【学校臨床研究コース】
 

 
朝 倉 啓 爾(教 授)
 

石 野 正 彦(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育実習ルーブリックに基づいた学生,免P生への指導を教職キャリアに関わるすべての授業で展開できるような計画と企画し,遂行した。
【観点2】教育の達成状況
教職キャリアに関わる授業,特に教育実地研究および学校ボランティアに関する授業で個々の学生の達成状況を把握し,個別の指導に結び付けることができた。メンタル面での相談と結び付けることが課題である。
その他の教育活動
・ 附属中学校フューチャースクール地域協議会委員長
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)平成24年4月:『フューチャースクールと学びのイノベーションに望むこと』(単著) 東京書籍「教室の窓」,20頁〜21頁
発】(1)平成24年6月:『学級経営改善を目指す学校評価システム「ハートアイ」を活用した学校評価について』(共) 日本教育経営学会
(2)平成25年3月:『ICT支援員の資質能力を向上させるための研修プログラムの開発』(共) CEC平成24年度「教育の情報化」推進フォーラム
(3)平成24年11月:『ICT支援員の養成に関する調査研究』(共) 日本教育工学研究協議会第38回全国大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月15日〜平成24年9月16日:日本教育工学会出席, (2)平成24年11月2日〜平成24年11月3日:日本教育工学協会第27回大会出席, (3)平成24年9月14日:国立大学教育実践研究関連センター協議会第80回大会出席, (4)平成24年11月12日:日本教育大学協会全国教育実習研究部門会議出席, (5)平成24年度:日本教育工学協会理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月:長岡市立与板中学校講演会講師(長岡市立与板中学校)
(2)5月:教職大学院富山講座講師(教職大学院)
(3)6月:中郷区教育・文化グループ講演会講師(中郷区教育・文化グループ)
(4)6月:小千谷市立真人小学校講演会講師(小千谷市立真人小学校)
(5)6月:上越市立上杉小学校講演会講師(上越市立上杉小学校)
(6)6月:上越市立和田小学校講演会講師(上越市立和田小学校)
(7)6月:上越市立諏訪小学校講演会講師(上越市立諏訪小学校)
(8)8月:柏崎市立瑞穂中学校講演会講師(柏崎市立瑞穂中学校)
(9)8月:上越市立三郷小学校講演会講師(上越市立三郷小学校)
(10)8月:高齢者パソコン教室講師(上越地域視聴覚協議会)
(11)9月:十日町市立吉田中学校講演会講師(十日町市立吉田中学校)
(12)9月:高齢者パソコン教室講師(上越地域視聴覚協議会)
(13)10月:上越市立高田西小学校講演会講師(上越市立高田西小学校)
(14)10月:十日町市立下条中学校区講演会講師(十日町市立下条中学校)
(15)11月:上越市立城東中学校講演会講師(上越市立城東中学校)
(16)11月:上越市立大和小学校講演会講師(上越市立大和小学校)
(17)11月:上越市学校教育研究会教育課程部会講師(頚城希望館)
(18)11月:上越市立柿崎中学校講演会講師(上越市立柿崎中学校)
(19)11月:上越市立直江津中学校講演会講師(上越市立直江津中学校)
(20)11月:津南町立津南中学校講演会講師(津南町立津南中学校)
(21)11月:津南町立津南小学校講演会講師(津南町立津南小学校)
(22)12月:長岡IT教育研究会研修会講師(長岡IT教育研究会)
(23)1月:上越市立黒川小学校講演会講師(上越市立黒川小学校)
(24)1月:柏崎市立剣野小学校講演会講師(柏崎市立剣野小学校)
(25)1月:津南町連合PTA講演会講師(津南町連合PTA)
(26)1月:ICT支援員研修会講師(財団法人コンピュータ教育財団)
(27)3月:キャリア講演会講師(新潟県立高田高等学校)
◎社会への寄与等
・ 平成24年4月1日〜平成25年3月31日:上越情報教育研究会の会長を行っている。
・ 平成24年4月25日〜平成25年3月31日:上越市教育コラボ実行委員会委員として上越市より委嘱を受け,委員会に参加している。
・ 平成24年5月2日〜平成25年3月31日:上越市立名立中学校学校評議員として上越市より委嘱を受け,定期的に学校を訪問し,外部評価ならびに協議に参加している。
・ 平成24年5月2日〜平成25年3月31日:上越市立宝田小学校学校評議員として上越市より委嘱を受け,定期的に学校を訪問し,外部評価ならびに協議に参加している。
・ 平成24年5月2日〜平成25年3月31日:上越市名立区「名立の子どもを守り育てる会」の委員として委嘱を受け,定期的に会議に参加している。
・ 平成24年5月29日〜平成25年5月30日:NPO法人はつらつ元気塾の理事として活動を行っている。
・ 平成24年7月3日〜平成25年3月31日:NPO法人上越地域学校教育支援センターから未就学児サポート事業検討委員会委員として委嘱を受け,座長として協議を運営している。
・ 平成24年7月29日〜平成25年3月30日:ICT支援員に関する有識者調査研究検討委員会の委員として財団法人コンピュータ教育開発センターより委嘱を受け,活動を行っている。
・ 平成25年3月14日〜平成25年3月31日:妙高青少年自然の家運営委員会の運営委員として妙高青少年自然の家より委嘱を受け,定期的に会議に参加している。
 

梅 野 正 信(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○ 授業では知識理解と参加体験を組み合わせた手法をとり双方向の対話を中心とする授業進行を基本としている。
【観点2】教育の達成状況
○ ゼミ生の指導は常に希望する職種等を聞き取りながら論文内容や取り組むテーマを相談して設定している。各自自身の目的と一致した研究に取り組むことで,修了生のほとんどは教員としての就職や進学を達成したり,達成のため継続的に努力している。
研究指導
【観点1】学部
人権教育アクティビティについて実践事例を整理する指導を行い,授業や教育実習に活用できるようなモデル作成に取り組ませた。
【観点2】大学院
総合学習,社会科関係,人権教育,教育法学の先行研究をふまえ,授業構想や研修資料に資する修士論文作成を目指し研究指導を行った。
その他の教育活動
・ 附属小学校の総合教科活動について研究公開を中心に助言等を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
学部生や大学院生の日常的な対話やゼミ指導に力を入れている。修士論文の授業実践記述に関わって附属学校や学外諸学校との通年的連携をとりたいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年5月:『新版 社会科教育事典』(共著) ぎょうせい
(2)平成24年6月:『現代国際理解教育事典』(共著) 明石書店
論】(1)平成25年3月:『「社会的課題と学校を結ぶ社会科・公民科指導法の開発研究−教職科目としての内容・方法の改善の視点に焦点をあてて−』(共著) 『日本教育大学協会研究年報』第31集181〜190頁
(2)平成24年6月:『学級崩壊渦中における初任教員の自殺事件、教師間の支援の在り方を検討するための教員研修資料』(単著) 『季刊教育法』173号 58〜63頁
(3)平成24年9月:『「いじめ自殺事件」の判決書を用いて学校・教師の「対応」と「タイミング」を検討するための教員研修資料』(単著) 『季刊教育法』174号66〜71頁
(4)平成24年12月:『「いじめ自殺事件」の判決書を用いて学校・教師の「対応」と「タイミング」を検討するための教員研修資料(その2)』(単著) 『季刊教育法』175号76〜82頁
(5)平成24年12月:『戦後歴史教育史における「社会科歴史」(1951〜1954)』(単著) 『歴史教育史研究』第10号2〜10頁,11〜24頁
(6)平成25年3月:『人権教育資料の分析的研究2−人権課題に関わる指導例示の特色と傾向−』(単著) 『上越教育大学研究紀要』第32巻59〜73頁
(7)平成25年3月:『運動部活動における「体罰」を確認し管理職の適切な対応を検討するための教員研修資料』(単著) 『季刊教育法』176号 70〜76頁
業】(1)平成24年7月:『「人権教育をとりまく現状について〜心にとめてほしい人権教育『九』話〜』(単著) 『教育時報』岡山県教育庁 4〜7頁
発】(1)平成24年11月:『市町村版小学校中学年社会科副読本の研究』(共) 日本教育実践学会
(2)平成24年11月:『人権教育の日中比較研究』(共) 日本教育実践学会
(3)平成24年11月:『児童虐待関連判決文を活用した人権学習資料の開発研究』(共) 日本教育実践学会
(4)平成24年10月:『人権教育の研究・教育動向に関わる日中比較研究−国連文書との比較を中心に−』(共) 全国社会科教育学会
(5)平成24年10月:『小学校中学年社会科副読本の分類と構造に関する研究』(共) 全国社会科教育学会
(6)平成24年11月:『社会的課題と学校を結ぶ社会科教員養成科目の開発研究』(単) 日本教育大学協会
学会活動への参加状況
(1)日本学校教育学会理事, (2)日本教育実践学会編集委員, (3)全国社会科教育学会評議員, (4)平成24年11月3日〜平成24年11月4日:日本教育実践学会・第15回研究大会出席, (5)平成24年10月20日〜平成24年10月21日:日本社会科教育学会第61回全国研究大会出席, (6)平成24年10月27日〜平成24年10月28日:日本教育社会学会第64回大会出席, (7)平成24年10月6日:平成24年度日本教育大学協会研究集会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市子どもの権利委員会委員(上越市)
(2)人権教育の指導方法等に関する調査研究会議 委員(文部科学省)
(3)3月:運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議 委員(文部科学省)
(4)糸魚川市情報公開・個人情報保護審査委員会委員(糸魚川市)
(5)上越市情報公開・個人情報保護審査会 委員(上越市)
(6)妙高市情報公開・個人情報保護審査委員会委員(妙高市)
(7)上越市子どもの権利委員会・上越市職員研修会 講師(上越市)
(8)11月:岡山県中学校教育研究会人権教育部会 第27回研究発表大会 講師( 岡山県中学校教育研究会人権教育部会)
(9)10月:平成24年度人権教育研究協議会 委員(東京都教育委員会)
(10)7月:第362回中堅教員研修講師(独立行政法人 教員研修センター)
(11)8月:人権教育研修 講師 (北九州市教育委員会)
(12)7月:和歌山県人権教育プロモート委員研修会 講師(和歌山県教育委員会)
(13)7月:平成24年度人権教育指導者養成研修 講師(独立行政法人 教員研修センター)
(14)7月:春日部市人権教育研修会 講師(春日部市教育センター)
(15)6月:平成24年度人権教育担当教員等研修会 講師(和歌山県教育委員会)
(16)5月:第359回中堅教員研修 講師(教員研修センター)
(17)5月:平成24年度人権教育主任研修 講師(宇都宮市教育委員会)
(18)4月:平成24年度市町村教育委員会教育長人権教育連絡会議 委員(栃木県教育委員会)
◎社会への寄与等
人権教育に関連して研究紀要に論考を作成し,修論指導においても当該内容の論文指導を行い,その成果をもとに文部科学省の人権教育に関する審議会,さらに,教員研修センターや都道府県市町村の教育委員会主催研修に講師として講演・指導を行った。人権教育の推進は国連,政府,地方教育行政,学校の要請によるものであり,社会的ニーズに応えるものと考え,本学の使命とも合致するので,積極的に対応している。
 

釜 田   聡(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
毎年の学生評価に関する数的,質的な評価情報を集約した上で,シラバスの見直しを図っている。
また,授業開始当初に,各種アンケート調査を行い,その年度の履修者の興味・関心,問題意識を反映した授業内容になるように工夫している。また,学生の評価については,毎回の出席と各種レポートを課し,それらを学生の評価情報に生かすなど,多角的な視点から評価を行っている。
【観点2】教育の達成状況
おおむね目標を達成したと判断する。
授業後の学生評価や毎回の学生の参加状況を見る限り,該当年度の取組状況はおおむね良好だったといえる。
研究指導
【観点1】学部
指導学生なし
【観点2】大学院
学生の研究に関する興味・関心,問題意識に寄り添いつつ,具体的なテーマと研究構想の立案について,個別に,時には協働で検討する場を設定した。
その他の教育活動
・ 平成24年度:『教育実習委員会中学校実習部会長』学内,上越地域各学校
・ 平成24年度:『学びのひろば支援部会・部会長』学内,上越地域
・ 平成24年度:『国際交流インストラクター事業・支援部会長』学内,県内各学校
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『現代国際理解教育事典』(共著) 明石書店
論】(1)平成25年3月:『中学校実習における協働的省察行為に関する基礎的研究』(共著) 日本教育大学協会年報』第31集,日本教育大学協会,pp.105-117
(2)平成25年3月:『日韓の中学校歴史教科書叙述に関する研究−近世から近代の日韓関係史を中心に−』(共著) 『上越教育大学研究紀要』VOL.32,上越教育大学,pp.93-102
発】(1)平成24年6月:『日韓中の協働による相互理解のための国際理解教育カリキュラム・教材の開発』(共) 日本国際理解教育学会
(2)平成24年8月:『グローバル時代における生きる力−韓国−』(単) 日本学校教育学会
(3)平成24年11月:『日韓中の協働による相互理解のための国際理解教育カリキュラム・教材の開発』(共) 韓国国際理解教育学会
他】(1)平成25年2月:『学びのひろば/学びのひろば活動紹介DVD・HP』 大学HP
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「自立して学ぶ生徒」を育てる教育課程の研究開発 代表者:藤岡達也(上越教育大学) 上越教育大学附属中学校
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)臨床的アプローチとESDを基軸とした日韓相互理解のための歴史教育の教材開発研究 代表者:釜田聡(上越教育大学) 科研費基盤研究(C)
(2)日韓中の協働による相互理解のための国際理解教育カリキュラム・教材の開発 代表者:大津和子(北海道教育大学) 科研費基盤研究(B)
(3)グローバル人材育成のためのカリキュラム開発に関する理論的・実践的研究 代表者:多田孝志(目白大学) 科学研究費(B)
(4)Collaborative Development of ESD Curriculums and Teaching Materials by the U.S. and Japan towards mutual understanding 代表者:釜田聡(上越教育大学) 米日財団研究助成プログラム
(5)臨床的アプローチとESDを基軸とした日韓相互理解のための歴史教育の教材開発研究 代表者:釜田聡(上越教育大学) 上越教育大学釜田研究室
(6)日韓中の協働による相互理解のための国際理解教育カリキュラム・教材の開発 代表者:大津和子(北海道教育大学) 日本国際理解教育学会
(7)海外との研究交流事業「民主的な考え方をはぐくむ教育」アイオワ大学ハモット教授招へい 代表者:釜田聡(上越教育大学) 上越教育大学国際交流推進室
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本国際理解教育学会理事, (2)平成24年度:日本学校教育学会理事, (3)平成24年7月15日〜平成24年7月16日:日本国際理解教育学会研究大会参加・発表出席, (4)平成24年7月27日〜平成24年7月28日:日本学校教育学会研究大会(武蔵大学)参加・発表出席
外国における研究の状況
(1)平成24年11月10日〜平成24年11月11日:韓国,東アジアの平和
(2)平成24年8月16日:中国,東アジアの学校教育
(3)平成24年5月1日〜平成24年5月4日:韓国,臨床的アプローチとESDを基軸とした日韓相互理解のための歴史教育の教材開発研究
◎特色・強調点等
東アジア三カ国の研究者と教育実践者が連携し,未来の東アジアの教育の充実に資するための教育の在り方,教材・カリキュラムの開発に取り組んだ。日本と中国,韓国三カ国の子どもの実相を基盤としながら,研究者と教育実践者の教育研究のネットワークが確固たるものになった。今後の研究の発展が十分期待される。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(2)上越市立潮陵中学校平成24年度学校運営協議会委員(上越市立潮陵中学校)
(3)大学講義体験講師「東アジアの子どもたち」(上越教育大学)
(4)上越市立牧中学校総合学習指導者(新潟県中学校教育研究会)
(5)糸魚川市子ども一貫教育実践説明会講師(糸魚川市教育委員会)
(6)第6回糸魚川市教育懇談会講師「糸魚川市の一貫教育について」(上越市教育委員会)
(7)妙高市教育に関する事務の点検及び評価の実施に関する協議会委員(妙高市教育委員会)
(8)目白大学人間学部児童教育学科公開講座講師「これからの時代に求められる教育実践力」(目白大学)
(9)新潟県新聞活用教育(NIE)推進協議会会員(新潟県新聞活用教育(NIE)推進協議会)
(10)新潟県国際交流協会国際交流インストラクター事業専任アドバイザー(新潟県国際交流協会)
(11)社団法人上越国際交流協会理事(社団法人上越国際交流協会)
(12)上越市立潮陵中学校学校運営協議会委員(上越市立潮陵中学校学校)
 

