】教育の達成状況
概ね達成できたと評価している。
研究指導
【観点2】大学院
「体育授業で見られる座位姿勢が児童の気分と認知的パフォーマンスに及ぼす影響」および「高校生野球部集団に対する構成的グループ・エンカウンターが集団凝集性に及ぼす効果」というテーマで, 修士論文2件の指導に当たった。なお前者の論文は, 国大協発行の保健体育部門推薦論文集に掲載予定である。また体育心理学を選択したゼミ生とともに, 身体運動における運動スキルの学習に関する文献を広く収集し, 児童の発育発達のレベルを考慮した体育指導の在り方について情報の整理を行なうとともに, これらの問題について積極的な討議を試みた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)公益法人日本体育協会公認スポーツ指導者養成講習会講師(心理部門), (2)北信越学生氷上競技連盟会長, (3)教員免許状更新講習講師, (4)「教育実践学論集」投稿論文の査読
◎社会への寄与等
スポーツ心理学の領域から,永年にわたり公認スポーツ指導者制度の確立及び発展のために尽力し,著しい貢献をしたとして,公益法人日本体育協会より「公認スポーツ指導者表彰」を受けた。
 

直 原   幹(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
通年の授業評価の結果より,授業における「内容をわかりやすく整理すること」に関し,教材配布や画像の呈示方法を工夫する必要があると考えている。一方,前年度と同様に,免許取得プログラム履修者,他コースからの副免許取得希望者および保健体育専攻学生における身体教育に関する素養にばらつきが大きいという実態がある。次年度以降も教材を工夫して対応したいと考える。授業には,免許取得プログラムによる大学院受講生や他コースからの副免許取得希望者が多く含まれる。そして,体育専修の学部生の受講が少ない点も特徴である。受講者における身体教育に関する素養にばらつきが大きいことから,今後も,授業の難易度について,実際のスポーツ場面を事例に挙げる等の配慮により,授業内容の改善を進めたいと考えている。
【観点2】教育の達成状況
論文指導では,修士論文3編,卒業論文2編が提出された。指導にあたった大学院修了者3名の内,1名は埼玉県小学校教諭に正式採用,1名は新潟県特別支援学校講師,1名は長野県中学校現職教諭に復帰した。学部卒業生は,2名中,1名が新潟県警察職員に正式採用、他1名が富山県小学校講師に臨時採用された。 特に、大学院生において埼玉県小学校に正式採用された1名は教員免許プログラム履修2年目に採用試験に合格したことを特筆すべきであろう。修了・卒業研究への取り組みと採用試験準備の両面の進捗状況は良好であったと考える。
研究指導
【観点1】学部
学部学生の研究志向に応じて,教科「体育」における教育現場の今日的課題を教科教育学的,体力学的,運動学的視点から幅広く取り扱っている。平成23年度は,運動学の領域(バランス運動,投運動,剣道,足関節アライメント,血中ヘモグロビン濃度)に関わる卒業研究(4年生2名,3年生3名)指導を担当した。各研究テーマ上の専門的な知識の拡充および教育現場における臨床的課題に関わる学術的な論文が纏められるよう指導したが,多くが教職希望者であることから,教育現場での指導実践に関わる方法論やマルチメディア機器の指導場面への活用可能性を重視して指導した。
【観点2】大学院
大学院生の研究志向に応じて,教科「体育」における教育現場の今日的課題を教科教育学的,体力学的,運動学的視点から幅広く取り扱っている。平成23年度は,運動学の領域(発育期の骨密度,剣道の授業実践,筋力トレーニングおよび測定の方法論,呼吸と自律神経応答等)に関わる修士論文(1年生2名,2年生3名,3年生1名)の研究指導を担当した。各研究テーマ上の専門的な知識の拡充および教育現場における臨床的課題に関わる学術的な論文が纏められるよう指導したが,全員が教職希望者であることから,教育現場での指導実践に関わる方法論やマルチメディア機器の活用可能性も重視して指導した。
その他の教育活動
・剣道部顧問および監督
・柔道部顧問
・少林寺拳法部顧問
・教育実習における学生指導(5名)
・附属中学校における教育研究協議会の指導者
特色ある点及び今後の検討課題等
運動学の研究内容,授業内容等において教科臨床的視点に立った専門内容の再構成化を継続して試みている。特に,@日本の型文化からみた現代の子どもの体の拘束性,A今後の武道教育における「伝統文化としての特性」の教材化,B東洋的体育と西洋的トレーニング論の再構成化と身体開発,C学校現場における対人的な危機回避能力の育成等,東洋的な身体運動文化の学校教育における今日的意義を検討している点に特色がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年3月:『剣道初心者における「送り足」習得後の「踏み込み動作」への応用可能性に関する実践的検討』(共著) 武道学研究、第44巻第3号,pp107-119
作】(1)平成23年5月:『第107回全日本剣道演武大会剣道の部出場』 京都府武道センター武徳殿
(2)平成23年5月:『第106回全日本剣道演武大会居合道の部出場』 京都府武道センター武徳殿
業】(1)平成23年10月:『「自立して学ぶ生徒」を育てる教育課程の研究開発』(共著) 2011上越教育大学附属中学校教育研究協議会研究紀要
他】(1)平成23年10月:『ニュース「武道必修化の問題点」』 上越教育大学
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「自立して学ぶ生徒」を育てる教育課程の研究開発 代表者:藤岡達也(上越教育大学) 上越教育大学附属中学校
学会活動への参加状況
(1)平成23年8月31日〜平成23年9月1日:日本武道学会・日本武道学会第44回大会出席
◎特色・強調点等
教科「体育」における教育現場の今日的課題を教科教育学的,体力学的,運動学的視点から幅広く取り扱ってきた。今年度も,教科専門と教科教育学を架橋する教科「体育」内容学の構築に取り組んだ点に大きな特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月:第77回上越少年剣道大会審判(上越市剣道連盟)
(2)月:第20回新潟県女子剣道選手権大会審判(新潟県剣道連盟)
(3)月:第59回全日本学生剣道選手権大会審判委員(全日本学生剣道連盟)
(4)月:第51回上越地区中学校剣道大会審判(上越市中学校体育連盟)
(5)月:第50回三都市対抗剣道大会審判(新潟県剣道連盟)
(6)12月:第31回浦川原修錬館剣道大会審判(浦川原スポーツ少年団)
(7)11月:第33回全上越剣道大会審判(全上越剣道連盟)
(8)10月:第59回全日本学生剣道優勝大会審判委員(全日本剣道連盟)
(9)月:第58回中山博道旗争奪剣道大会審判(燕市剣道連盟)
(10)10月:第14回上越市年齢別剣道大会審判(上越市剣道連盟)
(11)12月:第36回和親旗争奪高田修道館剣道大会審判(高田剣道スポーツ少年団)
(12)月:第46回全日本少年剣道錬成大会審判(全日本剣道道場連盟)
(13)11月:第29回全日本女子学生剣道優勝大会審判委員(全日本学生剣道連盟)
(14)月:第22回東日本如月剣道大会審判(群馬県道場剣道連盟)
(15)9月:第40回新潟県高段者大会審判(新潟県剣道連盟)
(16)月:第12回日本剣道形柏崎大会審判(新潟県剣道連盟)
(17)月:第59回新潟県夏季剣道講習会講師(新潟県剣道連盟)
(18)8月:平成23年度新潟県剣道昇段審査会審査員(新潟県剣道連盟)
(19)月:第32回北信越国民体育大会剣道競技審判(長野県剣道連盟)
(20)平成23年5月:『県立武道館検討有識者会議/新潟県立武道館設置の必要性について議論した』 新潟県庁自治会館
◎社会への寄与等
上越地域の児童の健全育成に関し,剣道を通じたフレンドシップ事業の試みとして,本学学生と共に年間を通じて小学生,中学生の剣道指導を継続した。また,全上越剣道連盟における青少年育成事業として,小・中・高校生の錬成稽古会(隔週土曜日)を年間を通じて企画・指導した。さらに、県内および全国の剣道大会の審判員として参加し、剣道文化の普及・発展に努めた。
 

大 橋 奈希左(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
実技を含む授業については,現場における状況をふまえた上で,即実践できる教材と指導方法の提案を行った。評価については,自己評価・相互評価と授業者の評価を合わせ,総合的に評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
大学院の授業の受講者からは,授業の内容の現場での試行等の報告がなされている。
研究指導
【観点2】大学院
表現運動の授業を対象とした研究を希望していることから,新潟県内の小学校・中学校の表現運動・ダンスの授業観察等を課題とし,現職教員同士の討議も聞く機会を設けた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年3月:『ダンス教育における作品存在についての考察−踊ることの意義−』(単著) 体育哲学研究第42号, pp.27-43.
(2)平成23年7月:『ダンス教育における表現についての一考察−「イメージ」という用語に着目して−』(単著) 体育・スポーツ哲学研究第33巻 第1号, pp.13-25.
(3)平成24年2月:『ダンスの授業における「かかわり」についての考察−受講者のレポートの記述をもとにして−』(単著) 上越教育大学研究紀要,pp.331-337.
作】(1)平成24年1月:『ワークショップ:身体コミュニケーション』 日本教育大学協会保健体育・保健研究部門第31回全国創作舞踊研究発表会
業】(1)平成24年3月:『第45回全国女子体育研究大会新潟大会基調講演』(単著) 第45回全国女子体育研究大会報告書
発】(1)平成23年8月:『「かかわり」の独自性とダンスにおける「意味」の共有−実践を通して授業のあり方を探る−』(単) 日本体育・スポーツ哲学会第33回大会
(2)平成23年9月:『ダンス教育における作品存在についての考察−「簡単な作品にまとめて踊る」とはどういうことか−』(単) 日本体育学会第62回大会体育哲学分科会
(3)平成23年11月:『ダンス教育における「即興」の知』(単) 日本スポーツ教育学会第31回大会
学会活動への参加状況
(1)平成23年8月20日〜平成23年8月21日:日本体育・スポーツ哲学会第32回大会出席, (2)平成23年9月25日〜平成23年9月27日:日本体育学会第62回大会出席, (3)平成23年11月12日〜平成23年11月13日:第31回日本スポーツ教育学会出席, (4)第45回全国女子体育研究大会新潟大会常任委員・同大会実行委員研究部副部長, (5)新潟県体育学会監事, (6)日本体育・スポーツ哲学会理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県高等学校総合体育大会ダンスコンクール審査員
(2)「舞踊教育学研究」編集委員(日本教育大学協会全国保健体育・保健研究部門舞踊研究会
 

榊 原   潔(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
小学校及び中学校の体育授業で課題となる点をテーマとして授業を実施している。基礎理論の講義だけでなく,受講者の調べ学習の発表や相互に指導する場面を取り入れ,主体的な取り組みを促している。また,事前学習や復習に役立てられるように,学習資料を初回に配付している。「技能」「思考・判断」「態度」をもとに成績評価を行っている。
【観点2】教育の達成状況
卒業生,修了生は,およそ5年以内に教員になっていることから,概ね達成されていると思われる。
研究指導
【観点1】学部
学生の興味や関心のある事柄を研究テーマにして,運動観察に時間をかけている。運動観察は,児童・生徒の心身の状態を理解する有効な方法の一つと考えている。
【観点2】大学院
大学院生の研究テーマは一人ずつ異なるので,個別に指導するようにしている。指導内容は,教育実践的な先行研究の探し方,整理の方針,研究方法の妥当性,文章表現の仕方などについて,個人の課題に応じて指導している。
その他の教育活動
・ 新潟工科大学非常勤講師
・ 上越教育大学サッカー部顧問
・ 上越教育大学女子サッカー部顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
授業評価アンケートによると,授業方法や授業内容の整理にまだまだ改善の余地があると思われる。今後は,授業内容を更に精選し,わかりやすい授業を目指したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】(1)平成23年11月:『第24回全国スポーツ・レクリエーション祭スポレク“エコとちぎ”2011』 栃木県総合運動公園
他】(1)平成23年10月:『JUEN/上越教育大学学園だより「研究室へようこそ」』 上越教育大学
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)タグラグビーにおけるボールの違いが児童の運動有能感と技能に及ぼす影響 代表者:中村崇浩(妙高市立姫川原小学校)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月〜12月:糸魚川市子ども一貫教育基本計画策定委員会(糸魚川市教育委員会)
(2)7月〜8月:上越教育大学公開講座講師「山屋敷サッカークラブ(低学年)」(上越教育大学)
(3)山麓線サッカーリーグ運営支援(上越教育大学)
◎社会への寄与等
自分の専門である体育・スポーツ分野やサッカー指導を生かして,地方自治体や地域のスポーツ団体に貢献している。公開講座は3年間受講してくれた子どもや,もっと回数を増やして欲しいという要望があることから,概ね好評であると考える。
 

