3 管理運営組織等
(17)学校ボランティア支援室
  @ 設置の趣旨(目的)及び組織
   ア 組織設置の趣旨(目的)
学校ボランティア支援室は,就業力を有する「活力ある学生」を育成するため,学校教育学部に開設する授業科目「ボランティア体験」,「学校ボランティアA(学校支援体験)」及び「学校ボランティアB(学校支援体験)」(以下「ボランティア科目」という。)を履修する学生及びボランティア科目を担当する教員を支援することを目的に,平成23年4月に設置された。
   イ 組織の構成及び構成員等
学校ボランティア支援室は,室長を学長の指名する教授,室員を学長が指名する教員,ボランティアコーディネーター及び教育支援課長等で組織されており,室長の指名する室員を次長とし,平成26年度は計13人で構成した。
  A 運営・活動の状況
   ア 委員会等の開催状況
平成26年度においては,学校ボランティア支援室会議を,教務委員会 学校ボランティア運営部会との合同会議として,以下のとおり4回開催(第4回は書面審議)した。
      第1回 平成26年4月25日(金)
      第2回 平成26年9月2日(火)
      第3回 平成27年2月9日(月)
      第4回 平成27年2月16日(月)
   イ 審議された主な事項
平成26年度の主な審議事項は,「ボランティア体験」,「学校ボランティアA(学校支援体験)」及び「学校ボランティアB(学校支援体験)」に係る平成26年度実施計画及び履修状況,「教育現場のニーズに対応した学校ボランティアフォーラム」の開催,「ユニバーサルデザインに基づくICT活用授業セミナー」の開催,「学校ボランティア支援室設置要項の一部改正」など,である。
   ウ 重点的に取組んだ課題や改善事項及び前年度の検討課題への取組状況等
昨年度に引き続き,文部科学省「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」に係る取組の一環として「教育現場のニーズに対応した学校ボランティアフォーラム」,「ユニバーサルデザインに基づくICT活用授業セミナー」,「学生のキャリアパス・キャリア準備性確立に関するフォーラム」,「インクルーシブ教育セミナー」,「ICT支援ボランティア」及び「進化するインターンシップ新潟フォーラム」の実施に,同プロジェクト企画委員会と連携協力して取り組んだ。
また,学生の被災地ボランティア団体である ABJ(Action By Juen)の2回にわたる被災地ボランティアバスツアーの催行を支援した。
  B 優れた点及び今後の課題等
平成26年7月12日(土)に「教育現場のニーズに対応した学校ボランティアフォーラム」を本学で開催した。これは,「ボランティア体験」,「学校ボランティアA(学校支援体験)」及び「学校ボランティアB(学校支援体験)」が教育現場でどのような評価を受けているのか,学生はどのような心構えで取り組んでいるのか,それらを踏まえ上越教育大学としては今後どのような支援を行っていけばよいのか,それぞれの立場から意見を伺い,教育現場のニーズに対応した教員養成カリキュラムの充実に資することを目的として,新潟県教育委員会やボランティア授業連携機関の後援を得て,開催したものである。会場は,公立学校教員や学生等でほぼ満席となり,この取組への関心の高さがうかがい知れた。参加者からは,「フォーラムを通して学生の活動や大学の取り組みが在学生にしっかり共有されると感じた。」,「ボランティア活動を行うことによって学生の教師としての視点が定まり深くなって行くものと感じた。」などの意見が寄せられた。
また,平成26年9月13日(土)に「ユニバーサルデザインに基づくICT活用授業セミナー」を本学で開催した。これは,「学校ボランティアA(学校支援体験)」及び「学校ボランティアB(学校支援体験)」による体験的な学びの更なる充実を図り,学生の社会的・職業的自立の力を育むこと,また学校現場で活躍する教員を講師として実践的な事例をもとに授業におけるICTの活用方法を学ぶことを目的として,新潟県教育委員会等の後援を得て,開催したものである。当日は,学生及び学校教員等が多数参加した。はじめに島根県松江市立意東小学校の井上賞子教諭から「特別支援学級におけるICT機器の活用」と題した講演があった。引き続き,ワークショップがあり,タブレット端末(iPad)を使っての特別支援学級での指導事例をもとに「子どものニーズにあわせた教材作成」を行い,併せて井上教諭が多くの子どものニーズに沿って作成した多様な教材が展示紹介された。次に「特別支援学校におけるICT活用事例」と題して,沖縄県立泡瀬特別支援学校の山口飛教諭と同県立西崎特別支援学校の知念元喜教諭から,ICT活用の先進的な取組に関する講演が行われた。参加者からは,「大いに刺激を受け,子ども達の可能性を伸ばしていくためにこれから自分に何ができるか勉強していきたい。」,「今日,紹介のあった実践例を必要としている子が沢山いて私もすぐにICTを活用したいと強く思った。」などの意見が寄せられた。
更に,平成26年11月29日(土)に埼玉県飯能市の駿河台大学で開催された「学生のキャリアパス・キャリア準備性確立に関するフォーラム」並びに平成27年3月4日(水)に新潟市の新潟日報メディアシップで開催された「学生のキャリアパス・キャリア準備性確立に関するフォーラム」において,本学学生4名が「学校ボランティアA(学校支援体験)」の履修体験に基づいて,学校ボランティアについて実践報告をするとともに,体験を通して何を学んだか,また今後目指すべきことは何かについてプレゼンテーションを行った。これらの発表が好評を得たことで,ボランティア科目における学びの深まりと学生の成長を確認することができた。