川 村 知 行(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
総合学習分野の大学院の講義・演習では,「地域教育演習」「地域教育特論」などで,学外の実地研究指導によって,座学では理解できない体験学習を身近な地域素材を開発しながら,理解を深める努力をはらった。また,学部では総合学習の他,学芸員養成のための博物館学を担当した。
つねに現場フィ−ルドを対象とするので,学部・院のいずれも,教室ではスライド,パワーポイントを多用し,学外では大学近郊の地域素材を活用している。たとえば,大学にもっとも至近な地域素材は春日山城跡(国指定史跡名勝)である。通常なら自動車道で駐車場まで行って,歩く所を,手前の上越市埋蔵文化財センターから,旧道である大手道を発見させ,本来の進入路から旧道にある施設に気づきながら学習するスタイルを採ることで,学習効果が多角的に向上させることができた。ただし,免許プログラムの院生を含む学部授業では,野外活動は過密時間割のせいで,通常の講義時間内で納めることは不可能であるため,土・日を使うこともあった。
成績提出に関して,これまでレポート提出による評価が多かったが,学内外の実践指導の成果を生かすことを目標にしているので,通常授業内で口頭発表による報告に切り替えた。その結果,評価できる長所や問題点をその場で,説明して,理解されやすい場面が少なくなかったことは改善の成果である。
【観点2】教育の達成状況
学部生2人のうち1人は教育委員会の文化財関係の仕事をめざして,上越市に就職することができた。もう1人4年生は出身地で臨時採用の小学校教員になった。大学院生3人のうち,1人は千葉県小学校に本採用,現職派遣教員2人は新潟県本務校に戻って,総合学習等の指導的な役割を担っている。その他,学部生2人と免P院生が2人残ったので,なお一層の進路指導の達成に努めたい。
研究指導
【観点1】学部
今年度はゼミに3年生がいたが,出身地域をフィールドにした総合学習の開発だったので,地域の素材研究と,地元学校の実践を調査させ,その成果を逐次ゼミで報告を受けた。大学院を含めてゼミ生全員で先行実践例をあげながら,教材開発に当たった。出身地域が近隣だったので,ともに出向いてフィールドワークに当たった。
【観点2】大学院
今年度は総合学習分野1人の修士論文指導に当たった。フィールドとして選択した岐阜県飛騨古川地域に同行して,地域の素材研究の現場と学校を調査し,地域密着型の総合学習を臨床的に開発する努力を試みた。
その他の教育活動
前年度に引き続き。学校教育実践研究センター長として,上越市教育センター運営委員長などのほか学内外の教育活動を勤めた。また,教員免許状更新講習では「美術教育の教材と指導法」を担当した(7月31 日)。
なお,非常勤講師は本務校の多忙を理由に辞退したので記載はない。また,教育実習における学生指導について,ゼミ生の実習にはゼミ生全員でサポートし,研究授業へ参加し,ゼミ室に戻って評価に当たった。
特色ある点及び今後の検討課題等
長年,調査に従事している醍醐寺の所蔵絵画目録である。この文化財調査は100年続いており,現在のスタッフは5世代目に当たる。醍醐寺は文化財の無尽蔵の宝庫であるが,100年調査を重ねて,ようやく調査完了の見通しがたってきた。初めて目に触れ,世に出すことが調査員の責務である。展覧会に出品され,教科書に掲載されるまでには時間がかかるが,重大な発見は記者会見して,新聞・テレビで全国に報道される。研究者として,きわめて幸福な現場で仕事ができることを教育に活かすことが目標である。シナリオがないのが,総合学習の学習過程であるが,読んで考えるのではなく,見てから,問題に気づき,調べて考えることの重要さを,身をもって示している。
また,地域貢献として,上越市その他の文化財保護委員を勤めてきたが,とりわけ上越市の場合は委員長として,調査研究と文化財行政にわたって指導に当たっている。今年度は上越市立総合博物館の依頼で,「御所参内・聚楽第行幸屏風」学術調査委員会の組織立ち上げ,3年計画で報告書を編集,その成果をシンポジウムとして公表することができた。今年度の研究成果は1本しか出せなかったが,醍醐寺研究と上越地域の文化財研究は終わりのないライフワークなので,今後も精進していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)報告書「学術調査委員会の検討とその成果」(上越市立総合博物館『御所参内・聚楽第行幸図屏風 学術調査報告書』所収24年10月)
学会活動への参加状況
サバティカルのため,学会への出席等は困難であった。
外国における研究の状況
サバティカルを得て,チェコ共和国カレル大学(プラハ市)に滞在し,美術館・博物館で日本美術の調査収集に当たった(4〜6月)。その成果は 国際交流推進室の主催によるチェコ帰朝報告会(7月18日)や「総合学習研究会」(8月26日)で,「チェコ・カレル大学滞在から見た今も続くヨーロッパの光と影―日本を理解するために―」と題して帰朝報告を行った。
◎特色・強調点等
醍醐寺の美術工芸調査,上越市の文化財調査や世界各地の美術館・博物館の活用など,つねに目に見える実態を把握することによって,本質に迫ろうと努力していることは,美術史研究はもとより,総合学習のプログラム開発としても有効である。大学の隣接学校区にある小学校が春日山城をフィールドとした総合学習を実践しているが,修了生がその成果を生かしながら活躍しているなど,成果をあげつつあるので,さらに全国各地に広げるべく努力している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市文化財調査審議委員(上越市教育委員会)
(2)御所参内聚楽第行幸屏風学術調査委員会(上越市立総合博物館)
(3)會津八一記念館評議会委員(新潟市會津八一記念館)
(4)加茂市史編集委員(新潟県加茂市教育委員会)
(5)醍醐寺文化財研究所研究員(京都市伏見区 総本山醍醐寺)
(6)上越市教育センター運営委員長
(7)春日山城跡保存整備促進協議会顧問
(8)高田開府400年祭実行委員会委員
◎社会への寄与等
文化財の調査・保護について,新潟県内外の審議会委員等として文化政策にかかわった。とりわけ教育委員会からの依頼については,単に学識経験者としての政策形成だけではなく,成果を教育現場や文化財行政で活用してもらえるように働きかけている。
たとえば,国指定史跡である春日山城跡では,地域の町内会の清掃作業に加わり,史跡の保存整備促進に協力するとともに,近隣中学校の史跡学習にも貢献した。
また,学術調査を続けていた「御所参内聚楽第行幸屏風」については,シンポジウム(リージョンプラザ大ホール)を上越市立総合博物館が開催し,コーディネートを勤めた(10月27日)。その様子は新聞報道のほか,NHKの全国ニュースでも紹介された。
また,平成22年に復活公演で話題を集めた浄瑠璃「弘知法印御伝記」の成功を受けて,本年度は11月3・4日に「阿弥陀胸割」を大学振興協力会の援助によって,高田世界館において公演を行うことができた。公演に際して,パンフレット作製,美術監修などの役割を果たした。
このほか,上越市国際交流委員会が主催する国際理解講座「アジアをもっと知ろう」(上越市民プラザ11月10 日)で「中国文化財新事情−遺跡と博物館−」,「青苧の会」では(1月19日)「春日山城にあった国宝」講演を行った。
 

小  林   恵(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
個々の学生の個性を尊重し,問題意識を生かしながら授業,講義を行った。
総合的に判断して成績をつけた。
【観点2】教育の達成状況
免P生2名教員採用試験合格。
研究指導
【観点1】学部
積極的に実践場面を経験させた。
【観点2】大学院
専門の基礎文献を徹底的に講読した。
 
<研究活動>
◎特色・強調点等
社会構造全体からの現在日本のカリキュラムを考察している。
 

南 部 昌 敏(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
講義は,これまでと同様に,受講生にとって理解しやすいように,プレゼンテーションの準備と講義資料の電子データでの配布,魅力を実感してもらえるように,テキスト,画像,映像等を組み合わせて,事例を紹介しながらの講義を心がけるとともに,各自が自分自身で課題解決をする過程で,さらに理解を深める事ができるように工夫した。その際,講義支援システムを用いて,出席管理,講義資料の配布,毎回のレポート課題の提示と提出受付を行うことで,受講者の管理と適切できめ細かな指導を行うことができた。成績評価は,提出されたレポートの執筆内容を詳細に読み解き,質的分析によって絶対評価をおこなうことができた。
【観点2】教育の達成状況
受講生からの提出されたレポートの内容分析を行った結果,講義内容を十分に理解し,それを基にして課題に対する自分の考えを論理的に記述してあり,シラバスに記載した目標を概ね達成する事ができた。
研究指導
【観点1】学部
本年度は学部学生の卒業研究指導は行わなかった。
【観点2】大学院
本年度は,大学院2年生を3名,大学院1年生を1名指導した。
まず,昨年度に引き続き,平成23年度に教育職員免許取得プログラムで入学した3名の大学院生の修士論文指導に当たった。1名は,平成23年度に取り組んだ,小学校高学年を対象とした思考力を育成するための目標規準とルーブリックの作成とそれを用いた小学校5年算数科の学習プログラムの開発を基にして,本年度1学期に,十日町市内の小学校で12日間の授業実践を行い,詳細なデータを収集するとともに,その量的・質的分析を行わせた。次の1名は,小学生を対象に,学校での学習時間だけでは十分に目標達成を行うことができない児童に焦点を当て,学校での学習と家庭での学習を往還させる過程で目標達成を実現することを目指した,家庭学習支援用プリント教材を開発し,妙高市内の小学校で,10日間の授業実践を行い,詳細なデータを収集し,分析を行わせた。もう1名は,教育漫画の可能性に着目し,まず,学校教育における教育漫画の活用に焦点を当て,教科書等の実態を分析するとともに,学校教育においてこれまで用いられている様々なメディアを抽出し,現職教員を対象として,教育漫画が備えるべき要件を明らかにするため,アンケート調査の作成を行わせた。
次に,大学院1年生は,青森県からの派遣された現職教員であり,これまでの教職経験を基に設定された課題である,前任校の教員全員が自信を持ってICTを活用した授業実践ができることを支援する校内研修プログラムを開発し,7月から1月の期間に4回の実践を行い,量的・質的データを収集し,その分析を通してその有効性を検討した。その結果,内容の理解度,満足度は高く,研修で身につけたことを次の授業実践に活かそうとする意欲も向上し,ICT活用指導力アンケート調査の事前事後比較において向上していることが確かめられた。その成果は,受講者の平成25年3月に,日本教育工学会研究会(会場:三重大学)において,研究発表を行わせた。
袴田順子,南部昌敏(2013) 教師のICT活用指導力を向上させるための教員研修プログラムの開発〜協働と省察を取り入れたワークショップ型研修を通して〜,日本教育工学会研究会報告集
その他の教育活動
新潟大学教育学部の非常勤講師として,「教育メディア論2」(受講者57名)を集中講義形式で担当し,9月第1週に,講義と演習指導を行った。また,北陸学園の非常勤講師として,後期の毎週火曜日13:20から14:50に,1年生を対象に,「情報機器の操作」(2単位)を担当し,43名の受講者に対して,講義と演習指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
ブルームの目標分類学の最新理論に基づく思考力育成を目的とした学習指導プログラムの開発,学習指導要領のめざす習得・活用・探究を往還する考え方を基盤とした学習者個々への足場かけ理論を取り入れた個別学習のための教材の開発,様々なメディアの特性を踏まえた漫画教材の開発に,さらに,現職教員を対象とした,ICT活用指導力の向上をめざした校内研修プログラムの開発と,4名の大学院生の研究は,どれも,ID(Instructional Design)の理論的基盤を踏まえた臨床的・実践的開発研究に関する指導を行ったことが特色であり,教育プログラム設計の基本モデルである,ADDIEモデル(Analyze(分析)Design(設計)Development(開発)Implement(実施)Evaluate(評価))を繰り返し,継続的に臨床的/実践的研究を進めていく手法を取り入れた点が特色である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
<国際学会研究発表>
(1)11月28日〜30日:Kobayashi M, Nanbu M, Urano H, Mitsuhashi K, Inoue H, Endo H, Yogi Y and Ganaha Y.(2012) Study on the Effects of Collaboration and Reflective Action-Derived Workshop-Based On-Campus Training on Teaching Ability.
Conference Abstracts,The World Association of Lesson Studies (WALS) International Conference 2012, p.129, Singapore.(査読有)
<国内学会研究発表>
(1)8月31日〜9月1日: 南部昌敏,金城勲,上原周子,奥土晴夫,上原勝晴,小林稔,浦野弘,三橋功一,井上久祥,城間祥子(2012)「協働と省察による校内教員研修が教師の授業力の向上に及ぼす影響(4)〜沖縄県島尻地区におけるワークショップ型教員研修プログラムの開発と実践〜」,第19回日本教育メディア学会年次大会
(2)9月15日〜17日:南部昌敏,三橋功一,小林稔,浦野弘,井上久祥,城間祥子(2012)「協働と省察による校内教員研修が教師の授業力の向上に及ぼす影響(5)〜ワークショップ型校内教員研修の普及・啓発方法の検討〜」,日本教育工学会第28回全国大会
(3)11月3日〜4日:南部昌敏, 黒田富衛, 小林稔,浦野弘,三橋功一,井上久祥,城間祥子(2012)「協働と省察による校内教員研修が教師の授業力の向上に及ぼす影響(6)〜埼玉県秩父市における学級経営に焦点を当てたワークショップ型教員研修プログラムの開発と実践〜」,日本教育実践学会第15回研究大会
◎特色・強調点等
(1) 平成22−24年度科学研究費補助金基盤研究(B)(課題番号22300283)の研究代表者として,京都教育大学,秋田大学,北海道教育大学の研究分担者と協働して,協働と省察の継続によるワークショップ型校内教員研修について,実践協力校のニーズと実情を踏まえて実践し,教師の授業力向上に及ぼす影響の解明に取り組んだ。その成果を下記に示す。
 東京都の小学校を対象に,昨年度から取り組んできた国語,算数,英語の教科に加え,生活科,理科,社会科に関して,協働と省察による授業実践研究とワークショップ型教員研修を継続し,教師の授業力向上と児童の学力の向上に取り組んだ。研究テーマ「調べ,考え,学び合う子どもの育成を目指す授業力向上(1年次)」の実現をめざして,@子どもたちに身につけてほしいことをより効果的に達成するためにどのような教育活動を行えばよいか,A子どもたちが日々の学びに対して,自主的・自律的で,より積極的・意欲的に取り組むことができるような,子どもたちにとってより魅力的な学習を実現するためには,どのような学習活動を取り入れたらよいかを実践を通して追い求めて続けてきた。換言すれば,学び合いを通して,『楽しい』『わかった』を実感し,『またやってみたい』という声が湧き上がる授業をめざしてきた。そのために,明確な課題意識の基で,調べ,分かったことを考え・まとめ・表現し,学び合う力を伸ばすための指導方法を全員で協働して校内授業研究を行ってきた。また,さらに,授業における学習規律を全ての児童に身につけさせるとともに,家庭での学習に自主的・自律的・意欲的に取り組むことができるように,保護者に協力を呼びかけ,家庭学習ノートを用いた自主学習及び読書活動の推奨など,生活5ケ条による家庭学習習慣を身につけさせる取り組みを継続して行ってきた。まさに,学校での学びと家庭での学びの往還が実現している。その取り組みの成果は,日々の学校での学習に意欲的に取り組む子どもたち一人ひとりの姿となってあらわれ,それが確実な学力の向上につながっている。
平成24年度学力調査の結果及び学校評価アンケートからみた学力等の実際について,目標値との比較において考察した。国語に関しては,2年から5年までが達成していた。観点別では,学年全体では,発見する力と適用・応用する力が達成していた。学年別では,発見する力が2,3,5,6年,適用・応用する力が2,3,4,5年,表現する力が1,3年が達成していた。算数に関しては,1年から4年,6年が達成していた。観点別では,学年全体では,発見する力,適用・応用する力,表現する力ともに達成していた。学年別では,発見する力が,2,4,6年,適用・応用する力が1,2,3,4,6年,表現する力が1,2,3,4,6年が達成していた。一方,学校評価アンケートは,学び合いを取り入れた主体的な授業を行ってきたことで分かる授業が実現し,習熟度別学習を取り入れることで個に応じた指導が行われ,放課後の補充学習及び生活5カ条の取り組みによる家庭学習の充実により学習習慣が身に付いていることが明らかとなった。
このような結果となったのは,授業づくりから授業観察・分析評価までに関して,ワークショップ方式の校内授業研究を継続的に実施し,教職員が協働してお互いの授業力を高め合うとともに,自分自身の取り組みを時に応じて省察することで課題が明確になり,教師一人ひとりが自信を持って日々の授業実践を行っていることの表れである。
以上,本プロジェクトの代表者が支援してきた小学校における平成18年度から24年度までの7年間の取り組みを紹介したが,ドナルド・カークパトリックの提唱した4段階評価に当てはめてみると,校内教員研修の効果は,全ての教員の行動変容として表れている。(レベル3),さらに,教職員一丸となって学校組織全体の自律的な取り組みも実現している。(レベル4)本プロジェクトの継続的支援の成果の表れであると判断できよう。
 沖縄県島尻地区では,島尻教育研究所を中心に,小・中学校60校
<小中連携合同研修(受講者46名)>
I市立K小学校の卒業生は隣接するK中学校に進学する。両校の連携と交流をさらに深化発展させるために,ワークショップ型連携合同教員研修プログラムを実施し,教職員間の校種を超えた相互理解の深化と9年間の見通しをもった一貫教育を意図した指導法の工夫改善と授業力の向上等を図ることを目的とした研修プログラムを実践した。
<小学校における校内研修(受講者65名)>
沖縄県全体で取り組む「思考力・判断力・表現力の育成」に基づき,島尻地域で掲げた「算数科における活用力の育成」に取り組んでいるN小学校とO小学校において,ワークショップ型校内教員研修プログラムを実施し,テーマに沿った授業づくりと授業実践の方略と具体方策を明らかにすることを目的とした研修プログラムを実践した。
<中学校教科研究会研修(受講者16名)>
各地域では教科担任制の中学校を中心に教科研究会が組織されているが,その活動の活性化が課題となっている。そこで,同じ教科を担当している教員で組織している研究会の特徴を活かし,協働して授業力向上を図るためのワークショップ型教員研修プログラムを実施することでその活動をより活発にすることを目的とした研修プログラムを実践した。
<ファシリテータ研修(受講者25名)>
ワークショップ研修に携わるファシリテータの役割,機能を理解するとともに,知識伝達型・問題解決型・省察型の特徴とその組み合わせによる研修を企画運営できることを目的とした研修プログラムを実践した。
アンケート調査からみた評価
@ 役立つ内容であったか:役立つ内容でよかった(15人),どちらかといえばよかった(5名)
A 自由記述から:・幼稚園内での研修を進める上で悩んでいたことの改善策を具体的に学ぶことができた。・ファシリテータとしての役割を,今後の校内研修に活かし,学び方を支援していきたい。・参加する側の気持ちになって研修が企画・運営され,体験型・参加型で,わかりやすく,楽しく,主体的に学ぶことができた。・アイスブレーキングの方法,ファシリテーションの考え方と意義及び役割等を学ぶことができ,立場的に,研修や会議を企画・運営する側なので,学校に持ち帰るたくさんのことを吸収できた。
以上のように,ワークショップ型校内研修の方法が理解され,それぞれの研修目的の達成のために寄与したことが確認できた。カークパトリックのレベル1と2を達成していると判断できる。それぞれのプログラムはスタートしたところであり,目的の達成のためにこれを継続することを支援すること,島尻地域だけでなく,沖縄県内全域にも普及啓発を図っていくことが今後の課題である。
 
本プロジェクトでは,東京都荒川区尾久第六小学校,沖縄県島尻教育研究所及び管内の小中学校,埼玉県秩父市教育研究所等で試行をさせていただいたが,はじめは,本プロジェクトのメンバーが同じ各学校等に年数回から十数回赴き,校長はじめ研究主任と意思疎通を図りながら,体験的・実践的に校内研修を継続して支援し,その協働知を積み上げてきた。その後も,2年目,3年目とそれを継続するなかで,徐々に,校長,教頭,研究主任を中心とした自律的企画運営に移行し,4年目には,本プロジェクトのメンバーは,新しい教育理論や実践事例等の話題提供の役割を担う程度となり,ほとんど,それぞれの学校等での自律的で創造的な校内研修が展開できるようになった。換言すれば,このような校内研修の方法の開発とその普及・啓発を継続支援することで,それぞれの学校等に定着するとともに,さらに,独自の改善による進化発展を遂げることができると考える。そして,先生方が自信を持って日々の教育実践に取り組んでくださることを期待している。
また,国内の関連学会に加えて国際授業研究学会(WALS2012)発表した。さらに,研究成果報告書を作成し,関係者に配付した。
(2) 平成22−24年度科学研究費補助金基盤研究(C)(課題番号22500907)の研究分担者として,昨年度に引き続き,メディアの特性を活かした授業力を育成するための校内授業研究の方法を明らかにするために,東京都荒川区および沖縄県内の小学校において,そのプログラム開発とその実践に取り組んだ。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)におけるプロジェクト「ICT支援員の養成に関する調査研究委員会」の委員長としてその運営と調査に取り組んだ。3年計画の第二年度として,ICT支援員が身につけるべき資質能力規準と自己評価のためのルーブリック(評価基準)を策定した。それに基づき,1月30日に,ICT支援員を対象とした研修プログラムを実施し,成果を上げた。平成25年3月2日に開催した「コンピュータ教育開発センターの研究成果報告会」において報告した。
 日本教育工学会理事として,学会運営に関する理事会での審議を行うとともに,広報委員会委員長として,ニューズレターの編集に携わった。
 日本教育メディア学会監事として,学会の事業運営全般の監督を行うとともに,会計監査の担当として,事業と照らし合わせて,適切に処理されているかを監督した。
 日本教育情報学会評議員として,学会の活動に対して幅広く,提言を行った。
 日本教育工学協会の副会長として,会長を補佐し,常任理事会及び理事会において,全国大会,シンポジウムの登壇者として協会活動の運営に関して審議を行うとともに,日本教育工学協会の会員である全国40の都道府県において組織されている教育工学関連研究組織の活動の活性化と相互連携の推進に向けた施策の企画立案・実施運営にあたった。
 

