【特別支援教育コース】
 

我 妻 敏 博(教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
少人数の授業が多く,学生のニーズに対応する内容も含めて授業を行った。また,聴覚障害学生も複数人受講していることからパワーポイントを多用するなど,見て分かる授業になるよう配慮した。授業の中ではできるだけ多くの事例や具体例を取り上げ,理論だけでなく実用的な内容になるよう配慮した。
【観点2】教育の達成状況
教員採用試験に向けての勉強時間が確保できるよう,受験前の時期には時間的に余裕が持てるよう,修士論文作成の実施計画を工夫した。その結果,ゼミ修了生6人のうち学部卒が5人いるが,そのうち3人が教員採用試験に合格し,残り2人は非常勤講師として教育現場に就職した。
研究指導
【観点1】学部
私が所属する特別支援教育コースは大学院修士課程のコースであり,学部学生の研究指導はありません。
【観点2】大学院
授業科目「教育臨床実習」において本学特別支援教育実践研究センターでの教育臨床実践を行い,実際の指導を通して実践的な能力を育成した。他に毎週2.5時間のケース会議を開き,実際の指導場面を素材にしたディスカッションの中で具体的なアドバイスや各種のテクニックを学ばせた。修士論文作成についてはゼミの時間で指導するほか,個別にも指導を行った。
その他の教育活動
 信州大学,明治学院大学の非常勤講師として3日間の集中講義を実施した。
 教育実習校2校において研究授業および授業研究会に参加し,アドバイスを行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
特色としては,授業やセミナーの受講者が少人数(8人〜30人前後)であることを活かし,学生個々の実態やニーズに応じた授業ができたことである。一方的な講義になることを避け,学生に質問したり考えさせたりしながら授業を進めるように配慮した。また,受講者に聴覚障害学生がいたことから,授業に参加した他の学生に情報保障のあり方を実感させることができた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】(1)平成24年8月:『聴覚障害児の言語指導』(共) ろう教育科学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:第50回日本特殊教育学会出席,(2)平成24年10月17日〜平成24年10月19日:第46回全日本聾教育研究大会出席
◎特色・強調点等
私の専門領域である「聴覚障害児教育」の研究に従事しはじめてから35年以上が経過し,そろそろ指導的な立場にあることから,個別具体的な研究というより総括的な内容での研究が中心になっており,この領域の進むべき方向性を示すような活動が多くなっている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市立教育センター「特別支援教育リーダー研修」講師(新潟県上越市)
(2)専門性向上事業教育職員免許状認定講習講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
新潟県,富山県,長野県教育委員会の認定講習会の講師として講義を行ったほか,千種聾学校(愛知),長崎聾学校,広島南特別支援学校,筑波大学附属聴覚特別支援学校などで公開研修会の講師を務めた。教育一般の中でも特別支援教育は領域として小さく,その中でも聴覚障害児教育は様々な面で希少である。結果としてこの領域の研究者が少ないことから,毎年各地からの講演や研修講師の要望がある。今後は後継研究者の育成という観点からも積極的な社会寄与が必要であると感じている。
 

大 庭 重 治(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
シラバスに沿って実施した。
【観点2】教育の達成状況
概ね達成した。
研究指導
【観点2】大学院
特別支援教育実践研究センター及び市内小学校において継続的に研究指導を実施した。
その他の教育活動
・ 新潟大学教育学部非常勤講師
・ 特別支援学校における教育実習の指導
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年8月:『発達障害支援ハンドブック』(共著) 金子書房
業】(1)平成25年3月:『ランチョンセミナーの開催』(共著) 特別支援教育実践研究センター紀要,19巻,pp.37-38
発】(1)平成24年9月:『小集団を活用した特別な教育的ニーズのある児童の学習支援』(共) 日本特殊教育学会
(2)平成24年8月:『Retrieving Kanji Character from Memory in a Child with Learning Difficulty』(共) American Psychological Association
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)低学年児童を対象とした小集団における学習支援 代表者:大庭重治(上越教育大学) 春日小学校
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会出席, (2)平成24年9月14日〜平成24年9月15日:日本神経心理学会出席, (3)平成24年8月2日〜平成24年8月5日:American Psychological Association出席, (4)日本特殊教育学会代議員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越特別支援教育研究会顧問
(2)日本教育大学協会全国特別支援教育研究部門理事,副代表
 

河 合   康(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
特殊教育から特別支援教育への転換に伴う最新の情報を提供するように試みた。特に新しい特別支援学校学習指導要領をめぐる最新情報を提供するようにした。
【観点2】教育の達成状況
3名の大学院生を修了させた。いずれも教育現場に密着した実践的能力を身につけ,特別支援学校の正規の教員として採用された。
研究指導
【観点1】学部
特別支援教育概論Bでは,特殊教育から特別支援教育への転換に伴う背景を的確に把握できるように工夫した。
【観点2】大学院
「実践場面分析演習T,UA(特別支援教育)」では,近隣の特別支援学校の協力を得て,実際に,子どもの実態把握,授業の立案から実施までを行い,現場に直結した授業展開を行うように配慮した。
その他の教育活動
・ 上越教育大学附属小学校,新潟県立高田特別支援学校,新潟県立吉川高等特別支援学校において教育実習生の指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
特殊教育から特別支援教育への制度的転換を学生が認識できるような授業の工夫を行うと共に,教育現場での観察をできるだけ多く設けるようにした。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『明治時代の雑誌「信濃教育」における特別教育の対象児童に関する研究論文の概要』(共著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要 第19巻