清 水 富 弘(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
「スポーツ実践」の水泳を担当している。受講生の技術・能力レベルが授業開始時点で大きく異なり,それが学生相互にも認知しやすい特徴がある。そこで各レベルの学生個々の動機付けを高めるため,泳げない者を泳げるように保証する水泳教材を作成し,水泳能力の評価,分析および指導教材を提供し,学生の水泳に関する問題解決を支援した。また,授業では能力レベル別のグループを作り,グループごとに達成可能な課題を提案している。また夏休みに補講を実施し,泳ぐ技術習得に時間のかかる受講生に対し,その結果を出すことを重視している。その他集中授業の「ウォータースポーツ」「野外運動B(カヌー)」では,シラバス,全体ガイダンス,受講者ガイダンス,学内実習,本実習というステップを経ることで本実習までに野外教育に必要な情報,方法を段階的に伝えることを重視している。大学院でも上記と同様の「到達度評価」を実施しているが,特に指導理論と自己の能力との融合を重点的に捉えさせている。また,自己の課題も学部より多岐にわたるよう工夫している。
【観点2】教育の達成状況
小中学校の教師に必要な体育実技・指導能力の1つに水泳がある。また小中学校の教員採用試験にもほとんど水泳が課せられる。このため,学部授業「スポーツ実践」の「水泳」を担当しているが,前期授業において水泳初心者には100m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。最初の授業の段階でこの基準を既に達成している者には200m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。また5分間泳のパフォーマンス向上を最終課題においている。本学の学生は,当授業終了時までに水泳の能力を必ず身につけることになる。また,その過程における支援的教授により,水泳能力が未熟な学生にとっては不可能と思える課題を系統的に挑戦することで,段階的に克服する体験を味わい,さらに成果を上げることを重視している。さらに学生が自主的に水泳技術を習得するために,具体的にどのような課題に取り組めばいいかを明確にするために水泳教材を作成した。
研究指導
【観点1】学部
研究指導を開始する時点で,1年間の最終目標を明確にし,その目標の達成のために,毎月の活動がどのような意味をもつのかを学生自身が自己評価することを重視することで,学生の研究に対する動機付けを高める指導を行った。
【観点2】大学院
研究課題となる内容について,院生自身が実験・調査のために必要な環境を具体的に明確にし,その交渉自体を院生の手によって行わせる。担当教員は支援的な役割を重視した。このようなゼミを前期は週に1回,後期は週に2回実施した。また,学校教育現場との教員との関わりからの学びの必要性から修了生を中心とした現場教師との共同ゼミを積極的に開催した。
その他の教育活動
・新潟県立看護大学にて「健康スポーツ学」(講義及び実技)を,前期及び後期担当した。
・教職講座では,水泳を担当し,受験する都道府県の出題傾向に応じた実技(特に水泳)指導を行った。個別の指導により,短期間で技術(泳法技能,スタート,ターン)の改善に成功した。
・課外活動 水泳部顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
スポーツ及び温泉療法に関する世界的最新情報について,動画やスライドを用い,幅広く受講者に提供することを心掛けた。また,受講者の興味がある教育内容について自ら発表資料を作成し,そのプレゼンテーションを行い,それを指導教官がフォローするという指導方法をとった。
 
<研究活動>
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 評議員, (2)一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 編集委員会委員, (3)5月12〜14日:日本温泉気候物理医学会総会出席(評議委員会,シンポジウム司会として参加)
◎特色・強調点等
主な研究活動の1つに水中運動や温浴(全身浴・足湯)を通した健康づくり・リハビリテーションが挙げられる。そのために近隣地域の健康・医療施設との連携をとりながら独創的なプログラム開発を推進している点が特徴である。また,研究成果を広く公開することにも努めている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月〜9月:新潟県看護協会ファーストレベル研修「集団行動・リーダーシップ」講師
◎社会への寄与等
社会貢献には他大学への非常勤及び各種委員会への参加,各種団体から依頼された講習・研修の講師としての指導が挙げられる。これらに関しては関係諸機関との連携を密に取りながら,かつ,最新の情報や状況等の情報収集に常に心掛けることを目指した。これらの点を目指したことに関しては一定の成果は挙げられたと評価できる。
 

周 東 和 好(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
体育教育における「理論と実践の統合的理解」の必要性を鑑み,理論の実践的理解および実践の理論的理解を促すよう配慮した。関連する授業を有機的に結びつけて理解できるように,時間割の配当および授業内容を計画した。特論と演習を2時限続きで配当し,実践した内容に基づき理論的理解を促したり,理論を学んだ上でそれを実践的に確認したりするということである。シラバスでも2つの講義内容が有機的に結びつくように計画した。成績評価については出席,授業中の取り組み度合いや理解度,レポート提出の状況等に基づいて算出した。
【観点2】教育の達成状況
概ね計画通りに授業を実施できた。指導法の授業では模擬授業を取り入れ,その後,授業研究会形式で議論することを通して,教育の実践的能力の涵養を図った。受講生のレポートからは,現場で必要とされる反省的な実践家としての資質の向上が見られた。また,このことは初等および中等教育実習においても活かされたことが実習中の授業参観や実習後の授業案等の資料からも確認できた。ゼミに所属し修了した4名の院生は2名が教員,2名がスポーツ指導者として全員就職した。
研究指導
【観点1】学部
本年度の学部生の所属はなかった。他の研究室に所属する学生の卒業論文に関わる内容で質問や助言を求められ応答した。また,他の研究室との卒業論文作成に向けた合同ゼミ合宿を通して,指導助言を行った。
【観点2】大学院
通常のゼミ,運動実習,ゼミ合宿等を実施し,体育教育をめぐる実践的な諸問題を抽出し,それらについて多面的に捉える視点の涵養を図ると同時に,運動問題について人間学的運動学の立場から解決する能力を育むために対話による議論を積極的に行った。日本スポーツ教育学会(研究発表1名),日本体操競技・器械運動学会(研究発表1名),新潟県体育学会(研究発表5名)への参加引率・発表指導を通して,研究成果を公表し,研鑽を積ませることができた。大学院4名の修了生を送り出すことができた。
その他の教育活動
・ 平成23年度附属中学校わくわく大学デー特別授業「‘動きのこつ’のつかみ方」講師
・ 長崎大学大学院 非常勤講師
・ 教職講座「器械運動」を3回実施した。参加者は毎回30名位,延べ100名程度であった。また,その後も学生の申し出があったため3回実施した。
・ 教育実習における学生指導:初等教育実習では,南川小学校の実習前後の実習依頼,お礼の挨拶を担当した。教育実習中は,学内にて授業案作り等の指導助言を行い,6名の実習生の研究授業を参観し指導助言を行うとともに,実習先の校長先生を始めご担当の先生にお礼の挨拶を行った。
・ 体操部の顧問として毎回の練習指導および部の運営に関する指導を行った。
・ 学びの広場でのトレーニング室使用に際し,連絡調整および使用上の指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
動を伴う体育教育という特徴を踏まえ,その実践能力の涵養を目指し,理論の実践的理解と実践の理論的理解を促すよう,教室での授業と運動を伴う授業を融合する形で行っている。特に,体育教育では,指導者目線で学習者の動きの学習世界を理解するのではなく,動く主体として共感的に動きを観察し,学習者を理解することが重要であり,そうした考え方と具体的な指導方法を,学生・院生に習得させようとしている。前年度は,学習者の目線での理解を促すために実技実習を行うと時間が不足気味になっていたが,この点について,よりポイントを押さえた実技実習を行ったことで,若干の改善が見られた。引き続き検討を要すると思われる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年10月:『模擬授業による授業の省察能力の育成方法について―教員養成課程における初等体育科指導法での実践―』(単著) The 5th Intenational Symposium on Teacher Education in CHINA Conference Proceedings,pp.159-165.
(2)平成23年11月:『一輪車乗りの指導方法の開発に関する実践的研究―直接幇助を用いない方法―』(共著) スポーツ運動学研究第24号,pp.89-107
(3)平成24年3月:『教員養成における体育科模擬授業に関する実践的検討―振り返りの方法と効果について―』(単著) 新潟体育学研究第30巻,pp.9-14
(4)平成24年3月:『マット運動における「後転」のつまずきの解釈と練習課題に関する事例的考察』(共著) 新潟体育学研究第30巻,pp.47-53
(5)平成24年3月:『平行棒「棒下宙返り単棒倒立2秒静止(シャルロ)」の習得方法に関する考察』(共著) 新潟体育学研究第30巻,pp.113-118
発】(1)平成23年10月:『模擬授業による授業の省察能力の育成方法について―教員養成課程における初等体育科指導法での実践―』(単) 第5回教師教育国際フォーラム兼第4回中国教師教育学会師範学院委員会年会
(2)平成23年10月:『マット運動の「後転」におけるつまずきと練習課題の設定について』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(3)平成23年10月:『ジャベリックスローの指導法に関する考察〜初心者指導のための教材開発に向けて〜』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(4)平成23年10月:『平行棒「棒下宙返り単棒倒立2秒静止(シャルロ)」の習得方法に関する考察』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(5)平成23年10月:『段違い平行棒における移動技に関する考察〜第61回全日本学生体操競技選手権大会の調査から〜』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(6)平成23年10月:『バスケットボール女子ジュニア選手におけるワンハンドシュートに関する考察』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(7)平成23年10月:『段違い平行棒における後方車輪の修正方法に関する考察〜ジュニア選手の修正指導の課題〜』(共) 新潟県体育学会平成23年度学会大会
(8)平成23年11月:『初心者におけるジャベリックスローの習得過程に関する実践的考察』(共) 日本スポーツ教育学学会第31回学会大会
(9)平成23年12月:『平行棒「棒下宙返り単棒倒立2秒静止(シャルロ)」の習得過程に関する実践的考察』(共) 日本体操競技・器械運動学会第25回学会大会
(10)平成24年3月:『マット運動における後転の頭越しに関する考察』(共) 日本スポーツ運動学会第25回学会大会
他】(1)平成23年4月:『広報「じょうえつ」/公開講座「体操教室T」』 広報「じょうえつ」
(2)平成23年9月:『能生ケーブルテレビ「ウィークリーニュース」/出前講座「柔らかなからだづくり」の取り組み(木浦小学校)』 木浦小学校体育館
(3)平成23年9月:『広報「じょうえつ」/公開講座「体操教室U」』 広報「じょうえつ」
(4)平成23年10月:『中国・黄岡師範学院外国語学院公式ホームページのニュース「日本上越教育大学周東和好准教授来我校●(さんずいに井)学」/特別講義について掲載』 黄岡師範学院外国語学院公式ホームページ
(5)平成23年10月:『中国・黄岡師範学院公式ホームページ記事「第5回教師教育国際フォーラム開催」/黄岡師範学院にて第5回教師教育国際フォーラムの日本からのシンポジストとして紹介された』 黄岡師範学院公式ホームページ
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)保幼小連携の教育実践と教師・保育者の専門性 代表者:香曽我部 琢(上越教育大学大学院学校教育学系(幼児教育)) 学内研究プロジェクト
学会活動への参加状況
(1)平成23年5月20日〜平成23年5月22日:日本保育学会第64回大会出席, (2)平成23年10月14日〜平成23年10月17日:第5回教師教育国際フォーラム兼第4回中国教師教育学会師範学院委員会年会出席, (3)平成23年10月29日:新潟県体育学会平成23年度学会大会出席,座長, (4)平成23年11月12日〜平成23年11月13日:日本スポーツ教育学第31回学会大会出席, (5)平成23年12月23日:日本体操競技・器械運動学会第25回学会大会出席, (6)平成24年3月26日〜平成24年3月27日:日本スポーツ運動学会第25回学会大会出席
◎特色・強調点等
一輪車乗りに関する研究は,補助者が学習者を直接幇助するという方法を問い直したものであり,直接補助を用いない指導方法である。学習者が今できる動きから新しい動きへと学習者自身の動きの感覚を手掛かりに発展させていく方法であり,教育現場でもすぐに活用されうる成果である。この考え方は,当研究室による運動指導の新しい考え方に基づくものである。 ジャベリックスローの研究発表内容は,教育現場でそのまま活用できる指導方法として有効なものであり,教育実習でも在学生が活用し,成果を上げた。 平行棒シャルロの習得方法に関する研究は,これまでにない新規性の高い研究であり,体操競技の練習現場において技の習得に直結するものである。 研究の成果を学会発表や教員研修会などを通して公表し,活用することにも重点を置いた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)日本ラート協会 理事
(2)新潟県体操協会 特別参与
(3)群馬県桐生市体操協会 常任理事
(4)上越体操協会 参与
(5)上越教育大学公開講座「体操教室T」講師
(6)上越教育大学公開講座「体操教室U」講師
(7)上越教育大学出前講座「うまくなるには〜動き方のこつのつかみ方〜」講師(上越市立牧小学校)
(8)上越教育大学出前講座「やわらかなからだ〜柔軟プログラムの提供〜」講師(糸魚川市立木浦小学校)
(9)上越教育大学出前講座「やわらかなからだ〜柔軟プログラムの提供〜」講師(上越市立牧小学校)
(10)中国・黄岡師範学院外国語学院特別講義「日本の学生と教育事情」講師(中国・黄岡師範学院外国語学院)
(11)糸魚川市川崎保育園保育士研修会「幼児の動きの指導方法」講師(川崎保育園)
(12)上越市立大町小学校 学校保健委員会「姿勢教育講座」講師(上越市立大町小学校)
(13)上越市立大町小学校 教職員・PTA研修会「子どもの姿勢について」(上越市立大町小学校)
(14)群馬県みどり市大間々保育園保育士研修会「幼児の動きの指導法」講師(大間々保育園)
(15)長岡市・三島郡教員研修会「器械運動の指導法」講師(長岡市立上組小学校)
(16)上越市学校教育研究会保健体育部会授業研究会「器械運動」指導助言(上越市学校教育研究会保健体育部会)
(17)妙高中学校・新井南小学校・妙高小学校合同学校保健委員会「姿勢と健康〜よい姿勢を身に付けよう〜」講師(妙高市立妙高小学校)
(18)平成23年度教員免許状更新講習「身体教育の実践理論U」講師(上越教育大学)
(19)平成23年度教員免許状更新講習「身体教育の実践理論V」講師(上越教育大学)
(20)群馬県みどり市大間々保育園「幼児の運動カリキュラム」指導助言者(大間々保育園)
(21)上越市学校教育研究会保健体育部研修会「学習指導要領改訂に伴う実践上の留意事項などについて」講師(上越市学校教育研究会保健体育部会)
(22)平成23年度教職員のための自主セミナー「動き方の指導方法」講師(上越教育大学学校教育実践研究センター)
(23)日本赤十字社群馬県支部「救急法救急員養成講習会」講師(日本赤十字社群馬県支部)
◎社会への寄与等
「出前講座や研修などの学校,園,教育機関からの講師依頼については,研究成果を学校教育に直接活かすことのできる大変よい機会であるので積極的に受けた。姿勢教育については,学校現場が抱える潜在的な問題であり,取り組みの成果が出ていると同時に,継続して取り組んでいる。公開講座は受講定員を超える需要があり,工夫して受け入れ実施している。一昨年度より継続して受講している児童もおり,保護者へのアンケートでは「引き続き実施してほしい」との要望が多数あった。
 