布 川 和 彦(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
免P向けの算数科指導法においては,研究や教師向け講習会の準備等の中で得られてきた児童の実態,授業の具体的な工夫などについても盛り込むことにより,単に学習指導要領の内容の解説に留まらず,実際の授業に接続しやすい内容となるよう工夫した。また実際の授業のビデオを用いた演習も取り入れることで,そうした効果をより高めるようにした。
大学院の算数・数学学習過程特論では,受講者が実際に問題を解いたり,学習用ソフトを利用することで,学習者の視点から支援のあり方を考えられるように工夫をした。また,講義の中で取りあげてきた枠組みを,平成24年実施の全国学力学習状況調査の問題に適用することで,枠組みの実践的な有用性が感じられるようにした。
【観点2】教育の達成状況
前述のいずれの講義でも受講者が免Pの院生であり,しかもM1が中心であることから,修了後の状況から判断することは難しいが,授業評価アンケートではいずれの講義も高い評価を得ることができた。また,自由記述の部分では,指導法では講義できいた題材を教師になってすぐに使ってみたいといった感想をもらったり,学習過程特論では教育大らしい講義であったとの感想をもらったりしたことから考えると,基本的な理論や原理を講ずることに加えて,それらが実際の授業にどうつながるかを重視した講義の工夫が,受講者から一定の評価を受けたと言えるであろう。
研究指導
【観点2】大学院
修士課程の研究指導では,理論と実践とをつなぐような研究となることを心がけ,特にゼミ生がすべて教職を目指していたことから,教師になったときに生きるような研究となるよう指導を行った。具体的にはゼミ生が授業に関わり持っていた問題意識を明確化し,それに関わる先行研究を紹介して問題意識に関わる理論を学ばせると同時に,それを自分の授業に対する姿勢につなげるために,実際の授業の中で問題意識に関わるデータを収集させ,その分析考察を通して,学んだ理論を自身の授業デザインの基礎とできるように具体化させた。こうした作業を通して,教師としての教材や子どもを見る目が養われていったと考えられる。
その他の教育活動
・ 附属小学校および附属中学校の双方で研究協力者をつとめた。
特色ある点及び今後の検討課題等
附属学校を中心に,地元の先生方とのつながりを大切にすることで,そこで得られた情報を学生・院生の教育にも生かすようにしている。それにより,論文や学会で得られる理論的な枠組みに実際の授業での肉付けが行われ,ある程度,教師になったときに有用な知見や見方を提供することにつながっていると考えられる。また,ここ数年については,これまで20年近く参加していた地元の研究会で出会った先生や,上述の附属学校の協力者として一緒に仕事をした先生が大学院の受験をされるといったことが起こっており,別の形で地元と大学での教育活動とのつながりが生まれて来つつある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年1月:『The Psychology of Problem Solving』(共著) Nova Science Publishers
(2)平成24年9月:『Abstracts of the First Sourcebook on Asian Research in Mathematics Education』(共著) Information Age Pub
論】(1)平成24年12月:『Multi-Relation Strategy in Students Use of a Representation for Proportional Reasoning』(単著) Eurasia Journal of Mathematics, Science & Technology Education, 8(4), 233-248
(2)平成24年10月:『「数学:パターンの科学」の捉え方と学校数学の関係の検討』(単著) 上越教育大学研究紀要第32号, pp.169-180
(3)平成25年3月:『比の学習における小学生による説明と式の利用』(単著) 上越数学教育研究第28号, pp.1-12
発】(1)平成24年11月:☆第45回数学教育論文発表会分科会招待講演者 奈良教育大学
学会活動への参加状況
(1)平成24年11月10日〜平成24年11月11日:日本数学教育学会第45回数学教育論文発表会出席, (2)日本数学教育学会論究部幹事, (3)日本数学教育学会資料部幹事, (4) "Educational Studies in Mathematics"誌 (Springer)Editorial Board
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:新潟県教育センター教科リーダー養成講座(小・中学校)講師
(2)11月:上越数学教育研究会助言者
(3)11月:関東都県算数・数学教育研究大会助言者
(4)2月:尚数会研究会助言者
 

藤 岡 達 也(教 授)
 

松 本 健 義(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業は,講義,表現演習,観察演習,模擬授業,研究開発授業実践,観察事例の記述分析,協力校教員との協議,実地指導等を行うことにより,教育実践と子どもの学習活動の臨床的過程にできるかぎり迫る授業構成を重視している。子どもの学習と教師の教育実践の場や状況に,受講生が実際に身を置いて実践し観察すること。実践研究開発,観察事例の記述分析を実際に取り組むことにより,受講生が教育実践と子どもの学習過程を質的に深く感じとり,子どもの実践や活動を通して子どもとともにつくりだしていく学習の実際について,高度に専門的な資質と能力が形成できるようにした。学部及び修士課程の専門的質と段階性の違いを踏まえ,各授業の内容と形式を構成した。
成績評価にあたっては,受講生の学習過程でのレポート,発表,活動のあり方を総合し,資質と能力の形成を評価している。
【観点2】教育の達成状況
修了生2名。さいたま市小学校教員(正規),新潟市私立幼稚園教員(正規)。二件とも希望どおりの就職が達成されている。
研究指導
【観点1】学部
セミナー担当学生なし。
【観点2】大学院
活動の関係と過程として学習の視点から,@全国の先進的実践校での子どもの学びの過程の短期的観察演習,市内研究協力校での年間を通じての長期的参与的観察演習,現職派遣院生所属学校及び研究協力校での研究開発授業実践と学習活動の観察演習,A観察記録ビデオのビデオカンファレンス,B観察記録ビデオの記述分析演習,による研究指導をおこなった。また,学習と教育の実践を言葉として語り,記述するあり方を問い直し,語りをつくり変えることで学習過程と教育実践過程を見たり,構想したり,省察したりするうえでの基本的姿勢と視点,専門的言語を得るための基本文献講読(現象学,言語哲学,現象学的精神医学,状況的学習論,社会文化的アプローチ)を行い研究指導した。免許プログラム学生が行う初等教育実習についても実践者の立場にたつ機会として,上記方法と連動して研究指導して事例収集と分析を行うことで,臨床的な実践力の深化と高度化を図っている。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属小学校研究協力者
・ 桐蔭横浜大学スポーツ政策学部非常勤講師(図画工作概論,教科指導法(図画工作))
・ 教育実習学生指導(上越市立上下浜小学校,同明治小学校,同下黒川小学校,上越市立南川小学校,上越教育大学附属小学校)
・ 兵庫教育大学連合大学院芸術系教育連合講座副代表
特色ある点及び今後の検討課題等
学部並びに大学院での教育活動全般にわたり,子どもの学習活動における表現行為と学びの生成過程を臨床的に解明することで,教師として必要とされる学習者,授業,カリキュラム,評価について高度な資質と能力の形成に努めている。また,学習活動を研究開発実践し子どもが学ぶ行為の関係と過程の実際に基づいた省察を通して,学習活動の関係や過程の特性に応じたモデル化や記述のあり方の開発を従来試みられていなかった分野についても明らかにした。今後の課題は,学部や大学院の入学当初段階での学習臨床研究アプローチへの導入についてさらに改善を図りたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『造形表現活動における意味生成と<場>の成り立ちに関する研究』(共著) 大学美術教育学会誌,第45号,pp.175−182
(2)平成25年3月:『対話による美術鑑賞授業における子どもの意味生成過程−知覚・語り・経験に着目した記述の試み−』(共著) 大学美術教育学会誌,第45号,pp.359−366
業】(1)教科用図書編集委員図画工作(日本文教出版株式会社)
発】(1)平成24年10月:『造形行為の生成過程の記述可能性についてU』(単) 大学美術教育学会
(2)平成24年9月:『造形活動に媒介された世界の現象と行為の透明性について』(共) 日本質的心理学会
(3)平成24年12月:『造形遊びワークショップとビデオカンファレンス−つくり・つくり変え・つくる子ども−』(共) 第14回美術教育実践学会
(4)平成24年12月:『子どもの時に芸術行為が消えてしまっていよいのか?』(共) 第14回美術教育実践学会
他】(1)平成24年5月:『大学院学習臨床研究パンフレット及び大学院学習臨床研究ホームページ/大学院学習臨床研究の教育研究内容の受験生への広報』 上越教育大学大学院説明会他
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「造形表現行為の形成過程における活動単位と発達に関する臨床学的研究」代表者:松本健義(上越教育大学学校教育学系) 松本健義研究室,上越教育大学附属小学校
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本教育実践学会理事, (2)平成24年度:美術教育実践学会副代表理事, (3)平成24年度:大学美術教育学会学会誌編集委員, (4)平成24年9月1日〜平成24年9月2日:日本質的心理学会・第9回大会出席, (5)平成24年10月20日〜平成24年10月21日:大学美術教育学会・第51回大分大会出席, (6)平成24年12月8日:美術教育実践学会・第14回大会出席, (7)平成25年3月28日〜平成25年3月29日:美術科教育学会・第35回島根大会出席
◎特色・強調点等
『大学美術教育学会誌』第45号掲載,「対話による美術鑑賞授業における子どもの意味生成過程−知覚・語り・経験に着目した記述の試み−」は,図画工作科,美術科の学習内容である児童生徒の鑑賞活動について,語りを基軸にした経験と知覚の相互構成モデルを作成し,児童の学習活動過程を記述分析を試みた新しい研究である。その特色及び意義は大きい。博士課程での研究とその指導を通して,対話の実践形式に応じた学習活動の意味が明らかになることで,学校現場や美術館での鑑賞活動の理論的背景となる研究として期待される。なお,本研究は松本健義研究室で開発された学習臨床研究の成果である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)出前講座「子どもが学びをつくる過程と学習カウンセリング的支援のあり方」講師(南魚沼市立中里中学校)
(2)珠洲市図工美術研究会講師(珠洲市教育課程研究会図工美術部会)
(3)新潟アート展審査委員(下越美術教育研究会)
(4)第53回新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査員(上越市美術教育連盟)
◎社会への寄与等
新潟県立近代美術館協議会委員として教育普及活動の評価に取り組み,対話を取り入れた鑑賞活動が学校団体来場者や学校への出前講座により急速に普及し,美術館と学校との互恵的関係の構築に貢献した。附属小学校研究協力者として第一学年の造形活動をとおした総合単元活動の支援と観察を行った。一年生の小学校生活の始まりと年間を通しての成長発達,幼少連携,家庭との連携の三点において,期待される成果が十分に達成された実践協力となった。また,造形活動が子どもの意欲や生活の形成,対人関係形成にもつ意味も改めて明らかになり,表現活動をとおした学習活動の可能性とその意味が示唆された。
 

五 百 川  裕(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部の「体験学習」及び「野外体験演習」では,野外での自然体験が不足している学生の実態を踏まえ,小学校教員になった場合に生活科や総合的な学習の時間,特別活動や環境学習の野外授業で必要となる基礎知識を,興味を持ちやすい素材を厳選し,実際に野外での観察,体験を通して習得できるように工夫した。大学院の「地域環境学習演習」及び「地域環境学習特論」では,地域環境として里山,河川,海岸などを取り上げ,演習においては先ず実際に野外での自然環境学習体験をした上で,各人が校種,学年を意識した学習指導案を作成し検討会を行うことで,興味を持ち主体的に取り組めるように工夫し,特論においては学習素材を見つけるための着眼点を,画像を豊富に使用して具体例を挙げながら解説し,一般論,方法論に留まらないように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
大学院修了生(2名)は1名は現職小学校教員であるため復職を予定しており,1名は自然体験活動指導者としてNPO法人に勤務を予定している。学部卒業生(1名)は県立公園においてパークレンジャーとして勤務を予定している。
研究指導
【観点1】学部
総合的な学習の時間の単元開発の素材研究を指導した。故郷の自然環境の調査と報告を繰り返しながら,自然環境の特徴を知り,それを人に伝える基礎的な手法について修得できるように,個人指導とセミナーでのグループ指導を積み重ね,卒業研究論文の作成に結びつけた。小中高等学校での学習内容との結びつけを大切にし,自然観察の面白さを実感を持って理解させることを意識して指導している。
【観点2】大学院
総合的な学習の時間の単元開発の素材研究を指導した。里山を主なフィールドとして,植物や動物とその生育環境など,学生の興味・関心に応じてテーマ設定を行い,野外での1年間の季節を通しての観察体験を基礎として,自然環境を正確に見る力,それを伝える力を養成,向上させるため,同伴しての野外個別指導,セミナーでのグループ指導を積み重ね,修士論文の完成,中間発表会での報告に結びつけた。小中高等学校での学習内容との結びつけを大切にし,自然観察の面白さを実感を持って理解させることを意識して指導している。
その他の教育活動
放送大学の非常勤講師を務めた。研究室所属学生およびCST養成プログラム受講学生の教育実習における授業教材研究の支援,研究授業の参観,指導を行った。 学びの広場の自然系クラブの顧問として,企画指導,当日立ち合い,事後指導を行った。附属中学校の研究協議会指導者を務めた。
特色ある点及び今後の検討課題等
自身の高校教員経験及び植物学研究の専門性を生かし,これまで学習し習得しているはずの知識の復習を意識させながら,発展的な知的好奇心を高めることが可能な素材を選び,机上に留まらない実際の野外活動を伴った授業を行って,問題意識,興味,体感を高められるようにしている。学習指導案の作成演習等において,現職院生と学部進学院生との経験や興味の違いを配慮しながら双方に有用感を持たせる授業を組み立てることに課題を感じている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年8月:『新しい植物分類学II』(共著) 講談社
発】(1)平成24年9月:『SNSを活用した栽培体験学習の教員養成カリキュラム2』(共) 日本教育工学会第27回全国大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年6月1日〜平成24年6月3日:植物地理・分類学会2012年度大会出席, (2)平成24年9月15日〜平成24年9月17日:日本植物学会第76回大会出席, (3)平成25年3月16日:日本植物分類学会第12回大会出席, (4)日本植物分類学会評議員, (5)植物地理・分類学会庶務幹事
◎特色・強調点等
著書は,日本の植物相成立過程を解明するための新たな視点として,寒冷地性植物のレフュジアとしての風穴地に注目し,特に本州東北地方中南部において分布が風穴地に限られる種の系統地理学的な研究を進めることの重要性を指摘した。長年の植物調査による成果を基礎としており,著者の独創性が高いと考えている。また,この著書全体は,植物分類学会の研究成果を専門家,非専門家を問わず伝えるための教育的意図も持つものである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市児童生徒科学研究発表会審査委員(上越市教育委員会)
(2)県下児童生徒生物標本・自然科学写真展示会審査委員(長岡市立科学博物館)
(3)理友会研修会講師(上越地域中学校理科教員研修団体)
(4)新潟県高等学校教科リーダー養成講座講師(新潟県立教育センター)
(5)吹上・釜蓋遺跡調査指導委員会委員(上越市教育委員会)
(6)上越市文化財調査審議会委員(上越市教育委員会)
(7)新潟県環境影響評価審査会委員(新潟県県民生活・環境部環境企画課)
(8)妙高市環境審議会委員(妙高市環境企画課)
(9)糸魚川市文化財保存活用計画 策定委員会委員(糸魚川市教育委員会)
(10)新潟県立高田高等学校学校評議員(新潟県立高田高等学校)
(11)河川水辺の国勢調査アドバイザー(国土交通省高田河川国道事務所)
(12)新潟県野生生物保護対策検討会委員(新潟県県民生活・環境部環境企画課)
(13)エコアクション21地域運営委員会委員(上越環境科学センター)
(14)関川圏域流域協議会委員(新潟県上越地域振興局)
(15)上越市農林水産整備課指定管理者選定委員(上越市農林水産整備課)
(16)上越市自然環境保全推進委員会委員(上越市自治・市民環境部環境保全課)
(17)上越市大規模開発行為審議会委員(上越市企画政策部企画課)
(18)小滝川硬玉産地保全対策調査委員会委員(糸魚川市教育委員会)
(19)上越教育大学公開講座講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
児童生徒の自然環境への興味関心を高め科学的視点を育む催しに審査委員として実施協力をし,また,中学校教員が自然観察指導力向上を図る催しである理友会研修会,および新潟県立教育センターの理科教育指導力向上のための教員研修会の講師として,研修に協力した。自然環境保全や文化財保存に関わる委員会委員等として植物分類学研究の専門性を地域貢献に生かしている。
 

五十嵐 素 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
どの授業でも多様化する学生のニーズに合わせて教育内容を工夫するようにしている。例えば具体的な教育実践のイメージが持てていない学生には,ビデオデータなどを活用して現場の実践のあり方を観察させたり,具体例を出しながら教えている。また,学習への動機付けを高めるために,学生からの質問や感想とその回答を毎時間の冒頭に配布するようにしている。また学生間の理解の差が大きいので,学生からのレポートにはコメントをつけて返却することで個別の学生をフォローするように心がけている。
【観点2】教育の達成状況
講義やセミナーなどで教育実践の研究方法を教えたり,現職教員と議論してもらうなかで,個別の学生が教員としての力量を身につけつつあることを実感している。
研究指導
【観点1】学部
学部生の講義では,具体的な教育実践の事例を取り上げ,授業において教師がどのような言葉を用いて働きかけているのか,そのことによって子ども反応をどのように引き出しているのか,その教育効果について観察させている。このことは,教育実践を観察し評価する力を育てるという意味で,臨床的な実践力を身につけることにつながると考えられる。
【観点2】大学院
大学院(修士・博士)の研究指導では,社会学の相互行為論の理論的知見に基き,授業のビデオデータを用いて教師と子どもの相互行為のあり方を分析させている。授業における活動は多様であり,そうした分析を行うことによって,活動それぞれの教育上の特色や効果について明らかにさせ,活動における教師の役割について学術的な見地から検討をしている。こうした訓練は,教育実践研究としての基礎的な知見を積み重ねる力量を形成する点において重要である。また学生には,実際の現場に行ってフィールドワークを行わせた後,その資料を分析・考察を行ない,知見を現場の教員にフィードバックして共有する機会などを設けている。研究を現場の実践知と架橋させることができる能力を培うよう指導している。
その他の教育活動
平成24年4月〜平成25年3月上越教育大学附属幼稚園運営指導委員として研究会運営や指導助言を行なった。
特色ある点及び今後の検討課題等
院生の学問的バックグラウンドや経験が多様であるため,講義で基礎から応用まで広く教えることができる教科書や教材を開発していく必要があると考えており,現在作成中である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成24年11月:『女子短期大学生の心理的発達に関する縦断研究(22)−時間的展望の2年間の変化−』(共) 日本教育心理学会第54回総会
(2)平成24年11月:『大学生の不適応―生活全般をイメージしたカリキュラムづくりを目指して―』(共) 日本教育心理学会第54回総会
(3)平成25年3月:『女子短期大学生の心理的発達に関する縦断研究(24)―ライフイベントと学校満足度の関連についての検討』(共) 日本発達心理学会第24回大会
(4)平成25年3月:『女子短期大学生の心理的発達に関する縦断研究(25)―恋人との関係の良好度と抑うつ,自尊感情の関連に関する継時的検討―』(共) 日本発達心理学会第24回大会
(5)平成25年3月:『女子短期大学生の心理的発達に関する縦断研究(26)―5因子性格特性とライフイベントが抑うつに与える影響―』(共) 日本発達心理学会第24回大会
 

