自己点検・評価の対象期間:
平成26年
04月
01日
~
平成27年
03月
31日
渡部 洋一郎
(准教授)
<教育活動>
授業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取り組み
2014年度は、特に教材読解法の開拓に力を入れた。どのように教材を読み解いたかは、いかに授業を組み立てるかの基礎にあるものであり、出発点としてそれが保証されないと実りのある授業に結びつかないからである。授業では、これまで扱わなかった教材を中心に文学教材と説明文教材で新解釈の方法を開拓した。特に、学部生にあっては新しい解釈法がどの程度自分の中に定着しているかの評価を授業の中に取り入れ、積極的な授業参加を促した。
大学院の修士課程では、近年の教育動向と修士論文での取り組みがどのようにリンクし、現場に寄与しうるのかを明確にした論文構成になるよう心がけ、結果的に学会発表で高い評価を得ることが出来た。
【観点2】教育の達成状況
学部4年のゼミ学生のうち,1名を合格正規採用させることができ(1名石川県小学校教諭),1名を臨時採用とすることができた(1名富山県小学校講師)。また,修士課程2年のゼミ学生2名は,群馬県の現職教員であるが,いずれも研究の内容を学会や研究会等で発表し,高い評価を得るなど、一定の成果を出すことが出来た。
以上の点から,学部の教員採用試験においても,大学院修士課程の研究成果の発表についても成果を挙げることが出来たと思われる。
研究指導
【観点1】学部
2014年度は、例年以上に卒業論文のテーマが実践的であるように心がけた。また、その研究を通して、臨床的な対応力がどのように身についたかの考察も、研究の結論とリンクさせながら論文構築が出来るような指導を行った。4年次ゼミ学生は2名、「小学校国語科におけるファンタジー教材の研究」「小学校国語科における小集団話し合い活動の効果的な授業展開についてー実践事例の分析・検討を踏まえた授業の開発ー」をテーマとした。結果的に、いずれの論文も、200以上に及ぶ実践事例を収集分析し、そこから導かれた傾向に基づき、臨床的な授業展開案を構築することができた。
【観点2】大学院(修士課程、専門職学位課程、博士課程)
2014年度は、修士論文の成果発表として1名が全国学会での口頭発表、1名が学会誌における投稿論文採択を成し遂げた。また、口頭発表の1名は、発表内容が評価された結果、ドイツへのPISA型読解力調査の一員として選抜され、調査報告内容が間もなく刊行される予定である。
その他の教育活動
- 富山大学学校図書館司書教諭講習会講師「読書と豊かな人間性」
- 上越教育大学学校図書館司書教諭講習会講師「学習指導と学校図書館」
- 上越教育大学学校図書館司書教諭講習会講師「読書と豊かな人間性」
- 長岡看護福祉専門学校非常勤講師「論理学」
- 上越教育大学附属小学校研究協議会研究協力者
- 教員免許状更新講習会講師「中学校国語科における学習指導の実際と課題」
- 教員免許状更新講習会講師「小学校国語科における文学教材解釈の実際」
- 教育実習においては,学部3年生3名の小学校実習の事前指導と研究授業実施のための教材研究をゼミ生と一緒に行い,研究授業当日は3校の小学校を参観し,実習の事後指導を行った。同じく,学部4年生2名の中学校実習についても事前指導と研究授業で用いる教材の解釈,事後指導などを実施した。また、附属小学校においては,6年目となる高橋栄介教諭との共同研究を進め,昨年度は文学教材のスピンオフに関する成果の続編を国語科教育の分科会で発表することができた。また,同教諭とは,附属小学校公開研究会に関しても,研究協力者として活動をともにしており,その過程において公開に関わる助言・指導を実施している。
-
平成26年
04月
01日:
~
平成26年
06月
30日:
上越教育大学附属小学校研究協力者(上越教育大学附属小学校)
◎
特色ある点及び今後の検討課題等
- 活動全般を通して,特筆すべき点としては,富山大学における集中講義担当講師、長岡看護福祉専門学校非常勤講師として,継続的な担当を今後も求められていることや,長岡看護福祉専門学校市での入学試験に関する業務を実施していることなどが挙げられる。また,教育実習に関しても例年同様の丁寧な取り組みを行うことが出来た。この点については,今後とも継続して行い,こうした活動を通じてより実践的な力を担当の学生に身につけてもらうようにしたいと思う。さらに,附属小学校との共同研究は今後も継続して行い,これからは,こうした取り組みで出された成果を,学部生や大学院生にどのような形で還元していくことができるのかも課題の一つとして考えたいと思う。
