自己点検・評価の対象期間：
平成26年
04月
01日
～
平成27年
03月
31日
稲田 結美
（講師)
＜教育活動＞
授業
【観点１】教育方法及び成績評価面での取り組み
受講生が50名を超える人数の授業では，受講生が能動的に授業に参加できるような体験活動や深く思考できるような課題を多く取り入れるように配慮した。また，毎時ワークシートを用意し，それを授業終了時に回収し，受講生の理解状況を確認したうえで，所々コメントをつけ受講生に返却し，次の授業の改善に活かした。さらに，レポート課題についても評価規準・基準を設定し，受講生に評価観点が伝わるように配慮した。
一方，受講生の少ない授業においては，これらに加え，受講生が協同的に学べるように，意見交換や討論の時間を設けたり，小グループでの活動を導入した。
【観点２】教育の達成状況
卒業生および修了生が小・中学校において自信をもって理科を教えられるように，理科の内容および指導方法の両面から授業やセミナーで繰り返し指導してきた。特に，研究指導学生・院生の合計５名は卒業・修了後，公立小学校の教員（一人は現職に復帰）となり，現在，積極的に理科指導にあたっているため，指導の効果は高かったと考えている。
研究指導
【観点１】学部
まず，理科教育の課題を知るために，現職派遣院生から学校の状況を伺ったり，国内外の理科関連の学力調査の結果を調査させたりした。次に，その課題に基づき，どのようなテーマで研究を進めていくか時間をかけて十分に検討させた。その際，多様な先行研究にあたり，毎週のセミナーにおいて発表させ，研究室のメンバー全員で議論し，研究の方向性を決定していくように促した。
【観点２】大学院（修士課程、専門職学位課程、博士課程）
先行研究の収集方法や，理科授業の参観の視点，学習者の認知面・情意面の評価方法，研究計画の立て方などをセミナーにおいて研究室の院生全体に対して指導するだけでなく，各院生の能力に応じて個別の指導も行った。また，研究が停滞しないように，毎週のセミナーを通して，研究の進捗状況と短期的な研究計画について，研究室全体で共有するように心がけた。さらに，学部生・院生を交えて研究に関する議論を十分に行い，研究の方向性を常に検討させた。
その他の教育活動
- 上越教育大学附属小学校2014年研究会 研究協力者
- 教員採用試験直前講座(理科実験)講師
- 教育実習の研究授業における学生指導
-
平成26年
06月
27日：
～
平成26年
06月
28日：
上越教育大学附属小学校2014年研究会(上越教育大学附属小学校)
◎
特色ある点及び今後の検討課題等
- 附属小学校の研究会に向け，事前に授業者と打合せをし，研究会当日には授業の参観後のセッションにおいて，理科の授業開発についてコメントをした。当日は他大学の理科教育研究者にも声をかけ，授業を参観していただき，有益な助言をいただくことができた。
- 教員採用試験において理科実験の実技試験が課される学生に対して，実験の基礎的な操作を確認する講座を実施した。実験器具の操作方法をまとめたプリントを作成し，個人で器具の操作ができるように十分な器具数を準備した。理科実験の指導に対して意欲のある学生が多く，学生同士が互いにアドバイスしながら練習を行っていたことに加え，適宜こちらからも実験操作に関わる留意点を伝えることができた。
- 教育実習の研究授業では，その時間の学習目標と子どもたちの学習状況を詳細に観察し，実習生にフィードバックし，指導改善について具体的に考えさせるようにした。また，次年度に実習に行く学生・院生にとってもいい機会であるため，研究室の学生・院生も参観させていただき，セミナーにおいて授業のふり返りを行った。
＜研究活動＞
研究成果の発表状況
論】(1)
平成26年
07月：
理科教育における体験を通した生命理解と生命観育成:―大学生の体験と生命観に関する調査結果の分析―,理科教育学研究,Journal of Research in Science Education,55巻,2号,
pp.159-168
(2)
平成26年
07月：
児童自らに変数の同定と仮説設定を行わせる指導が現象を科学的に説明する能力の育成に与える効果:―第6学年「ものの燃え方と空気」を事例として―,理科教育学研究,Journal of Research in Science Education,55巻,2号,
pp.219-229
発】(1)
平成26年
11月
15日：
教員養成課程学生のモデルに関連する能力の実態,日本理科教育学会北陸支部大会発表要旨集,
(2)
平成26年
11月
15日：
期待と価値の観点からみる理科学習における動機づけ,日本理科教育学会北陸支部大会発表要旨集,
(3)
平成26年
11月
15日：
中学校理科第１学年「プラスチックの性質」の授業開発,日本理科教育学会北陸支部大会発表要旨集,
(4)
平成26年
11月
15日：
理科と数学における計算問題に対する学習者の意識,日本理科教育学会北陸支部大会発表要旨集,
(5)
平成26年
10月
12日：
女子の理科学習促進を目指した教員養成段階における方策の開発と評価,日本教科教育学会全国大会,
(6)
平成26年
08月
23日：
中学校理科における実験計画能力の育成に関する研究―独立変数の値を設定する観点の指導を通して―,日本理科教育学会第64回全国大会,
(7)
平成26年
08月
23日：
モデルに関連する能力の育成から考える理科カリキュラム―「霧の発生」のモデル実験に対する大学生の認識調査―,日本理科教育学会第64回全国大会,
共同研究（幼、小、中、高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む）の実施状況
(1)未来を生きる探究能力と科学力を備えた市民を育成する科学教育カリキュラムの開発,代表者：中山 迅,(宮崎大学)
学会活動への参加状況
(1)
平成26年
10月
11日：
～
平成26年
10月
12日：
日本教科教育学会第40回全国大会,
(2)
平成26年
09月
13日：
～
平成26年
09月
15日：
日本科学教育学会第38回年会,
(3)
平成26年
08月
23日：
～
平成26年
08月
24日：
日本理科教育学会第64回全国大会,
(4)
平成26年
07月
01日：
～
平成28年
06月
30日：
日本科学教育学会編集委員会
日本科学教育学会編集委員会(日本科学教育学会)
(5)
平成26年
04月
01日：
～
平成27年
03月
31日：
日本理科教育学会教育課程委員会委員(日本理科教育学会)
◎特色・強調点等
- 「女子の理科学習促進」に関するこれまでの研究を博士論文にまとめ，博士号を取得するに至った。さらに，女子の理科学習促進のために，教師教育・教員養成の観点からの研究を進めた。教師を目指す学生の自然科学に対するジェンダー固定観念を変容させることや，女子学生の理科指導への積極性や自信を高めることが不可欠であり，そのために大学における理科指導関連の授業の改善を試み，一定の成果を得た。
＜社会との連携＞
社会的活動状況
(1)
平成26年
11月
11日：
～
平成26年
11月
11日：
第53回教職員理科研究発表会(上越科学技術教育研究会)
(2)
平成26年
10月
15日：
～
平成27年
01月
10日：
「教育実践研究」応募論文の査読(上越教育大学)
(3)
平成26年
09月
25日：
～
平成26年
09月
25日：
第50回上越市児童生徒科学研究発表会(上越市教育委員会)
(4)
平成26年
07月
29日：
～
平成26年
07月
29日：
教員免許状更新講習「考える力を育む観察・実験指導の理論と実際」(上越教育大学)
◎社会への寄与等
理科教師への研修会における講師や，児童生徒の科学研究発表会の審査員，学会の委員などを務め，現在求められている理科教育のあり方を伝えるように努力した。