石 川   真(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育方法においては,すべての担当授業において指定のテキストがないため,毎回資料を作成した。基本的に,パワーポイントによるスライドで作成し,学生にpdfの形式,もしくは紙媒体で配布した。また,そのスライドを用いて授業を行った。また,講義支援システムの特徴を活かし,掲示板を用いて特定のテーマについて意見や感想を述べさせるなど,授業時間外においても学習活動が持続できるような工夫をした。すべての授業において,現場での実践を意識させ,具体的事例などを交えながら講義を行った。さらに,講義内容を踏まえた「協働学習」を積極的に取り入れ,考える力,協調性などの力を高める取り組みを行った。
成績評価については,1回目の授業時に評価の説明を行い,基本的にその基準で実施したが,レポートの提出回数が異なるなどした場合は,適宜その都度説明し,受講者と共通理解を図った。レポートは,問題に対して論理的に意見が述べられるかなど,思考的な側面に特に注意を払いながら評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
すべての授業において,シラバスに記載された目標は達成できたと考えられる。特に,レベルの高いものについては,個別指導をすることによって,受講者の理解が高められることから,少人数での授業においては,比較的レベルの高い内容が達成できたと考えられる。教育情報科学概論については,他の授業と異なり大人数のため,きめ細かな教育を行うことはできなかった。しかし,実践場面をビデオで紹介するなど,1年生(前期科目)の内容として具体的でわかりやすいものとしたことで,一定の目標は達成されたと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
学部におけるゼミ生は所属なし。
【観点2】大学院
授業実践を通して得られた結果を踏まえて,収集したデータ分析に関わる指導,論文作成の指導を行った。その上で,授業実践の振り返りを教科のねらい,評価等の観点から詳細に検討させることで,修士論文を作成させるとともに,今後の実践力を高めるためにきめ細かな指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
実践,現場での活動と,授業で取り上げている内容がどのように関係しているのかを説明し,実践場面で意義のあるものと理解できるように取り組んでいることが特色である。また,講義支援システムや,各種メディアを積極的に活用し,学習内容の理解を深めさせたりする工夫をしている。また,協働学習も適宜取り入れ,受講者が「聞くだけ」という状況にならないようにした。そのことにより,自ら考える機会を増やし,他者との考え方の違いに気付かせたり,協調性を高めさせる等の副次的な側面についての育成にも取り組んだ。
授業評価などでは必ずしもすべての項目において良好ではない点もある。できる限り,問題点を明らかにすると同時に,より一層わかりやすい授業とする取り組みを検討していく必要があると考えられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『中学校実習における協働的省察行為に関する基礎的研究―上越教育大学の教育実習ルーブリックを手がかりに―』(共著) 日本教育大学協会研究年報,31,105-117
(2)平成25年2月:『親密さの違いによるメールコミュニケーションの振る舞いに関する研究』(単著) 上越教育大学研究紀要,32,25−34
発】(1)平成24年11月:『親密さの違いによるメールの振る舞い方に関する研究』(共) 日本社会心理学会
(2)平成24年4月:『The effects of learning environment design on salivary alpha-amylase and subjective stress levels during mental arithmetic task on individual, collaborative and competitive settings』(共) International conference on Interpersonal Relationships in Education
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)上越教育大学スタンダードを中核とした教育の質保証の成果と課題−「教職実践演習」と「教育実習」における「協働的省察行為」に着目して− 代表者:釜田聡(上越教育大学) 上越教育大学附属中学校
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本心理学会認定心理士資格認定委員会, (2)平成24年9月4日〜平成24年9月7日:ヒューマンインタフェース学会・ヒューマンインタフェースシンポジウム2012出席, (3)平成24年11月17日〜平成24年11月18日:日本社会心理学会第53回大会出席, (4)平成24年11月23日〜平成24年11月25日:日本教育心理学会第54回総会出席, (5)平成24年4月11日〜平成24年4月12日:International conference on Interpersonal Relationships in Education(ICIRE)2012出席
◎特色・強調点等
共同研究で取り組んでいる「協同・協調的な学習活動場面におけるこどもの認知とストレスの関連」については,生理的指標である唾液アミラーゼ活性を測定し,心理的側面と関連づけて検証している点が特色である。学びを支援する上で,学習者個人が学習環境下でどのようなストレスを受けているかを明らかとすることで,より良い環境の改善,提案が可能となり,教育実践へ大いに寄与すると思われる。
「青少年のネットワーク環境における社会的なつながりの認識に関する基礎的研究」においては,ネットワーク上のコミュニケーション行動の他者とのつながりについて調査,実験等を通してその傾向を探ることを目的としている。本研究で明らかとされた点は,近年関心の高い情報モラル教育の指導方法へ大いに寄与すると考えられる。
「上越教育大学スタンダードを中核とした教育の質保証の成果と課題―「教職実践演習」と「教育実習」における「協働的省察行為」に着目して―」においては,主として教育実習における協働的省察行為の現状を明らかとすることを目的としている。本研究で明らかとされた点は,今後の事前,事後指導の質的充実につながる。
 

井 上 久 祥(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
成績については,ペーパーテスト試験により,理論的な知識の習得を評価するのではなく,協働による中間/最終成果物,省察による受講者の変容といった,受講者それぞれのグループワークへの取り組みの過程を総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
実践知を経験的に習得させる授業は,学部1年次に開講される授業において,有効であった。学部学生は入学時には教職の進路に高い意欲を持っている。この将来教師になりたいという動機づけは学部3年次の教育実習で最も高まりを見せる。しかし,1,2年次の間,教職への意欲・関心・態度を維持するために,自発的な学生は「学びのひろば」や学校ボランティアに参加することで,教職に関わりの深い環境に自らの身を置いているものの十分とは言い難い。そのような現状において,学生に対して教職の実際を強く意識できる場が授業科目として存在する意義は大きいと言える。
研究指導
【観点1】学部
今年度指導した学部学生なし。
【観点2】大学院
学内の限られた研究者からの研究指導で完結することなく,広く世間一般に向けて研究の意義や成果を問うことをねらいとして,学会での研究発表を行っている。具体的には,日本教育実践学会で発表を例年行っている。
その他の教育活動
【他の国立大学法人,公立・私立大学・高等専門学校での非常勤講師】
電気通信大学にて「総合演習」,新潟工科大学にて「情報科教育法T・U」,上越保険医療福祉専門学校にて「統計と情報の科学」の授業科目を担当した。
特色ある点及び今後の検討課題等
学生が単に教育に関わる理論的な知識について理解を深めるだけでなく,実践知を経験的に習得する場を授業の中に意図的に組み込んでいる。第1に,学習臨床研究の特色を活かし,学校現場で収集した様々な授業実践の映像や写真,授業記録,実際に用いられた学習教材を講義や演習のための資料として取り上げ,より学校現場に即したかたちで,理論と実践との結びつきが実感できるよう配慮している。第2に,協働と省察のもつ学習効果をねらいとし,グループワークによる協調学習や相互交流の時間,及び,受講者個人による内省シート記入や他者による学習フィードバックの時間を確保し,多声的な対話のもとで理論と実践に対峙できるよう配慮している
特に,グループワークによる協調学習や相互交流を様々なかたちで数多く経験することで,「学習する組織」である学校,その「一員」である教師としての力量を形成できる。このことは,「学び続ける教師」としての付加価値の高い人材の養成につながる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年4月:『中学校実習における協働的省察行為に関する基礎的研究 ―上越教育大学の教育実習ルーブリックを手がかりに―』(共著)日本教育大学協会研究年報,第31集,pp.105-117
発】(1)平成24年11月:『Study on the Effects of Collaboration and Reflective Action-Derived Workshop-Based On-Campus Training on Teaching Ability』(共著)Conference Abstracts,The World Association of Lesson Studies (WALS) International Conference2012, p.129, Singapore.
(2)平成24年11月:『新設領域「資料の活用」の指導における電子教材を取り入れた授業の開発』(共著)日本教育実践学会第15回研究大会論文集,pp.12-13,兵庫
(3)平成24年11月:『特別な教育的ニーズのある子どもが在籍する通常学級における学級づくり ―I教諭の授業実践モデルに着目して―』(共著)日本教育実践学会第15回研究大会論文集,pp.72-73,兵庫
(4)平成24年11月:『協働と省察による校内研修が教師の授業力の向上に及ぼす影響(6)〜埼玉県秩父市における学級経営に焦点を当てたワークショップ型教員研修プログラムの開発と実践〜』(共著)日本教育実践学会第15回研究大会論文集,pp.96-97,兵庫
(5)平成24年11月:『ICT活用の模擬授業を題材とした協働と省察による指導力の向上 ―グループ−グループ間の相互作用に着目したワークショップ―』(共著)日本教育実践学会第15回研究大会論文集,pp.98-99,兵庫
◎特色・強調点等
学習臨床研究をつよく意識しており,研究で得られた成果は,全て実践的な研究フィールドでの評価を通じて,実証を試みたものである。その多くは,教育工学の研究アプローチにより開発されている。開発研究の成果として,完成された授業プログラムや学習教材は,直ちに学校現場の実践へと活用できる実用性を有している。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
学校に基礎を置くカリキュラム開発の考え方にもとづいた情報教育のための授業改善のモデルを構想し,実際に地域の学校と連携して,情報教育の授業づくりや学校の情報化についての支援を行っている。これら一連の活動は地域貢献に留まらない。大学講義の改善にも効果がある。具体的には,学校−大学間の連携で得られた実践知のエッセンスを教職理解のためのケースメソッド教材にし,大学の講義において学生に伝達することを試みている。
 

古 閑 晶 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
シラバスをもとに,見通し振り返る自己評価場面を初日と最終日に設定し,学習観・授業観の更新を認識できるようにした。また,学習過程の構想・展開の要素が認識できるよう,授業開始10分間を活用した「ことばタイム」の演習,少人数による演習形式での学習の意味づけや学習過程デザイン案及び教材の作成・模擬授業・授業後セッションを実施した。さらに,学校現場との連携で授業観察場面を設け,実践場面における学習過程の姿から学びとその要因を意味づけ,学習過程デザインや展開の在り方につなぐようにした。
【観点2】教育の達成状況
自己評価レポートや演習時の学生・院生の姿,授業評価結果及び教職への進路状況から,おおむねシラバスに明記した到達目標(学習過程デザインの要素の理解やその組織化による構想,学習過程の姿と要因の省察など)は達成されたと捉えられる。
研究指導
【観点1】学部
毎週の大学院生との合同セミナーにおいて研究発表・協議を行うことで,多面的な視点から自身の研究テーマの追究・省察を促した。また,各自の研究テーマに関する実践理論の構築と同時に,研究授業の構想・展開を促すために,指導案検討や模擬授業等を実施したり,子どもの姿を多面的に意味づける省察を重視したりした。実践セミナーでは,附属小学校・公立学校と連携し,授業観察する中で,学習者の学習過程過程を分析・考察し,思考表現の進化過程や言語知識・技能の更新過程の有り様を大学院生と共に臨床的に考究することができた。
【観点2】大学院
毎週の研究発表・協議と,定期の構想・中間発表場面を設定し,研究テーマの追究・省察を促すようにした。また,先行研究の吟味による理論構築やそれに基づく検証授業の実践,意味生成にかかる子どもの学習過程の姿の分析観点や分析考察の妥当性,成果課題の適否などを重視した。協議で顕わになる研究テーマの違いによる多面性や相互の価値観の差異から,改めて臨床的研究の有り様を問い直す姿が伺える。実践場面分析演習では,附属小学校・公立学校と連携し,授業観察する中で,意味を生成する子どもの学習の姿をとらえ,分析・考察し,思考表現の進化過程や言語知識の更新過程の内実を考究することができた。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属小学校2012年研究 研究協力者
特色ある点及び今後の検討課題等
学習に関する臨床的研究を核にして,理論と演習による教育活動を貫くことで,学習過程の有り様を多面的に捉え直し続けながら,自己課題を追究することができるのではないかと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『言語活動の充実に関する指導事例集〜思考力,判断力,表現力等の育成に向けて〜【中学校版】』(単著) 文部科学省
論】(1)平成25年3月:『対話を核とする学習過程デザインの要件−連詩創作における共創的対話の考察−』(単著) 国語科教育第73集 pp.23-30
(2)平成24年5月:『対話を核とする学習デザイン−連詩創作と共創的対話の有機的連関に着眼して−』(単著) 国語科教育研究 第122回筑波大会研究発表要旨集 pp.289-292
業】(1)平成25年3月:『言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究』(単著) H23・24年度上越教育大学研究プロジェクト研究報告書 言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究 pp.2-15
(2)平成25年3月:『学習臨床研究における学部・大学院連携セミナーのプログラム開発−「実践セミナー」を核とした学士力・教師力向上プログラム−』(単著) 学士力・教師力を高める教員養成カリキュラムの開発報告書 pp.13-16 
(3)平成25年3月:『言語活動が成り立つ国語科学習過程の「構想」の要素』(単著) H23・24年度上越教育大学研究プロジェクト研究報告書 言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究 pp.65-68
(4)平成25年3月:『言語活動が成り立つ国語科学習過程の「展開」の要件』(単著) H23・24年度上越教育大学研究プロジェクト研究報告書 言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究 pp.69-73
発】(1)平成24年5月:『対話を核とする学習デザイン−連詩創作と共創的対話の有機的連関に着眼して−』(単) 全国大学国語教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究−附属小学校:詩創作− 代表者:古閑晶子(上越教育大学) 上越教育大学研究プロジェクト
(2)言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザイン研究−上越市立大町小学校:説明文作成− 代表者:古閑晶子(上越教育大学) 上越教育大学研究プロジェクト
(3)自分らしい生き方をつくる子ども−子どものつくる意味をみる− 代表者:水谷徹平(上越教育大学附属小学校) 上越教育大学附属小学校2012年研究
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月26日〜平成24年5月27日:全国大学国語教育学会 第122回全国大学国語教育学会筑波大会研究発表出席, (2)平成24年8月6日〜平成24年8月7日:日本国語教育学会 第75回国語教育全国大会出席, (3)平成24年9月8日:日本学校図書館学会 平成24年度日本学校図書館学会研究発表大会出席, (4)平成24年9月15日:日本国語教育学会 平成24年度日本国語教育学会新潟県支部総会・研究会出席出席, (5)平成24年10月27日〜平成24年10月28日:全国大学国語教育学会 第123回全国大学国語教育学会富山大会出席出席
◎特色・強調点等
研究プロジェクトを中核として国語科学習過程の臨床的・実践的研究に取り組み,その成果を論文,学会,研究報告書等で発表した。また,数校の学校現場と連携し,今日的課題である「言語活動の充実」を図る授業づくりに正対することにより,言語活動が成り立つ国語科学習過程の授業デザインの構築・検証を行うことができた。今後も学校現場と一層連携し,学習過程の構想及び展開過程における各要素とその組織化にかかる詳細な分析検討を試み,その成果を学会発表及び論文にまとめていくよう努める。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:上越市立大町小学校研究推進委員会研修講師(上越市立大町小学校)
(2)5月〜6月:上越市立安塚小学校国語科授業研修指導者(上越市立安塚小学校)
(3)6月:上越市教育委員会国語科学習指導研修協力者(上越市教育委員会)
(4)6月:平成24年度教科リーダー養成講座(小・中学校)講師(新潟県立教育センター)
(5)6月:上越市立黒田小学校校内研修講師(上越市立黒田小学校)
(6)7月:上越市立稲田小学校校内研修講師(上越市立稲田小学校)
(7)7月:柏崎市立剣野小学校校内研修講師(柏崎市立剣野小学校)
(8)7月〜3月:名古屋市教育研究員指導者(名古屋市教育センター)
(9)8月:教職12年経験者研修コース別研修(学習指導コース)講師(新潟県立教育センター)
(10)7月〜8月:上越国語教育連絡協議会夏季研修会講師(上越国語教育連絡協議会)
(11)8月:授業力向上研修会講師(上越市教育センター)
(12)8月:上越市立安塚小学校校内研修講師(上越市立安塚小学校)
(13)8月:糸魚川市教職員研修講師(糸魚川市教育委員会)
(14)8月:中魚支部国語サークル研修会講師(公孫会中魚支部国語サークル)
(15)8月:湯沢町立神立小学校校内研修講師(湯沢町立神立小学校)
(16)9月:上越市立諏訪小学校校内研修講師(上越市立諏訪小学校)
(17)10月:新潟県小学校教育研究会 学習指導改善調査研究事業 公開校・実践事例報告会講師(新潟県小学校教育研究会)
(18)11月:糸魚川市教育研究会国語部研修講師(糸魚川市教育研究会)
(19)11月:上越市立大手町小学校研究推進委員会研修講師(上越市立大手町小学校)
(20)11月:南魚沼市国語サークル研修会講師(南魚沼市国語サークル)
(21)2月:三条市国語サークル研修会講師(三条市国語サークル)
(22)6月〜2月:上越国語同好会例会顧問(上越国語同好会)
(23)2月:平成24年度第3回研究プロジェクト成果発表会発表者(上越教育大学)
◎社会への寄与等
各種教育団体から派遣申請を受けた研修や出前講座は,申請団体からの要望を重視し,ニーズに応じた研修内容・講座内容となるよう実施箇所ごとに再構成して臨むようにした。また,学校や教育研究団体,県・市教育委員会等が掲げる教育研究課題の追究・解決に資するよう,学習者の姿をもとに国語科授業再考の視点を臨床的・実践的レベルで伝えるように努めた。
 