発】(1)平成24年9月:『長野県松本尋常高等小学校特別学級に関する史的研究』(共) 日本特殊教育学会
(2)平成24年8月:『雑誌「信濃教育」における特別教育研究論文の変遷』(共) 日本発達障害学会
(3)平成24年9月:『自立活動研究の到達点と展望』(共) 日本特殊教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月23日〜平成24年9月25日:日本特殊教育学会第50回大会出席, (2)平成24年9月3日〜平成24年9月4日:日英教育学会2012年度大会出席, (3)平成24年7月28日〜平成24年7月29日:日本学校教育学会2012年度大会, (4)平成24年8月11日〜平成24年8月12日:日本発達障害学会2012年度大会, (5)日本特殊教育学会編集委員, (6)日本発達障害学会編集委員, (7)障害科学学会編集委員
◎特色・強調点等
特殊教育から特別支援教育への転換がなされていく中で,その方向性を諸外国との比較教育学的観点から検討した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市障害程度区分等審査委員会委員(上越市役所福祉課)
(2)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
(3)独立行政法人特別支援教育総合研究所研究協力者(独立行政法人特別支援教育総合研究所)
(4)新潟県教育職員免許法認定講習講師(新潟県教育委員会)
(5)富山県教育職員免許法認定講習講師(富山県教育委員会)
(6)文部科学省専門性向上事業講習会講師(文部科学省)
(7)上越市民生委員推薦委員会委員(上越市役所福祉課)
(8)新潟県立盲学校学校評議員
 

齋 藤 一 雄(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業の初めに,詳細なシラバスと評価方法,参考図書を示し,毎回,授業の内容と予定を示した資料,内容に関する資料,パワーポイントの印刷物を配布している。特に,聴覚障害の学生がいる場合は,事前に資料を配付している。
授業では,視覚的に分かりやすい教材を用いたり,学生が活動したり,グループ討議やミニアンケートを実施している。
成績評価では,授業の目標や計画を示し,成績評価について具体的に明示している。出席とグループ討議,ミニアンケートの内容も含め,授業で学んだことをテーマにレポートや自作教材教具の作成,指導案等の作成を課し,総合的に評価している。
【観点2】教育の達成状況
院生のなかには,大学院になって初めて特別支援教育,障害児教育を学ぶ者もおり,逆に,10年以上の学校での経験のある者もいる。基礎的な見方考え方から,応用発展できるもの,即現場で活用できるものまで,幅広く指導している。その結果,2・3年で大きく変化し,特別支援学校の教員として就職し,活躍している者もいる。これらの結果からも,これまで行ってきた指導の成果が現れていると考えることができ,目標を達成したといえる。
研究指導
【観点2】大学院
修士課程2年の院生が1名,M3の院生が1名,1年生が3名であった。1年生は,論文の書き方,文献講読,研究テーマに沿った文献検索の指導を行い,2・3年生については,研究テーマに沿った調査研究の指導を行った。また,構想検討会から,発表会1・2・3と段階的に修士論文作成のための指導を行った。さらには,研究テーマに関する実践現場である特別支援学校の行事や授業等の参観を行い,その後の討議を実践的,臨床的な視点から行い,より高度な臨床的な実践力を身につけることができるような指導を行った。
その他の教育活動
・ 新潟県立はまなす特別支援学校における教育実習の指導
・ 新潟市立東特別支援学校における教育実習の指導
・ ソフトテニス部顧問 テニスコートの除草・砂まき・コートローラー引き,練習や試合への参加
特色ある点及び今後の検討課題等
知的障害養護学校での25年間の教員や管理職の経験を生かし,臨床的・実践的な指導を行ってきた。知的障害教育課程の独自性や理解しにくい点など,具体的な実例を紹介しながら,わかりやすく講義した。その成果として「総合学習のすすめ―知的障害教育課程論―」(協同出版)をまとめた。また,具体的な指導方法や教材・教具などについても,特別支援教育実践研究センタープレールームを使って,知的障害児のリズム指導について,実際に身体表現をしたり,楽器で演奏したり,リズム運動を行ったりした。
障害理解教育に関しても,種々の絵本や図書を収集し,実際に手にとって分析し,活用できる授業について検討し,指導案を作成する授業を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年3月:『総合学習のすすめ―知的障害教育課程論―』(共著) 協同出版
論】(1)平成25年3月:『埼玉大学教育学部附属養護学校の教育課程の変遷』(単著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要,第19巻,13-18
作】(1)平成25年3月:『楽器「むち」を練習するための自作曲「むちをパチン!」』 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要,第19巻,45-46
(2)平成25年3月:『ツリーチャイムを練習するために自作曲「チャイムをならそう」』 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要,第19巻,39-40
業】(1)平成25年3月:『特別支援学校の音楽の授業をどのように展開するか―高等部の場合―』(単著) 学校音楽教育研究,第17巻,101-108
発】(1)平成24年9月:『知的障害養護学校教育課程の変遷(2)―埼玉県立E養護学校―』(単) 日本特殊教育学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年8月18日〜平成24年8月19日:日本学校音楽教育実践学会第17回全国大会出席, (2)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会第50回大会出席, (3)日本学校音楽教育実践学会紀要編集委員, (4)特殊教育学研究編集委員
◎特色・強調点等
知的障害教育関係の教員や管理職の経験を生かし,臨床的・実践的で独自性のある知的障害の教育課程編成について,法的背景を明らかにし,歴史的な変遷を資料に当たって概観し,実際的な指導計画や授業にどのように結びつけていくか,具体的な実例を検討しながら研究を進めている。その成果を「総合学習のすすめ―知的障害教育課程論―」にまとめた。一方で,知的障害児を対象としたリズム指導について研究を進めている。具体的な教材開発として,自作楽器や自作曲,テーマのあるリズム運動や合奏で使用する楽曲の編曲を行っている。常に,知的障害児を対象とした実践的臨床的な研究を心がけている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)特別支援学校教員免許状認定講習講師