土 田 了 輔(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
〇 授業形態は,講義,実技を問わず,学生相互が盛んに交流できるよう,話し合い活動を重視した。特に実技では,「チーム内ゲーム(scrimmage)を用いて交流がしやすいように配慮した。
〇 成績評価法については,特にボールゲームにおいて,ゲームプロセスへの「貢献」と「役割の変化」を重視した評価を行った。また,学部の実技授業で最後に記述させる授業記録には,毎回赤でコメントを入れて受講者とのコミュニケーションを中核とした評価活動を実施した。
【観点2】教育の達成状況
進学や就職,特に教育現場への就職を考慮し,現場教師と勉強会等を通じた密接な交流を図り,授業に生かした。授業では,「現場で指導の際に」と付け加えての指導を多くした。また,体育実技で問題になる熟練度の差等をどのように乗り越えるかという点を強調し,様々なレベルの学習者に「学習内容」を提供できる授業ができるよう指導した。
研究指導
【観点1】学部
指導学生が日頃取り組むスポーツ活動からテーマを選び,実践者としての経験知を,ゲーム構造に基づく体系的な知に結び付けて理解が深まるよう,現在,研究で取り組んでいる「ゲーム構造論」に基づき指導した。
【観点2】大学院
修士のテーマは,教育現場の指導実践を中心に取り扱うこととし,近隣の小中学校の協力を得て実践的な研究指導を行った。
その他の教育活動
・ 新潟大学教育学部非常勤講師:体育実技「バスケットボール」
・ 新潟工科大学工学部非常勤講師:体育実技T,U
特色ある点及び今後の検討課題等
教育学部の専門実技を担当した。数年来,国内外の雑誌等でも発表している「ゲーム構造論」に基づく実践を,専門実技の授業において実践した。この授業は,従来のタスクゲームで「動き」を教えるではなく,「なぜその動きが必要か」といった点を強調し,熟練者,未熟練者の双方に対して学習内容を提供する点に特徴がある。従来の授業は,熟練者に学習すべき内容がない点を克服したものである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年12月:『保健授業に関する一考察』(共著) 新潟工科大学研究紀要第 16号,pp.75-82
(2)平成24年2月:『小学校の体育授業におけるoff the ball movementsに関する研究 〜バスケットボール単元におけるゲームの実態〜』(単著) 新潟体育学研究30巻,pp.35-39
発】(1)平成23年10月:『小学校体育のバスケットボール単元におけるoff the ball movementsに関する研究 〜プレーヤーの役割意識に焦点をあてた授業の事例〜』(単) 新潟県体育学会平成23年度大会
(2)平成23年11月:『中学校体育におけるベースボール型の教材開発』(共) 日本教育実践学会第14回研究大会
(3)平成24年3月:『 The Basic Elements for Decision Making in Ballgames』(共) American Alliance for Health, Physical Education, Recreation and Dance
学会活動への参加状況
(1)平成23年10月29日:新潟県体育学会平成23年度大会出席, (2)平成23年11月5日〜平成23年11月6日:日本教育実践学会第14回研究大会出席
◎特色・強調点等
近年,継続的に取り組んでいる「ゲーム構造論」の構築と,教育現場への成果の還元を念頭に,授業者,学習者の相互理解が深まる,専門用語に頼らずにゲームをシンプルに解釈可能な用語法を開発している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)北魚沼保健・体育サークル講師(北魚沼保健・体育サークル)
(2)上越体育授業研究会ミニ研修会講師(夏,冬)(上越体育授業研究会)
(3)長岡体育サークル指導者(長岡体育サークル)
(4)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
 

山 崎 貞 登(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
「指導と評価の一体化」を推進するために,各担当授業ともに,前年度と同様に授業初回オリエンテーションで,学習到達目標及び成績判定基準を事前公開した。成績判定基準では,毎回の「学習シート」の記述状況と課題レポート(凝縮ポートフォリオ)を採点対象にした。「学習シート」は,従来紙媒体を使用していたが,平成23年度後半から電子学習シートにし,毎授業終了時に授業者メールアドレスに添付送信させた。受講者には,ICTを活用した電子版学習シートによる学習方法は,好評であった。各授業ともに課題探究型の学習とし,課題レポートの作成と検討会の実施について,昨年度までの実践の反省を生かしながら工夫した。
【観点2】教育の達成状況
修士課程修了者の進路は,新潟県現職派遣教員1人,神奈川県中学技術正規採用1人,岡山県小学校臨採1人であった。神奈川県中学技術採用試験の現役合格は難しいといわれているが,模擬授業,学習指導案作成,面接の受け答え,論作文などの実践的指導力が問われる課題を,ゼミ教員の実践指導と,新潟県現職派遣教員のアドバイスを受けながら,真摯に努力していた。年々,中学校技術教員採用試験の採用人数の減少と競争倍率が激化し,当該教科の受験参考書と問題集が市販されていないため,過去問の収集,受験勉強の方法等についてゼミ院生のみならず,技術コースや他コースの学生・院生に個別に指導をした。
研究指導
【観点1】学部
学部のゼミ生は,いなかった。
【観点2】大学院
「大学院(修士課程)では,平成22年度に引き続いて,上越市立直江津中学校技術分野関原和人教諭と協同研究を行い,3人の院生が,生物育成に関する技術と材料と加工・エネルギー変換・情報に関する技術との連携カリキュラムのデザインに関する教育臨床的研究を実施した。他1人の院生は,文部科学省先導的大学改革推進委託事業「教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究」の一環として,実践的指導力の向上を目的とし,学部「栽培法」の授業内容と方法の改善のための試行授業について,修士論文研究として授業分析とカリキュラム評価をした。
その他の教育活動
・ 平成23年度長岡技術科学大学非常勤講師 担当科目学部「工業科教育法I」
・ 中学校教育実習,小学校教育実習で実施した学習指導案作成指導と研究授業参観
・ 平成23年度附属中学校「技術」研究指導者として,3回の指導者打ち合わせ会と,研究公開授業及び協議会に参加し,指導助言
特色ある点及び今後の検討課題等
平成23年8月29日の上越教育大学カリキュラム企画運営会議発行の『上越教育大学スタンダードに準拠させて設定した教科のルーブリック及び知識・理解・技能等』で,上越教育大学中等教育教員(中学校)養成における中等技術科指導法・教職実践演習ルーブリックと,上越教育大学中等教育教員(中学校)養成における中学校技術・家庭科技術分野(技術科)の「知識・理解」「技能」等の到達目標を提案した。前述の提案に基づき,平成23年度の学部中等技術科指導法と担当する専門授業科目,大学院の担当授業科目のシラバスの内容と方法について再構成を図った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年12月:『イングランド14〜16歳「デザイン・技術」と日本の技術分野との評価規準の構成要因の比較分析』(共著) 日本産業技術教育学会誌,第53巻第4号,pp.231-241
(2)平成24年3月:『 Curriculum Research and Development in Technology Education through Elementary and Lower Secondary Schools in Japan』(共著) Proc. of the International Conference on Technology Education in the Pacific-Rim Countries, pp.27-32,
(3)平成24年3月:『 The Effect of "Portfolio Experience" in First-Grade Pupils on the Development of Constructional Activity for Second-Grade Pupils in an Elementary School,』(共著) Proc. of the International Conference on Technology Education in the Pacific-Rim Countries, pp.93-98,
(4)平成24年2月:『小学校における「技術デザインプロセス(創成)力 」のルーブリックのデザイン』(共著) 上越教育大学研究紀要,第31巻,pp.265-276,
業】(1)平成23年9月:『「技術科内容学」構成案』(共著) 平成22〜23年度文部科学省先導的大学改革推進委託事業研究成果報告書 教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究, pp.256-287
(2)平成24年1月:『平成20年告示中学校学習指導要領技術・家庭科(技術分野)の3学年間を見渡した全体的な指導計画に関わる調査報告書』(共著) 平成20年告示中学校学習指導要領技術・家庭科(技術分野)の3学年間を見渡した全体的な指導計画に関わる調査報告書,65p.
発】(1)平成23年8月:『地域の小水力発電施設を教材とした中学校理科「科学技術と人間」の教育実践』(共) 日本エネルギー環境教育学会
(2)平成23年8月:『「生物育成に関する技術の適切な評価・活用」のルーブリックとアンカーの作成と適用』(共) 日本産業技術教育学会
(3)平成23年8月:『技術分野「情報に関する技術」の「生活を工夫し創造する能力」観点のルーブリックのデザイン』(共) 日本産業技術教育学会
(4)平成23年8月:『「生物育成に関する技術の適切な評価・活用」に対応した技術科教員免許教科専門科目の試行授業の実施と評価』(共) 日本産業技術教育学会
(5)平成23年11月:『プログラムによる計測・制御技術と「生物育成に関する技術」との連携・総合化カリキュラムのデザイン −教材化のための菜類3品種の栽培試験−』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(6)平成23年11月:『「生物育成に関する技術の適切な評価・活用」のルーブリックとアンカーの作成と適用』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(7)平成23年11月:『プログラムによる計測・制御技術と「生物育成に関する技術」との連携・総合化カリキュラムのデザイン −プログラムによる計測・制御」における観点別の学習到達状況−』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(8)平成23年11月:『「生物育成に関する技術の適切な評価・活用」に対応した技術科教員免許科目教科専門科目の試行授業の実施と評価』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(9)平成23年11月:『国立大学法人附属中学校の技術分野3学年間指導計画の実態調査』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(10)平成23年11月:『小学校における「技術デザインプロセス(創成)力」のルーブリックのデザイン』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(11)平成23年11月:『技術分野「情報に関する技術」の「生活を工夫し創造する能力」観点のルーブリックのデザイン』(共) 日本産業技術教育学会北陸支部
(12)平成24年3月:『 Curriculum Research and Development in Technology Education through Elementary and Lower Secondary Schools in Japan』(共)  International Conference on Technology Education in the Pacific-Rim Countries
(13)平成24年3月:『The Effect of "Portfolio Experience" in First-Grade Pupils on the Development of Constructional Activity for Second-Grade Pupils in an Elementary School,』(共)  International Conference on Technology Education in the Pacific-Rim Countries
(14)平成23年8月:☆日本産業技術教育学会第54回全国大会シンポジウム2パネラー 宇都宮大学
学会活動への参加状況
(1)平成23年11月:☆セッション議長, Research for School and Class, (2)平成23年度:日本産業技術教育学会小学校技術教育委員会委員, (3)平成23年度:日本産業技術教育学会「新21世紀の技術教育」WG委員, (4)平成23年8月7日〜平成23年8月8日:日本エネルギー環境教育学会第6回全国大会(山梨大学)出席, (5)平成23年8月23日:日本産業技術教育学会第54回全国大会(宇都宮大学)出席, (6)平成23年11月3日〜平成23年11月4日:2011th International Conference on Technology Education in the Pacific-Rim Countries (ICTE), Nagoya, JAPAN出席, (7)平成23年11月5日:日本産業技術教育学会第23回北陸支部会(新潟大学教育学部)出席, (8)日本産業技術教育学会誌論文査読, (9)日本教科教育学会誌論文査読, (10)日本エネルギー環境教育学会論文査読
◎特色・強調点等
平成23年11月4日開催のICTE国際会議において,日本の技術教育政策の重要な研究テーマである小学校段階における技術教育課程研究と実践の現状について,文部科学省研究開発学校の実践成果をエビデンスとして発表した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)学校教育実践研究センター「教育実践研究」応募論文の査読(上越教育大学)
(2)平成23年度上越教育大学教員免許状更新講習講師 技術科指導の改善に向けて:指導と教材開発の工夫A
(3)中学校:技術一斉研修会講師(上越市教育委員会)
◎社会への寄与等
平成22〜24年度文部科学省研究開発学校栃木県上三川町立本郷中・本郷北小・本郷小学校の小・中学校を一貫した「みらい創造科」の運営指導委員として,年3回の運営指導委員会に出席するとともに,研究主任からの日常的な質問や問い合わせに対応した。平成24年度から完全実施の中学校学習指導要領技術分野に対応した3年間指導計画とカリキュラム実践,特に生物育成や計測・制御,ガイダンス学習,技術を適切に評価・活用する能力を育成する指導と評価に関する県内外からの問い合わせに対応した。
 