角 谷 詩 織(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
受講生の人数や状況に合わせ,授業形態や学習指導法を工夫できた。受講生の学習への取り組みに応じて評価できた。
【観点2】教育の達成状況
概ね達成できた。
研究指導
【観点1】学部
指導学生なし。
【観点2】大学院
論文講読方法,研究テーマの絞り込み,教育実践の場への定期的な関わり,具体的な分析方法,統計手法を指導できた。
その他の教育活動
・ 附属幼稚園の研究協力者,運営指導委員の役割を担った。
特色ある点及び今後の検討課題等
附属幼稚園との連携を図ることができた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『小学1年生1学期の発達・適応を促進する幼児教育 : 上越教育大学附属幼稚園出身児童の特性に基づいて』(共著) 上越教育大学研究紀要, Vol.32, pp127-136
(2)平成25年3月:『探究的に学習することの価値』(共著) 初等教育資料 No.897 pp.54-63.
(3)平成25年2月:『学びに向かう力を伸ばす新1年生指導:幼児期の遊びを通した学びをつなげ「出来る」よりも「やりたい」思いを増やす』(共著) VIEW21 Vol.4  pp.4-9
発】(1)平成24年9月:『小学1年生の作文の変化』(共) 日本心理学会第76回大会
他】(1)学びに向かう力を伸ばす新1年生指導:幼児期の遊びを通した学びをつなげ「出来る」よりも「やりたい」思いを増やす 対談(ベネッセ教育研究開発センター)
(2)文部科学省初等教育資料対談(文部科学省)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「小学1年生1学期の学習適応に必要な力:授業中の躓き場面から」代表者:角谷詩織(上越教育大学) 博報堂 第8回 児童教育実践についての研究助成事業
(2)「幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続に向けた学習者の学び合い,支え合う協同体の育成を目指すカリキュラムと指導方法等の研究開発」代表者:上越教育大学附属幼稚園(上越教育大学附属幼稚園)
(3)「「自分のことばによる説明」が学習理解を促進する過程」代表者:角谷詩織(上越教育大学) 科学研究費 若手研究(B)
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月11日〜平成24年9月13日:日本心理学会第76回大会出席
◎特色・強調点等
幼少接続や小学1年生の学校適応に関する研究に深くかかわることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県国公立幼稚園長協会研修会講演(新潟県国公立幼稚園長協会)
(2)上越市幼小連携,上越の教育を語る会 上越市学校教育研究会 幼児教育部会講演会(上越市幼小連携,上越の教育を語る会)
(3)胎内市 教育委員会 講演(胎内市 教育委員会)
(4)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(5)上越市環境保全委員(上越市)
 

田 島 弘 司(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業形態は,学生間の学び合いを重視し,グループごとの話合い活動を多く取り入れた。成績評価の方法は,シラバスで明示するとともに授業でも説明した。出席,電子掲示板への書き込み,レポート等による総合的な評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
ゼミの学生で卒業した2名の学部学生のうち,教員としての正規の採用は1名で他の1名は一般企業に就職した。大学院の修了生はいなかった。
研究指導
【観点1】学部
学部3年生に対して,ゼミ生全員へのゼミ指導に加えて,個別のゼミ指導を行い,論文の研究テーマに関する文献の読み方や分析の仕方等について専門的な研究指導を行った。学部4年生に対しては,前期は学部3年生と同様の指導を行い,後期は主に卒業論文の指導を行った。
【観点2】大学院
高度な臨床的な実践力を修得させるために,研究課題への取組を文献調査にとどまらせず,研究対象となった教育施設等へのフィールドワークを行わせた。
その他の教育活動
・ 不識会(座禅部)の顧問として,座禅研修のため4回林泉寺に同行した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『笑って元気!楽しい笑いヨガ』(共著) ベースボールマガジン社
(2)平成24年6月:『現代国際理解教育事典』(共著) 明石書店
発】(1)平成24年7月:『異文化コミュニケーション』(単) 日本国際理解教育学会
(2)平成25年3月:『震災復興を担う中核的人材育成「いわて高等教育コンソーシアム」特別講義「絆・仲間作り」を担当して』(単) 日本コミュニケーション学会東北支部
他】(1)平成24年4月:『「朝の随想」/主に筆者の趣味や研究などについて紹介』 NHK新潟放送局ラジオ
(2)平成24年7月:『「にいがたオアシス21」No.71/インタビュー「インド発祥 ヨガの実践者 田島弘司さん」』 新潟県社会福祉協議会総合情報誌「にいがたオアシス21」
(3)平成24年10月:『「みんな笑って心も体もリフレッシュ笑いヨガ愛好者増加中」/笑いクラブの紹介』 テレビ新潟「夕方ワイド新潟一番」
(4)平成24年4月:『「子と触れ合いに笑顔 保育士ら笑いヨガ体験」/上越私立保育研究会主催の講演会の紹介』 15頁
◎特色・強調点等
日本人が始めて書いた「笑いヨガ」の指導書を共同執筆し出版したが,それは2010年度からの笑いヨガの実践と研究を踏まえての成果をまとめたものであった。また,日本国際理解教育学会の研究大会,日本コミュニケーション学会東北支部の定例研究会でも「笑いヨガ」の実践と研究の成果を発表し意見交換を行った。また,社会貢献として笑いヨガ関係の出前授業や講演会を多様なニーズに応えて数多く実施した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)笑いクラブ講師(ボランティア活動)(奇跡の笑いクラブin上越)
(2)上越市教育コラボ2012「教育に役立つ笑いヨガの紹介と体験」講師(上越市教育委員会)
(3)上越ヨガフェスタ「笑いヨガ」講師(上越ヨガフェスタ実行委員会)
(4)出前講座「笑いヨガ(笑いの健康法)で明るく楽しく元気に!」講師(上越市私立保育園保育研究会)
(5)笑いヨガの講話と指導(特定非営利活動法人スキップ)
(6)笑いヨガ講習(斑尾高原妙高区婦人部)
(7)春日地域高齢者講座講師(上越市教育委員会公民館)
(8)講演会「笑いで健康増進をしましょう」(国府一丁目町内会)
(9)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(長岡市立関原小学校)
(10)地域復興を担う中核的人材育成プラン特別科目講師(いわて高等教育コンソーシアム)
(11)講演「笑いヨガ」(聖和学園高等学校)
(12)「第6回燕市老人福祉大会」における講演(燕市老人クラブ連合会)
(13)「いきいき講座」講師(三和区老人クラブ連合会)
(14)出前講座「笑いヨガで思春期の子どもと明るく楽しく接しよう」講師(上越市立春日中学校)
(15)講演「笑いヨガ」(柿崎区老人クラブ連合会)
(16)出前講座「笑いヨガ体験〜輝く笑顔で健幸(健幸で幸せ)を〜」講師(上越地区郵便局長婦人会)
(17)「健康づくり講座」講師(公立学校共済組合)
(18)講演「笑う門には福来たる」(総合型クラブ「チャレンジ夢クラブ西山」)
(19)「町内講演会(健康講座)」講師(上越市北城町内会)
(20)第44回五智歴史の里文化講演会「笑いが日本を元気にする」講師(五智歴史の里協議会)
(21)笑って元気講演会講師(長野県飯山市地域包括支援センター)
(22)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に」講師(県立三条高等学校)
(23)「元気の出るふるさと楽習塾」講師(柿崎地区公民館)
(24)出前授業「笑いヨガで明るく楽しく元気に1」講師(十日町市立橘小学校)
(25)女性部健康講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(大島商工会女性部)
(26)「第1回ブロック研修」講師(ヘルパーステーション上越南)
(27)「さわやかリフレッシュ教室」講師(上越市シルバー人材センター)
(28)講演「笑いヨガ」(春日山寿会)
(29)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(公孫会中魚支部)
(30)「いきいき・すこやか講座」講師(西城町4丁目寿会)
(31)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(新潟県教職員組合上越支部)
(32)「健康講演会」講師(NPO牧振興会)
(33)記念講演会講師(コス経営研究会)
(34)「新潟市巻地区長寿大学」講師(牧地区公民館)
(35)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(妙高市立新井中学校)
(36)「つばめ福祉会友の会」講演(社会福祉法人つばめ福祉会)
(37)お馬出しプロジェクト「笑いヨガ」講師(お馬出し塾)
(38)「JAグループ新潟「家の光」大会記念講演」講師(新潟県農業協同組合中央会)
(39)「上越市倫理法人会モーニングセミナー」講師(上越市倫理法人会)
(40)「ボランティア研修」講師(上越市社会福祉協議会安塚支所)
(41)「陽だまりサロン」講師(子安田町内会「陽だまりサロン」)
(42)青海地区社協「ボランティア講座」講師(糸魚川市社会福祉協議会)
(43)「新井ロータリークラブ例会」講師(新井ロータリークラブ)
(44)「冬期健康教室」講師(えちご上越農業協同組合わかば営農生活センター)
(45)「健康についての講演会」講師(公益社団法人高田法人会)
(46)「すまいる・えいじんぐの会」講師(上越市社会福祉協議会頸城支所)
(47)「サロンボランティア研修会」講師(上越市社会福祉協議会浦川原支所)
(48)「いきいきサロン新春の集い」講師(まちづくり大潟)
(49)出前講座「笑いヨガで明るく楽しく元気に!」講師(JA越後中央女性部)
(50)「じょんのび会」講師(上越市社会福祉協議会頸城支所)
(51)「妙高市倫理法人会モーニングセミナー」講師(妙高市倫理法人会)
(52)「職員研修」講師(上越市立教育センター)
(53)笑いヨガ講演会講師(湯沢町健康福祉課)
(54)「消費生活講演会」講師(上越市消費生活センター)
◎社会への寄与等
地域社会の様々な団体からの健康や教育に関する課題についての講演会や研修会の依頼に対して,都合のつく限り応えて実施した。マスコミによる報道,あるいは各講演会や研修会の参加者の口コミによって,非常に多くの依頼が殺到することとなった。よって,筆者の研究及び実践(主に「笑いヨガ」)は,地域社会に広く受入れられ比較的高く評価されたと考える。
 

城 間 祥 子(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
・ 「学習臨床支援特論」「学習臨床学特論」「学習場面観察基礎」の授業では,講義とグループワーク(あるいは個人ワーク)を組み合わせ,学習内容をより深く理解できるように工夫した。
・ 「表現・状況的教育方法演習」の授業では,講義支援システムを活用して毎回ミニレポートを書いてもらい,授業の中で感じたことや考えたことを振り返ることができるように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
・ 授業については,レポートの記述内容や授業評価アンケートの結果から,おおむね当初の目標を達成できたと考えている。
研究指導
【観点1】学部
・ ゼミ生が一人であったため,本人の希望や状況にあわせて個別に指導を行った。
【観点2】大学院
・ 大学院生の研究指導は担当していない。
その他の教育活動
・ 該当なし
特色ある点及び今後の検討課題等
初めて担当する授業ばかりだったため,学生の反応を見て調整しながら授業を進めていった。状況論的な見方は学習支援のあり方を考える上で重要なものだが,学生にとってはこれまでになじみのない考え方のため理解することが難しい。普段当たり前だと思っていることが実は当たり前ではないということに気づいてもらえるよう,具体的な事例やディスカッションのテーマなどをさらに工夫したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年7月:『学習環境のデザイン:状況論的学習観にもとづく学習支援』(単著) 教育創造(高田教育研究会),第171号,46-51.
(2)平成25年3月:『大学・短大・高専教員の研修ニーズとFDの課題』(共著) 大学教育研究ジャーナル,第10号,67-79.
業】(1)平成25年3月:『小道具を使った授業への誘い』(共著) 日本高等教育開発協会
(2)平成25年3月:『知識創造の場としての小中合同ワークショップ型教員研修の可能性』(単著) 平成22-24年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書『協働と省察による校内教員研修が教師の授業力と学習者の学力向上に及ぼす影響』(課題番号 22300283)(研究代表者 南部昌敏),pp.73-76.
発】(1)平成24年5月:『修士論文作成過程での学びに関する大学院生の自己評価』(共) 大学教育学会第34回大会
(2)平成24年5月:『大学院生が学習支援を通して得られる教育的効果』(共) 大学教育学会第34回大会
(3)平成24年8月:『主体的な学習を支援する学習環境とは』(単) 第2回高等教育開発フォーラム
(4)平成24年9月:『協働と省察による校内教員研修が教師の授業力の向上に及ぼす影響(5)〜ワークショップ型校内教員研修の普及・啓発方法の検討〜』(共) 日本教育工学会第28回全国大会
(5)平成24年11月:『外部の専門家による伝統・文化の教育に関する語りの分析』(単) 日本教育心理学会第54回総会
他】(1)平成24年6月:『学習環境デザインで能動的な学習を支援する@ 能動的な学習を支援する』 教育学術新聞,第2485号(平成24年6月13日水曜日発行)
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月26日〜平成24年5月27日:大学教育学会第34回大会出席, (2)平成24年8月27日〜平成24年8月29日:日本発達心理学会2012年度国際ワークショップ出席, (3)平成24年8月30日〜平成24年8月31日:日本高等教育開発協会第2回高等教育開発フォーラム出席, (4)平成24年9月1日〜平成24年9月2日:日本質的心理学会第9回大会出席, (5)平成24年9月15日〜平成24年9月17日:日本教育工学会第28回全国大会出席, (6)平成24年11月24日〜平成24年11月25日:日本教育心理学会第54回総会出席, (7)平成25年3月20日〜平成25年3月22日:日本高等教育開発協会「FDerの専門性向上に関する研究会」出席
◎特色・強調点等
学習環境デザインの視点から学習支援のあり方について考察を行い,教員向け雑誌,高等教育機関向けの新聞に論文を寄稿した。また,これまでに取り組んできた学校と専門家の連携に関する研究を発展させ,ワークショップにおける学習についても研究を始めた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)5月:教育改善研修会講師「学生の学びを促すシラバスの書き方」(新潟工科大学)
(2)10月:教育コーディネーター研修会講師「汎用的能力育成に研究室が果たす役割」(愛媛大学)
◎社会への寄与等
FD研修会の講師として,高等教育機関の教職員に対する教育支援を行った。
 

 野 浩 志(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
インストラクショナルデザインを用いた授業を展開している。
【観点2】教育の達成状況
学習目標としているものに十分達成していると考えられる。
研究指導
【観点1】学部
指導学生なし。
【観点2】大学院
5人に対して,それぞれ,週1回以上のゼミをおこなった。
個別対応のために,かなりの時間を費やした。
その他の教育活動
・ 卓球部の顧問をおこなっている。
 

橋 本 定 男(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
(1)教育方法について
学部の授業においては,@現職教師時代の実践研究や体験を生かし,講義内容に結びつけて教師の喜びや実践研究のおもしろさ,楽しさなどを伝えるよう工夫した。(本大学はこの側面が重要)。A教育活動の映像やリアルタイムの学習指導案などを使い,現場の実際の動きや課題を実感的に理解できるよう工夫した。B今日的なテーマを話題に議論したり,ミニレポートを提出させ討論したりするなど,自分で考えることと議論することの両方から理解の深まりを図った。
大学院の授業では,@実践現場でのリアルな課題や問題点,学会や研究者間の問題意識・議論テーマ等を取り上げ,講義内容に関連させ,理解や追究の深まりを図った。A私の研究テーマ(学級集団における合意形成)について成果を伝え,それを議論し合いながら,特別活動及び生徒指導における実践方法と研究方法の統合について追究意欲を高めることを図った。B学校現場での教育実践の開発,改善に結びつく実践活動,研究活動の在り方について議論する機会を取り入れたが,さらに増やす必要を感じている。
(2)成績評価について 
学部においては,@課題を課してミニレポートを,ほぼ毎時間提出させるようにした。この内容と授業での質問への答えや議論のときの発言を評価素材として活用した。A学校現場におけるリアルな生活感のある話題なども直に伝えることを自身のミッションと思い,それを受け止めてもらいたいので,「出席」を重視した。直に私から聞いてもらわないと意味が弱まると思うからである。
大学院では課題レポートを最終判断に活用した。今日的テーマについて自分の考えをまとめ表現することを評価基準として大切だと考えるからである。
【観点2】教育の達成状況
(1)学部卒業生
教師として現場に立っている卒業生から,難しい学級を担任し健闘しているとか,危機的な場面を乗り越えたとか,がんばっている話を聞いている。教師と子どもの人間的なかかわり方や,自身の現場体験から事例や体験などを折にふれ語るようにしたことの効果を感じている。また,いじめ問題等リアルな実践について議論する工夫も試みた。レポートで問題状況に正面から向かう姿勢を述べる学生が増えている。
(2)大学院修了生
現場復帰後に大規模校の研究主任となり,特別活動・学級づくりの研究成果を学校の研修活動づくりに生かしている。また大学に復帰し研究者として活躍を開始した。学会(日本特別活動学会)の若きホープとして理事会に入り,諸企画の幹事を任されるなど活躍している。
研究指導
【観点1】学部
1名の卒業研究を指導した。研究テーマ「学級会において納得ある集団決定に至るまでの話合い過程に関する一考察〜意見の『からまり』に着目して〜」実際に実践現場に出かけ,数多くの(10回以上)の授業を参観していた。研究的な視点をもち,ビデオ映像を撮りながらの観察である。観察結果を丁寧に整理し考察することで,特別活動実践に関して理解を高いレベルで深めることのできる論文を作成できた。
【観点2】大学院
1名の修士論文を指導した。研究テーマ「小学校学級活動『(1)学級や学校の生活づくり』における教師の指導性に関する研究〜エスノグラフィックな手法による学級会の分析を通して〜」自身の学級会指導体験を踏まえながら,3人の学級会指導に熟達した教師による授業を観察した。質的研究(エスノグラフィック)の手法で比較・分析し,研究対象になりにくかった学級会指導の働き掛け全体(ふるまい)とその意図や根拠を総合的にとらえようとした。査定において非常に高い評価を得た。
その他の教育活動
・ 新潟県立大学で非常勤講師として「特別活動論」を開講
・ 高崎経済大学で非常勤講師として「特別活動」を開講
特色ある点及び今後の検討課題等
授業については,ミニレポートを読み,選んだものを次の講義に使い,どのようなことを考えているか共有したり議論に使ったりするなど工夫を始めた。
研究については,学級会における合意形成のパターンや指導方法が明確になってきたので,学会で発表したり,論文として整理したりする段階に入った。
集中講義については,教員養成課程でない学生相手なので引き付ける工夫が必要だが,その工夫は大学での授業に直結するので双方に役立だったと思う。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年3月:『学校力アップとカリキュラム・マネジメント』(共著) 学校図書
(2)平成24年4月:『校長・教頭の支援術』(共著)教育開発研究所 
論】(1)平成24年6月:『学習の遅れを取り戻す』(単著) 児童心理 臨時増刊 第951号 pp.138-140
(2)平成24年11月:『「私」と「みんな」の間を先頭でくぐる』(単著) 児童心理 第958号 pp.59-64
発】(1)平成24年8月:『小学校話合い授業における合意形成パターン』(単) 第21回日本特別活動学会研究発表
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1) 児童生徒の社会的・職業的自立を促すキャリア教育の研究 代表者:白木みどり(上越教育大学准教授) 上越教育大学研究プロジェクト
学会活動への参加状況
(1)8月25日〜26日:日本特別活動学会出席, (2)平成24年度日本特別活動学会理事,研究開発委員,応募論文査読
◎特色・強調点等
学級集団における話合いに関する研究で,合意形成に至るパターンや指導法について行った研究は,深まって集団決定する学級会事例自体が少なく,その様相や指導方法を研究的に扱ったものがないことから,一層関心が高まっており,新潟市や富山県において実践現場との協同的な取組みが進んできている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)国立妙高少年自然の家・施設業務運営委員
(2)新潟県教育委員会・社会性育成パイロット事業・指導助言者
(3)見附市教育委員会・学校評価アドバイザー  教育ソリューション2013in見附(平成25年2月27日)指導者・コーディネーター
(4)上越教育事務所・学校派遣カウンセラー
(5)上越市立教育センター・学級経営研修講座講師
(6)富山県小学校教育研究会・特別活動部会・指導助言者,研究発表会(平成24年11月6〜7日)講演
(7)長岡市小学校教育研究会・特別活動部会・指導助言者,研究発表会(平成24年6月22日)講演
(8)仙台市小学校教育研究会・特別活動部会・指導助言者,研究発表会(平成24年12月5日)講演
(9)教員免許状更新講習講師・選択科目「学級づくりに生かす話合い活動指導の基礎と応用]教育の最新事情」
 @上越教育大学主催:佐渡会場,長岡会場,上越会場)A新潟工科大学主催・柏崎会場
(10)板倉中学校区・絆スクール・指導者
(11)教育実践研究センター紀要「教育実践研究」応募論文の査読
(12)新潟県特別活動研究会・顧問,全国特別活動研究会・参与
◎社会への寄与等
特別活動やいじめ問題対策など自分の専門性を生かした形で県教育委員会や教育事務所,市教育委員会などとかかわることができ,大きな達成感がある。また,学校経営についても見附市教育委員会にかかわって継続して仕事ができ,やり甲斐を感じる。教員免許状更新講習で4会場で講師を務めた。いい体験となった。
 