(2)新潟県新任特別支援学級担任教員研究講師(3回)
◎社会への寄与等
主に新潟県の特別支援教育に関する社会貢献で,特別支援学校等の教科用図書の選定委員や新任特別支援学級担任者の研修会講師,上越市の就学支援委員会の委員としての活動を行った。教科用図書の選定においては,委員長の役割を指名され,諮問事項に対する答申や研究資料づくりなどにおいて,多いに貢献できた。新担任の研修会では,わかりにくい特別支援学級の教育課程について,法的背景や実際の日課表づくりまで講義し,貢献できた。上越市の就学支援委員としても,年9回の会合に参加し,微妙な判断を求められる事例も多くあり,貢献できたと考えている。
 

土 谷 良 巳(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
講義においてはその内容を講述するのみでなく,裏付けとなる実践的,臨床的事実をビデオ映像で紹介することによって,実践経験,臨床経験の乏しい受講生の理解を深めるように配慮した。また臨床実習においては,特別支援教育実践研究センターにおける臨床実習のみならず,地域の学校を訪問して臨床実習を実施し,受講生の実践的,臨床的経験を拡げるように配慮した。また毎回の臨床実習に関してセッションのみならず,ビデオ記録をもとに詳細なカンファレンスを行い,受講生の反省的実践力の涵養に努めた。成績評価においては知識,技能に加えて反省的実践力の観点を重視した。
【観点2】教育の達成状況
大学院修了生3名の内,1名は特別支援学校教諭として正規採用され,1名は臨時的任用であるが特別支援学校教諭の職にあり,ともに障害のある子どもの教育に携わっている。他の1名は本学の研究生となり,さらに専門性を高めるべく就学に励んでいる。研究生は2名であったが,1名は臨時的任用であるが特別支援学校教諭の職に就き,他の1名は現職派遣の特別支援学校教員であり研究生終了とともに復職して障害のある子どもの教育に従事している。以上から,専門性の高い教員養成に関する取り組みに関しては十分な成果を得ることができた。
研究指導
【観点2】大学院
高度な臨床的実践力の涵養に関しては,重複障害及び視覚障害を対象とした教育臨床実習及び応用教育臨床実習を担当して対応している。これらの臨床実習の授業は特別支援教育実践研究センターにおける臨床実習のみならず,地域の学校を訪問にして臨床実習を実施し,受講生の実践的,臨床的経験を拡げるように配慮した。また毎回の臨床実習セッションに関しては,師範するのみならず,臨床的実践経験を拡げる観点,深める観点から実習内容を精選した。また,セッションのみならず,ビデオ記録をもとに時間をかけて詳細なカンファレンスを行い,受講生の反省的実践力の涵養に努めた。
その他の教育活動
・ 横浜国立大学教育人間科学部臨時教員養成課程非常勤講師「重度重複障害児教育論」
・ 福井大学教育地域科学部非常勤講師「視覚障害教育総論」
・ 放送大学・教材作成協力者
・ 上越特別支援学校における教育実習(教育実習生3名)に関して指導した
特色ある点及び今後の検討課題等
講義においてはその内容を講述するのみでなく,裏付けとなる実践的,臨床的事実を自験事例のビデオ映像で紹介することによって,実践経験,臨床経験の乏しい受講生の理解を深めるように配慮した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『最重度の障害のある子どもの学習活動に関する覚え書き−位置弁別延期反応状況における一義的連携化に関する実践事例による予備的考察−』(単著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要, vol.19巻, pp. 19-23.
発】(1)平成24年11月:自主企画シンポジウム「重度・重複障害教育における共創コミュニケーションの課題と展望」(共) 日本教育心理学会第54回総会
(2)平成24年9月:学会企画シンポジウム「重複障害から創出された教育実践の視点の共有と今後の教育のあり方」(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(3)平成24年9月:自主シンポジウム66「先天性盲ろう児との共創コミュニケーションへのアプローチ−「対話」としてのコミュニケーションに関する実践を巡って−」(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(4)平成24年9月:『聴覚障害を伴う知的障害者との調理活動におけるコミュニケーションに関する事例的研究』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(5)平成24年9月:『先天性盲難聴児と教師のかかわり合いにおけるコミュニケーションに関する事例的研究』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(6)平成24年9月:『障害の重い子どもの統合保育に関する事例的研究』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本特殊教育学会代議員会出席, (2)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会第50回大会出席, (3)平成24年11月23日〜平成24年11月25日:日本教育心理学会第54回総会出席
◎特色・強調点等
本学の特別支援教育実践研究センターにおける教育相談事例を対象にした教育的臨床実践,新潟県の盲学校,特別支援学校における重度の重複障害児の指導内容・方法に関するコンサルテーション活動,また,新潟県,東京都,長野県,千葉県,神奈川県の特別支援学校における重度の重複障害児の授業実践に関して得られた臨床的,実践的資料により,重度の重複障害児の教育に関して指導法に直結する臨床的,実践的研究を進めている。障害が極めて重い子どもを対象とした臨床的,実践的研究においては研究成果が結実するまでに長期の取り組みが必要となることから,「労多くして道遠い」地味な研究とされ,「Publish or Perish]ということからほとんどの研究者は手を付けない領域である。だが,障害のある子どもの教育に普遍する基底的な領域であることから,筆者は他大学の少数の研究者とともにこれまで研究を継続してきた。その成果は,本学の特別支援教育実践研究センターの紀要論文や日本教育心理学会及び日本特殊教育学会における自主シンポジウムにおいて報告されている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:第46回全日本特別支援教育研究連盟関東甲信越地区特別支援教育研究協議会長野大会助言者(全日本特別支援教育研究連盟)
(2)8月:川崎市総合教育センター初年次研修講師(川崎市総合教育センター)
(3)6月:新潟県教育センター重度・重複障害教育講座講師(新潟県教育センター)
(4)8月:新潟県教育職員免許法認定講習講師「重複・LD等」(新潟県教育委員会)
