「音楽」では,大学院の定員充足に向けた広報活動の一環として教員個人のホームページを充実させるとともに,大学訪問等の実施可能な取組を積極的に行った。また,秋の院生演奏会と同日にミニ・オープンキャンパスを行った。
「美術」では,大学院定員充足のための大学等訪問を積極的に行った。また,科目群のホームページの見直し検討を行ったほか,大学院生の協力も得ながらホームページを常時リニューアルし最新の情報発信に努めている。
「音楽」では,授業や指導内容に関しては,ブリッジ科目「音楽」において今年度実施した指導内容の課題点を踏まえ,次年度に向けた授業改善と「教科内容構成「音楽」」テキストの内容について検討した。その他の事項として,平成26年度に行われた音楽棟の改修に係る要望事項等を取りまとめた。
教員数が大幅に削減されていく中で,授業時数の負担が偏らないよう配慮するとともにコース・科目群の活動が停滞しないように努めなければならないこと,及び大学院生の多様な希望に応じた研究指導体制作りが検討課題である。しかし,そのような状況の中で前年度と同様に,より充実したカリキュラムを構築するため,「音楽」,「美術」とも全員で協力しながら教育・研究にあたった点,また,個々の専門の授業や活動だけでなく全学的な授業や企画などにも多くの教員が担当していることが優れている点である。
H 生活・健康系コース
ア 組織
生活・健康系コースは,保健体育,技術,家庭,学校ヘルスケアの4つの科目群で構成されている。平成26年度(平成27年3月31日現在)の教員数は,保健体育10人,技術5人(情報メディア教育支援センター兼務教員1人,国際交流推進センター兼務教員1人を含む),家庭5人,学校ヘルスケアでは10月1日付けで留目宏美准教授が着任し3人(保健管理センター兼務教員2人含む)の計23人(教授12人,准教授10人,講師1人)であった。
イ 教育の特色
「保健体育」は,体育科教育学,体育学,運動学,学校保健学の分野からなり,これらの基礎的理論と学校現場での指導実践を融合させた指導プログラムに基づいて,教育実践力に富む教員の養成及び地域の体育教育・スポーツ活動を支援している。
「技術」は,技術科教育学,木材加工学,金属加工学,電気・電子工学,機械工学,情報工学,栽培学の分野に関する研究を通して,情報化や国際化に主体的に対応する能力や,地球環境保全に配慮した技術的な活動能力をもった人材を育成することを目指している。
「家庭」は,家庭科教育学,家庭経営学,食物学,被服学,児童学及び住居学の分野からなり,社会環境の変化による複合的な生活の問題に対応できる専門的な資質・能力をもった人材を育成することを目指している。
「学校ヘルスケア」では,健康教育学,医科学,養護学,食や健康に関わる科学などの専門的学問基盤に立脚し,健康・安全や食の教育に関する研究を通して,現実の課題を分析し解決に導く能力,創造的な教育実践の推進者となりうる能力の向上を目指している。
ウ 運営・活動の状況
@) コース会議等の開催状況
本コースでは,各科目群の自立的運営を鑑み,コース内の全体会議は開催せず,各部署等からのコース長への依頼・照会事項等は,適宜科目群代表を介して,構成員に周知した。
A) 大学院定員充足に関する取組の状況
「保健体育」では,大学院定員充足に関する取り組みの状況については,保健体育のWebページを改善し,外部からのアクセスに対して保健体育科目群の内容がわかりやすいように工夫した。また,体育・スポーツ関係の学部を訪問して積極的に本学大学院のPRを行い,大学院定員の確保に努力した。
「技術」では,私立大学の工学部・農学部,技術同窓会等との連携を強化するとともに,近年取り組んでいる職業能力開発大学校も対象に大学院生の充足率向上を図った。
「家庭」では,各教員が様々な大学に出向き,大学院入試に関する説明会等の広報活動を行うことにより,大学院生の定員充足に努めた。
「学校ヘルスケア」では,全国の国公私立大学の大学訪問を行うとともに,学会等において本学大学院のPRを行った。
B) 重点的に取り組んだ課題や改善事項等
「保健体育」では,学部学生の実技能力向上のために,従来は「個人スポーツ」として1科目の授業として実施していた「陸上競技」,「体操・器械運動」及び「ダンス」を,平成26年度入学生からそれぞれ独立した授業科目へと変更し,さらに,「水泳」の授業を新設した。各教員の活動は,生理学的観点からの研究,器械運動,陸上運動,球技,表現運動・ダンスの特性と指導法についての理論的,実践的な研究,教師教育等に関する国際的な研究交流,現場教員とのセミナー交流,出前講座,公開講座など,多岐にわたった。また地域貢献として,近隣の小・中学生を対象とした剣道,サッカー,体操教室等を継続して実施した。
「技術」では,また,地域貢献にも積極的に取り組み,周辺の小中学生を中心に,科学技術やものづくりの面白さ・楽しさを伝える活動も積極的に行った。また,技術科目群ではここ数年,技術科教育担当の教員が1人であったが,木材加工分野を担当している教員が,新たに技術科教育担当の資格も獲得して,平成26年度からは2人体制で研究教育指導を行えるようになった。
