あ と が き


 上越教育大学では,組織,運営,教育研究活動等全般にわたる年次報告書を昭和60年度版(昭和61年12月発行)から作成・発行してきており,この令和元年度版で第35集を刊行するに至りました。このあとがきでは,本年度の年次報告書について各章ごとに総括します。

 第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」に関して,管理運営組織等,学生支援,附属施設等においては概ね順調に取り組まれています。教育・研究組織等に関し,各組織がそれぞれの立場において課題を挙げていますので,本学としてもその内容を見極めつつ,さらなる改善を図ります。
 なお,本年度は,特に注目される点として以下のことを挙げることができます。

<国立の教員養成大学・学部(教員養成課程等)卒業者の教員就職率で全国第3位>
 文部科学省が令和元年12月23日に発表した「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成31年3月卒業者の就職状況」において,本学学部卒業者の教員就職率(大学院等への進学者及び保育士への就職者を除く。)は80.5%で,全国44大学・学部中,第3位であった。7年連続で5位以内を維持する結果となった。

<附属図書館の改修>
 附属図書館の改修工事を行い、メインフロア全域をアクティブラーニングスペースに改修するとともに、一部にセミナー室(クローズな講義利用も開放利用も可能)を新たに設置するなど、スペースの再区画、資料・機器配置の最適化を行った。

<教員向け自主セミナーの実施>
 学び続ける教員を支援するためのセミナーを鋭意企画し、実施に努めたところ、セミナーの最終的な実施回数は年度計画を大きく上回る109回(前年度104回)に上っており、そのうち約6割(前年度約4割)が地域の小中学校の教員である。参加者アンケートでは、「自主セミナーは、教師力の向上に役立つ」との設問に96.5%が「そう思う」または「だいたいそう思う」と答え、「学校の課題解決に役立つ」との設問に96.5%が「そう思う」または「だいたいそう思う」と答えている。また、「自主セミナーをこれからも継続してほしい」との設問では、99.0%がそう思う」または「だいたいそう思う」と答えており、自主セミナーを受講した成果が学校現場で活かされているものと考えられる。

<出前講座の開講>
 実施報告書で捉えたニーズを反映し、令和元年度は、新規に15件のテーマを開設し、うち8テーマ(開講数20件)で出前講座が実施された。開設テーマ数は,新規に開設したものを含めて88テーマ,最終的な開講数は延べ211件となり,目標の75件を大きく上回った。また,参加者数は 2万名を超えており,前年度に比べ開講数・参加者数ともに大幅に増加している。

<地域連携事業>
 新潟県知事政策局国際課拉致問題調整室とともに,「令和元年度拉致問題啓発セミナー」や上越市地方創生推進補助金を活用し、「公募型地域貢献事業」を企画・実施するなど地域との連携事業に取り組んだ。また,大学間連携協定を締結している大学を対象とした「連携・協力協定締結校を対象とした大学院の説明・意見交換会」を開催し,17校が出席した。

 第二章「各教員の教育・研究活動及び社会貢献等に関する自己点検・評価」に関して,各教員は教育活動,研究活動,社会貢献活動等について,積極的に取り組んでいます。また,本年度自己点検・評価書の回収率は96.55%(145人中140人)でした。

 第三章「本学評価基準及び専門職学位課程評価基準に基づく自己点検・評価」に関して,本年度は評価基準領域1,3,4,7及び専門職学位課程評価基準領域1,2,3,4,6,10の合計9つの領域について実施し,各領域とも全て基準を満たしていました。

 本編の根拠として第四章に「資料編」を添付いたしました。最後に,本報告書の作成にご協力いただいた教職員各位に対して謝意を表しますとともに,学内外の関係各位からのご意見・ご助言をいただきたく,この場を借りてお願い申し上げます。

令和 3 年 3 月
上越教育大学副学長
大学評価委員会委員長
小 埜 裕 二