(5)8月:富山県教育職員免許法認定講習講師「視覚障害教育課程・指導法」(富山県教育委員会)
(6)10月:上越教育大学教育職員免許法認定講習講師「視覚障害教育課程・指導法」(上越教育大学)
(7)11月:上越教育大学教育職員免許法認定講習講師「重複障害教育総論」(上越教育大学)
(8)12月:平成24年度関東甲信越地区視覚障害教育研究会重複部会講師(関東甲信越地区視覚障害教育研究会)
(9)2月:第2回宇都宮大学重複障害教育実践セミナー講師(宇都宮大学)
(10)2月:生活支援事例報告会助言者(社会福祉法人光道園)
(11)8月:妙高市特別支援教育に係る有識者会議への出席(妙高市教育委員会)
(12)4月〜10月:視覚障害教育研修会講師(新潟県立新潟盲学校)
(13)4月〜6月:重複障害児童生徒指導法研修会講師(新潟県立はまぐみ特別支援学校)
(14)5月〜8月:重度重複障害の児童生徒理解と支援研修会講師(新潟県立はまぐみ特別支援学校)
(15)6〜12月:重複視覚障害児童生徒指導法研修会講師(富山県立富山視覚総合支援学校)
(16)9月〜11月:重複視覚障害児童生徒指導法研修会講師(東京都立葛飾盲学校)
(17)9月〜12月:重度・重複障害授業研究会講師(長野県稲荷山養護学校)
(18)11月:重複学級・訪問学級授業研究会講師(千葉県立富里特別支援学校)
(19)1月:肢体不自由部門事例研究会講師(神奈川県立小田原養護学校)
(20)11月:弱視学級特別支援教育研修会講師(新潟県新発田市立猿橋小学校)
(21)2月:重複障害児童指導法研修会講師(神奈川県川崎市立さくら小学校)
(22)5月〜12月:長野県障害児教育実践セミナー講師(長野県障害児教育実践セミナー)
(23)2月:生活支援事例報告会講師(社会福祉法人光道園)
◎社会への寄与等
重度ないしは重複した障害のある子どもの指導法及び授業研究の観点から,特別支援学校,特別支援学級の授業研究会,指導法研修会における指導・助言を積極的に行った。またいくつかの学校を対象に継続的な学校コンサルテーション活動に取り組み,教職員の実践力向上に貢献した。さらに,教育委員会及び上越教育大学の認定講習,都道府県及び政令指定都市教育センターにおける現職研修講座での講義,全国的な教育研究会での指導・助言を行い,大学での教育臨床及び教育実践に係る研究成果と知見を教育現場に還元し,教職員の専門性向上に貢献できた。
 

笠 原 芳 隆(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
@ 講義形式の授業においては,パワーポイントで次々と説明していくのではなく,必要に応じて具体的な実践資料等を配布の上,それらから重要事項を整理し,板書して学生各自にノートを作成してもらうスタイルで授業を進めた。ただパワーポイントの資料を見ながら説明を聞くのではなく,自分で授業内容の重要事項を書き留めていくことで,学習が深まるのではないかと考えた。さらに講義形式の授業では,特別支援教育の現場での実践状況を踏まえ,ティームティーチングを想定した個別の指導計画や自立活動学習指導案作成の演習・実習を取り入れた。
A 研究法演習等の授業では,教育現場を訪問しての見学や質疑応答を取り入れるなどの工夫をした。
B 授業内容の区切りごとに,受講者から「疑問・感想カード」を記述してもらい,授業内容の理解の状況や説明が足りなかった点についてチェックし,受講者全体に追加説明する必要があるものについては,次の授業で説明するように心がけた。
C 評価については出欠状況も含め,基準を設けて得点化し,公平になるよう配慮した。
【観点2】教育の達成状況
修了生の多くが特別支援教育担当教員になっており,修了後早い時期から研究主任等を担当している者もいる。特別支援教育のかなめである,ティームによる個別の指導計画作成や自立活動の指導の在り方などを,講義だけでなく,演習や実習,現場訪問などを通して実践的に学んだことが,修了生自身の実践にも生かされているのではないかと推察する。
研究指導
【観点2】大学院
私自身が運営に携わっている肢体不自由本人活動(ナディアの会の活動)への参加をゼミ生に促し,特別支援学校卒業後の青年たちと直接かかわる中で,特別支援教育におけるキャリア教育や移行支援等に関する研究を深められるようにした。
また,同じくゼミ生に対し,私自身が全国及び上越地域の研究者や現職教員と運営している教育や療育の研究組織(自立活動研究ネットワーク,上越自立活動研究会,上越地域療育連携協議会,新潟心理リハビリテイション研究会)の活動への参加も促し,現職教員等から直接,特別支援教育の成果や課題等研究に関連する情報を収集できるようにした。
その他の教育活動
・ 秋田大学教育文化学部 非常勤講師
・ 富山大学人間発達学部 非常勤講師
・ 上越教育大学学校教育学部 保育実習T・U事前・事後指導(施設見学含む)担当7.0回
・ 上越教育大学課外活動団体「紙ひこうき」及び「すぺしゃるさんくす」顧問
特色ある点及び今後の検討課題等
授業,学生の研究指導ともに,新潟県上・中越地域を中心とした関東甲信越地域で自立活動やキャリア教育等特別支援教育に先進的に取り組んでいる学校の教員・研究者から直接情報を得られるような機会を設定し,併せて障害者本人と交流し,本人の実態や生活環境を理解する機会も設定した。机上での理論学習のみではなく,実際に関係者と関わる中で実践的な能力を高められるよう,今後も教室外での学習機会を確保していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『障害児・者の余暇・生涯学習本人活動に基づく卒業後の自立と社会参加を見すえた教育内容・方法の検討』(共著) 平成23年度〜平成24年度上越教育大学学内プロジェクト研究成果報告書
発】(1)平成24年9月:『障害児の生活全体を見据えた進路指導について』(共) 日本特殊教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)「特別支援教育における教育課程の在り方を考える(2)」代表者:安藤隆男(筑波大学大学院)自立活動研究ネットワーク
(2)「特別支援教育における教育課程と指導計画作成」代表者:大野俊哉(新潟県立高田特別支援学校)上越自立活動研究会
(3)「肢体不自由児の姿勢・動作改善」代表者:高橋 晃(新潟県立はまなす特別支援学校)上越心理リハビリテイション研究会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会第50回大会出席, (2)平成24年11月30日〜平成24年12月1日:第38回日本リハビリテイション心理学会福岡大会出席
◎特色・強調点等
特別支援教育の課題解決に向けて,昨年度に引き続き新潟県を中心とした関東甲信越地区で特別支援教育に携わる教員と研究会を通して研究を進めた。また,近隣の特別支援学校において授業研究に参加し,自立活動を中心とした特別支援教育の授業づくりについて研究を深めた。
学内プロジェクト研究に採択された「障害児・者の余暇・生涯学習本人活動に基づく卒業後の自立と社会参加を見すえた教育内容・方法の検討」について,現場教員や大学院生と協働で学校現場を訪問するなどして研究を進め,報告書にまとめた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成24年度大学公開講座講師「特別な支援を必要とする子の指導・支援」(上越教育大学)