黎   子 椰(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
「機械工学概論」,「機械工学実習」などの学部授業の標準履修年次は学部3年であるが,実際に学部3年生,4年生,大学院1年生,2年,3年生まで各学年の学生が受講した。受講者が持っている機械工作の知識,経験がかなり異なっている。効果的な学習を行うために,図や写真,実物を利用して作業の要領・ポイントを分かりやすく説明するように心かげた。また,学生同士で学び合うようにグループを作って,「知る,できる,教える」ことができるようにグループ討議,ミニ模擬授業を設けること,教育実習で欠席した免P生のために集中講義を行うことなど,中学校技術教員としての実践力・指導力を養うように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
学生のアンケートによる評価及び提出された課題レポートの内容から判断して,概ね目指していた教育目標を達していると考えている。
研究指導
【観点1】学部
学部3年生の研究指導では,本人の志向に応じて,小学校におけるものづくり学習の位置づけと内容の分析・考察を行うように指導した。分析する教科は生活科,図画工作科,家庭科,理科とした。
【観点2】大学院
修士課程1年次の学生(5人)に対しては,適宜に個人ゼミを行いながら,各自の研究に関連する論文の検索,講読,発表を行わせ,予備実験,予備調査を行った上,研究課題の構想,計画を立てることについて指導した。2年次の学生(1人)に対しては,修士論文を完成するための必要な事項について重点的に指導した。
その他の教育活動
・ 教育実習における学生の指導としては,ゼミ生の研究授業日には,実習校を訪問し,授業参観を行った。
・ 平成23年度「附属中学校わくわく大学デー」特別授業講師「マシンを用いて素敵なマイ・キーホルダーをつくろう!」(上越教育大学)
特色ある点及び今後の検討課題等
より高度な専門的な実践力を身に付けさせるために,大学院の授業に先端加工技術CAD/CAMの実習(コンピュータを利用した設計・加工)を取り入れているところに特色がある。マシニングセンタの特徴・構造及びプログラミングの基本的な知識・技術を習得させるために工夫し,受講者各自で部品の構想・設計から,プログラム作成,機械加工まで行うカリキュラムを実施している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年2月:『中国天津市における労働技術教育に関する調査研究−小学校労働技術教育センターを中心に−』(共著)上越教育大学研究紀要,第31巻,pp.285-297
業】(1)平成24年1月:『技術科教員免許更新支援システム・モデルカリキュラム』(共著)日本産業技術教育学会,全51頁
(2)平成24年3月::『2足歩行模型から力学を学ぶ』(単著)「生活の中の科学」のテキス ト,上越教育大学「初等教育教員養成課程における科学的科学リテラシーの育成−感性と科学的素養に満ちた教員の養成−」プロジェクト,pp.31〜34
発】(1)平成23年8月:『機械加工学習をサポートするCAD/CAMソフトウェアの改良と教育実践』(共) 日本産業技術教育学会
(2)平成23年8月:『2足歩行模型製作を大学生授業に導入した試み』(共) 日本産業技術教育学会
(3)平成23年8月:『ボールエンドミル加工におけるバリの抑制について』(共) 日本産業技術教育学会
(4)平成23年9月:『An Attempt to Have Introduced Bipedal Walking Model into the Undergraduate Class』(共) 日本産業技術教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成23年8月4日:技術教育研究会第44回全国大会出席, (2)平成23年8月27日〜平成23年8月28日:日本産業技術教育学会・日本産業技術教育学会第54回全国大会(宇都宮)出席・発表, (3)平成23年度日本産業技術教育学会編集委員会常任編集委員
◎特色・強調点等
NC工作機械の体験を通して,ものづくりやものづくり技術への理解・関心が高まることをねらいとし,小中学生用CAD/CAMソフトウェアの開発と教育実践を行っている。小中学生がものづくりの先端技術に触れることができる点に大きな特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市中小企業研究開発支援事業審査委員会副委員長(上越市)
(2)教員免許状更新講習:技術科指導の改善に向けて:指導と教材開発の工夫B(上越教育大学)
◎社会への寄与等
専門的な見地から,上越市中小企業活性化支援事業への助言,中小企業研究開発等支援資金融資の審査を行った。また,中国へのビジネス・進出などについて戸惑いや課題を抱えている中小企業に助言,指導を行った。
 

大 森 康 正(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部,大学院の授業では,進歩の早い情報システム関係の動向,また最新の研究成果を取り入れている。また,教育の情報化ビジョン(文部科学省)で述べられている様な将来の学校教育の情報化を取り込み,最先端のITC技術及び機器を用いた授業を行なっている。さらに,講義科目において理解を深めるために実習をできる限り取り入れるようにしている。
成績評価の方法は,授業態度,出席状況,レポート及び小テスト,最終テスト(或いはレポート)を総合的に判断している。
【観点2】教育の達成状況
概ね達成していると考えている。
研究指導
【観点1】学部
本年度は学部生の研究指導はおこなっていない。
【観点2】大学院
一人ひとりの個性を大事にし,興味関心のある領域の研究を行なうように話し合いを十分にするように心がけて研究指導している。また,技術科教育の専門学会である「日本産業技術教育学会」の全国大会及び支部大会などに積極的に研究発表又は参加をするように指導を行なっている。さらに,修了生(現職教員)の協力を得て,実践面からの助言を貰えるような環境を作っている。
特色ある点及び今後の検討課題等
教育活動において心がけていることは,学生が卒業・修了したあと10年後の状況を想定している。特に教育の情報化ビジョンで示された学校の情報化を体験・体感できるように積極的にICT機器の活用をするなど工夫をしてきた。今後も継続して取組を行う予定である。
今後の検討課題としては,個人の研究費で教育の情報化ビジョンで示されている先端的なICTを活用した授業の環境整備を行なうのは困難であり,どのように環境整備を行なうか大学全体で検討すべきであると考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成23年8月:『教科間連携に向けた中学校テキストを対象とする学習リソース検索システムの開発』(共) 日本産業技術教育学会第54回全国大会
(2)平成24年3月:『中学校技術を対象とした総合教育支援システムの基本構想』(共) 日本産業技術教育学会第27回情報分科会
(3)平成24年3月:『対象モデルの概念に基づく学習リソース検索システムの開発』(共) 日本産業技術教育学会第27回情報分科会
(4)平成23年11月:『教科間連携を指向した授業づくりのための体系的な教授知識モデルの構築』(共) 日本産業技術教育学会 第23回北陸支部大会
(5)平成23年11月:『協働的な学びを支援するためのデジタルテキストシステムにおけるデジタルテキスト機能の開発』(共) 日本産業技術教育学会 第23回北陸支部大会
(6)平成23年11月:『協働的な学びを支援するための付箋共有システムの検討・試作』(共) 日本産業技術教育学会 第23回北陸支部大会
(7)平成23年10月:『Work in Progress - Soil Watering Systems as Teaching Materials for Technology Education in Junior High Schools』(共) 41st ASEE/IEEE Frontiers in Education Conference
学会活動への参加状況
(1)平成24年3月17日〜平成24年3月18日:日本産業技術教育学会第27回情報分科会出席, (2)平成23年8月28日:日本産業技術教育学会第54回全国大会出席, (3)平成23年11月5日:日本産業技術教育学会第23回 北陸支部大会出席
◎特色・強調点等
中学校技術・家庭「技術分野」における喫緊の課題に対して取り組むと共に情報通信技術の動向と教育の動向を踏まえて10年後学校教育で利用可能な情報システムの研究開発を行なっている。その成果は技術教育の中心的な学会等で発表している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)教員免許状更新講習(上越教育大学)
(2)上越市情報公開・個人情報保護制度等審議会会長
◎社会への寄与等
中学校技術・家庭「技術分野」における喫緊の課題に対して取り組んできた教育研究の内容を教員免許状更新講習や県内の中学校の教員との連携において還元を行なっている。また,教育分野以外の社会への還元も地域の審議会,委員会等で積極的に行なっている。
 