安 藤 知 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
大学院授業では,講義と小グループでの意見交換,全体協議とを適宜織り交ぜることで,多様な受講者のニーズに応じ,主体的関与の機会を提供するように工夫し,より深い熟考が促されるように配慮した。学部授業では,毎回必ず受講者自身が発信する機会を取り入れ,双方向のやりとりを経て自身の学びの内容を整理集約できるように,授業記録を活用した。教材についても具体事例や具体物,視聴覚資料などを充実させ,実践場面に即した思考力・判断力を鍛えられるように配慮した。成績評価については,昨年度に引き続き出席やレポート提出,議論への積極的参加や,様々な作業での発言内容等も全て加味して得点化し,一覧できる成績評価シートを作成し,活用した。
【観点2】教育の達成状況
各講義の目標はほぼ達成できた。学部,大学院ともに比較的良好に受講者の積極的,主体的な学習活動を促すことができた。特に,学部「教師・授業文化論」では,高等学校での体罰自殺事件を時宜を捉えて講義内容に取り入れ,切実な学校現場の課題を“自分事”として捉え,具体的実践方策へとつなげて思考する省察力を高めることができた。この時の受講者の思考の軌跡をワークシート報告集として作成し関係者へ配布した。
また,指導学生の進学状況は,免許プログラム生1名の修了であったが,正規採用で教職へ就いている。当該学生は成績優秀者として奨学金の返還免除を認められている。
研究指導
【観点1】学部
まだ漠然とした問題関心を焦点化するために,学校教育に関する今日的課題の理解と,先行研究論文の読解に重点をおいて指導を行った。学校教育の実践的研究については,長野県伊那小学校公開研究会への参加を促し,実際に体験しながら自身の課題意識を固めていくように指導した。あわせて,自らの課題意識を探究する過程が卒業研究であり,それを文章に集約したものが卒業論文であることを具体的に理解し,自分なりのイメージを持つために,先輩の卒論を全員で講読する時間も設定した。
【観点2】大学院
経験的で漠然とした問題関心を,理論的に捉え,そこでの関心に答えを導き出すための分析方法の学習と思考訓練に重点をおいて指導を行った。特に,先行研究を丁寧に読解しつつ自らの主張を組み立てる作業について,多様な関心を持つ院生間での議論が活かされるよう配慮した。また,他コース院生,教職大学院院生等からの相談にも広く応じ,研究活動への支援を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
学部,大学院ともに,多様な学習手法を活用し,受講者の主体的学習を促す工夫を継続して行っている。課題内容に対して主体的に思考し,積極的に発信し,他者の考えに耳を傾けて更に熟考する姿勢を養成することで,省察的実践家の基礎を身につけるよう促している点が,第一に特色ある点である。また,それと共に,実在する実践事例をパワーポイント等で具体的に紹介したり,可能な範囲で学校現場へ出向いたり現職教員に話をしていただくなどの臨床性を高める工夫を行った点が第二の特色ある点である。
ただし,受講者が多い授業での,レディネスやニーズの多様性に応じた講義の進め方については,まだ検討の余地があり,今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年8月:『カリキュラム開発の促進条件に関する研究』(共著) 教育開発研究所
論】(1)平成24年8月:『「上越カリキュラム」における教育委員会の主導性と個別学校の自主性・自律性』(単著) 学校教育研究(日本学校教育学会),第27号,64-78頁
(2)平成25年2月:『学校評価結果の公開に関する学校の意識−新潟県公立小学校の学校HPの実態分析から−』(単著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,1−11頁
業】(1)平成24年5月:『管理職はどんな支援体制をつくる必要があるか』(単著) 教職研修,第40巻第9号,29−31頁
(2)平成25年1月:『ミドルリーダーの役割−組織学習活性化のために−』(単著) 教育展望,第59巻第1号,26−30頁
(3)平成25年3月:『女性初等教員のキャリア形成』(共著) 平成23・24年度上越教育大学研究プロジェクト報告書
(4)平成24年10月:『自己改善する学校組織のために』(単著) 月刊プリンシパル,第16巻第12号,18−21頁
(5)平成25年3月:『<学校力>向上を規定する組織の内的要因に関する研究・中間報告書・資料集』(単著) 平成23−25年度基盤研究(C)研究代表者:安藤知子
発】(1)平成24年10月:『学校を評価する<まなざし>に関する一考察』(単) 日本教育行政学会第47回大会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)地域の教育課題を探究するスクールリーダーシップに関する研究 代表者:辻村貴洋(上越教育大学) 上越教育大学研究プロジェクト
(2)女性初等教員のキャリア形成−ライフコースにおける大学院教育の位置づけとその物理的環境− 代表者:細江容子(上越教育大学) 上越教育大学研究プロジェクト
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本学校教育学会シンポジウム分科会コーディネータ, (2)平成24年7月27日〜平成24年7月29日:日本学校教育学会第27回研究大会出席, (3)平成24年10月27日〜平成24年10月28日:日本教育行政学会第47回大会出席, (4)平成24年9月7日〜平成24年9月8日:日本教師教育学会第22回研究大会出席, (5)平成24年6月8日〜平成24年6月10日:日本教育経営学会第52回大会出席
◎特色・強調点等
上越市内の2小学校において学校運営協議会委員を勤めつつ,学校と地域との連携の在り方を探求した。また,継続して学校長との研究協議によりスクールリーダー研修の在り方についても探求した。並行して科研費研究では,「特色ある取り組み」を行っている学校3校の訪問調査および聞き取り調査を進め,高い<学校力>を有する学校の教職員が「特色ある取り組み」に対して積極的に関与するための促進要因を質的に検討した。現時点では,教職員個々人の意味付与と,校長のリーダーシップとの関連性が重要な鍵になることを掴んでいる。以上の研究活動は,いずれも,<学校力>向上を目指す学校経営的取り組みを,多角的な「意味の生成」として解釈しなおし理解しようとする研究関心を有するものであり,単純な経営モデルとは異なる組織活動モデルを構築しようとする意義深いものである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越カリキュラム開発研究推進委員(上越市教育委員会)
(2)上越市教育委員会外部評価委員(上越市教育委員会)
(3)新潟県社会教育委員(新潟県教育委員会)
(4)6月:上越教育大学公開講座講師(上越教育大学)
(5)8月:教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(6)高志小学校学校運営協議会委員(上越市立高志小学校学校運営協議会)
(7)牧小学校学校運営協議会委員(上越市立牧小学校学校運営協議会)
(8)12月:新潟県教職12年経験者研修講師(新潟県教育委員会)
◎社会への寄与等
学校組織マネジメント,ミドルリーダーの役割論,学校評価や危機管理等,学校経営学に関する専門知識を活用して,上越カリキュラム開発研究推進委員会委員,新潟県社会教育委員,上越市内小学校学校運営協議会委員として活動を行い,また,10年経験者研修や教員免許状更新講習の必修講習講師等を務めた。学校教育,社会教育ともに多様な外部諸機関との組織的連携が課題となっている今日,教育実践を組織的に捉え,経営的発想をもって行動化していくことが重要な課題解決の手がかりとなっており,この点での理論的整理に際して寄与した。
 

生 澤 繁 樹(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
例年同様,大学院の授業では,取り扱うテーマやトピックスを毎年度刷新し,授業内容をたえずデザインしなおすことを試みた。また学部の授業では,オリジナルの授業教材を作成・配付し,必要に応じてパワーポイント,映像,ワークショップ型の授業など,様々な教育メディアを効果的に取り入れ,分かりやすさと発見をともなう授業をめざした。授業評価の結果を反省的に受けとめながら,入門的知識と専門的知識の間のバランスや授業難易度の設定など,受講者の関心の多様性に配慮しながら授業方法の改善を施している。受講者のリアクションを教材としてまとめ,受講者の意見や発言を授業のなかに積極的に還元していくこともこれまでと同様に実施した。成績評価の面では,受講者の各回の提出課題の評価に加え,試験の採点基準,評価のポイントを事前に周知し,厳密かつ公正な成績評価に努めた。
【観点2】教育の達成状況
授業評価の結果から判断する限り,授業における教育活動のねらいは,例年通り概ね達成されたと考えている。学習者自身の取り組み,授業者の授業内容,授業方法ともに,大学院・学部の授業科目において全体的に高い授業評価を得ていると考えられる。昨年度,一昨年度と同様,とりわけ学部の多人数授業においても,総じて高い評価を継続して得られた。主として教育の理念や歴史に関する講義を担当しているが,授業内における課題を充実させたこともあってか,授業への取り組みや意識についても比較的良い評価が得られた。ただし授業外での学習という面ではいくらか改善すべき課題が残ると考えられるため,授業中以外の努力・学習に結びつくような授業内容の提示,課題の出し方をさらに工夫したい。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生1名,3年生3名の指導を担当した。卒業論文の作成に向けて,関連する文献や資料の収集,先行研究の検討を行なった。毎週のゼミ内での研究報告,議論を通して研究課題についての考察・分析を加えるとともに,合同ゼミや卒論・修論検討会の実施など,大学院のゼミ生と研究交流する機会を設け,教育に関する高度な分析力と実践への基礎力を育むことをめざした。
【観点2】大学院
修士課程1年生4名,2年生3名,3年生1名(免許プログラム)の大学院院生の指導を担当した。また博士課程1年生1名の副指導教員として研究指導を行なった。とくに修士課程では,修士論文の作成に向けて,関連する文献や資料の収集,先行研究の検討を行なったほか,毎週のゼミ内での研究報告,ディスカッション等の諸活動を通して研究の基礎をかためつつ,研究課題に関する考察・分析を深めていった。また,研究活動の一環として,新潟市内の小学校の協力をいただき,オキュペーション理論に基づく総合的な学習の時間のカリキュラム開発に着手し,教育実践の改善の視点および教育プログラムを提供することができた。さらに学会報告・参加等を通じて,学内外の大学教員・学生との研究交流を積極的に図り,修士論文構想の報告・検討を合同ゼミとしても実施するなど,研究指導上のネットワークづくりも重視した。
その他の教育活動
・ 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科授業担当(「学校教育学特別研究」,後期集中)
・ 愛知県立大学非常勤講師(「道徳教育論」,前期集中)
・ 新潟県立看護大学非常勤講師(「教育学」,前期)
・ 富山大学非常勤講師(「教育の思想と歴史」,前期集中)
・ 新潟県立看護大学大学院非常勤講師(「看護教育学」,後期)
・ 富山大学非常勤講師(「教育の思想と歴史」,後期集中)
・ 教育実習における学生指導4名(実習校:上越教育大学附属小学校,上越市立南川小学校,上越市立高志小学校,糸魚川市立大和川小学校)
・ 学びのひろば顧問「ともだち☆ポケット」
特色ある点及び今後の検討課題等
大学院博士課程担当および学外非常勤講師として,教育学,道徳教育,教育思想と歴史,看護教育に関する科目を担当し,研究課題についての資料収集や研究上の交流を図ることができた。学内の授業評価だけでなく,学外(新潟県立看護大学)においても授業評価を実施し,高い評価を得ることができた。さらに,修士課程2年の所属ゼミ生2名が学会発表を行ない,修士論文作成に向けた中間的な研究成果をまとめる機会を得ることができた。学びのひろばクラブ担当顧問としては,各回の活動やイベントに積極的に参加し,顧問としての職務遂行に勤めた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年10月:『デューイの社会倫理学─1900-1901年シカゴ大学講義録を中心に─』(単著) 日本デューイ学会紀要,第53号,173-185頁
(2)平成24年10月:『「契約」と「経験」の思想史─近代の社会的想像と共同性の創出─』(単著) 近代教育フォーラム,第21号,131-148頁
(3)平成25年2月:『学校を変える/社会を変革するデモクラシー─D. マイヤー学校改革論の社会哲学的考察─』(単著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,13-24頁
(4)平成25年3月:『「防災道徳」の授業開発に関する研究─「道徳教育」と「防災教育」をつなぐ授業理論と実践─』(共著) 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター紀要,第21号,91-101頁
(5)平成24年5月:『教育はどのように問われるべきか─コメントと考察─』(単著) 教育哲学研究,第105号,58-62頁
(6)平成24年12月:『アメリカ政治思想のなかのジョン・デューイ─井上弘貴著『ジョン・デューイとアメリカの責任』を読む─』(単著) 政治哲学,第13号,61-66頁
業】(1)平成25年3月:『「洗うこと」のふしぎ─総合的探究に根ざしたプロジェクト型授業の開発と実践』(共著) 上越教育大学デューイ研究会オキュペーション授業成果報告書
発】(1)平成24年7月:『学校を変える/社会を変革するデモクラシー −リベラリズム・教養・学校選択−』(単) 日本カリキュラム学会第23回大会
(2)平成24年9月:『ジョン・デューイとグローバル化時代の「公衆」論 −デモクラシーの政治・教育・倫理−』(単) 日本デューイ学会第56回研究大会
(3)平成24年6月:『アメリカ政治思想のなかのジョン・デューイ −井上弘貴著『ジョン・デューイとアメリカの責任』を読む−』(単) 早稲田大学現代政治思想研究部会
他】(1)平成24年5月:『図書紹介:苫野一徳著『どのような教育が「よい」教育か』』(単著) 教育哲学研究,第105号,212-215頁
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「洗うこと」のふしぎ─洗剤から考える総合的探究の授業 代表者:生澤繁樹(上越教育大学)上越教育大学デューイ研究会,新潟市立小林小学校
(2)デューイ著作集検討会(政治1・哲学9チーム) 代表者:生澤繁樹(上越教育大学)デューイ著作集検討会(政治1・哲学9チーム)
学会活動への参加状況
(1)平成24年6月23日:上越教育経営研究会・2012年度研究発表会,於:上越教育大学出席, (2)平成24年7月7日〜平成24年7月8日:日本カリキュラム学会・第23回大会,於:中部大学出席, (3)平成24年7月28日〜平成24年7月29日:日本学校教育学会・第27回大会,於:武蔵大学出席, (4)平成24年9月16日〜平成24年9月17日:教育哲学会・第55回大会,於:早稲田大学出席, (5)平成24年9月22日〜平成24年9月23日:日本デューイ学会・第56回研究大会,於:東洋大学出席, (6)平成24年10月13日〜平成24年10月14日:教育思想史学会・第22回大会,於:東京大学出席
◎特色・強調点等
2012年度は,平成22年度から3ヵ年の計画で採択された科学研究費補助金・若手研究(B)「デューイ教育思想の政治哲学的検討─共同体論的再解釈の可能性と課題の解明─」の最終年度として前年度からの計画に引き続き研究に着手した。なかでも本年度は,日本カリキュラム学会第23回大会課題研究,日本デューイ学会第56回研究大会課題研究の各シンポジウムのパネリストとして報告するなど,研究成果を発表する機会にも恵まれ,本研究課題の解明に対する一定の成果と示唆を得ることができた。本研究のなかで浮き彫りとなり,さらに考察を必要とする課題については,平成25年度から新たに採択された科研費補助金の考察の一部として探究されていく予定である。また,共同研究としては,とりわけ教育実践や地域の教育課題への独自の寄与・貢献として,現職教諭,現職派遣院生,大学院生らの協力のもとに,ジョン・デューイのオキュペーション理論に着想を得た「総合的な学習の時間」の授業開発研究とその実践に取り組むことができた。教育の実践と理論との接合を探ろうとする本研究の成果は,プロジェクトの報告書『「洗うこと」のふしぎ─総合的探究に根ざしたプロジェクト型授業の開発と実践』(オキュペーション授業成果報告書,2013年3月)としてまとめられ,教育実践上の課題や総合的な探究に基づくカリキュラム開発の可能性が明らかにされた。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
現職教員を中心とした学外における学びの場をつくる目的で結成された自主的なサークル(えでゅカフェ)の運営に関わった。いまだ試行的な学びの場であるものの,2012年度からはさらに継続的かつ発展的に各種勉強会の開催や独自な教材の開発を進め,主に話題提供者として参加した。今後はさらに社会に対する寄与へとつなげ,学校現場へと貢献する機会をいっそう広げていきたいと考えている。
 

稲 垣 応 顕(准教授)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『教育実践者のための調査研究入門』(共著) 図書文化
(2)平成25年2月:『教育心理学』(共著) 丸善出版
論】(1)平成25年2月:『学校教育相談(教育カウンセリング)における理論背景とビリーフ』(単著) 上越教育大学研究紀要大32巻,pp.35-43
業】(1)平成24年12月:『教育実践とその理論 児童生徒の社会的・職業的自立を促すキャリア教育−自己理解・自己管理能力の育成に焦点を当てて−』(共著)上越教育大学学内共同研究プロジェクト報告書
発】(1)平成24年8月:『早期離職する教員の心理的特徴についての研究(1)』(共) 日本教育カウンセリング学会
(2)平成24年11月:『友人関係におけるストレスとその指導についての一考察−教師を目指す大学院生の過去と現在−』(共) 日本カウンセリング学会
 