(2)第13回自立活動研究フォーラム企画・運営委員(自立活動研究ネットワーク(代表:安藤隆男))
(3)上越自立活動研修会企画・運営委員(上越自立活動研究会(代表:大野俊哉))
(4)新潟県立上越特別支援学校非常勤講師「自立活動担当」(新潟県)
(5)上越保健医療福祉専門学校非常勤講師「障害者の理解T担当」(上越保健医療福祉専門学校)
(6)柏崎市早期療育事業「たんぽぽプレー教室」指導・助言者(柏崎市)
(7)新潟工科大学教員免許更新講習講師(特別支援教育の基礎)(新潟工科大学)
(8)新潟県学校看護師研修会講師(新潟県教育委員会)
(9)新潟県立はまぐみ特別支援学校校内研修会講師(新潟県立はまぐみ特別支援学校)
(10)新潟県立柏崎特別支援学校校内研修会講師(新潟県立柏崎特別支援学校)
(11)上越市個別の指導計画作成研修会講師(上越市教育委員会)
(12)肢体不自由青年本人活動の会(ナディアの会)運営委員(ナディアの会)
(13)NPO法人スキップ副理事長(NPO法人スキップ)
(14)NPO上越地域学校教育支援センター未就学児サポート事業講師(NPO上越地域学校教育支援センター)
(15)新潟県教育職員免許法認定講習講師「肢体不自由児の心理と教育」(新潟県教育委員会)
(16)文部科学省専門性向上事業教育職員免許法認定講習講師「肢体不自由教育課程・指導法」(上越教育大学)
(17)上越教育大学インクルーシブ教育フォーラムパネリスト(上越教育大学)
(18)上越市こども発達支援センター療育相談助言者(上越市)
(19)上越動作法訓練会スーパーバイザー(新潟心理リハビリテイション研究会)
◎社会への寄与等
特別支援教育に携わる教員や療育を担当している保育士等に対し,研究フォーラムや認定講習・公開講座,校内研修会,療育場面でのアドバイス等を通して,肢体不自由児等が抱えている障害による困難への対応の方法,自立活動の個別の指導計画や教育支援計画の作成・活用のあり方等に関する指導・助言を行った。これらを通して地域の特別支援教育・療育担当者の専門性向上の一翼を担えたものと考えている。
 

葉 石 光 一(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業で学習する内容のイメージをもちやすいようにシラバスを具体的に記載するよう配慮した。これは,授業時間外の学習の方向性を示す上でも必要なことと考える。また授業の資料には必ず出典を示し,気になる内容については自ら資料にあたることができるよう心がけた。成績評価のレポートでは,授業で聞いた内容で疑問に感じた点を理由とともに記述することを求めた。少なくない学生が,授業で紹介した資料にあたり,内容を確認した上で考察を深めるということをしていた。そういった学生のレポートは,単に授業でよく分からなかったことを書き連ねるのではなく,現在分かっているいくつかの知見の矛盾を指摘する内容となっており,自らの研究課題をどのように見つけて行くかということについての良い練習ともなっていたと思われる。
【観点2】教育の達成状況
担当ゼミ学生は修了後,全てがそれぞれの目標であった教育現場において教員として活躍している。現在,通常の学校においても特別支援教育の必要性はますます高まってきている。修了生は,特別な支援を必要とする子どものアセスメント,支援の立案,実施に必要な力を,授業,ゼミでの臨床活動を通して身につけている。こういった力は,現在の教育現場では必要とされ不可欠なものであり,そういった点で学生に高い付加価値を身につけさせた上で送り出すことができていると考える。
研究指導
【観点1】学部
該当無し。
【観点2】大学院
大学院生の研究指導にあたっては,積極的に学会や研究会に参加することを促している。研究の最先端の様子は,研究室にこもって論文等に目を通すだけではうかがい知ることはできない。こういったことを通してこそ得られる,研究課題への迫り方についての示唆を研究に生かすよう指導している。これらに加えて,研究は教育の現場にフィードバックされる情報としての価値をもっていることが大切であることを強く意識させている。これは研究成果が即座に応用できることを言っているのではない。研究を誰に向かって発信するかを強く意識させているということである。比較的基礎的な内容であっても,学校の教師や保護者に向けてその内容や結果を説明するつもりで取組むことが大切であると考えている。
その他の教育活動
・ 長野学園長野大学非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
学生指導にあたっては,実践力と研究力をともに高めるよう心がけている。近年,特別支援教育の現場においてよく活用される心理検査の改訂が続いている。これらの改訂の背景には,子どもの認知機能を理解する上で必要な認知科学,心理学的知見の急速な進展がある。つまり,こういった知見についての十分な理解がないところでは,子どもの教育にとりかかる前の段階で子どもとの係わりの方向性をつかめない状態に陥ってしまうということになる。そのようなことにならないよう,子どもの認知機能を捉える上で重要な知識の基礎をじっくりと培うことを心がけた指導を行った。しかし,そういった指導の成果は必ずしも十分にあがっていないと思われる。授業時間外にも,ランチョンセミナー等を企画し,学生の学ぶ機会を設けるよう努力しているが,そのような取組みをより一層増やして行くことが求められていると考える。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『Age-related change of the mean level and intraindividual variability of saccadic reaction time performance in persons with intellectual disabilities』(共著) Research in Developmental Disabilities 第34巻 pp.968-975
発】(1)平成24年8月:『Age and saccadic reaction time in persons with intellectual disabilities』(共) American Psychological Association, 120th Annual Convention発表
(2)平成24年9月:『知的障害者のサッケード反応時間の年齢変化』(共)日本心理学会第76回大会発表
(3)平成24年9月:『小集団を活用した特別な教育的ニーズのある児童の学習支援』日本特殊教育学会第50回大会自主シンポジウム 企画及び司会
学会活動への参加状況
(1)8月2日〜5日:American Psychological Association, 120th Annual Convenrion出席, (2)9月11日〜13日:日本心理学会第76回大会出席, (3)9月28日〜30日:日本特殊教育学会第50回大会出席
◎特色・強調点等