東 原 貴 志(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法に習熟させることに努めた。
大学院の「木材加工学特論」では,上越市所有の町家内部における木造建築とまちづくりに関する講義を実施し,地域の林業・木材産業との関わりについて議論した。原則として,毎時間小レポートを課した。「木材加工学実験実習」では,実技に関する論文講読と実験実習を行い,データの取り扱いについて議論し,中学生に対する実技指導のありかたについて考察する授業を展開した。また,製作課題を通して,木工機械の操作に習熟させることに努めた。成績に関して,出席回数,授業態度,製作物を総合的に評価した。
【観点2】教育の達成状況
学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,受講生は,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法については概ね習得しており,作品についても一定の水準に達していた。しかし,実技の指導力に関しては授業内で十分に確認する時間がとれず,教育実習先での実技指導に苦労する学生が見られたことから,今後の課題といえる。
大学院の「木材加工学特論」については,受講生の関心は高く,小レポートの記述内容から,木材加工に関する教育活動,ならびに,地域の林業・木材産業との関わりについて考察を深めることができたと評価した。「木材加工学実験実習」に関して,受講生は,実験操作の基礎を習得し,実技指導に関する能力を高めることができた。
研究指導
【観点1】学部
学部生に木材加工に関する文献講読,実技指導ならびに研究方法を指導した。木材加工に関する授業実践を通して,教材の開発,授業展開の仕方,生徒の学びについて認識を深めた。研究成果を日本産業技術教育学会第23回北陸支部大会において発表を行った。
【観点2】大学院
大学院生に木材加工に関する文献講読,実技指導ならびに研究方法を指導した。木材加工に関する授業実践を通して,教材の開発,授業展開の仕方,生徒の学びについて認識を深めた。研究成果を日本科学教育学会第35回年会,日本産業技術教育学会第23回北陸支部大会および第62回日本木材学会大会において発表を行った。
その他の教育活動
・ 卒業論文指導学生に対して,教育実習指導を行った。
・ わくわく大学ウィーク講師(上越教育大学)
特色ある点及び今後の検討課題等
教育活動の特色ある点は,大学院の授業「木材加工学特論」において,平成22年度受託研究「地域材を活用した住宅や製品の実用化及び普及促進のための資格制度に関する調査研究」で得られた地域材を活用した住宅や製品の実用化及び普及促進のための資格制度に関する調査結果を生かし,木材利用に関する最新の研究成果を取り上げたことである。
また,今後の課題として,学生の木材加工に関する実技の指導力を一層高めることができる授業のあり方を検討したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年3月:『木力検定(1)木を学ぶ100問』(共著) 海青社
発】(1)平成24年3月:『木材の生産に関する学習内容を取り入れた材料と加工に関する指導計画について』(共) 第62回日本木材学会大会
(2)平成24年3月:『新潟県の中学校における木材の生産に関する実習環境についての考察』(共) 第62回日本木材学会大会
(3)平成23年11月:『戦後の新潟県における木材の生産に関する学習内容の調査』(共) 日本産業技術教育学会第23回北陸支部大会
(4)平成23年11月:『木琴の教材化に向けた取り組みと実践』(共) 日本産業技術教育学会第23回北陸支部大会
(5)平成23年8月:『木材の生産を題材とした「C 生物育成に関する技術」の授業内容の検討』(共) 日本産業技術教育学会第54回全国大会(宇都宮)
(6)平成23年8月:『ICT機器を活用した中学校技術・家庭科(技術分野)の授業実践』(共) 日本科学教育学会第35回年会東京大会
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:日本科学教育学会年会企画委員会, (2)平成23年度:日本産業技術教育学会北陸支部理事, (3)平成23年8月23日〜平成23年8月25日:日本科学教育学会第35回年会東京大会出席, (4)平成23年8月27日〜平成23年8月28日:日本産業技術教育学会第54回全国大会(宇都宮)出席, (5)平成23年11月5日:日本産業技術教育学会第23回北陸支部大会出席, (6)平成24年3月15日〜平成24年3月17日:第62回日本木材学会大会出席
◎特色・強調点等
著書『木力検定(1)木を学ぶ100問』には,木材に関するさまざまな事柄が1項目1ページで問題と解説という形式で記載されている。また,本書と連動したweb版の木力検定を受験することにより,木材に関する知識を確認することができる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)めざせ!!「木工の技」チャンピオン新潟県予選審査員(新潟県技術・家庭科研究会)
(2)広域農道清里・板倉・新井線愛称選考会(筒方地区活性化委員会)
(3)公開講座「木琴をつくろう」(上越教育大学)
(4)教員免許状更新講習(上越教育大学)
◎社会への寄与等
小学生を対象とした上越教育大学公開講座「木琴をつくろう」を開講し,木材加工に関する教材開発の成果を地域に還元した。この講座では,音階と音板の長さの関係や,樹種による音板の長さのばらつきについての研究成果を小学生向けにわかりやすく説明した。また,のこぎりなどの道具の使い方を説明し,のこぎりで音板を少しずつ短くしながらチューナーを用いて音階を合わせる作業を行った。その結果,受講生全員が木琴を製作できた。
 

佐 藤 悦 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
学部における被服学関連の授業は,講義と実験・実習等の内容を関連づけて構成し,消費科学的な視野が養えるよう工夫している。学部生と共に免P院生の履修があるため,多様な学生に対応できるように授業後のミニレポートを課して理解度の把握に努めた。製作実習の内容を大幅に改訂し,基礎となる教材を短時間で完成できるようにした。大学院における授業は,小学校・中学校・高等学校の家庭科の授業内容との対応を意識して取り上げ,専門的な視野からの解説や問題点などを各自が指摘するなどの意見交換を行った。
研究指導
学生が研究テーマを設定する際には,生活に密着した事象から課題を見い出し,研究テーマに発展できるよう指導上において心がけている。本ゼミの共通テーマとして,被服商品の消費性能に関する研究ならびに衣服の着脱動作に関する研究をメインテーマとして位置づけているが,学生が希望するテーマも多様であるため,可能な限り希望に添えるよう指導体制を取りつつ展開している。
本年度の学部生は,@自主的テーマとしてスポーツウエアの運動機能性に関する事象 A若者特に男性の被服行動に関する事象に興味・関心がありつつも,具体的テーマの絞り込みや研究方法までに至らず苦慮している様子が伺えたが,課外活動を通しての経験を取り上げて研究目的が明快になるにつれて,進展したように思われる。自主性を重んじながらの指導態勢が今後の課題であるが,@は運動機能性を動作時のウエアの変化から捉え,Aはファッションと個性の実態を捉え,その成果をまとめた。
大学院生では,研究課題として@自転車走行時の服装に関する研究,A染織工芸に関する調査の具体的なテーマを絞り込むために,フィールド調査資料と研究論文等の収集を行い,収集した資料等を分析的視点から整理することにより,問題点を明確にし,今後の修士論文に繋がるよう指導した。
研究室のゼミ活動として,衣に関連する地域産業や文化への興味・理解を深めることを目的として,施設見学や手作りの機会を設けている。本年度は,8月開催した夏季セミナーへの協力・参加,12月簡易裂き織り機を使った小物作りなどを行った。こうした活動が学校教育に役立てられることを目差しているので,授業等への展開が望まれる。施設見学等は,時間的な制約からゼミ全員のスケジュール調整が難しく,今年度は実施出来なかった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成23年5月:「若者のファスト・ファッション意識に関する調査」(一社)日本家政学会第63回大会研究発表
学会活動への参加状況
(1)平成23年5月28日〜29日(一社)日本家政学会第63回大会参加
(2)平成23年8月18日・19日:日本家政学会被服心理学部会「夏季セミナー」開催・参加(上越)
(3)平成23年11月11日:日本家政学会被服心理学部会「秋季研修会」開催・参加(東京)
講演会及び各地区研究会グループによる共同研究の報告会開催に従事した。
部会の活動助成申請を行うために,企画・立案し申請書を作成した。
(4)平成24年2月28日:日本家政学会被服心理学部会「春季セミナー」開催・参加(東京)
(5)(一社)日本家政学会 被服心理学部会長として総会開催,学会との連絡協議等の任務を遂行した。
(6)日本繊維製品消費科学会北陸支部幹事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成23年度教員免許状更新講習講師
(2)新潟県中学校創造ものづくり 審査員
 

得 丸 定 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業は,毎年内容や実施方法を修正検討し行っている。PPTや書画カメラ,インターネットなどを用いて,動きのある授業を試みた。毎回の授業で「授業意見,感想カード」を簡単に記入させコメントを書き学生に返却し,毎回の授業の振り返りと学生の反応,質問に答えるようにしてきた。
【観点2】教育の達成状況
学部生は,町役場に就職。院生(有職者)は修了後,業務職から助手職に昇進した。この背景として,学部生には採用試験に向けての試験勉強を促し,院生については,学会発表,論文執筆など研究業績につながる指導を精力的に行った。
研究指導
【観点1】学部
いのち教育を根幹にした教育研究指導を行った。具体的には,小学生,中学生のストレス低減のためにマインドフルネスストレス低減法について改変法を検討し,それを実践した。さらに,その効果の評価を行い,今後の学校現場への導入のエビデンスを得ることを試みた。
【観点2】大学院
修士課程では,「食育」指導における教材開発を行い,授業実践を通してその教材の有効性を検討した。
博士課程では,高齢者と子どもの世代間交流における実践と,その評価を行った。世代間交流により,少子高齢化社会における高齢者福祉と,子どもの人間性教育の貢献を目指した教育研究指導を行った。上越市の板倉区を中心としたインフォーマルケアとしてボランティア活動を週2回継続し,地域貢献にも寄与した。その活動については,複数回地方新聞に掲載された
その他の教育活動
・ 附属小学校研究協力者
・ 文京学院大学非常勤講師「家庭科教育学演習」「家庭科概論」
特色ある点及び今後の検討課題等
文京学院大学学生で,小学校教員を志望する30名を対象に授業を行った。当大学は家庭科教育を担当する教員がいないため,得丸が依頼されて講義を行った。学生の評価は高いとのことであった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成23年11月:『世代間交流プログラム実践及び評価の検討』(共著) 日本家政学会誌 第63巻2号,pp.1-10
(2)平成23年11月:『「マインドフルネス」と学校教育―ノルウェーと米国の報告―』(単著) 仏教看護・ビハーラ 第6号,pp.167-186
(3)平成24年3月:『ペットロス(下)日本人の動物観とペットロス』(共著) SOGI Vol.21, No.3,pp.46-50
(4)平成24年2月:『学校における瞑想実践とその評価』(共著) 上越教育大学研究紀要 第31巻,pp.253-261
発】(1)平成23年5月:『絵本から学ぶいのち教育―大学生への実践とその評価―』(共) 日本家政学会
(2)平成23年5月:『小学校児童へのストレス低減法の取り組み』(共) 日本家政学会
(3)平成23年6月:『「食育すごろくゲーム」教材の開発とその有効性』(共) 日本家庭科教育学会
(4)平成23年7月:『地域住民による高齢者の健康・生きがいづくり 〜Precede-Proceedモデルを活用した住民による自立運営型介護予防プログラムの実践〜』(共) 日本家庭科教育学会北陸地区会
(5)平成23年8月:『大学生を対象とした妊娠中絶の実態とその悲しみのケア』(共) 仏教看護・ビハーラ学会
(6)平成23年9月:『絵本を用いたスピリチュアル教育の実践と評価』(単) 日本スピリチュアルケア学会
(7)平成23年10月:『死者をどう扱うか』(共) 日本死の臨床研究会
(8)平成23年10月:『絵本を用いたいのち教育の評価』(共) 日本死の臨床研究会
(9)平成23年10月:『高齢者の健康・生きがいづくり』(共) 日本死の臨床研究会
(10)平成23年10月:『「食育すごろくゲーム」教材の開発』(共) 日本教材学会
(11)平成23年12月:『ストレス予防研究と教育:「わく・湧く・ワークショップ」−イメージワークとメディテーション−』(共) 京都大学こころの未来研究センター研究報告会
(12)平成23年10月:『Psychological and biochemical evaluation of meditation.』(単) The International Work Group on Death, Dying and Bereavement
(13)平成23年度:☆Disasters-Local and global perspectives from Australia, New Zealand Melbourne (Australia)
(14)平成23年度:☆生きる力としての「いのちの教育」 大正大学
(15)平成23年度:☆26th Meeting of the International Work Group on Death, Dying and Bereavement 2011. Melbourne (Australia)
(16)平成23年度:☆Disasters-Local and global perspectives from Australia, New Zealand Melbourne (Australia)
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:日本死の臨床研究会世話人, (2)平成23年度:日本死の臨床研究会企画委員会委員, (3)日本スピリチュアルケア学会評議員, (4)仏教看護ビハーラ学会理事
◎特色・強調点等
研究室HPの開設公開 URL: https://sites.google.com/a/myjuen.jp/tokumaru/
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)「生きることと学ぶこと」講師(山形県教育委員会)
(2)「つづきゆくつながり」講師(明了寺)
(3)出前講座「ストレスに強くなるために−マインドフルネスストレス低減法−」講師(柏崎市立内郷小学校保健委員会)
(4)「生への感謝・生きる意味をいただきましょう」講師(法友会)
(5)「思いやり感育成は可能か?〜学校教育への瞑想の導入〜」講師(コンポン研究所)
(6)「アジアの自然災害と私たちにできること〜一年後の3.11にて〜」講師(:上越教育大学,東アジアの自然災害に関する防災・減災教育研究会,生きがい感育成研究会,上越教育大学いのち教育を考える会)
(7)免許状更新講習会「生活を知る・見つめる・創る・育む1(家庭科教育)」講師(上越教育大学)
(8)にいがた食の安全・安心審議会委員(新潟県福祉保健部)
(9)上越地域消防事務組合情報公開・個人情報保護審査会委員(上越地域消防事務組合)
(10)新潟県男女平等社会推進審議会委員(新潟県県民生活・環境部)
(11)上越市情報公開・個人情報保護審議会委員(上越市総務監理部)
(12)上越市都市計画審議会委員(上越市都市整備部)
(13)山形県教職10年経験者研修会全体研修U講師(山形県教育委員会)
(14)新潟県不当取引行為調査会議構成員(新潟県県民生活・環境部)
(15)科学研究費委員会専門員(日本学術振興会)
◎社会への寄与等
上越教育大学いのちの教育研究会として,フォーラムを開催し,地域への研究還元を行った。
 

