加 藤 雅 啓(教 授)
 
<教育活動>
研究指導
【観点1】学部
英語運用能力の育成を重点目標とし,積極的にコミュニケーションを図る態度の養成に工夫を凝らした。「英語学概論」では談話文法理論,機能文法理論の観点により「覚える文法」から「考える文法」,「コミュニケーションに役立つ英文法」への橋渡しを行った。「英文法」の授業では映画,コミック,英字新聞等の生きた英語教材を活用し,「母語話者の言語直感に迫る文法」の構築を目指す取り組みを行い,成果として中・高の教室で実際に使える「ハートに迫る」英文法教材を作成した。
【観点2】大学院
教育現場における英文法指導について従来の記憶中心の学校英文法を脱却し,コミュニケーションを重視した実践的な英文法指導への取り組み方を工夫した。「英語学演習」では関連性理論における最新の言語理論を取り込み,橋渡し指示に関する理解を高める工夫を行い,結束性に関する実践的な教材開発を行うことができた。「談話文法特論」の授業では,「話し手・聞き手・場面」で構成される「談話」を想定した「新しい文法」観,及び「母語話者の言語直感に迫る文法」観を身につけることができた。さらに,実践的な英文法指導能力を身につけ,パワーポイントによる談話文法教材を開発した。
その他の教育活動
・ 5月〜6月:中学校教育実習において,学部4年生2名,大学院生2名を指導した。
・ 9月:小学校実習において,学部3年生5名を指導した。
特色ある点及び今後の検討課題等
講義支援システムを活用し,総ての担当授業で「振り返りシート」を提出してもらい,教師は「振り返りシートの振り返り」を作成して講義支援システムに再アップすることにより,学生・教員の双方向授業を行った。さらに教師による「振り返りシートの振り返り」を次の授業冒頭で学生と振り返ることにより,学習項目を一層深く理解することが可能となった。C英語CIIでは英語をツールとして用い,情報の収集・発信を行い,グループワークを通じてコラボレーション・プレゼンテーション能力を伸ばす目標を設定し,Virtual Travel 2013では英文HPを利用して仮想旅行を計画・実施し,Discover Joetsu 2013では,上越地域を英文で紹介する日本文化紹介教材を作成し,提携校であるウェストミンスター校で活用してもらい,さらなるバージョンアップを目指したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年12月:『言語学からの眺望 2013』(共著),九州大学出版会
論】(1)平成26年3月:「談話における照応表現の指示機能?話題指示,保留指示?」,上越教育大学研究紀要,33巻,pp.157-166
(2)平成25年12月:「談話における代名詞の指示機能−話題指示と保留指示−:機能文法理論と認知語用論の棲み分け」,『言語学からの眺望 2013』, pp.28-40
業】(1)平成26年3月:『教科内容構成 英語』(共著),上越教育大学
 
学会活動への参加状況
(1)平成25年12月7日〜平成25年12月8日:日本語用論学会, (2)平成25年11月9日〜平成25年11月10日:日本英語学会, (3)平成25年10月19日:英語語法文法学会, (4)平成25年10月12日:日本プラグマティックス学会, (5)平成25年5月25日〜平成25年5月26日:日本英文学会, (6)日本英語学会評議員, (7)本プラグマティックス学会理事・評議員
◎特色・強調点等
過去7回にわたって交付された科学研究費補助金は,いずれも機能文法理論,認知言語学,関連性理論の枠組みによる研究であり,(1)談話における照応表現について,先行詞同定の原理を明らかにする試み,(2)談話における倒置構文,及び右方移動構文について,これらの構文の機能を明らかにする試み,(3)談話における指定文,とくにit分裂文,wh分裂文の機能について,これらの構文の機能を明らかにしようと試みである。これらの研究成果は内外の言語学研究書籍・論文・事典(例えば『英語構文事典』等)で紹介,あるいは引用されており,一定の研究水準に達していると考えられる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成26年3月1日:社会福祉法人御幸会評議会・理事会(社会福祉法人御幸会)
(2)平成26年2月23日:実用英語技能検定(日本英語検定協会)
(3)平成25年11月8日:出前講座(新潟県立六日町高等学校)
(4)平成25年11月8日:実用英語技能検定(日本英語検定協会)
(5)平成25年7月31日:教員免許状更新講習(上越教育大学)
(6)平成25年7月7日:実用英語技能検定(日本英語検定協会)
(7)平成25年5月22日:社会福祉法人御幸会評議会・理事会(社会福祉法人御幸会)