知的障害者の運動機能の平均的パフォーマンスの特徴はこれまでによく調べられてきたが,パフォーマンスの個人内変動の特徴,及びそれと平均的パフォーマンスの関係については十分な検討が加えられてこなかった。特に,平均的パフォーマンスと個人内変動の関係については,「平均的パフォーマンスが大きい場合ほど個人内変動は大きくなる」という因果関係で捉えられてきたが,本研究ではこの逆の関係性から見えてくる知的障害者の運動機能特性について検討した。これによって,運動機能支援の新たな知見を得ることができたことが大きな特色である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市立教育センター「特別支援教育リーダー研修」講師(新潟県上越市)
(2)専門性向上事業教育職員免許状認定講習講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
・ 上越市教育委員会による「特別支援教育リーダー研修」では,個別式知能検査WISC-IIIの活用に関する講習を行った。
・ 特別支援教育への専門性を高める必要性から行われている教育職員免許状認定講習の講師を務めた。
 

藤 井 和 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
言語障害,知的障害,肢体不自由等をそれぞれ単独に有しているか,あるいは重複している児童生徒の指導法について授業を実施している。障害特性に関する知識及び指導技術を伝えるとともに,学校においてそれら障害のある児童生徒の教育内容を構成する際に重要になる「自立活動」領域の理念を理解して,指導内容を選択できる力量の養成を視点として授業に取り組んでいる。障害が重度・重複化,多様化する実態の児童生徒の教育を行って行くには,教師間及び関係者間の連携による指導計画作成・授業実施・評価が求められることを鑑み,協働で問題解決していく方法の改善についても,特に臨床実習を中心として取り組んでもらえるよう工夫を行っている。
成績評価については,授業出席回数だけではなく,授業中の取組状況,レポート等総合的に判断して実施している。
【観点2】教育の達成状況
修了した指導学生に対しては,これまでも上越自立活動研究会や上越言語障害教育研究会に参加してもらい,教育現場の課題の解決に向けて協働で取り組む体制をとってきている。修了後も学会発表を行う者もおり,研究発表の相談にのっている。大学院で実施した教育の成果の一つであると考えられる。
研究指導
【観点2】大学院
指導学生に免P生が多いが,免P生は,学校教育の実態について知識が少なく,研究課題を見いだすことに非常に困難がある場合がある。教員免許を取得することに時間が費やされてしまう実態の中で,学校教育における課題を主体的に発見し,論理的に整理していくことに重点をおいて研究指導を行った。修了生を中心とした地域の研究会にも参加してもらい,教育現場で生起している課題をどのように捉えたらよいかを考える機会を提供している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『内地留学経験のある新潟県言語障害通級担当教師の現職研修の実態と課題』(単著) 障害科学研究,第37巻,115-128
発】(1)平成24年9月:『吃音のある児童の個別の指導計画作成に関する一考察』(共) 日本特殊教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)コミュニケーション力を高める支援のあり方 代表者:蒲澤 洋子(上越特別支援学校教諭)
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会第50回大会出席
◎特色・強調点等
発表した論文は,現在,明確な養成カリキュラムのない言語障害通級指導教室の担当教師に対し,今後,どのような現職研修を実施していくべきかを検討していくための基礎的な知見を得るという特色がある。
本大学を修了した院生を中心とした上越言語障害教育研究会,上越自立活動研究会を設置し,学校教育現場で生じる課題を大学と現場がともに解決を図っていく取組を継続的に実施している。これらの会を実施することによって,現職教員の専門性向上に寄与できる。また,両会に院生も参加してもらい,教育現場の現状と課題を実感し,修士論文の作成に生かしてもらっている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)上越市こども発達支援センター職員研修会講師(上越市)
(2)柏崎市早期療育事業講師(柏崎市)
(3)新潟県立上越特別支援学校現職研修講師(新潟県)
(4)未就学児サポート事業講師(上越地域学校教育支援センター)
(5)柏崎市刈羽郡学校教育研究会講師(柏崎市刈羽郡学校教育研究会)
(6)妙高市立にしき特別支援学校研修会講師(妙高市立にしき特別支援学校)
(7)学校評議員会委員(上越特別支援学校)
(8)新潟県教育職員免許法認定講習講師(新潟県教育委員会)
(9)教育免許状更新講習講師(上越教育大学)
 

村 中 智 彦(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
講義では,受講者の理解をより高めるために,パワーポイントで提示した資料の配布,授業内容に関わる国内外の文献資料の配布,紹介を適宜行った。また,講義の中でも,授業内容に関わる教育臨床場面のビデオ映像など視覚的情報を活用し,実際の教育現場で生じやすい事象をシミュレートした演習体験を取り入れた。
成績評価では,受講者に対して,出席状況や課題のレポート・まとめ,臨床実習におけるカンファレンスの参加状況など評価の観点を明示した。
【観点2】教育の達成状況
平成24年度に指導学生であった院生で修了したものは2名であった。1名が青森県派遣の現職教員であり4月より職場復帰し,1名が教員採用試験を受験し4月から埼玉県特別支援学校に正規採用されている。修了した院生2名は,平成25年9月に明星大学で開催される「第51回特殊教育学会」または平成25年7月に岐阜大学で開催される「第31回日本行動分析学会」で修士論文の成果の一部を発表予定であり,いずれも学会誌等への論文投稿の準備中である。
研究指導
【観点2】大学院
多様な価値観や資質・能力を有する院生に対応した研究指導・方法に配慮した。研究室に所属する院生11名(M1:6名,M2:2名,免P・M2:3名)に対して定期的にゼミを開催した。併せて,学生のニーズに応じて個別的な指導を実施した。ゼミでは,今日的な教育課題に関わるテーマの設定や方法論に関わる演習,研究指導を行った。
その他の教育活動
・ 院生2名のはなます支援学校,院生1名の高田支援学校,院生1名のにしき特別支援学校の教育実習挨拶,研究授業及び協議会に参加し,指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