 
細 江 容 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○ 授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
上越教育大学は教員を目指す学部生・院生が入学してくるが,その目的大学においても学生・院生の多様化が進んでいる。したがって,大学教員にはこれまで以上に個々の学生・院生に対して学習への動機付けを与え,学生が学習及び研究目標を確立すると同時に,将来の目標や夢に向かって学習するための指導を行うことが求められている。したがって,授業においては,シラバスに講義の内容や目的を明記する等の方法により,受講者が事前に準備学習を行うことができると同時に,授業によって理解できなかったことを確認し次回の授業において十分な説明を行っている。さらに,授業後の復習,毎回のレポートの提出などにより学習内容の十分理解が図れる様に授業の設計を行った。
○ 成績評価法に関する取組状況
大学の社会的責任として,学生の卒業時における質の確保を図る事は,特に目的大学である上越教育大学においては重要であるといえる。したがって,学生・院生に対してあらかじめ各授業における学習目標や目的達成のための授業の方法及び計画と,成績の評価基準を示す事によって,厳格な成績評価を実施し,学生の質の確保を図る努力を行った。
【観点2】教育の達成状況
○ 進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
上越教育大学は,公共的な教員養成機関として,社会に貢献できる人材としての教員養成を目指す役割を担っている。学生・院生に高い付加価値を身に付けさせ卒業生として送り出すことは大学の社会的責任であると同時に教員一人一人の責務である。したがって,教育実習等で教員志望をさらに強くした学生に対しては,教育現場が抱える今日的問題を自身の研究・教育領域から十分に学習させると同時に,教員には不向きであると考える学生に対しては早い時期での進路変更も含めたキャリア教育的視点で教育に当たる努力を行った。
研究指導
【観点1】学部
現場での教育に関わる臨床的な実践力を修得させるために,学生の理解を図るために理論だけでなく,事例等の内容を含んだ専門的な教育・研究指導を行った。
【観点2】大学院
現場での教育に関わる臨床的な実践力を修得させるために,院生の理解を図るために十分な理論と,実践力を培うための事例等の内容を含んだ専門的な教育・研究指導を行った。
そのために,教員自身も多くの学会,研究会活動で研鑽を積み,それを教育・研究に役立てた。
その他の教育活動,特色ある点及び今後の検討課題等
アメリカテキサス大学サンアントニオ校との研究連携を基に「学校教育におけるジェロントロジー教育」の教育・研究の取り組みを行った。本研究は科学研究費研究であり,今日日本社会が抱える少子高齢社会の問題解決に手がかりを与えると確信する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年1月:Gerontology Education Plan In School Education For Bridging Life experience and School Education of Children Journal of Gerontology Renaissance(単著) PP.143-156
(2)平成23年10月:老年社会科学 33巻 2号 大学生の持つ高齢者イメージ(共著) PP.242(学会報告集)
(3)平成23年10月:老年社会科学 33巻 2号 中学・高校生対象のジェロントロジー教育の実践と課題(共著) PP.292(学会報告集)
業】(1)平成24年3月:家庭総合 豊かな生活をともにつくる』(共著)大修館(検定決定 平成24年3月9日)教科書番号:家庭305
(2)平成24年3月:家庭基礎 未来を拓く』(共著)大修館(検定決定 平成24年3月9日)教科書番号:家庭309
発】(1)平成23年10月:老年社会科学 大学生の持つ高齢者イメージ
(2)平成23年10月:老年社会科学 中学・高校生対象のジェロントロジー教育の実践と課題
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)学校教育におけるジェロントロジー教育(東アジアでの共同研究)代表者:細江容子
(2)日本・台湾・韓国・中国の大学生の持つ高齢者イメージ(国際共同研究)代表者:細江容子
(3)日本・台湾・韓国・中国の家族と高齢者扶養(国際共同研究)代表者:細江容子
学会活動への参加状況
(1)IFHE評議委員(国際家政学会), (2)日本家政学会編集委員(日本家政学会), (3)日本家政学会関東支部会役員(日本家政学会)
◎特色・強調点等
研究活動全般を通しての特色は,今後日本において予想されている超少子高齢化社会に備えて,人々が地域社会の中で共同・協同を通じていかにして住み良い地域社会を創造するかをジェロントロジー教育を通じて考えていこうというものであり,これまで学校教育のレベルではそのような試みはなされてこなかった。その点で独創性と発展性があり,科学研究費を得て研究を実施しており,教育実践への寄与,地域の貢献が可能であると考える。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)介護福祉士に係る講習会実施機関等選定委員会委員(文部科学省)
(2)上越市公民館運営審議会委員(上越市)
(3)新潟県労働審議会委員(新潟県)
 

光 永 伸一郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
特に,小学校家庭科の教科書内容を反映させた授業構成を心がけた。成績についても,試験結果のみでなく,出席日数等の授業態度も考慮した。
【観点2】教育の達成状況
授業評価アンケートの結果から,概ね達成できたものと判断する。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生2名,3年生1名の研究指導を行った。4年生については,「植物性食品に含まれる酵素活性の比較研究」及び「ダイコンに含まれるジアスターゼの性質検討」という題目のもと,卒業研究を行った。適切な実験方法を教授するとともに,論文の執筆や成果の発表方法についても指導を行った。
【観点2】大学院
1名の研究指導を行った。「イネβ−アミラーゼ遺伝子における発現調節機構の解明」という題目のもと,適切な実験方法を教授するとともに,論文の執筆や成果の発表方法についても指導を行った。
その他の教育活動
・ 新潟県立看護大学看護学部「臨床栄養学」非常勤講師
・ 上越看護専門学校看護学科「生活科学」非常勤講師
・ 上越保健医療福祉専門学校看護学科「家事援助の基本」非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
食育の視点からの教育活動を行った。今後は実践をより重視した活動に心がけたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)平成23年9月:『「家庭科内容学」構成案』(共著) 文部科学省先導的大学改革推進委託事業「教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究」
発】(1)平成23年6月:『小学校教科専門「家庭科」内容学構成案』(共) 文部科学省先導的大学改革推進委託事業「教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究」シンポジウム「教員養成のための教科内容学の構築に向けて」(上越教育大学)
(2)平成23年度:☆新エネルギーセミナー 「雪を利用した保蔵の世界」 雪だるま財団(上越教育大学講義棟201講義室)
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:日本教育大学協会北陸地区会家庭科部門研究協議会, (2)平成23年度:日本教育大学協会家庭科部門常任運営委員, (3)Plant Biotechnology査読(日本植物細胞分子生物学会), (4)日本家政学会誌査読(日本家政学会)
◎特色・強調点等
小学校教科専門「家庭科」の内容について,家庭科の教科理論,家庭科の本質,育成すべき家庭科指導ができる小学校教員像などを十分に考慮しながら検討を加えたものである。したがって,今後,家庭科の教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域を検討する際には極めて有用になるものと考える。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)雪中貯蔵に関する緩やかなルール(ガイドライン)づくり(公財・雪だるま財団)
(2)教員免許状更新講習(上越教育大学)
(3)附属中学校わくわく大学デー(上越教育大学)
(4)共同出版受託研究(共同出版)
◎社会への寄与等
食育の研究協力者として上越教育大学附属小学校2011年研究会に参加した。雪だるま財団より検討委員の委嘱を受け雪中貯蔵に関する緩やかなルール(ガイドライン)づくりに参画した。附属中学校わくわく大学デーにおいて「遺伝子の正体・DNAを見てみよう」を開講した。
 

吉 澤 千 夏(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部の「保育学」では,現代の子どもの実態に即した実践例やエピソード等を踏まえて授業を行うように心がけた。また,「保育学実習」では絵本の読み聞かせを中心に,学生が主体的に取り組めるように工夫した。さらに,「家族研究法」では,家族に関する論文の精読を通して,そこで用いられている研究手法の理解や習得を目指して,演習を多く盛り込んだ。「家庭」においては,視聴覚教材等を用いて,学生にわかりやすい授業を試みた。「児童学特論」では,受講生の興味関心に応じて,様々な問題を取り上げ,議論を通して考えを深められるようにした。
成績評価については,シラバス等にも記述した通り,出席や試験の結果はもちろんのこと,日々の授業への取り組みを細やかに採点し,評価に加えている。
【観点2】教育の達成状況
ゼミ生はそれぞれ教職,幼児教育,保育現場へと進んでいる。授業やゼミ等での学びを通して得た知識や技術をそれぞれの場で生かしている。
研究指導
【観点1】学部
より具体的な事例やエピソードを用いて,保育とは何か,保育においては何が重要であるか等を指導するとともに,実体験を通した知識や技術の獲得が可能となるよう,実習・演習を盛り込んでいる。
【観点2】大学院
授業において扱うテーマの選定から,その後の授業の展開まで,学生の興味・関心に応じて柔軟に対応している。また,自らの意見を述べると同時に,他者の意見に耳を傾け,新たな気付きが得られるよう,レポート・発表・議論等を中心とした授業を行っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成23年5月:『子ども心理辞典』(共著)一藝社
論】(1)平成24年2月:『教員養成課程在籍学生の子ども観に関する一考察(2):「かわいい」をめぐって』(共著)上越教育大学研究紀要,31,277-284
(2)平成24年3月:『幼稚園教育実習前後における保育技術の習熟度と学び : テキストマイニングによる分析を通して』(共著)東京家政大学研究紀要,1,人文社会科学,52,1-8
発】(1)平成23年5月:『テキストマイニングによる子ども観の構造分析(1)』(単)(社)日本家政学会 第63回大会
(2)平成24年3月:『ままごと遊びにおいて示される食事のスクリプト』(共)第23回日本発達心理学会大会
学会活動への参加状況
(1)平成23年5月21日〜平成23年5月22日:日本保育学会第64回大会出席, (2)平成23年5月27日〜平成23年5月29日:日本家政学会第63回大会出席, (3)平成24年3月9日:第23回日本発達心理学会出席
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
教員免許更新講習の講師として,講義を行った。家庭科の教員のみならず,様々な校種の教員が,家族や保育に関わることに興味・関心を抱いており,現代的かつ普遍的な問題について講義を行った。受講者からはおおむね好評を受けている。
 