大 前 敦 巳(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
昨年度同様,すべての授業においてワークシートを作成し,その記入・提出を求め,成績評価に反映させた。大教室においては,ワークシート記入中に机間指導を行い,居眠り・私語・飲食物・ゴミなどの注意を強化した。大学院においては,ワークシートの記述内容を発言させ,小グループによるディスカッションを取り入れながら,講義内容の理解を深めた。また,すべての授業において,配付プリントや視聴覚教材のバージョンアップを図った。
【観点2】教育の達成状況
すべての授業において,グローバル化など変化する社会との関わりにおける教育の問題を取り上げ,主にフランスとの国際比較を念頭に置いた広い視野から,現代の教育が置かれた状況とそれへの対応について論じ,将来教員としての就職や職務に結びつく授業を心がけた。また,教育実地調査分析演習T・Uにおいては,質問紙調査や観察・インタビュー調査の技法と,収集したデータの分析手法をパソコンを用いて実践的に習得させ,学校でのアンケートや評価に役立てる内容の授業を行った。
研究指導
【観点1】学部
今年は学部3年次生1名の指導であったが,本人の問題意識を尊重して卒論テーマを決めさせ,戦後から現在までの約60年間にわたる子どもの悩みの変遷を明らかにする目的で,新聞に掲載された4コマ漫画(サザエさん,ちびまる子ちゃん,ののちゃん)全巻を読破させ,その内容分析を始めた。家庭や学校での子どもの問題が,いつごろから始まり,それが現在どのように変化したか(あるいはしていないか)を分析しており,生徒指導に関わる臨床的な実践力を修得させるために貢献すると考える。
【観点2】大学院
修士論文を提出した5名のテーマは,「エンロールメント・マネジメントによる個別支援に基づいたキャリア形成」,「高等教育段階における能力観の自己認識」,「大学公式野球部におけるマネージャーの役割の再検討」,「地域社会と中学校をつなぐキャリア教育の実践」,「学童保育指導員の専門性」であり,いずれも教育実践に関わる臨床的な問題関心のもとで,現地調査に基づくデータを収集・分析し,その結果を考察して実践的示唆を得る手法をとっており,より高度な臨床的実践力を修得させることに貢献できたと考える。
その他の教育活動
・ 愛知県立大学非常勤講師「教育発達学特論(社会論)」を30時間(15回)担当。
・ 上越看護専門学校非常勤講師「生涯教育論」を30時間(15回)担当。
・ セパタクロー部顧問。
特色ある点及び今後の検討課題等
教育社会学,比較教育学,生涯学習論,および教育調査・社会調査論の観点から,グローバルな社会変化に対応した教育課題,特に学校・家庭・地域・職場を通したネットワーク形成による問題対応について授業を行い,論文指導を行った点に特色がある。既存統計資料や現地調査を通じた客観的データに基づいた議論を展開し,論文指導においては学生の実践的・臨床的な問題関心を尊重したテーマを選択させ,そのテーマを実証的に掘り下げる研究を進めさせた。ただ,学生が受け身で消極的な態度になりがちで,授業中の私語,居眠り,ゴミ,ゼミ内の人間関係などの問題に今後一層配慮する必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年4月:『学力政策の比較社会学【国際編】』(共著) 明石書店
(2)平成24年8月:『カリキュラム開発の促進条件に関する研究』(共著) 教育開発研究所
論】(1)平成25年2月:『フランスの文科系大学学部における職業専門化の2つの展開―1960年代以降の伝統的大学と新構想大学の関係に着目して―』(単著) 上越教育大学研究紀要 第32巻 75-84頁
業】(1)平成25年2月:『平成24年度ライフスタイル調査結果報告書』(共著)上越市教育委員会ライフスタイル調査 平成24年度調査結果報告書
(2)平成24年5月:『学力格差是正政策の国際比較(1) 2011年度各国現地調査のまとめ』(共著) 平成23年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(A))報告書
(3)平成25年3月:『学力格差是正政策の国際比較(2) 2012年度各国現地調査のまとめ』(共著) 平成24年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(A))報告書
発】(1)平成24年6月:『フランスの文科系大学学部における職業専門化の2つの展開 ―伝統的大学と新構想大学の関係に着目して―』(単) 日本高等教育学会
(2)平成24年10月:『フランスの新構想大学 ―1968年以降における教育刷新の展開―』(単) 日本教育社会学会
(3)平成24年11月:『パリ第8大学における教育刷新の展開―ディシプリン複合性・学際性に基づく再編―』(単) 日仏教育学会
(4)平成25年3月:『日本の新構想大学と新自由主義高等教育改革の起源』(単) アレゼール日本国際シンポジウム―日仏高等教育改革の比較研究(その2)―
他】(1)平成24年11月:『書評:園山大祐[編],「学校選択のパラドックス―フランスの学区制と教育の公正」』(単著) 教育社会学研究 第91集
(2)平成24年11月:『新刊紹介 シャルル・スリエ編,「解体すべき神話か?ヴァンセンヌ大学実験センターの起源と運命」』(単著) 日仏教育学会年報
(3)平成24年11月:『論文翻訳 シャルル・スリエ「フランスにおける大学大衆化の2つの時期:主体的大学から客体的大学へ?」』(単著) 日仏教育学会年報
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)上越市教育委員会ライフスタイル調査 代表者:冨永範子(上越市教育委員会) 上越市ライフスタイル調査実行委員会
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)日仏の新構想大学における職業養成教育の形成過程に関する比較社会学研究 代表者:大前敦巳(上越教育大学大学院)科学研究費補助金 基盤研究(C)
(2)学力格差是正政策の国際比較 代表者:志水宏吉(大阪大学)科学研究費補助金 基盤研究(A)
(3)日本およびフランスの高等教育改革に関する学際的比較研究 代表者:白鳥義彦(神戸大学)科学研究費補助金 基盤研究(C)
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日仏教育学会事務局長, (2)平成24年度:日仏社会学会研究活動委員, (3)平成24年6月2日〜平成24年6月3日:日本高等教育学会出席, (4)平成24年10月27日〜平成24年10月28日:日本教育社会学会出席, (5)平成24年11月24日:日仏教育学会出席
外国における研究の状況
(1)平成24年11月10日〜平成24年11月18日:フランス,フランスのパリとサルト(ルマン)地域の教育優先地域を中心とする小中学校における学力格差是正施策の最新動向に関する聞き取り調査と情報資料収集
◎特色・強調点等
フランスの学力向上策,高等教育改革,新構想大学創設といった教育政策に関わる著書・論文等を執筆し,日本における同様の政策との国際比較を行うための研究を企てた。日仏ともにグローバルな国際社会,新自由主義的な市場化改革が進む中で,社会的に困難な児童生徒の学力の個別支援,教育機会均等に向けた公共政策,そして今日の教育変化をもたらす一つの起点となった新構想大学創設をめぐる議論を取り上げることで,国際的な観点から現在に連なる教育課題の解決に向けた方策を検討し,政策形成に寄与した点に特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市ライフスタイル調査実行委員会委員(上越市教育委員会)
(2)平成24年度 上越教育大学教員免許更新講習講師(上越教育大学)
(3)出前講座講師(新井高等学校進路説明会)
◎社会への寄与等
上越市ライフスタイル調査実行委員会では,上越市の小中学校全校の児童生徒を対象に,生活習慣と健康状態に関する質問紙調査を実施し,調査結果を分析し,報告書を執筆することにより,上越市の健康教育に関わる教育課題・政策形成に寄与した。調査結果の分析にあたっては,エクセルと統計ソフトRを用いた技法に関する講習を行い,養護教員を中心とする他の実行委員が今後学校でアンケート調査の集計等を行う際に役立てられるように心がけた。上越教育大学出前講座では,フランスの教育システムに関するスライド資料を用いて,教員養成系大学への進学を希望する高校生に講話を行った。
 

白 木 みどり(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
上越スタンダードを規準とする教員の資質向上を目指し,学生が自分事と捉え関心を高められる教材を精選した。
演習や討議などを積極的に取り入れ,伝達だけではない授業の創造に努めた。
教育現場の実態を踏まえた事例やケースを教材に生かし,実践力に結びつくキャリアカウンセリング演習を実施した。
以上により知識理解と実務的能力育成を上越スタンダードの評価観点との整合性を意図し,リアクションペーパーによる自己評価を参考にしつつ評価にあたった。
【観点2】教育の達成状況
担当授業においては,いずれも教師の職業観,勤労観,実践力,資質向上に繋がる内容として,学生にとって有意義であったという感想を得ている。
また,大学院授業のキャリア・カウンセリング特論においては,進路指導理解とキャリアカウンセリングの基本的技術,技能の養成に努め成果を得られた。
研究指導
【観点1】学部
4年生5名の卒業論文指導を担当した。
3年生2名の教育書の輪読,ライティング指導等,ゼミでの検討会を実施し研究への関心を高めることができた。
【観点2】大学院
大学院生4名の修士論文指導を担当した
論文題目
『中学校における部活動指導内容に関する研究・キャリア教育の「基礎的・汎用的能力」育成を視点として』
『キャリア教育の視点を用いた高等学校物理教育に関する研究−物理教育の歴史的変遷に着目して−』
『高等学校普通科の2年生における職業的自己概念形成過程に関する研究−進路多様校における事例をもとに−』
『先延ばし行動における思考過程の質的研究−意識の転換の契機に着目して−』
学部生,大学院生ともに夏と春の年二回,2泊3日の「自炊ゼミ合宿」を通して,
研究に対する意欲の向上,ライティング,論理的思考力の訓練に併せ,教員に求められる実務的能力育成及び向上に努めた。
その他の教育活動
・ 新潟工科大学非常勤講師
・ 金沢大学非常勤講師
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年8月:『教育経営研究』Vol.18「キャリア教育からの出発−学校教育の新たな可能性」(単著)上越教育経営研究会,pp.105-112
(2)平成24年11月:『石川教育展望』64号「子どもたちの危機を救え,地域連携と社会形成」(単著)石川県教育文化会議
(3)平成24年4月:『産学官連携ジャーナル』Vol.8「キャリア教育における小中高大連携上越市チャレンジショップRikkaの挑戦」(単著)科学技術振興機構
(4)平成25年2月:『中等教育資料』2月号「魅力的な教材の開発・活用による道徳教育の推進・魅力的な教材と道徳の時間の目標」(単著)学事出版
業】(1)平成25年3月:『キャリア教育を「デザイン」する小・中・高等学校における年間指導計画作成のために』文部科学省
(2)平成25年3月:『ふくしま小・中・高道徳教育資料集T集「いきぬく・いのち」』文部科学省 福島県教育庁
(3)平成25年3月:『ふるさとがはぐくむ道徳石川小学校中学年』石川県教育委員会
(4)平成25年3月:『ふるさとがはぐくむ道徳石川小学校高学年』石川県教育委員会
(5)平成25年3月:『ふるさとがはぐくむ道徳石川中学校』石川県教育委員会
(6)平成25年3月:『上越教育大学プロジェクト研究報告書自己理解・自己管理能力の育成』(共著)上越教育大学
学会活動への参加状況
(1)日本キャリア教育学会 常任理事, (2)日本道徳教育方法学会 理事, (3)日本道徳教育学会 監事, (4)平成24年6月:日本キャリア教育学会セミナー大会開催 実行委員長, (5)日本キャリア教育学会参加 理事会出席, (6)日本道徳教育方法学会参加 理事会出席
国内外の学術賞の受賞状況
(1)平成24月7日:日本進路指導協会功労賞受賞
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成24年8月:国立教育政策研究所「キャリア教育の推進に関する調査研究」協力者会議委員
(2)平成24年6,8月:独立行政法人教員研修センター「キャリア教育指導者養成研修」講師(西部ブロック,東部ブロック)
(3)平成24年6月〜:兵庫県教育委員会 高等学校長期構想検討委員会委員
(4)平成24年4月〜平成25年3月:石川県教育委員会「いしかわ版道徳教材」作成委員会委員長
(5)平成24年4月〜平成25年3月:震災復興・日本再生支援事業福島県教育庁教育支援
(6)平成24年4月〜平成25年3月:国際ロータリークラブ2610地区キャリア教育支援事業アドバイザー
(7)平成24年8月:道徳教育研修会講演講師 石川県教育委員会
(8)平成24年8月:キャリア教育研修会講演講師 石川県教育委員会
(9)平成24年8月:キャリア教育指導主事研修会講演講師 長野県教育委員会
(10)平成24年12月:キャリア教育進路指導主事研修会講演講師 徳島県教育センター
(11)平成24年8月:キャリア教育教員研修会講師 岡山県教育センター
(12)平成24年10月:道徳教育教員研修会講師 柏崎教育センター
(13)平成24年10月:キャリア教育教員研修講師 柏崎教育センター
(14)平成24年8月:道徳教育教員研修講師 上越市教育委員会
(15)平成24年8月:キャリア教育研修講師 上越市教育委員会
(16)平成24年:キャリア教育教員研修講師 三重県鈴鹿市教育委員会
(17)平成24年6月:キャリア教育講演講師 新潟県立新発田高等学校
(18)平成24年4月:キャリア教育講演講師 遊学館高等学校
(19)平成24年8月:キャリア教育教員研修講師 関根学園高等学校
(20)平成24年6月:キャリア教育教員研修講師 富山市立堀川中学校
(21)上越市立清里中学校道徳教育研究協力者
(22)柏崎第三中学校道徳教育研究協力者
(23)石川県辰口町立辰口中学校道徳教育研究協力者
(24)長野県塩尻市塩尻東小学校道徳教育研究協力者
(25)上越市立大島中学校キャリア教育研究協力者
(26)石川県進路指導研究協議会副会長
(27)新潟県教育委員会 新潟県立新井高等学校評議員
(28)大手町小学校文部科学省開発研究協力者
(29)教員免許状更新講習講師 長岡・上越会場 2日間
(30)新潟工科大学教員免許状更新講習講師
(31)学校教育実践研究センター紀要「教育実践研究」応募論文の査読 道徳教育担当
(32)大阪府門真市はすはな中学校キャリア教育研究協力者
(33)平成25年1月:道徳教育講演講師 高知県上ノ加江中学校
(34)平成24年6月:キャリア教育研修会講師 高岡第一高等学校
(35)平成24年8月:キャリア教育町教職員研修会講師 福島県棚倉町教育委員会
(36)平成24年6月:キャリア教育研修会講師 秋田県立秋田商業高等学校
(37)平成24年7月:キャリア教育研修会講師 秋田県立湯沢翔北高等学校
(38)平成24年4月〜平成25年3月:「ふくしま道徳教育資料集」作成委員会監修 福島県教育庁
(39)平成25年3月:「道徳の充実に関する懇談会」委員 文部科学省
◎社会への寄与等
・ 福島県道徳資料第1集の監修
・ 石川県道徳教材小学校低・中・高,中学校版の監修 全4冊
いずれも高い評価を受け,道徳教育推進に有効活用されている。
 

井 本 佳 宏(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習指導法等の教育方法に関する取り組み状況
授業の内容,受講者数等に応じ,講義形式・演習形式を適切に組み合わせて効果的に教育目標が達成されるよう工夫を行った。
○成績評価法に関する取り組み状況
授業内容,授業の到達目標等に応じ,日常的な評価,小レポート,期末テスト,期末レポート等を使い分け,また適宜組み合わせ,適切に成績を評価するよう工夫を行った。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取り組み状況
多くの受講者が教員になることを志望していることから,教員として将来必要となる資質能力の育成を目指した授業内容となるよう,シラバスの作成段階から熟慮を重ねた。授業の計画,実施,評価にあたっては,教員として必要な資質能力を,即戦力として使える限定的な技能に矮小化することを厳につつしみ,大学における教員養成の理念を十分に踏まえた上で,深い学術的思考に支えられた知識と反省力,批判力を基盤とした高度専門職としての資質能力として捉えるよう留意した。このことは,少数ながら教員にならない受講者にとっても有意義な授業を提供することにつながるものと自負している。
研究指導
【観点1】学部
ゼミ所属の指導学生はもちろんのこと,そのほかの学生も含め,ゼミ,授業等の日常的な機会や,科目群における卒業論文の構想発表会,中間発表会,審査等の機会を通じて,目先の臨床テクニックの追求に走りがちな姿勢を戒め,大学における教員養成の理念を十分踏まえた上で,深い学術的思考に支えられた知識,反省力,批判力等を基盤とした高度専門職としての教育実践力の育成に尽力した。
【観点2】大学院
ゼミ所属の指導院生はもちろんのこと,そのほかの院生も含め,ゼミ,授業等の日常的な機会や,科目群における修士論文の構想発表会,中間発表会,審査等の機会を通じて,目先の臨床テクニックの追求に走りがちな姿勢を戒め,大学における教員養成の理念を十分踏まえた上で,深い学術的思考に支えられた知識,反省力,批判力等を基盤とした高度専門職としての教育実践力の育成に尽力した。
その他の教育活動
・ 新潟県立看護大学非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
○ 特色ある点
受講生数数百名規模の大人数の授業から数名程度の少人数の授業まで,対応すべき状況がかなり幅広い中,受講生や授業内容の特徴を捉えながら授業形態を適切に使い分け,柔軟に対応している。
○ 今後の検討課題等
教職大学院へのシフトが見込まれる中で,修士課程の授業では差別化を図り特色を明確に打ち出していくべきか,それとも教職大学院にできるかぎり準ずる形での授業内容の見直しを進めるべきか,学長をはじめとする大学首脳陣の確固としたリーダーシップに従いつつ,適切な対応を行っていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年2月:『大学における看護師養成カリキュラムの類型モデル』(単著) 上越教育大学研究紀要,32巻,pp.45-57
発】(1)平成24年6月:『学校体系の再分岐型化をどう読むか−システム論的アプローチによる一試論−』(単) 上越教育経営研究会2012年度研究発表会
(2)平成24年11月:『旧東ドイツ地域における中等学校改革の動向』(単) 日本教育制度学会第20回大会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)地域の教育課題を探究するスクールリーダーシップに関する研究 代表者:辻村貴洋(上越教育大学) 上越学校経営サロン
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本学校教育学会機関誌編集委員会幹事, (2)平成24年度:上越教育経営研究会運営委員, (3)平成24年6月23日:上越教育経営研究会,2012年度研究発表会出席, (4)平成24年7月14日〜平成24年7月15日:東北社会学会,第59回大会出席, (5)平成24年7月27日〜平成24年7月29日:日本学校教育学会,第27回大会出席, (6)平成24年11月17日〜平成24年11月18日:日本教育制度学会,第20回大会出席, (7)平成25年3月9日:東北教育学会,第70回大会出席
外国における研究の状況
(1)平成25年2月17日〜平成25年2月23日:ドイツ連邦共和国,ドイツ・ザールラント州における教員養成・研修制度の調査研究
◎特色・強調点等
平成24年度は活字化された研究業績は少なかったものの,自分が研究代表者として申請した科研費研究が採択され,それをもとに研究を進めることができた。その成果は学会において2本の口頭発表として公表することができた。これらの成果は25年度以降,論文として活字化が進む見込みであり,科研費研究を軸にしつつ,着実に研究成果があがりつつある。科研費に採択されたことからも,研究そのものの独創性,発展性は十分あると自負しており,社会科学の学際性に根差した研究視角は教育学以外の他分野への貢献にもつながるものとなっていると考えている。また,研究活動を通じた教育関係者への啓蒙は,教育実践への寄与という面でも,地域の教育課題解決への寄与という面でも,十分な意義を有している。政策形成への寄与という点では,直接的な効果は見えにくいものがあるが,教育への貢献を通じて主権者たる国民の育成に貢献することで,将来の政策形成も含めた我が国の国政運営の民主的発展につながるものと考えられる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)京都府立宮津高等学校教職員研修会講師(京都府立宮津高等学校)
◎社会への寄与等
・ 本項目に登録すべきものに該当するか否かの判断が非常にむずかしく,ここに挙げたもの以外にも日常的な活動のレベルでさまざまな社会への寄与等を行っていることは申し添えておきたい。本学教員として行っているさまざまな場面における社会的活動は,社会の教育・研究に関するニーズへの寄与,各地域特有の教育上の諸課題解決への寄与,各種の教育課題・政策形成への寄与等,すべての面において,直接間接を問わず意義のあるものと判断している。
 

