あ と が き


 上越教育大学では、組織、運営、教育研究活動等全般にわたる年次報告書を昭和60年度版(昭和61年12月発行)から作成・発行してきており、この令和2年度版で第36集を刊行するに至りました。このあとがきでは、本年度の年次報告書について章ごとに総括します。

 第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」に関して、管理運営組織等、学生支援、附属施設等においては概ね順調に取り組まれています。教育・研究組織等に関し、各組織がそれぞれの立場において課題を挙げていますので、本学としてもその内容を見極めつつ、さらなる改善を図ります。
なお、本年度は、特に注目される点として以下のことを挙げることができます。

<国立の教員養成大学・学部(教員養成課程等)卒業者の教員就職率で全国第1位>
文部科学省が発表した「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の令和3年3月卒業者の就職状況」において、本学学部卒業者の教員就職率(大学院等への進学者及び保育士への就職者を除く。)は87.9%で、全国44大学・学部中、第1位となりました。本学の教員就職率第1位は4回目です。

<新型コロナウイルス感染症の拡大防止>
「新型コロナウイルス感染症の拡大防止」に向けて、学長をトップとする「新型コロナウイルス感染症に係る危機管理対策本部」において「新型コロナウイルス感染拡大防止のための上越教育大学活動制限指針」を策定し、様々な対策を迅速に進めました。この結果として、コロナ禍においても教職員に感染者を一人も出すことなく、大学運営への影響を最小限に抑えることができ、後期からは対面を基本とする授業を再開しました。

<教育研究棟(人文)の改修>
総合研究棟である人文棟の第T期改修として7階・8階の工事に着手し、アクティブ・ラーニング等に適した学修環境の整備として、使用ニーズに合わせて柔軟に可変可能なスペースを新設するなど、共同利用スペースを拡大し、学修を支援する教育環境を整備しました。

<大学と附属学校が連携した教育実習代替プログラムの実施>
新型コロナウイルス感染症の影響で、例年近隣公立小中学校で実施している学部の初等教育実習及び中等教育実習の通常実施が困難になりました。このため、教育実習の特例に関する通知に基づき、一部代替プログラム(学内プログラム)を実施しました。同プログラムにおいては、附属学校に整備されたICT環境を活用し、学生が大学からオンラインにより、両校の児童・生徒に授業を行うなど、附属学校と連携したプログラムを実施しました。

 第二章「各教員の教育・研究活動及び社会貢献等に関する自己点検・評価」に関して、各教員は教育活動、研究活動、社会貢献活動等について、積極的に取り組んでいます。また、本年度自己点検・評価書の回収率は94.44%(144人中136人)でした。

 第三章「本学評価基準に基づく自己点検・評価」に関して、本年度は評価基準領域2、5、6の合計3つの領域について実施し、各領域とも全て基準を満たしていました。

 本編の根拠資料として第四章に「資料編」として添付いたしました。最後に、本報告書の作成にご協力いただいた教職員各位に対して謝意を表しますとともに、学内外の関係各位からのご意見・ご助言をいただきたく、この場をお借りしてお願い申し上げます。



令和 4 年 3 月
上越教育大学副学長
大学評価委員会委員長
天 野 和 孝