佐 藤 ゆかり(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
上越教育大学スタンダードに準拠させて設定した教科のルーブリック及び知識・理解・技能等に示した到達目標を意識した授業構成を行った。
初等家庭科指導法AB・CD・免Pの受講人数の多い授業においても,理論と実践を結ぶことができるような実習を取り入れた方法を試みた。
また,その実習に適すると考えられる教材の準備を時間をかけて,人数分用意し行った。
成績評価面に関しては,小テストや毎時間の感想レポート及び課題レポート,試験等を用い行った。
【観点2】教育の達成状況
理論と実践を結ぶことを意識して,初めて実習を取り入れた授業を展開した。それも100人程度の人数ではあったが,学生の感想や評価から,当初のねらいはおおむね達成できたと考えている。
ゼミ生は全員が教員を志しており,大学院生2名が採用試験を受験し,正規採用となった。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生2名に対しては,それぞれのテーマでの研究が進められるように指導を行った。
学部3年生2名に対しては,研究テーマの設定及び研究計画の立案ができるように指導を行った。
ゼミの機会だけでなく,個人の関心等に応じ,指導を行った。
【観点2】大学院
2年1名に対しては,修士論文のテーマである授業開発ができるように指導を行った。
1年1名に対しては,問題関心に基づいた実践的な研究ができるように指導を行った。
ゼミの機会だけでなく,個人の関心等に応じ,指導を行った。
その他の教育活動
教育実習においては,ゼミ生やコースの学生からの相談があった場合に,応じるのはもちろんのこと,他コースの学生に対する指導も場合によっては行った(他コースの学生が,家庭科の授業を担当する場合)。また,必要に応じ,割り当て以外の実習校訪問をし,授業を参観した。
今後も,コースの内外を問わず,家庭科の授業づくりで,自分ができることをしていきたいと考えている。
特色ある点及び今後の検討課題等
家庭科を学ぶ子どもの側からつくる家庭科の授業づくりを目指している。
それを通して,現場の教師が元気になる∞学生を含め教員が元気になる≠アとができるような家庭科授業を行いたい。
そのためには,教育の本質を問う力とそれを踏まえつつ,子どもたちの今生きる生活と地域が授業の中に組み込まれるような授業を展開する力を育てたい。現場の実態を把握しつつ,自分自身の授業に生かすことを一層心がけたい。
学生の興味・関心を生かしつつ,家庭科教育の本質と抱える問題点の改善につながるように,現場の実態,子どもたちの実態,社会の実態を,本質的なものと融合させることのできる授業を展開すべく,効果的な指導法を追究したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成23年6月:『小学校家庭科における問題解決学習に関する事例研究-問題の把握場面に着目して-』(共) 日本家庭科教育学会第54回大会
(2)平成23年11月:『調理実習に関する事例研究』(共) 日本家庭科教育学会2011年度例会
(3)平成24年1月:『「標準運営費」を経験した自治体間の技術科予算の配分実態と格差』(共) 日本産業技術学会東北支部大会
(4)平成24年3月:『教員養成課程における中学校家庭科授業観察演習の試み』(共) 日本教師学学会
(5)平成24年3月:『教職志望学生と現職教員をつなぐ教員養成の場のアクションリサーチ』(共) 日本教師学学会
学会活動への参加状況
(1)平成23年7月16日:日本家庭科教育学会北陸地区会第28回大会出席, (2)平成23年9月18日:日本教師教育学会大会出席
◎特色・強調点等
上越教育大学スタンダードに準拠させて設定した教科のルーブリック及び知識・理解・技能等に基づいた調査研究を行い,学会誌に投稿し,年度をまたいでの採択となった。引き続き研究を行っていく。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県教職12年経験者研修(高等学校)教科別研修(家庭)講師
(2)平成23年度教員免許状更新講習選択領域講師
(3)骨髄サポート新潟第1回骨髄バンクにまつわる命の作文コンクール審査委員
 

上 野 光 博(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
「衛生学・公衆衛生学」「健康科学特論」「健康の科学」の授業では,学校現場での教育に必要な知識に重点を置き,教科書,パワーポイントとそのプリントを用い,できる限り多くの図表を明示した授業を行い,学生の理解に役立てた。また「衛生学・公衆衛生学」の授業では毎回小テスト,授業アンケートを行い,さらに1回のみレポート提出も課し,学生の理解度や要望を知るとともに,その後の授業に役立てた。また,「健康科学演習」では,顕微鏡・CCDカメラ・コンピュータを組み合わせたリアルタイム画像システムを用いた病理指導,健康診断機器を用いた検査実習,透析室見学などを行った。
成績評価法は,「衛生学・公衆衛生学」ではシラバスに示したように小テスト,試験またはレポートによる総合評価とした。試験では,学生個々の答案を採点し,レポートでは個々に評価し,必要に応じて指導・修正し,各自に返却した。「健康科学特論」,「健康科学演習」,「健康の科学」では,授業中の質疑応答,レポートによって評価した。
【観点2】教育の達成状況
最終の授業評価の結果から目標は達成できたと考える。特に「健康科学演習」では学生自身の体験を重視した授業であったことから各種疾病病態の理解を深めることができ,好評を得ることができたと考えている。
研究指導
【観点1】学部
指導した学部生はいないため,記述できない。
【観点2】大学院
1名の新入学生のため,研究を始めるにあたり,まず,研究テーマに関連する先行論文の検索方法を指導した。次に,その論文の解釈,検討に関する考え方,注意点を指導した。
その他の教育活動
1,新潟大学医学部非常勤講師(担当科目「泌尿器系」)
2,新潟県立看護大学非常勤講師(担当科目「公衆衛生学」)
3,上越看護専門学校非常勤講師(担当科目「病態生理治療学X」)
特色ある点及び今後の検討課題等
授業では成人についてのみならず,学校現場も意識して小児の生活習慣病,メタボリックシンドローム,慢性腎臓病や最近問題になっている感染症についても触れて関心を持てるように配慮した。しかしまだ授業方法や授業内容の整理にまだ改善の余地があると思われる。今後は,授業の合間に学生との質疑討論を重ねるなど,わかりやすい授業を目指したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年3月:『IgG4関連疾患アトラス』(共著) 前田書店
(2)平成24年1月:『腎臓症候群(第2版) 上 「急速進行性糸球体腎炎」』(共著) 本臨牀社
(3)平成24年3月:『腎臓症候群(第2版) 下 「糖尿病性capsular drop,fibrin capとその他の滲出性病変」』(共著) 日本臨牀社
(4)平成24年3月:『腎臓症候群(第2版) 下 「糖尿病性糸球体硬化症〔びまん性,結節性〕」』(共著) 日本臨牀社
論】(1)平成24年1月:『Light-microscopic characteristics of IgG4-related tubulointerstitial nephritis: distinction from non-IgG4-related tubulointerstitial nephritis.』(共著) Nephrology dialysis transplantation 27 2755-2761
発】(1)平成23年10月:『新規ミスセンス変異(L387P)によるFabry病の1家系』(共) 第41回日本腎臓学会東部学術大会
(2)平成23年10月:『生体腎移植ドナーに発症した糖尿病性網膜症を有さない糖尿病性腎症の一例』(共) 第41回日本腎臓学会東部学術大会
(3)平成23年10月:『IgM腎症,加重型妊娠高血圧腎症の既往後,低補体血症,管内増殖を伴うメサンギウム増殖性糸球体腎炎の一例』(共) 第41回日本腎臓学会東部学術大会
(4)平成23年10月:『膜性腎症によるネフローゼ症候群により急性腎不全に至ったが,保存的に軽快した一例』(共) 第41回日本腎臓学会東部学術大会
(5)平成23年10月:『多発性骨髄腫の寛解8年後,約1ヵ月半で急性腎不全から維持透析へと至った一例』(共) 第41回日本腎臓学会東部学術大会
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:社団法人全国大学保健管理協会 評議員, (2)平成23年度:日本腎臓学会 学術評議委員, (3)平成23年6月15日〜平成23年6月17日:第54回日本腎臓学会学術総会出席, (4)平成23年6月17日〜平成23年6月19日:第56回日本透析医学会学術集会・総会出席, (5)平成23年8月4日〜平成23年8月5日:第49回全国大学保健管理協会関東甲信越地方部会研究集会出席, (6)平成23年10月8日〜平成23年10月9日:第19回日本養護教諭教育学会出席, (7)平成23年10月14日〜平成23年10月15日:第41回日本腎臓学会東部学術大会出席, (8)平成23年11月9日〜平成23年11月10日:第49回全国大学保健管理研究集会出席, (9)平成23年11月11日〜平成23年11月13日:第58回日本学校保健学会出席
◎特色・強調点等
さまざまな腎障害を来たした症例について,本年も専門学会にて発表した。さらに世界的にみても新しい概念・疾患と考えられるIgG-4関連全身性疾患の腎障害について1編の英語論文を発表した。またこれまで研究してきたIgG-4関連腎臓病の光学顕微鏡所見,急速進行性糸球体腎炎,糖尿病性腎症の腎病理所見について,先行研究論文を解析研究し,総説として4編の論文(著書の分担執筆)を記述した。特にIgG-4関連腎臓病については,世界中から注目されているため,英語の論文にする価値があると判断され,計画段階になる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市障害区分等審査委員会委員(上越市)
(2)上越市学校給食運営委員会委員(上越市)
(3)上越市健康づくり推進協議会委員(上越市)
(4)新潟県上越・糸魚川保健所感染症審査協議会委員(新潟県)
(5)上越市学校保健会 理事・副会長(上越市)
(6)教員免許状更新講習講師
◎社会への寄与等
上記の公的機関の委員の委嘱を受け,意見・指導等を行い,地域の保健や教育に寄与したと考えている。さらに上越地域における医師不足のため,地域の基幹病院での外来診療,上越地域総合健康管理センターにおける人間ドック健診活動,上越医師会学校保健担当理事としての活動,県医師会報編集委員などを担当し,地域の医療・保健に関する貢献活動も行った。
 