講義では,特別支援教育に関わる成果,特に教育効果や今日的な課題等について,自身の研究成果を含めて,実証的なデータや根拠(evidence)を示すことを心掛けた。また,指導学生に対して,特別支援教育実践研究センターでの臨床実習を通じた実践的指導力の向上と,障害者教育・福祉に関わるフィールド観察の学習機会をより多く設けるようにした。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年7月:『学習困難を示す中学校のオープン教室における学習指導−朝教室の設置と指導方法を中心に−』(共著) 特殊教育学研究,第50巻2号,193〜204頁
(2)平成25年2月:『特別支援教育支援員の活用と評価(1)−支援員の役割と職務満足感を中心に−』(共著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,219-226頁
(3)平成25年2月:『特別支援教育支援員の活用と評価(2)−支援員と連携する小中学校教員を対象に−』(共著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,201-209頁
業】(1)平成24年5月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−自立的に取り組める個別指導の環境設定−』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,147,62〜63頁
(2)平成24年7月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−課題内容に焦点を当てた個別指導の視点とコツ−』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,148,62〜63頁
(3)平成24年8月:『映像を使った評価・分析−改善の成果をあげるビデオ活用術−』(単著) 学研「月刊実践障害児教育」,470,16〜19頁
(4)平成24年9月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−学習機会の設定から質の向上に向けたアプローチ』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,149,62〜63頁
(5)平成24年11月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−小集団指導の特徴を理解しよう−』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,150,62〜63頁
(6)平成25年1月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−小集団指導で仲間と関わる−』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,151,62〜63頁
(7)平成25年3月:『連載/自閉症の子どもがわかって動ける授業づくり−こうすればチームティーチングはうまくいく−』(単著) 明治図書「特別支援教育の実践情報」,152,62〜63頁
発】(1)平成24年7月:『特別支援学級における知的障害児童の自立的な宿題遂行の促進(1)』(共) 日本行動分析学会31回大会
(2)平成24年7月:『特別支援学級における知的障害児童の自立的な宿題遂行の促進(2)−授業参加,登校行動への影響−』(共) 日本行動分析学会31回大会
(3)平成24年9月:『広汎性発達障害児の課題学習における教示要求行動の形成−課題条件との関連−』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(4)平成24年9月:『広汎性発達障害児の家庭場面における母親の間接的要求の理解と適切な行動の形成』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(5)平成24年9月:『保育園における発達障害幼児の活動参加の促進−仲間とのやりとりを通じて−』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(6)平成24年9月:『特別支援教育における児童生徒が主体的に分かって動けて参加できる授業づくり(6)−児童生徒が学び合い,育ち合う「協同学習」を通じた「教科別の指導」の展開−』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
(7)平成24年10月:『特別支援教育支援員の活用と評価に関する全国調査(1)−業務内容,職務満足感と関連要因−』(共) 日本LD学会第21回大会
(8)平成24年10月:『特別支援教育支援員の活用と評価に関する全国調査(2)−教員による支援員評価に関する要因の分析−』(共) 日本LD学会第21回大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年7月:日本行動分析学会参加, (2)平成24年9月:日本特殊教育学会参加・研究発表, (3)平成24年10月:日本LD学会参加・研究発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月〜3月:妙高市障害児通園事業ひばり園職員研修講師(妙高市教育委員会)
(2)4月〜3月:糸魚川市乳幼児発達指導相談事業めだか園職員研修講師(糸魚川市教育委員会)
(3)4月〜3月:柏崎市早期療育事業プレー教室講師(柏崎市教育委員会)
(4)村上特別支援学校いじみの分校校内研修会講師(村上特別支援学校)
(5)4月〜3月:新潟県カウンセラー派遣事業・派遣カウンセラー(新潟県教育委員会)
(6)4月〜3月:富山大学人間発達科学部附属特別支援学校校内研修会講師(富山大学人間発達科学部附属特別支援学校)
(7)6月〜3月:新潟県立はまなす特別支援学校校内研修会講師(新潟県立はまなす特別支援学校)
(8)和歌山県はまゆう特別支援学校校内研修会講師(和歌山県はまゆう特別支援学校)
(9)4月〜3月:妙高市就学指導委員会委員(妙高市就学指導委員会)
(10)国立特別支援教育総合研究所専門研修講師(国立特別支援教育総合研究所)
(11)広島県情緒障害教育研究会年次大会講演会講師(広島県情緒障害教育研究会)
(12)村上地域特別支援教育夏季研修会講師(村上特別支援学校)
(13)広島県呉市発達障害いろは学習会第2回研修会講師(広島県呉市発達障害いろは学習会)
(14)小出特別支援学校ふれあいの丘分校研修会講師(小出特別支援学校)
(15)富山県立高岡支援学校特別支援学校障害種別研修会講師(富山県立高岡支援学校特別支援学校)
(16)岩手県高等学校教育研究会特別支援教育部会講演会講師(岩手県高等学校教育研究会特別支援教育部会)
(17)十日町市川西地域教職員協議会研修会講師(十日町市川西地域教職員協議会)
(18)鳥取県教育センター教職員研修講師(鳥取県教育センター)
(19)富山県にいかわ総合支援学校現職教育講演会講師(富山県にいかわ総合支援学校)
(20)広島県尾道特別支援学校夏季公開講座講師(広島県尾道特別支援学校)
(21)富山県総合教育センター特別支援教育講座講師(富山県総合教育センター)
(22)新潟市市立幼稚園研修会講師(新潟市市立幼稚園)
