長谷川 敦 司(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
授業方法については,前年度までに作製した演示実験用装置を用いての授業を中心に行った。また,生活の中の科学においては,作製した実験装置を用いて,学生に実際に実験を行わせ,結果について考察させながら進めていく授業形態をとった。授業後のアンケートなどから,学生の興味喚起には一定の効果があったようである。また,授業研究の一環として,米国プリンストン大学にて,物理の教養教育についての議論を行ってきた。この中で,演示実験の有効性を改めて認識した。
【観点2】教育の達成状況
卒業研究を担当した学生は,本学大学院への進学を決めた。研究面に加え,教育についてもさらに深く探究したいとのことから進学を選んだようである。この面からも,教育についての達成度は高いものと判断できる。また,各授業後のアンケート,FDアンケートの結果なども良い結果を得ているため,達成度は高いと判断できる。
研究指導
【観点1】学部
学部4年生には,3年生からのテーマを深めるように指導を行った。また,学部3年生も類似のテーマを研究させているため,後輩への指導を行うことにより,自らの理解も深めるように指導した。学部3年生には,テーマについての基本的な理解を促すように指導を行った。
【観点2】大学院
修士2年生の指導を行ったが,課題発見から解決までの過程が,自ら理解することに加え,他者にも説明できるように指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
授業では,単なる知識の習得だけではなく,自らが考えることができるようになる工夫を行っている。個別の指導でも,極力自主性を重視し,自らの研究テーマを推進できるように指導を行っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)Alignment of needle TiO2 nanoparticles in water(共著),International Journal of Theoretical and Applied Nanotechnology (in press).
(2)教員養成系大学生の物理学的素養の向上を目指した授業(共著),物理教育,第61巻,第3号,131〜136(2013)
(3)「児童自らに変数の同定と仮説設定を行わせる指導が現象を科学的に説明する能力の育成に与える効果−第6学年「ものの燃え方と空気」を事例として−」(共著),理科教育学研究
発】(1)国際会議:ICFNA2013(4th International Conference on Nanotechnology: Fundamentals and Applications (ICNFA'13))にて発表(selected paper)
(2)平成25年12月:日本物理教育学会新潟支部講演会「光散乱による非真球微小粒子の簡易形状計測」
本講演会は,新潟支部の講演会であるため,地域の高校の物理の教員,大学の教員の集まりであった。本公演の意義としては,地域教員との交流を図り,情報交換を行いつつ,先端研究の紹介を行うことにより,意識の向上を図れることにある。
学会活動への参加状況
(1)日本物理学会へ参加し,意見交換および情報収集を行った。
◎特色・強調点等
国際会議発表,論文化,特許申請を行ったナノ粒子の分光は,非真球微小粒子の形状を計測するための方法として新規性のあるものである。現在,特許申請中であるが,さらに測定精度を高め,自動的に軸長を推定できるソフトウエアなども開発していく。