立屋敷 かおる(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
昨年度までと同様,学部の担当授業科目「食科学B」,保育士資格対応科目「食生活論」等の授業内容が広範囲に亘る科目のシラバスには,予習,復習が必要であること,併せて,人と食の関わりを理解するために食科学の関連授業科目の履修が望ましいこと等を明記し,初回授業の際にも指示した。なお,学部2年次選択必修の「総合演習(学校と食の教育)」では学校全体で行う食の教育を協同的に担う教員を養成する立場から,授業6回に教員養成実地指導講師(栄養教諭2名(現職及び退職))を依頼した。 大学院では昨年度までと同様,食の科学特論・食科学特論において自身の研究を軸にして食を総合的に取り上げ,教養的な内容に学校での総合的な学習,食の指導,健康教育にも関連した専門的な内容を加えて講義し,授業の一環として上越市内2カ所の醸造所見学を実施した。
今年度本学が「早寝早起き朝ごはん」全国協議会推進会員となったことから,学部の「食生活論」,総合演習(学校と食の教育)大学院修士課程共通科目「現代社会と学校教育」担当回等において,早寝早起き朝ごはん全国運動について取り上げた。
シラバスに評価項目等について記載した。学部の授業内容が広範囲に亘る科目では,小テストを適宜実施し,さらにその成績の受講者自身の評価に基づく追加レポートを作成することにより学習を深めるよう工夫した。成績評価は,小テストとそのレポート,授業内容に関連した課題のレポートの評価,出席状況等に基づいて行った。大学院の授業では,各授業科目の授業目標に関する課題を最終回に提示し,そのレポートを用いて受講者の学習達成の評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
全体的にはここ数年来と同様の達成状況であった。
学部の担当授業科目では,初等・中等教育のクラス担任として学級活動を担当する際に必要な健康教育や食育の内容や留意点,中・高の教育職員免許科目を担当する際に必要な内容や留意点,及び保育士として必要な子どもの食に関わる内容や安全面での留意点を従来に増して一層強調した。
大学院での実験授業では,小学校の総合や家庭の授業内容に活かせるテーマを取り上げるとともに,食物を扱う授業での安全や衛生管理について知識と具体の方法を身につけられるよう内容を工夫した。
研究指導
【観点1】学部
教育組織として主軸をおく学校ヘルスケアは学部がないこと,また,専門セミナーを担当している家庭科目群学生への周知が充分でないことも要因と考えられるが,学部生への研究指導の機会がなく残念である。
【観点2】大学院
・ 修士論文・試験の副査・試験員の立場から,修了予定者に対してこれまでの院生等への研究指導の経験に基づいて指導を行った。
・ 連合大学院博士課程の副指導教員として博士課程院生への指導に携わった。
・ 他大学の修士学位審査2件,博士学位審査1件を行った。
その他の教育活動
・ 早稲田大学人間科学学術院非常勤講師(食生活論)
特色ある点及び今後の検討課題等
学校教育における食の教育や健康教育を協同的に担うことができる教員の養成,及び教育基本法等改正などに伴う学校教育の変革等にも充分対応できる資質・能力を備えた教員の養成を意識的に行っている。特に本年度,本学が国立大学法人として初めて「早寝早起き朝ごはん」全国協議会の推進会員となったことを受けて,学部及び大学院の授業において当該全国運動についても積極的に取り入れている。
今後の課題は,さらに上記の成果を高めることである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年3月:『学校における情動・社会性の学習−就学前から高等学校まで−』(共著)日本学校保健会出版部
論】(1)平成23年4月:「Different recovery responses from dietary zinc-deficiency in the distribution of rat granulocytes」(共著)Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 57 (2): 197-201
(2)平成23年6月:「Single administration effects of ethanol on the distribution of white blood cells in rats」(共著)Journal of Toxicological Sciences, 36 (3) : 347-355
(3)平成23年8月:「Synthesized glucocorticoid, dexamethasone regulates the expressions of β2-adrenoceptor and glucocorticoid recepter mRNA but not proteins in slow-twich soleus muscle of rats」(共著)Journal of Toxicological Sciences, 36 (4) : 479-486
(4)平成23年10月:「Dietary zinc-deficiency and its recovery responses in the deep body thermogenesis of rats」(共著)Journal of Toxicological Sciences, 36(5):681-685
(5)平成23年10月:「Muscle plasticity and b-adrenergic receptors: adaptire responses of b2-adrenergic receptor expression to muscle hypertrophy and atrophy」(共著)Journal of Biomedicine and Biotechnology, 2011 Article ID 729598, 1-10
(6)平成23年12月:「Casted-immobilization downregulates glucocorticoid receptor expression in rat slow-twitch soleus muscle」(共著)Life Sceiences, 89: 923-929
(7)平成24年2月:「Effects of β2-agonists and exercise on β2-adrenergic receptor signaling in skeletal muscles」(共著)Jornal of Physical Fitness and Sports Medicine, 1(1) ; 139-144
発】(1)平成24年3月:「Folate-deficiency-induced changes inthe number of lymphocyte and its subsets, and plasma homocystein levels in rats」(共)第89回日本生理学会大会(松本)
(2)平成24年3月:「Acute effects of diallyl disulfide on the number of lymphocyte and its subsets, and plasma corticosterone levels in rats」(共)第89回日本生理学会大会(松本)
(3)平成24年3月:「Effects of β2-agonist administration and voluntary exercise training on the phagocytic capacity of splenic marginal gene macrophages in mice」(共)第89回日本生理学会大会(松本)
(4)平成23年9月:「ギブス固定によりラットヒラメ筋のグルココルチコイド受容体発現は低下する」(共)第66回日本体力医学会大会(下関)
(5)平成23年9月:「ニンニク成分・daiallyl disulfide投与によるラット白血球系細胞数および胃排出能の応答変化」(共)第66回日本体力医学会大会(下関)
(6)平成23年9月:「ギブス固定によりラット褐色・白色脂肪組織におけるβ−アドレナリン受容体,グルココルチコイド受容体,脱共役タンパク質発現の応答」(共)第66回日本体力医学会大会(下関)
(7)平成23年9月:「不活動に伴うラット各種白血球系細胞数の応答」(共)第66回日本体力医学会大会(下関)
(8)平成23年9月:「Casted-immobilization downreguration glucocorticoid recepter level in rat slow-twich soleus muscle.」(共)The 7th FAOPS Congress (Taipei, Taiwan, 2011)
(9)平成23年9月:「Effects of casted-immobilization on the expressions of β-adrenalic receptors, glucocorticoid receptor and uncoupling proteins in brown and white adipose tissues of rats」(共)The 7th FAOPS Congress (Taipei, Taiwan, 2011)
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:日本調理科学会平成23年度大会実行委員, (2)平成23年度:日本調理科学会関東支部役員, (3)平成23年度:日本生理学会評議員, (4)平成23年度:日本体力医学会評議員, (5)平成23年度:日本運動生理学会評議員, (6)平成23年8月30日:平成23年度日本調理科学会大会(高崎)出席, (7)平成24年3月29日〜平成24年3月31日:第89回日本生理学会大会(松本)出席, (8)平成23年9月16日〜平成23年9月18日:第66回日本体力医学会大会(下関)出席
◎特色・強調点等
教科内容に関連した研究成果を発表した。特に食(香辛料成分,栄養素)と健康,日常の活動と健康に関連した多数の成果(論文,学会発表)をあげた。 また,就学前から高等学校までの学校における情動・社会性の学習に関する教育実践に関する成果は,子ども達の情動知能を育む学習プログラムの開発に寄与するものである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市中心市街地活性化協議会委員(上越商工会議所)
(2)上越市謙信公アカデミー評議員(上越市)
(3)上越市環境衛生公社評議員(上越市環境衛生公社)
(4)上越市人にやさしいまちづくり推進会議会長(上越市)
◎社会への寄与等
上越市の食育,中心市街地活性化,修学奨学金等に関連して下記の様に寄与した。
・ 上越市食育推進会議委員等,市の食育推進に積極的に参画し,学校における食の教育推進に積極的に関わった。
・ 上越市の人にやさしいまちづくり推進会議の会長として共生まちづくりの審議のとりまとめに積極的に関わった。
・ 上越市中心市街地活性化協議会委員として上越市中心市街地活性化の検討に積極的に関わった。
・ 上越市謙信公アカデミー評議員として上越市の研究奨学金,修学奨学金の審査や今後の方針検討に積極的に関わった。
 

増 井   晃(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
マルチメディア,双方向通信など最新技術の導入
【観点2】教育の達成状況
概ね達成
研究指導
【観点1】学部
2011年度は,学部担当学生なし。
【観点2】大学院
大学院修士課程教職経験のない大学院生は小学校との連携授業に積極的に参加させ,後に現場での教員の役割や児童の反応などを評価する機会を増やした。
その他の教育活動
・ 保健管理センターを通じて,学生の薬物乱用防止対策(特に酒害指導)
特色ある点及び今後の検討課題等
保健管理センターを通じて情報発信
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成23年12月:『小学校高学年の睡眠覚醒リズムと睡眠の質−睡眠表を用いた実践から−』(共) 第40回新潟県学校保健学会
学会活動への参加状況
(1)平成23年12月10日:第40回新潟県学校保健学会出席, (2)平成23年10月8日〜平成24年10月9日:第19回日本養護教諭教育学会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:講演(上越市立柿崎小学校)
(2)7月:講演(新潟県立高田高等学校)
(3)8月:講演(厚生連中央看護専門学校)
(4)8月:講演(新潟県立教育センター)
(5)9月:講演(新潟県立新井高等学校)
(6)10月:講演(新潟県立長岡工業高等学校)
(7)11月:講演(妙高市立新井小学校)
(8)12月:講演(新潟県公孫会高田支部)
(9)2月:講演(新潟県医師会)
(10)さいがた病院医療観察法病棟倫理会議委員(国立病院機構さいがた病院)
(11)さいがた病院外部評価委員会委員(国立病院機構さいがた病院)
 

角 田 智恵美(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業においてできるだけ講義形式だけでなく,体験的要素や実際の事例の紹介を交えるなどの工夫をしている。特に例年授業方法に課題を残していた「実践場面分析演習」の授業において学校場面の模擬事例検討会を組み込む取り組みを行った。結果,受講生の積極的な参加がなされた。基本的に,授業で学んだ用語等を記憶,再生するような評価の仕方はせず,各々の学生の考え方,「観」がどのように育っているかを見ることを重視している。
【観点2】教育の達成状況
教員採用試験の結果は残念であった。しかし,修士論文の取り組みを進める中で学校現場へ何度も趣くなど,教員としての実践的な力はかなり身につけていると思われる。
研究指導
【観点1】学部
担当なし
【観点2】大学院
指導学生Aには,研究を進める中で,教員としての実践力を習得させるために,学校現場への参与観察をおよそ半年続けるよう指導した。特に学校への調査依頼の仕方,結果の生かし方など学校現場へ出た時に役立つような体験ができるように指導を行った。指導学生Bは,現職派遣教員であったが,これまでの実践のまとめと省察を行い,大学院修了後更に質の高い実践が行えるよう指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
学部,大学院の授業とも,教員を目指す者(または教員)に不可欠な知識や技術を講義の中核においている。また,より現実的な情報を知らせたり,模擬的に学校場面を再現する等の方法も取り入れている。研究指導も学校に密着したテーマや方法がとれるように工夫している。一方で,教員採用試験に向けての指導は他の部署に依存している部分もあり,今後は研究指導と併せて指導を強化していく必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成23年11月:『自由教育実践校と不登校のかかわりに関する研究〜私立A中学・高校の教員への面接調査を中心として〜』(単) 日本生徒指導学会
(2)平成23年12月:『養護実践に関する研究〜インシデント・プロセス方を用いた事例検討を通して見えてきたこと〜』(共) 新潟県学校保健学会
(3)平成23年12月:『小学校高学年の睡眠覚醒リズムと睡眠の質〜睡眠調査票を用いた実践から〜』(共) 新潟県学校保健学会
(4)平成24年3月:『養護教諭の実践力向上を図る模擬事例検討会の活用について〜A大学院での授業実践を通じて〜』(単) 日本学校健康相談学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)養護実践に関する研究 代表者:大塚純子(上越市立柿崎小学校) くびきの養護実践研究会
学会活動への参加状況
(1)平成23年6月3日〜平成23年6月4日:第28回 日本家族研究・家族療法学会出席, (2)平成23年6月18日〜平成23年6月19日:第105回 日本小児精神神経学会出席, (3)平成23年9月3日〜平成23年9月4日:日本心理臨床学会 第30回秋季大会出席, (4)平成23年9月17日:第20回 日本LD学会出席, (5)平成23年9月23日〜平成23年9月24日:第12回 日本安全教育学会出席, (6)平成23年9月30日〜平成23年10月1日:第12回 日本認知療法学会出席, (7)平成23年10月8日〜平成23年10月9日:第19回 日本養護教諭教育学会出席, (8)平成23年11月5日〜平成23年11月6日:第12回 日本生徒指導学会出席, (9)平成23年11月12日〜平成23年11月13日:第58回 日本学校保健学会出席, (10)平成23年11月18日〜平成23年11月19日:第5回 日本セーフティープロモーション学会出席, (11)平成23年12月10日:第40回 新潟県学校保健学会出席, (12)平成24年3月24日〜平成24年3月25日:第8回 日本学校健康相談学会出席
◎特色・強調点等
特に現在,学校現場等実践的な場面で有効とされる事例検討の方法の一つであるインシデントプロセス法に基づいた実践的な研究を行った。教員の実践力をつける目的で,一つは大学院の授業での実践研究を行い,二つは現職養護教諭の研究会を立ち上げ,会員の養護教諭と協同で研究活動を進めた。子どもたちの様々な心身の健康課題が叫ばれる中,教員の養成から現職教員の教育に至るまで実践力の強化が望まれている。実践力を高める一つの有効な方法として本手法の意義が検証された。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟市心といのちのホットライン(新潟市)
(2)月:東日本大震災心のケアホットライン(新潟県精神保健福祉センター)
(3)月:養護教員研究協議会 糸魚川支部研修会(糸魚川養護教員研究協議会)
(4)月:教員免許更新講習(上越教育大学)
(5)長岡技術科学大学 体育・保健センター(学生相談室)カウンセラー
◎社会への寄与等
新潟市は全国的に見て自殺率が高い地域である。また,新潟県には多くの東日本大震災の被災者が生活を送っている県でもある。新潟市及び新潟県の事業である電話相談に相談員としてかかわった。それぞれの事業の広報が不十分であったのか相談件数そのものはそれほど多くはなく,また相談者の固定化という課題はあった。しかし,もし相談者が必要とする場合はそのような場や時間が設定されているということは少なからず安心感を与えられたのではないか。一方,教員免許更新講習や,地域の教員研修会の講師を務めることで,現職教員教育の一端を担えたと考えられる。