(23)柏崎市刈羽郡生徒指導研修会講師(柏崎市刈羽郡生徒指導研修会)
(24)柏崎市立鏡が丘沖中学校校内研修会講師(柏崎市立鏡が丘沖中学校)
(25)LD等発達障害児者親の会「新潟いなほの会」相談会講師(LD等発達障害児者親の会「新潟いなほの会」)
(26)富山聴覚総合支援学校校内研修会講師(富山聴覚総合支援学校)
(27)広島市立広島特別支援学校校内研修会講師(広島市立広島特別支援学校)
(28)香川大学教育学部附属特別支援学校公開授業研究会講師(香川大学教育学部附属特別支援学校)
(29)教員免許状更新講習講師(上越教育大学)
◎社会への寄与等
学校や療育現場からの研修会等の講師依頼については,本務に支障のない範囲で受けており,日頃の教育・研究活動に資するところは大きい。近年,これらの依頼については全国規模となっており,本学の教育・研究活動を関係機関にアピールする上でも重要な社会貢献と考えている。実際,これらの社会貢献活動をきっかけに,本学大学院特別支援教育コースを希望する受験生(現職,学卒とも)が複数いた。
 

八 島   猛(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
病弱教育に関する講義において,学生と共に疾患のメカニズムや困難さを体感できる教材開発を試みた。教材開発をめざした学生同士の活発な討議や文献検索など主体的に講義に取り組む様子が見られた。完成した教材は学会シンポジウムにて発表した。成績評価はシラバスに示したとおりに行った。
【観点2】教育の達成状況
いずれの授業もほぼシラバス通りに実施した。授業中の議論,レポートの内容,感想および実践の様子から,受講生は病弱領域を中心とした知識・技能を身につけたと思われる。
研究指導
【観点2】大学院
全体ゼミを週に1回,学生の要請に応じた個別ゼミは適宜行っている。またより専門的な知識を得るために学会参加,研究会参加をするよう促している。臨床的実践力の習得のために,特別支援教育実践研究センターと県内の病院において病弱・身体虚弱,重症心身障害に関する臨床研究の場を提供した。
その他の教育活動
・ 仙台大学非常勤講師
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年6月:『特別支援教育専攻学生を対象とした障害理解のための教材開発(1)』(共著) 宮城教育大学附属特別支援教育総合研究センター 宮城教育大学附属特別支援教育総合研究センター研究紀要,第7号,11-21頁
(2)平成25年3月:『ランチョンセミナーの開催』(共著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要,第19号,37-38頁
発】(1)平成24年9月:『特別支援教育専攻学生を対象とした障害理解のための教材開発―その2:糖尿病・血友病等の「自己注射」場面を中心にした教材― 自主シンポジウム  学会発表』(共) 日本特殊教育学会
(2)平成24年8月:『筋ジストロフィー者の進路選択と卒後の充実した生活のために』(共) 日本育療学会第16回学術集会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会出席
◎特色・強調点等
科学研究費助成金における研究の一環として,疾患のある子どもを対象とする発達支援教室を定期的に開催した。特別支援教育のなかでも病弱・身体虚弱領域に特化した発達支援の場は少なく,この教室の開催とその継続は地域の教育課題に寄与する取り組みであると考えられる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)福井県免許法認定講習講師(福井県)
(2)新潟県免許法認定講習講師(上越教育大学)
(3)妙高市早期療育事業委員(妙高市教育委員会)
(4)関東甲信越地区特別支援学校病弱教育教頭会講師(関東甲信越地区特別支援学校病弱教育教頭会)
(5)新潟県立柏崎特別支援学校校内研修会講師・助言者(新潟県立柏崎特別支援学校)
◎社会への寄与等
特別支援教育に関する研修会の講師・指導助言者として,研究成果および日頃の臨床実践の成果を還元した。また,特別支援教育実践研究センターにおいて慢性疾患のある児童生徒を対象とした教育相談およびこのニーズに応じた発達支援を定期的に実施した。
 

小 林 優 子(助 教)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
近年特別支援教育に関する関心が高まり,本学へも学部では他領域を専攻していた学生が増加傾向にある。
特別支援教育に関する内容は心理学,生理学,指導法など様々な内容にわたっており,専門的な知識がない状態でも,学生に関心をもってもらい,実践において役立てられるような授業を心がけている。そして,大学院で身につけた知識を元に,教育現場で即戦力となり,児童や保護者,同僚に必要とされるような教員に育てあげるよう努力している。
【観点2】教育の達成状況
特別支援学校教育実習に関係する授業を多く担当しており,実習に臨む上で必要な知識(知能検査・発達検査など)の指導や専門である聴覚障害の評価に関する内容に重点をおいて指導している。毎年修了生が特別支援学校や地域の小・中学校の教員となり,大学院で学んだ専門知識を現場で活用していることを踏まえ,今後もより良い授業を行っていきたいと思う。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年3月:『語音聴取に及ぼす視覚的予告刺激の影響について −聴覚障害者を想定した基礎的検討−』(単著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要第19巻,25-27頁
(2)平成25年3月:『上越きこえの相談室の発足から現在の活動について』(共著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要第19巻,29-30頁
(3)平成25年3月:『新潟県立長岡聾学校高田分校の開校について』(共著) 上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要第19巻,31-32頁
発】(1)平成24年9月:『聴覚情報処理障害(auditory processing disorders;APD)へのアプローチ7 −鑑別診断に向けた視覚認知評価と脳機能評価の利用−』(共) 日本特殊教育学会第50回大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月28日〜平成24年9月30日:日本特殊教育学会第50回大会出席, (2)平成24年10月17日〜平成24年10月19日:第46回全日本聾教育研究大会(高知大会)出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)糸魚川市気になる子の療育研修会講師(糸魚川市教育委員会)
(2)糸魚川市5歳児発達相談会講師(糸魚川市教育委員会)
(3)新潟県教員免許認定講習「聴覚障害児の心理・生理」講師(新潟県教育委員会)
(4)上越教育大学免許法認定講習「聴覚障害心理・生理学論」講師(上越教育大学)