第一章組織の運営状況に関する自己点検・評価｜上越教育大学年次報告書（第28集：平成24年度版）

若井学長の任期が平成25年３月31日に満了することに伴い，11月21日（水）に意向聴取投票が実施され，同日開催の学長選考会議において，佐藤芳德　副学長を次期学長候補者とした。

全学体制により，「上越教育大学スタンダードに準拠させて設定した教職科目のルーブリック及び知識・理解・技能等」を３月に発行し，冊子を全教員に配付した。このルーブリック及び知識・理解・技能等は，本学で開設している教職に関する科目を上越教育大学スタンダードの事項に関連付けて作成し，学習目標となる具体的な評価基準である。

教務委員会に教職実践演習運営部会を設置し，平成25年度から本実施となる教職実践演習の実施体制の整備を行い，平成25年度用のシラバス，テキスト等を作成した。

平成22～23年度の「教科専門と教科教育を架橋する教育研究領域に関する調査研究」による「教科内容学」の研究成果を教員養成カリキュラムに反映する方略等の検討を行うことを目的として，カリキュラム企画運営会議の下に「教科内容構成に関する科目」構築のための専門部会を設置し，検討を開始した。

本システムは，学生が上越教育大学スタンダード等を指針として，教職キャリア活動の履歴をデジタルポートフォリオとして登録することで，自らの取り組みを確認し，振り返りや自己評価を行うことを目的としており，教職実践演習の「履修カルテ」として活用するものである。

９月に標記事業に採択されたことを受け，カリキュラム企画運営会議の下に「産学協働による学生の社会的・職業的自立を促す教育開発プロジェクト企画委員会」を設置し，学校ボランティア支援室機能の拡大，インクルーシブ教育フォーラムの実施，ユニバーサルデザインに基づくＩＣＴ活用セミナーとＩＣＴ支援ボランティアの実施に取り組んだ。また，この取り組みの一環として授業科目「学校ボランティアＡ(学校支援体験)」を開講し，受入小学校から積極的な活動姿勢や継続的な参加を望む良好な評価を得た。

授業公開による教員の相互評価の一層の充実・促進を図り，授業の質の向上や改善につなげるため，前・後期の授業公開とは別に，授業公開期間（11月５日～９日）を試行的に実施した。

附属中学校は，総務省「フューチャースクール推進事業」及び文部科学省「学びのイノベーション事業」の実証研究校として，11月に公開授業と地域協議会を開催した。公開授業には教育関係者など214名が参加した。参会者を交えた地域協議会では，担当者が研究の進捗状況を説明し，その説明や公開授業を基に，地域協議会構成員と今後の研究計画等について議論を行った。

新潟県におけるＣＳＴ（コア・サイエンス・ティーチャー）養成事業は，上越教育大学と新潟県教育委員会が主実施機関となり，平成22年度の科学技術振興機構の事業公募に申請し，採択されたものである。

平成25年３月11日（月），上越教育大学において平成23年度から開講したＣＳＴ養成プログラムを受講してきた新潟県教育委員会及び新潟市教育委員会派遣の現職教員大学院生６名について，上越教育大学，新潟県教育委員会，新潟市教育委員会ほか関係市の教育委員会，新潟大学及び県内社会教育施設等の担当者で構成するＣＳＴ養成事業実施委員会において，プログラム修了を認め，ＣＳＴの称号を授与することを決定した。これにより，新潟県において，ＣＳＴ養成プログラム修了による初めてのＣＳＴが誕生した。

今後，ＣＳＴ認定者には，新潟県内小・中学校の理科教育における中核的教員として活躍が期待される。

　　10月19日，台湾・新竹市の教員養成系大学である国立新竹教育大学と教育研究交流に関する交流協定を締結し，調印式を行った。

　　調印式後，陳学長による「国立新竹教育大学の紹介」と題した講演が行われ，約70名の学生・教職員が熱心に聞き入った。質疑応答の時間には，出席者からの質問に，陳学長は具体例を交えながら丁寧に応答していた。

教育活動の質の向上を目指すため，本学として初めて，６人の外部の有識者による外部評価委員会を設置し，外部評価を実施することとした。外部評価委員会では，委員会を２回開催し，本学が作成した外部評価自己評価書による書面調査，授業・施設視察による実地調査を行い，最終的に評価結果を外部評価報告書としてまとめ学長へ提出した。

本学の教育研究活動の積極的な情報発信を行うため，広報オープンルームを開設し，大学の広報刊行物及び広報グッズを展示した。同時にノートパソコンを２台設置し，大学紹介ビデオを視聴したり，ホームページを自由に閲覧できる環境を整えた。