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)
平成27年
03月:
説明的な文章教材における複眼的な読解,教科内容構成「国語」,
発】(1)
平成26年
05月
17日:
Toulmin Model : 要素とその連接をめぐる問題(自由研究発表),全国大学国語教育学会発表要旨集,
他】(1)
平成26年
07月
31日:
~
平成26年
07月
31日:
中学校国語科における学習指導の実際と課題(上越教育大学)
(2)
平成22年
08月
01日:
~
平成26年
08月
01日:
小学校国語科における教材解釈の実際(上越教育大学)
共同研究(幼、小、中、高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)文学作品のスピンオフ研究,代表者:渡部洋一郎,(上越教育大学)
(2)小6児童の国語基礎力,代表者:渡部洋一郎,(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)
平成27年
02月
21日:
~
平成27年
02月
21日:
上越教育大学国語教育学会第68回例会出席,
(2)
平成26年
11月
08日:
~
平成26年
11月
09日:
全国大学国語教育学会第127回筑波大会出席,
(3)
平成26年
08月
03日:
~
平成26年
08月
03日:
第58回日本読書学会年次大会出席,
(4)
平成26年
06月
14日:
~
平成26年
06月
14日:
上越教育大学国語教育学会第67回例会出席,
(5)
平成26年
05月
17日:
~
平成26年
05月
18日:
全国大学国語教育学会第126回名古屋大会発表,
(6)
平成26年
04月
01日:
~
平成27年
03月
31日:
日本読書学会監事(日本読書学会)
(7)
平成26年
04月
01日:
~
平成27年
03月
31日:
早稲田大学国語教育学会役員(早稲田大学国語教育学会)
(8)
平成26年
04月
01日:
~
平成27年
03月
31日:
日本国語教育学会理事(日本国語教育学会)
◎特色・強調点等
- 2014年度は,文学作品のスピンオフについて、附属小学校児童が実際にどのような作品創作を行うのかを調査収集した。また,児童の国語基礎学力については,糸魚川小学校6年児童2クラス分のデータ収集を終え,次年度に結果の考察を行う予定である。
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)
平成26年
12月
01日:
~
平成27年
01月
31日:
長岡看護福祉専門学校入学試験委員(長岡看護福祉専門学校)
(2)
平成26年
11月
17日:
~
平成26年
11月
17日:
上越市学校教育研究会図書館部会講師(上越市教育委員会)
(3)
平成26年
11月
12日:
~
平成26年
11月
12日:
糸魚川市糸魚川小学校校内研究会講師(糸魚川市立糸魚川小学校)
(4)
平成26年
06月
09日:
~
平成26年
06月
09日:
糸魚川市学校教育研究会小学校部会講師(糸魚川市教育委員会)
(5)
平成26年
04月
01日:
~
平成26年
07月
31日:
長岡看護福祉専門学校講師「論理学」(長岡看護福祉専門学校)
◎社会への寄与等
活動全般を通して,特筆すべき点としては,富山大学において集中講義を担当する講師として継続的な担当を今後も求められていることに加え,長岡市にある医療福祉系の専門学校においても入学試験委員会に関する業務を実施していること,同専門学校において「論理学」の講義を担当していることなどが挙げられる。また,教育実習に関しても例年同様の丁寧な取り組みを行うことが出来た。この点については,今後とも継続して行い,こうした活動を通じてより実践的な力を担当の学生に身につけてもらうようにしたいと思う。さらに,附属小学校との共同研究は今後も継続して行い,これからは,こうした取り組みで出された成果を,学部生や大学院生にどのような形で還元していくことができるのかも課題の一つとして考えたいと思う。