6 附属施設等
(1)附属図書館
@ 附属図書館
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
附属図書館は,教育及び研究活動に資するため,図書・雑誌・その他の資料を一元的に収集・整理・保存し,本学の学生及び職員の利用に供するとともに,学生の主体的・能動的な学びのための環境の整備と学修支援の実施を目的として設置されている。その管理運営は附属図書館長が行い,事務は学術情報課学術情報チーム(情報管理担当,情報サービス担当)が担当している。
イ 運営・活動の状況
平成26年度に実施した主な事項(企画)は以下のとおりである。なお,平成26年度の入館者総数は93,087人,開館日数は348日であった。
@) 基本学術研究図書・学習用図書の収集・保存
全学の教員に対して推薦依頼を行い,それに基づき基本学術研究図書,学習用図書を収集した。また,シラバス掲載図書の網羅的収集とともに,チーム内で学生用図書,学生リクエスト図書,参考図書,地域資料,寄贈資料などの選定を行った。これにより平成26年度は基本学術研究図書・学習用図書を2,531冊,入手可能なシラバス掲載図書を56冊購入したほか,小・中学校等の教科書,指導書を購入した。
なお,電子ジャーナル等については,今後の見直しも視野に入れつつ,平成27年度契約については,購入規模を維持した。
A) ガイダンス等の学修支援の実施
新入生対象利用ガイダンス,文献の探し方ガイダンス,電子ジャーナルやデータベースの講習会のほか,教員の希望による個別のガイダンスを実施した。また,「論文作成のマナーと文献の利用」に関する学修支援セミナーを新規に企画・開催するとともに,「論文の探し方」に関するガイドを作成した。
B) リポジトリの整備・運用とコンテンツの拡充
上越教育大学リポジトリについては,『上越教育大学研究紀要』,『上越教育大学教職大学院研究紀要』等の本学の教育研究成果を437件登録し,教育系サブジェクトリポジトリ及び新潟県地域共同リポジトリへのデータ提供も継続して行った。また,新潟県教育委員会の協力を得て,新たに新潟県教育実践研究リポジトリを構築した。
C) 図書館利用を促進する取組
学生の参加による選書ツアーを実施し,85冊を購入した。新潟出版文化賞受賞作品の展示,女性教育会館蔵書等の展示・貸出ほか,定期的にテーマ別展示を行った。また,国立国会図書館資料デジタル化送信サービスの利用を開始した。学術認証フェデレーションに参加し,学外から電子ジャーナル等にアクセスが可能となった。年間をとおして,「図書館ニュース」の発行及びSNS等による情報発信に努めた。
D) 学修環境の改善充実
今年度は以下のような事項を実施し,学修環境の整備・改善に努めた。
   1) 最新検定年の小・中学校教科書及び指導書を情報交流ゾーンへ移動し,利便性を高めた。
   2) リフレッシュゾーンの整備を行い,学生の長時間滞在や気分転換に配慮した空間の整備に努めた。
E) 新潟県立看護大学図書館との相互協力
前年度同様,文献複写料金と貸出条件を学内者扱いとするとともに,図書館主催の利用講習会への相互参加,レファレンスの相互協力を行った。また,6月,11月〜12月に蔵書交換会を実施し,相互に蔵書の展示・貸出を行った。
F) 研究紀要の発行
2月に「上越教育大学教職大学院研究紀要第2巻」,3月に「上越教育大学研究紀要第34巻」を発行し,上越教育大学リポジトリにおいて公開した。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
@) 図書館資料購入費
資料購入費が逼迫する中,引き続き教育・研究に必要な資料購入予算の安定的な確保に努めるとともに,電子ジャーナル等の価格上昇に対応するため,適切な選定及び購入方法について検討する必要がある。
A) 学修支援の充実
各種のガイダンス等を継続実施するとともに,今年度新規に「論文作成のマナーと文献の利用」をテーマとしたセミナーの開催や論文探索ガイドの作成を行い,学生ニーズに即した学修支援の実施を試みた。
