第二章　各教員の教育・研究活動及び社会貢献等に関する自己点検・評価｜上越教育大学年次報告書（第33集：平成29年度版）

　本学は、昭和53年に「教員に開かれた大学院」として開学し、以来、教員養成と現職教員の高度研修・研究を通じて学界と社会に貢献してきたが、平成８年には兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程を設置し（構成大学）、そして、平成12年度にはさらに高度な教育研究を創造的に推進する人材養成を目的とした、新たな学習と発達に関わる臨床系の教育研究体制を立ち上げた。

　さらに、平成20年４月１日には、大学院学校教育研究科に、教職に関する精深な学識を身につけ、教育現場に生起する問題や事象について即時的に判断し、対応する力量を有する教育者を育成することを目的として、専門職学位課程（教職大学院）を設置した。

　これまで本学では、毎年度、点検・評価項目の見直しを行い、平成13年度から「教育活動」、「研究活動」及び「社会との連携」の各分野について特色ある点等を記述する項目を新設し、平成16年度～17年度にかけて「教育活動」に「今後の検討課題」の項目や評価の「観点」を追加するなど、自己点検・評価と改善に向けた取組が明確に示されるよう考慮しながら、本学教員の成果を積極的に社会に公表してきた。平成29年度においては他の業務や情報発信と重複する部分を整理し、項目を整理する等、教育研究活動等の改善及び社会への情報発信という自己点検・評価の目的・機能を維持・充実しつつ、教員の負担軽減及び業務の効率化・合理化を図った。

　データ集計結果の前年度との比較に際しては、一人当たりの平均件数を小数点以下第２位（３位以下四捨五入とした。）まで求め、比較することとした。

　令和２年から日本国内でも感染拡大が生じた新型コロナウイルス感染症は、教育研究活動に様々な影響を及ぼしたことがデータからも読み取ることができる。

①　「授業・研究指導以外のその他の教育活動の実施状況」については、総件数は８件減少したが、一人当たりの平均件数は1.91件で昨年度と同じであった。

②　「研究成果の発表状況」については、「著書（一人当たり0.08件の減少）」、「作品・競技歴等（一人当たり0.07件の減少）」、「教育実践に関する業績（一人当たり0.06件の減少）」及び「学会等口頭発表等（一人当たり1.08件の減少）」の各項目は減少している。一方で､「論文（一人当たり0.03件の増加）」はわずかながら増加している。

③　「研究活動の状況」については、「共同研究の実施状況（一人当たり0.14件の増加）」及び「国内外の学術賞等の受賞状況（５件の増加）」の項目は増加している。一方で、「国際研究プロジェクトへの参加状況（１件の減少）」及び「外国における研究の状況（10件の減少）」は減少している。

　当分の間は、新型コロナウイルス感染症の予防に努めつつ工夫しながら教育研究活動を継続していくことが重要である。また、今後、教員の負担軽減及び業務の効率化・合理化の観点から大学教員業績登録システムが各教員にとってより利用しやすいものとなるように引き続き運用するとともに、各教員の自己点検・評価が、本学の教育研究活動等の改善及び活性化に結び付くよう、さらに創意工夫していく必要がある。