辻 村 貴 洋(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○ 講義の時間のほか,授業内にて,受講者の発表(レジュメによる報告)を取り入れ,授業以外の時間を使って学習してもらえるよう工夫した。その発表資料等について,メール等による事前の指導を充実させたり,授業内で取り上げるテーマを,各自の研究テーマ(修士論文)とリンクさせられるように努めた。また,どの授業でも,学校と地域社会とのかかわりを取り上げた。これらは,学校教育のみならず,社会教育の領域までも含めた大きな課題であり,教職員として,どのように各種の活動に取り組んでいくかは,非常に重要となってくる。
○ オリエンテーションの時間では,シラバスの授業計画とあわせ,評価方法についても説明の時間を設けた。
【観点2】教育の達成状況
○ 担当している授業は,主に,教育政策や教育改革について扱うことになっている。こうしたテーマは,とくに教科教育コースの学生・院生には,授業開始当初は,各自の研究関心と結びつけることが困難な様子であった。しかし,教科教育の変遷の過程などと,その社会背景を結びつけて教育政策・教育改革を討議しながら考えていくことで,教師として,教育政策や改革にどのように向き合っていくか,理解が深まっている様子が見受けられ,卒業(修了)後の進路においても,社会に貢献できる力を育成できたものと考える。
研究指導
【観点1】学部
学部生の興味・関心に基づき,適宜,質問を受け付けたり,調査に赴いた際の資料の提供を行ったりしながら研究指導にあたった。また,卒業論文の中間発表会などの機会を通じて,私自身の専門領域の観点から,各自の研究テーマについて別の観点からみた問題の捉え方などを提示しながら研究指導を行ってきた。
【観点2】大学院
年度当初の研究計画にとらわれず,院生との話し合いをもとに,その後の関心の深まりから,研究の意義・目的・方法をさらに発展させられるように努めた。論文の講読や,学校現場の調査・ヒアリング等の活動を行いながら,研究指導にあたってきており,院生本人の研究テーマも深めてこられたように思う。また,コース内において,適宜,質問を受け付けたり,資料の提供を行ったりしながら,研究指導にあたった。また,収支論文の構想発表会や中間発表会などの機会を通じて,私自身の専門領域の観点から,各自の研究テーマについて別の観点からみた問題の捉え方などを提示しながら研究指導を行った。
その他の教育活動
・ 独立行政法人国立病院機構 新潟病院附属看護学校 非常勤講師
・ 公立大学法人 高崎経済大学経済学部 非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
討議や振り返りの時間を多く取り入れることができ,受講者相互の交流も進んだようである。大学院の授業では,ストレートマスターと現職派遣の院生の理解度,興味・関心の差が大きかったが,両者を近づけて,教職に関する見識を深められるように討議の時間を多く確保するよう努めた。また,できうる限り,一人一人の興味・関心にもとづいた授業を展開していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年11月:『「教育の地方自治」制度化の構想と展開−教育専門職リーダーシップの位置づけをめぐって』(単著) 教育制度学研究,第19号,pp106-111
(2)平成25年2月:『地域の教育研究を担う専門職チームの意義と課題』(単著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,pp137-148
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月26日〜平成24年5月27日:日本教育法学会第42回定期総会出席, (2)平成24年7月7日〜平成24年7月8日:日本教育政策学会第19回大会出席, (3)平成24年7月27日〜平成24年7月29日:日本学校教育学会第27回大会出席, (4)平成24年10月27日〜平成24年10月28日:日本教育行政学会第47回大会出席, (5)平成25年3月16日:日本教育政策学会公開研究会「構造改革下の自治体教育政策をめぐる動向」出席
 

越   良 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
受講生のレポートを教材にすることで,受講生の理解の深化と意欲の向上を図った。
【観点2】教育の達成状況
教師として学級経営を行う際に必要で且つ役立つ知見や知識として,内容を整理し,集団心理学,社会心理学の講義を行っている。
研究指導
【観点1】学部
学校での体験や対人関係上の実体験に基づいた問題意識から研究テーマを決めさせている。
【観点2】大学院
学校での体験や対人関係上の実体験に基づいた問題意識から研究テーマを決めさせ,関連文献の精査,精読,体系的整理のうえで,論理的な考察を求めている。
特色ある点及び今後の検討課題等
学校での体験や対人関係上の実体験に基づいた問題意識から研究テーマを決めさせ,関連文献の精査,精読,体系的整理のうえで,論理的な考察を求めている
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年3月:『世界の学校予防教育』(共著) 金子書房
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月 教員免許状更新講習講師(主催機関 本学)
(2)8月 妙高中学校区合同研修会講師(主催機関 妙高中学校区小・中学校)
 

内 藤 美 加(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育心理学概論,教育心理学特論では,マイクを使用して学生から意見や考えを発表してもらい,それについて他の学生からもさらに意見を聞くといった,双方向の授業を行った。認知心理学でも同様に,学生自身が課題に取り組み,その結果を受講者間で参照・討論するという方法をとった。成績評価は授業によって異なり,少人数授業では出席と複数回のレポート提出状況によって,大人数授業では,課題の提出状況と期末試験により総合的に評価した。
【観点2】教育の達成状況
大学院免許プログラム受講生は,神奈川県の教員採用試験を受験したものの,教員免許取得に必要な単位が不足していたため,次年度も引き続き在学し,修了時期を9月とする予定である。
研究指導
【観点1】学部
該当なし。
【観点2】大学院
大学院の修士論文提出予定者に対しては,5月以降に具体的な実験計画を策定して,7月に予備実験,8−9月で幼児と小学生を対象とした実験を実施してもらった。このデータに基づき修士論文を執筆,1月10日に提出させ,審査の結果合格となった。大学院1,2年生(いずれも免許プログラム受講生)には,彼らの研究テーマに関連する論文を講読させた。とりわけ2年生は,11月の構想発表では内容のある発表がほとんどできなかったことを自覚してもらい,12月以降英語論文を含め関連する文献をきちんと読み進めてもらった。また1年生は,年度途中の12月頃に研究テーマを変更したいという希望が生じたため,複数の書籍文献を貸与し,3月にかけて新しいテーマを設定するために興味のある文献を講読,報告してもらった。
特色ある点及び今後の検討課題等
双方向の授業形態を取り入れており,少人数の専門科目の評価は高かったものの,大人数の講義科目ではまだまだ双方向型に移行できていない。しかし,発言を求められた場合の学生の反応や回答内容からみて,昨年度に比べ学生の講義参加度は向上している。教職教養科目では授業期間に提出物を5回ほど提出させ,期末試験だけでなく提出物の提出状況を成績に加味した。試験は,今年度は客観テスト項目を取り入れて昨年度までの論述式試験を変更し,客観テスト項目の配点を論述テスト項目よりも大幅に大きくすることにより,試験の難易度を下げ,講義内容の理解度をより適切に評価した。
 
<研究活動>
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「京都大学医学研究科との発達障害児の記憶に関する共同研究」代表者:内藤 美加(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月11日〜平成24年9月12日:日本心理学会第76回大会出席, (2)平成24年3月18日:国際シンポジウム「社会的能力はどのように発達するのか:心の理論・言語・文化の獲得」にて研究報告, (3)Cognition誌,発達心理学研究誌の投稿論文計2編の査読審査
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)NPO法人発達障害研究機構主催の研究会にて講師をつとめた。
 

中 山 勘次郎(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
大学院「学習心理学特論」では,「講義支援システム」を活用して,自主学習用の参考資料を含むすべての講義資料をシステム上に登録し,受講生が自由に参照できるよう配慮した。
学部「授業の心理学」では,授業に関係する最新の研究成果を,使われている教材等をできるだけ実際に体験しながら理解できるよう,内容や実習教材を部分的に入れ替え,またより基礎的な知識を扱う「学習心理学」と連動させながら,体系的な学習を支援している。
【観点2】教育の達成状況
学部「学習心理学」において,学校教育に直接関係するテーマとともに,教員採用試験を見通したテーマ・教材等を多く取り入れることで,受講生の意識づけを高めることに成功している。
研究指導
【観点1】学部
3年生1人を指導した。実践的な問題意識や発想を取り入れた研究指導を行った。本年度は大学生における教員になることへの意欲の低下につながる要因の検討を進めた。
【観点2】大学院
修士課程3年生(免P)1人,2年生1人,1年生1人の研究を指導した。学校現場の実践的な問題意識を,心理学の視点から理論的に裏づけ,解決方法を探るという方針で指導にあたっており,本年度は理科学習におけるメタ認知の役割と,昆虫教材の提示方法に関する修士論文が作成された。
特色ある点及び今後の検討課題等
学習心理学に関する専門的知識の教授を意識しつつも,学校現場での実践という視点を常に持ちながら,内容を構成している。また,とくに学部の授業に関しては,受講生の質問を積極的に汲み上げてフォローしたり,授業改善に役立てるよう努力している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『ヒルガードの心理学[第15版]』(共著) 金剛出版
論】(1)平成25年2月:『学習指導場面における教師の自律性支援』(単著)上越教育大学研究紀要,32,pp149-160
他】(1)平成24年度:研究室HPの公開 http://www.juen.ac.jp/psych/nakayama/
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「験証法による学習が昆虫に抵抗感を抱く小学生の学習意欲に及ぼす効果」代表者:丸山治夫(妙高市立妙高小学校・校長)
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月11日〜平成24年9月13日:日本心理学会第76回大会出席
◎特色・強調点等
Deciによる自己決定理論の,教育実践場面への適用可能性の追究と,必要な理論的改善についての研究を継続して進めている。また,学習指導に関する教育的カウンセリングやコンサルテーションに対して,動機づけ理論にもとづいて提言を試みている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:上越市立三和中学校PTA講演会講師(上越市立三和中学校)
(2)8月:教員免許状更新講習講師(教育の最新事情関係(’12)長岡A)(上越教育大学)
(3)8月:教員免許状更新講習講師(教育の最新事情関係(’12)長岡C)(上越教育大学)
(4)カウンセラー学校派遣事業に基づく派遣カウンセラー(新潟県教育委員会)
 

森 口 佑 介(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
・ 学部の講義では,学生の興味を喚起し,持続させる工夫をした。具体的には,アニメーションやビデオを用い,授業のスライドで視覚的な効果を用いるなどした。例えば,発達心理学講義において,乳幼児の様子をビデオを用いて観察させたり,用いるスライドを学生に対して見やすくするなどの工夫をしたりした。また,学生に意見を尋ねたり,リアクションペーパーを導入して学生の意見を取り入れるなどして,一方的な講義ではなく,相互交流を重視した。これにより,発達心理学に対する興味・意欲は高まったと考えている。
・ 大学院の講義でも,一方的な情報の伝達にならないように,学生の意見を頻繁に聞き,ときには学生同士に議論をさせるなど,やりとりを重視した。例えば,現職派遣教員の話を聞くことで現場の空気を授業の中にいれ,現職以外の大学院の意見を聞くことで新鮮な空気を授業に入れた。
・ 成績評価では,最初の授業で明確に評価基準を説明し,その基準に従って成績をつけた。具体的には,出席やレポートを考慮するのはもちろんのこと,授業中の発言やアンケートの結果などを含めて総合的に成績を判断した。
【観点2】教育の達成状況
ゼミ所属の学生や講義を受講した学生には,子どもに関する基礎的な知識を伝達することは勿論のこと,子どもや他者へのコミュニケーションの方法や,論理的な思考方法などを育成するように努めた。ゼミ指導の学生が無事に保育士試験に合格したことや,コースの学生の就職率の高さを考慮すると,本ゼミおよび本コースにおける学生指導や研究指導の所属科目群の学生の取り組みは成功したと考えている。
研究指導
【観点1】学部
研究指導の中で,子どもたちといかにふれあい,どのようなコミュニケーションをとるべきか,また,子どもたちの能力や性格をいかに認識するべきかについての基礎的な知識や方法を指導した。また,臨床的な実践力の基礎となる論理的思考能力や仕事に対する責任感やモラルを専門的な研究指導の中で指導した。
【観点2】大学院
今年度は教員志望の大学院生と研究者志望の大学院生を指導したが,前者では,学校教育に必要な臨床的な実践力である子どもとのコミュニケーション能力や子どもの能力を調べる方法に加えて,子どもに関する理論的な見識や思考を指導した。また,後者については,上記の臨床的な実践力に加えて,基礎的で理論的な思考を育成した。両者ともに,研究指導の中で,高度な論理的思考力,分析力,創造性などの,現場にも必要であり,研究者にも必要な,基礎的な力も養成した。
その他の教育活動
・ 放送大学「乳幼児心理学」の非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
昨年に引き続き,真に現場で役に立つための基礎的な思考能力の養成を実施してきた。学生の修士論文やその後の現場復帰の近況を見るに,その方針はまずまず成功したと言えるだろう。
今後の課題は,これまでと同様に,思考能力の養成をしたうえで,それを実践に活かす力の指導を行っていきたいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『わたしを律するわたし』(単著) 京都大学学術出版会
(2)平成24年8月:『Comparative perspectives on animal and human emotion.』(共著) Spr
論】(1)平成24年5月:『 Observed human actions, and not Mechanical actions, induce searching errors in infants.』(共著) Child Development ResearchArticle ID 465458, 1−5
(2)平成24年6月:『How does executive function contribute to source monitoring in young children?』(共著) Psychologia, 55, 194-207
(3)平成24年10月:『The effect of social observation on children’s inhibitory control.』(単著) Journal of Experimental Child Psychology, 113, 248-258.
(4)平成24年11月:『 Neurobehavioral and hemodynamic evaluation of cognitive shifting in children with autism spectrum disorder.』(共著) Journal of Behavioral and Brain Science, 2, 463-470.
(5)平成24年6月:『My neighbor: children’s perception of agency in interaction with an imaginary agent.』(共著) PLoS ONE 7(9): e44463. doi:10.1371/journal.pone.0044463
(6)平成24年12月:『アイスクラッチ課題に何を語らせるか』(単著) ベビーサイエンス, 12, 33-35
発】(1)平成24年7月:『近赤外分光法を用いた運動情報のデコーディング:成人と幼児を対象にした予備的検討』(共) 第15回光脳機能イメージング研究会
(2)平成24年9月:『幼児の空想の友達と社会的発達.』(共) 日本心理学会第76回大会
(3)平成24年9月:『乳児の心を想像する傾向と乳児への視覚的注意』(共) 日本心理学会第76回大会
(4)平成25年3月:『日常場面における Scale error の調査』(共) 第24回発達心理学会
(5)平成25年3月:『乳児への mind-mindedness と感情を伴う乳児顔への視覚的注意 ―乳児の喜び顔と悲しみ顔への反応―』(共) 第24回発達心理学会
(6)平成25年3月:『日本語版心の理論質問紙の作成』(共) 第24回発達心理学会
(7)平成24年6月:『Observed human actions, and not Mechanical actions, induce searching errors in infants.』(共) :International Conference on Infant Study at Minneapolis, Minnesota
(8)平成24年12月:『Maternal Mind Attribution for Infants Predict Later Children Joint Attention and Language Ability Longitudinal Study』(共) International Conference on Infant Study at Minneapolis, Minnesota
(9)☆平成24年9月:日本心理学会でのパネリスト(日本心理学会)
他】(1)平成24年10月:『研究成果の報道/幼児の空想能力に関する研究』 朝日新聞
(2)平成24年6月:『研究成果の報道/幼児の空想能力に関する研究』 読売新聞
(3)平成24年度:ホームページを通じて研究成果の発表 http://www.juen.ac.jp/lab/moriguchi/index.html
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:発達心理学会でのパネリスト, (2)平成24年度:日本赤ちゃん学会若手部会代表者, (3)平成24年度:日本発達心理学会ニューズレター委員, (4)平成24年7月28日:光脳機能イメージング学会出席, (5)平成24年9月11日〜平成24年9月13日:日本心理学会出席, (6)平成24年6月7日〜平成24年6月9日:The International Society for Infant Study 出席, (7)平成25年3月15日〜平成25年3月17日:日本発達心理学会出席
◎特色・強調点等
本年度は,抑制機能の発達に心理学的・神経科学的研究と,幼児期における社会性や空想能力の発達を論文や学会などで発表した。 1) 抑制機能は,就学時の国語や算数の成績を予測するなど,児童の学習成績に重要な影響を及ぼすことが示されている。しかしながら,抑制機能の発達経路や脳内基盤等は,未だ明らかになっていないことが多い。私は,非侵襲的方法で幼児の脳活動を計測することで,抑制機能発達の脳内基盤を調べ,教育実践に応用する手段を検討している。 2)空想能力は,幼児にとって重要なものであり,学業はもちろん,社会性の発達の基盤になるものである。私は,空想能力の発達を,視線計測や脳活動の計測によって調べ,子どもたちの社会性の発達にいかに寄与するかを検討している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)教員免許状更新講習「教育の最新事情関係(’12)上越C」講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
・ 近年,社会性の発達に問題を抱える子どもの問題が指摘されている。それらの問題に対する取り組みの中には,誤解に基づくものや,科学的根拠のないものも非常に多い。私は,幼児を対象にした科学的研究を通じて,幼児の社会性の発達を把握し社会に還元すること,また,それらの発達に問題を抱える子どもに対してどのような取り組みが有効であるかを還元している。
・ これらの研究成果の一部は,学会発表や論文発表に加えて,一般向けに新聞で報道されるなど,社会に対して広く還元されている。また,これらの報道に対して新潟県民からの問い合わせもあるなど,社会から評価されている。
 

奥 村 太 一(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
抽象的な内容を具体例に則し,厳密さよりは本質の直感的理解を促すことに重点を置いて講義を進めた。
【観点2】教育の達成状況
修士課程修了生は社会福祉法人の職員として,学部卒業生は小学校講師として進路が決定した。
研究指導
【観点1】学部
生徒の登校忌避的感情に注目し,その規定因としての自己受容や対人関係の役割について,実証的に検討を行った。
【観点2】大学院
失敗場面における大学生の原因帰属について,所属集団の雰囲気と個人の文化的自己観との相互作用に注目した実証的な検討を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
教育実践が生徒に及ぼす効果について批判的に考えることができるよう,必要となる定量的な方法について解説を行っている。
学部生については授業を通じて意欲を喚起することが難しく,今後の課題と考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年11月:『教育実践データの統計分析 ― 学校評価とよりよい実践のために』(単著) 共立出版
論】(1)平成25年3月:『中学校教師におけるバーンアウト尺度の因子構造の検討』(共著) パーソナリティ研究, 21, 278-290.
(2)平成25年2月:『Regression to the mean in pretest-posttest comparisons with two-level selection of subjects.』(単著) Bulletin of Joetsu University of Education, 32, 87-92.
発】(1)平成24年9月:『被験者の多段階選抜と「処置前―処置後」比較における平均への回帰』(単) 日本行動計量学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)バーンアウトプロセスに基づく教師のメンタルヘルス自己評価システムの構築とその運用 代表者:宮下敏恵(上越教育大学准教授) 科学研究費補助金
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月13日〜平成24年9月16日:日本行動計量学会第40回大会出席, (2)平成24年5月25日〜平成24年5月26日:日本計量生物学学会年会出席, (3)平成24年度:『Behaviormetrika』誌査読委員
◎特色・強調点等
著書において,教育実践に関して得られるデータを統計的に分析する際に考慮すべきについて考察した。また,実証的科学的方法と個の理解を環境と個性の交互作用によって関連づけることについて議論を展開した。単一事例研究のメタ分析について科学研究費補助金(若手B)を代表者として獲得し,研究活動を行っている。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
学校教育実践研究センターの事業の一環として,学校評価データの分析システムの構築に携わった。完成したシステムは,上越地域の小中学校で広く利用されている。