今後も学生・教職員のニーズを把握しつつ,講習会の実施時期や方法,内容等を検討し,見直していく必要がある。学生の学びの形態の変化や教育をめぐる社会状勢の変化に対応しつつ,図書館において実施できる学修支援の可能性をさらに追求していく必要がある。
B) 地域社会への貢献
平成26年度は285人の学外者の利用登録があり,1,929冊が貸し出された。10月には学外者対象の館内ツアーを実施した。
また,本学学校教育実践研究センター及び新潟県立教育センターと協働し,新潟県内における教育研究アーカイブである新潟県教育実践研究リポジトリを公開した。
C) 資料の配置,保存,収納
当館の資料収容力は約30万冊であり,既に収容能力を超えている。重複資料の処分や附属図書館増改修に合わせた書庫の増設により,資料の保存スペースを確保する必要がある。
D) 施設・設備の整備と新図書館プランの策定
本年度は附属図書館2階の情報交流ゾーンの整備を引き続き行うとともに,西側紀要コーナーをリフレッシュゾーンに整備した。
また,附属図書館増改修に向けた新図書館プランの策定の参考とするために,学内者へのアンケートや有志学生によるワークショップ「誰もが行きたくなる図書館を考えよう」を開催した。
今後は附属図書館運営委員会が定めた新図書館プランに沿って,旧式化が進む附属図書館の抜本的再整備を進めていく必要がある。
E) 図書館サービス
附属図書館利用規程の改正を行い,貸出冊数及び貸出期間を見直した。デジタル教材の充実を図り,年間をとおして相互利用サービスやレファレンスサービスに努めた。
今後さらに,利用者の求めるサービスの提供を行うとともに,情報発信の充実・拡大に努め,学術情報流通や情報利用環境の急速な変化に対応した教育研究支援の高度化を図るため,職員の研修機会の充実を図る必要がある。
A 運営委員会
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
@) 組織設置の趣旨(目的)
附属図書館の運営に関する事項を審議するために置かれている。
A) 組織の構成及び構成員等
附属図書館長,各専攻長,学術情報課長及び平成26年度は,学長指名1人を加え計6人により構成され,附属図書館長が委員長となる。
また,平成26年度は,前年度に引き続き,附属図書館の増改修に向けての今後の概算要求提出の準備として,新図書館の機能及び構成等について検討するために,附属図書館増改修プラン策定ワーキングを設置した。構成員は,附属図書館長,附属図書館運営委員1人,情報メディア教育支援センター専任教員1人,学術情報課長,施設マネジメント課長,学術情報課主査(情報サービス担当)1人である。
イ 運営・活動の状況
 @) 委員会等の開催状況
   1) 附属図書館運営委員会
   平成26年度は,平成26年5月27日(火),8月21日(木)〜8月25日(月)(書面審議),9月10日(水)及び平成27年1月27日(火)の4回開催した。
   2) 附属図書館増改修プラン策定ワーキング
   平成26年6月25日(水),11月27日(木)の2回開催した。
 A) 審議された主な事項
   1) 附属図書館運営委員会
   ・ 平成26年度附属図書館業務計画
   ・ 平成26年度附属図書館経費
   ・ 平成26事業年度年度計画に係わる実施計画について
   ・ 平成27年度電子ジャーナル等外国雑誌の購入について
   ・ 新潟県立教育センターとの覚書について
   ・ 上越教育大学附属図書館利用規程の改正
   2) 附属図書館増改修プラン策定ワーキング
   ・ 新図書館スペース配置(案)について
   ・ 2階学習環境の整備について
   ・ ワークショップの実施について
 B) 重点的に取組んだ課題や改善事項及び前年度の検討課題への取組状況等
上越教育大学附属図書館利用規程の改正及び上越教育大学新図書館の機能及び構成の検討などに取り組み,年度計画の達成に努めた。