自己点検・評価の対象期間: 平成28年 04月 01日 〜 平成29年 03月 31日
 
山縣 耕太郎
(教 授)
 
<教育活動>
 授 業
 【観点1】教育内容・方法面での取組
  学部では,地理学に関わる講義,実験,演習,調査法を担当した。授業,実習においては,ビジュアル素材を多く提示することを心がけ,コンピュータを活用したGIS教材を用いた。また,アクティブ・ラーニングを取り入れるように努めた。例えば,エネルギー問題や環境問題など現在の社会的な課題についてとりあげ,自ら考える機会をつくるように努めた。巡検などの実習授業では,実地の観察や経験を通して,基礎的な知識を身につけるとともに,地理的な見方に興味関心を持てるよう配慮した。大学院では,自然地理学特論を担当し,画像資料を多用して,理解と関心を高めるよう工夫した。また,巡検を取り入れ,実際に地理的な事象を観察体験できるように努めた。評価にあたっては,課題を設定して,その成果と取り組みへの態度を評価に取り入れた。
 
 【観点2】学修成果の状況
  学部授業,自然地理学概説においては,自然地理学に関する基礎的な概念を習得することができたと考える。また,地理学実験においては,地図に関する学習や,地図作成の作業を通して,地理的な見方,考え方を経験し,習得することができたものと考える。地域調査法Bにおいては,実際に野外において地理的事象を観察することを通して地理的事象に対する興味関心を高めるとともに,実物に対する地理的な見方,捉え方を習得することができたと考える。自然地理学については,災害および環境問題といった社会的な課題について考えることを通して,問題意識と関心を持つことができたと思われる。自身の意見を述べる機会を取り入れ,主体的に課題について考えることを促した。大学院授業,自然地理学特論では,複数回の野外巡検を取り入れ地域,環境に関わる地理的な事象を実際に観察し,そこから地域の特徴を読み取るプロセスを体験し習得したものと考える。
 
 研究指導
 【観点1】学部
  3名の学生の卒論指導に関わった。1名は,観光列車にみる地域表象に関する研究について,もう1名は新潟県長岡市川西地域における土地利用変化について,もう1名は松本盆地における温泉水質に関して調査研究を行った。それぞれ野外調査や聞き取り調査,アンケート調査をを精力的に行い情報を収集し,分析を行った。
 
 【観点2】大学院(修士課程、専門職学位課程、博士課程)            
  6名の修士論文研究に関わった。そのうち1名が修士論文を執筆した。その修論では,山間部,平野部,沿岸部を含み自然条件,社会条件ともに,地域的な差異がある新潟県上越市を対象地域として,再生可能エネルギーの導入に関わる自然条件・社会条件をもとに地域区分を行い,地域ごとに太陽光発電,雪氷例熱エネルギー,小水力発電の導入可能性を検討した。その結果,上越市内の各地域において再生可能エネルギーに関わる自然条件,社会条件が異なり,それぞれの再生可能エネルギーの導入可能性が異なることが明らかになった。研究を進めるにあたっては,実際に観測を行うとともに様々な資料を収集し,独自のデータに基づく検討を行うように指導した。そのほか,関心のある文献を講読したり,教員や院生の研究成果を聞くことによって,基礎的な知識や,研究を開始するにあたっての知識,心構えを養った。
 
 その他の教育活動
  ・新潟県立看護大学非常勤講師「環境生態学」担当
  ・敬和学園大学「自然地理学」担当
 
 ◎特色ある点及び今後の検討課題等
  教育においては,基本的な概念の理解と,基礎的な知識の習得,およびスキルの習得の3点を考慮し,授業を構成した。特にスキルの習得においては,野外での観察や実際の作業を取り入れることに留意した。野外活動や作業はどうしても時間をとってしまうが,今後もより効果的な作業を取り入れていきたいと考える。大学院の授業では,野外巡検を大幅に取り入れ,好評であった。実際に現地を訪れ,直に地理学的な事象を観察することの効果と重要性をあらためて認識した。今後も,積極的に取り入れていきたい。
 
 
<研究活動>
 学会活動への参加状況
  (1)平成28年 09月 17日 〜 平成28年 09月 19日:日本第四紀学会
  (2)平成29年 03月 28日 〜 平成29年 03月 30日:日本地理学会
 
 外国における研究の状況
  (1)平成28年 08月 09日 〜 平成28年 08月 24日: ケニア 地球温暖化による熱帯高山の氷河縮小が生態系や地域住民に及ぼす影響の解明
 
 
<社会との連携>
 社会的活動状況
  (1)平成28年 05月 07日 〜 平成28年 05月 07日: 新潟県立正徳館高校出前講座
  (2)平成28年 05月 17日 〜 平成28年 05月 17日: 直江津ロータリークラブ講演
  (3)平成28年 05月 21日 〜 平成28年 05月 21日: 姫川防災訓練出前講座
  (4)平成28年 05月 24日 〜 平成28年 05月 24日: 妙高市立新井北小学校出前講座
  (5)平成28年 07月 13日 〜 平成28年 07月 13日: 新潟日報カルチャースクール講師
  (6)平成28年 08月 06日 〜 平成28年 08月 06日: 新潟社会科研究会巡検講師
  (7)平成28年 09月 10日 〜 平成28年 09月 10日: 国土地理院治水地形分類図判定委員会
  (8)平成28年 09月 24日 〜 平成28年 09月 24日: 日本学術会議地理教育分科会・小委員会合同会議
  (9)平成28年 10月 14日 〜 平成28年 11月 10日: 上越市立春日新田小学校出前講座
 
 ◎社会への寄与等
 ・研究,教育で得られた専門的な知識,経験を,出前授業などで学校現場や地域社会にわかりやすく伝えることに努めた。また,そうした知識経験を地域社会の環境行政に活かすべく,環境審議会などの委員会に参加した。