平成28年度年次報告書

自己点検評価の対象期間：平成28年 04月 01日～平成29年 03月 31日

小島　伸之 （准教授)

＜教育活動＞

授業

　　【観点１】教育内容・方法面での取組

講義においては，NIE，映像，ロールプレイ，ディベート，ボードゲーム，社会見学（裁判傍聴）などの手法を導入し，学生が能動的に学問内容を検討できる方法を試みた。成績評価では，積極的に参加・学習した学生とそうでない学生の評価の差異化を意識した。　

　　【観点２】学修成果の状況

今年度，担当ゼミの修了生・中途退学院生2名はともに教員以外の進路を選んだ。教員養成の点において，進路の相談を受けた時には，学生の志望や適性を踏まえつつ，教職の社会的意義を伝えつつも，教員養成大学が教員養成機能だけでなく，教員選抜機能をも有していることを念頭に，必ずしも進路を絶対的に教員に特定しない，柔軟な指導を心がけた。　

研究指導

　　【観点１】学部

「教育に関わる臨床的な実践力」について技術的な点を強調し狭義にとらえることはナンセンスだと考えている。アカデミズムの基礎、即ち学術的な問題発見や論証の力は、いわゆる「21世紀型能力」における「思考力」そのものであり、実践的場面においても広範に応用が可能であるのみならず、古びることのない不可欠な基礎であると考えるからである。以上の観点にから、物事を根本から考えるスタンスを身につけさせ、また基礎的な学術的諸観点や方法論を身に着けさせることを重視して、「学士」レベルの研究指導を行った。教育実習等実践的な場面においては、実践的な観点に即して、臨床的な指導も行った。　　

　　【観点２】大学院（修士課程、専門職学位課程、博士課程）

　「教育に関わる臨床的な実践力」について技術的な点を強調し狭義にとらえることはナンセンスだと考えている。アカデミズムの基礎、即ち学術的な問題発見や論証の力は、いわゆる「21世紀型能力」における「思考力」そのものであり、実践的場面においても広範に応用が可能であるのみならず、古びることのない不可欠な基礎であると考えるからである。以上の観点において、物事を根本から考えるスタンスを身につけさせ、また基礎的・応用的な学術的諸観点や方法論を身に着けさせることを重視して、「修士」レベルの研究指導を行った。教育実習等実践的な場面においては、実践的な観点に即して、臨床的な指導も行った。

その他の教育活動

長岡技術科学大学非常勤「歴史と文化」担当（15回）
新潟産業大学非常勤「法学概論」担当（15回）
新潟産業大学非常勤「日本国憲法」担当（15回）
専門セミナー所属学生（院生6名、学部生2名）の小学校実習、中学校実習の実習校を訪問の上研究授業を参観し、授業内容を踏まえた個別指導を行った。
教育実習委員会中学校専門部会担当

◎ 特色ある点及び今後の検討課題等

教育方法としては，論理の重要性，必要な知識の習得・伝達，多角的思考法の強調という基本を重視しつつも，映像，音楽などの視聴覚的素材，新聞，ロールプレイ，ボード・カードゲームなども活用して，受講生の意欲的知識習得を意図した手法的工夫を試みている。また，専門的なテーマについて講義する際に，可能な場合には，小学校・中学校の教科書を手掛かりに導入することを心がけた。教育方法の工夫について，講義に関しては，適切なテーマ及び難易度選択について，今後のさらなる発展を期さねばならない点もあるが，意欲ある学生には関心を持ってもらえたようである。成績評価については，毎年悩むところではあるが，「頑張ったものが馬鹿を見ない」ということを意識し，適切な評価を心掛けた。成績評価について同様な出席状況下での差異化には学生に不満も存するかもしれないが，講義は出ればいいというものではないという観点を維持していきたい。

＜研究活動＞

研究成果の発表状況

著】(1)　平成28年 06月：『近現代日本の宗教変動―実証的宗教社会学の視座から―』（共著）　ハーベスト社,,

業】(1)　平成29年 01月：『2016年度実践場面分析演習Ⅰ「社会」・実践セミナーⅠ「社会」「公民」分野研究報告書』（共著）
(2)　平成28年 11月：『2016(平成28)年度教職実践演習教科等の指導力に関する授業「社会」実践報告書』（共著）,
(3)　平成28年 06月：書評『明治神宮以前・以後―近代神社をめぐる環境形成の構造転換―』（単著）　『宗教と社会』22号,

発】(1)　平成28年 10月 08日：『戦後日本アニメにおける戦争観―機動戦士ガンダムシリーズを中心に―』（単）　第89回日本社会学会大会,

他】(1)　平成29年 02月：『前世はベガ星人？ハイパー教団で出家した清水富美加に残る一抹の不安』　iRONNA（産経デジタル）,
(2)　平成29年 01月：『宗教団体の政治進出は何を警戒すべきか』　iRONNA（産経デジタル）,
(3)　平成29年 01月：『「現世利益」を求める芸能界と新宗教の持ちつ持たれつの関係性』　iRONNA（産経デジタル）,

共同研究（幼、小、中、高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む）の実施状況

(1)日本近代法史・未成年者保護法の総合研究,代表者：森田明,(東洋大学名誉教授)
(2)国家神道と国体論に関する学際的研究―宗教とナショナリズムをめぐる「知」の再検討―,代表者：藤田大誠,(國學院大學)
(3)教科教育と教科専門を架橋する社会科内容構成に関する基礎的研究,代表者：松田槇也,(上越教育大学)

学会活動への参加状況

(1)　平成28年 10月 08日：～平成28年 10月 09日：第89回日本社会学会大会参加,
(2)　平成28年 06月 11日：～平成28年 06月 12日：「宗教と社会」学会第24回学術大会参加,
(3)　平成28年 04月 01日：～平成28年 12月 17日：「宗教と社会」学会第24回学術大会実行委員会実行委員長,
(4)　平成28年 04月 01日：～平成29年 03月 31日：「宗教と社会」学会常任委員,
(5）　上越教育大学社会科教育学会編集担当幹事　　　　　　　　　　　

＜社会との連携＞

社会的活動状況

(1)　平成28年 11月 12日：～平成28年 11月 12日：『近現代日本の法華運動』合評会企画・趣旨説明(東洋大学西山茂ゼミOB会)

(2)　平成28年 10月 14日：～平成28年 10月 14日：出前講座「世界の国歌で社会を学ぼう」(新潟県立村上高等学校)

(3)　平成28年 07月 27日：～平成28年 07月 27日：教育職員免許状更新講習　公民（法学・経済学・宗教学から見た諸問題）

(4)　平成28年 04月 01日：～平成29年 03月 31日：上越市立城東中学校学校運営協議会委員(上越市立城東中学校)

(5)　平成28年 04月 01日：～平成29年 03月 31日：日本近代法史・未成年者保護法研究会、企画・準備等(日本近代法史・未成年者保護法研究会)

◎社会への寄与等

今年度は、全国学会（「宗教と社会」学会第24回学術大会）の受け入れを行い、大会実行委員会実行委員長として、大会開催の準備及び当日の運営に携わった。コミュニティースクール（学校運営協議会）の委員として，大学所在地周辺校の教育上の諸課題解決への寄与を試みた。また，子どもと法の領域に関し法務教官や家裁調査官と研究者による研究会（日本近現代法史・未成年者保護法研究会）の企画・準備、宗教史領域に関し宗教者と研究者による研究会の企画協力を行うなど、研究と実践の連携を意図した活動を行った。