ま え が き

 この度、令和2年度の年次報告書を作成しました。年次報告書は、本学の1年間の活動状況の報告とそれらに対する自己点検・評価をまとめたものであり、昭和60年度版(昭和61年12月発行)の発行以来、この報告書は通算で第36号に当たります。
この年次報告書は、第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」、第二章「各教員の教育・研究活動及び社会貢献等に関する自己点検・評価」、第三章「本学評価基準による自己点検・評価」及び第四章「資料編」の4つの章で構成されています。
「組織の運営状況に関する自己点検・評価」では、本学の運営状況について各組織の活動状況を通じて自己点検・評価を行いました。ここから、令和2年度の本学の運営状況を見ることができます。
また、「各教員の教育・研究活動及び社会貢献等に関する自己点検・評価」では、大学教員が自己の教育・研究活動等の現状を客観的に把握するとともに、教育・研究活動等の状況や課題、改善点等を明確にすることにより点検・評価を行い、今後の改善・向上につなげています。
さらに、「本学基準に基づく自己点検・評価」では、大学の質の向上を目指し、本学独自の評価基準により自己点検・評価を実施しています。令和2年度は本学基準全9領域のうち3領域について実施しました。
「資料編」は、本学の活動状況を数字でまとめ、データとして蓄積しているものです。

 令和2年度は、第三期中期目標・中期計画期間の5年目に当たります。第三期においては、基礎力・思考力・実践力で構成される「21 世紀を生き抜くための能力(汎用的能力)」を備え、かつ児童生徒に対しその能力を育成できる教員を養成することを主眼とし、さらに、教員として必要な、豊かな教養、使命感、人間愛等の「+α」の資質・能力をも備えた教員を養成するための教育課程の開発・導入を推進することを主要な目標として掲げています。
今後も、本学の自己点検・評価結果などを踏まえ、本学の持つ知的、人的、物的資源を最大限に活用しつつ、幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の学校現場、他大学、他機関、地域との連携協力を進めながら、本学の使命である優れた実践力を備えた教員の養成と現職教員の資質向上に向けて全学をあげて取り組む所存です。

 最近のICTやAIなどの進歩は目を見張るものがあり、それらが学校現場にも大きく影響を与えています。変化に対応できる教員の養成や研修など、教員養成系大学の責務は益々重いものとなっています。学校現場の教員の皆さんが変化に対応するため学び続ける必要があると同様に、本学も教育現場の課題やニーズを的確に把握して、常に先んじて教育界の変化に対応することにより、教員養成ためのリーダー的大学であり続けたいと思います。
 本学が新構想教育大学として掲げたミッションを、これからも高水準で遂行していけますように、本年次報告書をご覧になった方々から、忌憚のないご意見と励ましのご支援等をお寄せいただければ幸いに存じます。


令和  4 年 3 月
 
上 越 教 育 大 学 長
林  泰 成