「家庭」では,児童・生徒,保護者,地域住民等を対象とした出前講座,講演会等を数多く実施した。各教員が専門性を生かした講座を開講し,積極的な地域貢献に努めた。
「学校ヘルスケア」では,学生のニーズの高い養護学を担当する教員が平成25年度末に転出したため,早急に後任の人選を行い10月1日に後任の准教授を配置した。地域貢献としては,近隣の小・中・高等学校より依頼のあった授業や学校保健委員会,上越市健康づくり推進協議会等に積極的に教員を派遣した。
エ 優れた点及び今後の検討課題等
「保健体育」の研究は総合科学としての性格を持つ。そのため教科や領域を超えた,学際的な教育,研究を進めている。また,教育面については,実際の学校現場に出向いての教育実践場面分析において,事前の学内演習にはじまり,質的,量的分析方法を用いた場面分析の実習等について,全教員による指導体制で臨んでいる点に特徴がある。今後の検討課題としては,体育以外の他の領域からも大学院生を集めることが挙げられる。
「技術」は,大学院修士論文ポスターセッション発表会を,「上越 技術と家庭科教育の会」及び技術同窓会と連携し,公開形式で実施したことが優れた点であり,検討課題は,学部・大学院生の充足率の向上である。
「家庭」では,教員人事について全教員で合議の上,決定するなどして,家庭科全体に関わる教育体制の整備や教育の質保証に努めている。また,2年間の学内研究プロジェクトを全教員で企画・実施しており,それに関連して「教科内容構成「家庭」」の暫定版テキストを作成した。検討課題は教員の充足,及び学部・大学院生数の一層の増員である。
「学校ヘルスケア」では,広報活動の一環としてオフィシャルキャラクター「Gappy」を作成し,パンフレットなどに活用すると共に,大学生の交流によく利用されるSNS「LINE」のクリエーターズ・スタンプに登録した。また,修士論文等発表会では,関係大学教員,近隣学校の現職教員など多くの参加者があり,有意義な意見交換の場となった。
I 教育実践リーダーコース
J 学校運営リーダーコース
ア 組織
教育実践高度化専攻「教育実践リーダーコース」及び「学校運営リーダーコース」(以下「本専攻」という。)の平成26年度における教員構成は,教授は9人,准教授は8人,特任教授1人,特任准教授3人の計21人である。平成25年度末に金子淳嗣特任准教授が転出し,平成26年度から長沼智之特任准教授が着任した。
本専攻在籍者数は,1年次学生45人,2年次学生66人である。また,本専攻と連携する機会のある学部の「教職デザインコース」の在籍者数は,2年次学生21人,3年次学生12人,4年次学生14人である。
イ 教育・研究の特色
本専攻は,教育実践リーダーコースに関わる学習指導領域と生徒指導領域,また,学校運営リーダーコースに関わる教育課程・教務系リーダー領域と学年・組織運営系リーダー領域の4つの領域から構成されている。しかし,教員は固定的に一つの領域に所属するのではなく,横断的に所属し,教育を行っている。いずれの領域も,学校現場と連携し,その学校の教育改善を実現する過程で,学生指導を行っている。
本専攻に所属する学生は,中長期の教育実習をコアとしたプロジェクト科目群を中心とした教育を受けている。プロジェクト科目群では,組織的な事前・事後指導はもちろん,教育実習中も組織的な指導を行う。また,年間を通じて,常に実習校と連携をとり,実習が実習校の教育改善につながるような計画立案と改善を継続的に行っている。その中で,学生と学校の課題意識に基づき,チームとしての追求課題を深め,その成果を学校現場に還元する。
平成21年度より始まった学士課程の教育活動に関しては,専門職学位課程の教育活動と連携を進めている。連携する学校単位で,その成果を発表する場を設けている。さらに,地域に対する発表の場を設けている。このような場を通して,学生・教員集団の相互理解,相互乗り入れを図るのみならず,地域や学校との相互理解,相互乗り入れを発展させ,共有化する工夫を行っている。
ウ 運営・活動の状況
@) コース会議等の開催状況
ほぼ毎週に専攻会議を開催し,本専攻の運営に関する重要事項について協議している。さらに,必要に応じて一つのテーマに絞って半日以上を費やす臨時専攻会議を開催している。
A) 大学院定員充足に関する取組の状況
大学主催の大学院説明会以外に専攻主催の説明会を開き,積極的に大学院定員充足に努めている。
エ 今後の検討課題等
次年度は本専攻の開設8年目となる。今までの7年間の成果を再検討し,さらなる教育の改善を行わなければならない。また,一層充実した学生の就職支援を行わなければならない。これらが来年度の最重要課題である。
人事については,欠員と昇任人事について,適正な人事配置と均衡のある職階構成が教育・研究環境の整備にとって不可欠であり,その是正と改善が望まれる。