上越教育大学 教員養成GPプロジェクト

道徳授業プログラムの開発を通した指導力の育成

取組の概要

タイトル

道徳授業プログラムの開発を通した指導力の育成

取組教員 林 泰成
目的  カウンセリングやスキルトレーニング等を取り入れた新しい道徳授業のプログラム開発を行い,現職教員,院生,大学教員のそれぞれが指導力を向上させることをねらいとする。
概要

 代表者の林は、平成17年4月より、新潟県カウンセラー学校派遣制度のカウンセラーとして、大島中学校にかかわってきた。また、大島中学校は、近隣の大島小学校とともに平成16・17年度の2年間、文部科学省より「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」の研究指定を受け、道徳教育の実践に取り組んできた。そこで、大島中学校への協力依頼の段階では、カウンセリング的なアプローチを導入した道徳授業プログラムの開発を通して、参加者の指導力の育成をめざし、本GPプロジェクトに取り組むこととした。当初予想した成果は以下の4点である。

  1. 学校現場との協力体制の確立
  2. 道徳教育をめぐる学校現場の諸問題の解明
  3. 新しい道徳授業プログラムの開発
  4. 院生および教師の指導力の増進

 実際には,大島中学校と大学チームとの話し合いにより,生徒たちの実態に合わせて,平成17年度は,1年生において「いのちの教育のプログラム」を,2年生では「自尊感情を育むプログラム」を開発し実施することとなった。いずれも基本的には,4回の授業プログラムを大学チームが実施し,直後の協議会で大島中学校の先生方よりご指導をいただく形をとった。
 平成18年度は,大学チームからの提案で,人権教育に関連してモラルスキルトレーニングのプログラムを開発し実施することとなった。対象学年については中学校側からの提案で1年生とすることになった。モラルスキルトレーニングは,上越教育大学林泰成研究室が提案するもので,道徳の内容と絡めてスキルトレーニングを行い,内面性の形成と同時に,道徳的な行動力を身につけさせようとするものである。本HPで公開される「授業の様子」の動画は,この18年度実施の授業の一部である。(モラルスキルトレーニングについては,諸富祥彦編『道徳授業の新子アプローチ10』明治図書を参照)
 授業プログラムや実践の報告は,今後,学会発表などの形で行う予定である。前述の4つの予想される成果については,ほぼ達成されたのではないかと考えている。もちろん,「(1)学校現場との協力体制の確立」や「(2)道徳教育をめぐる学校現場の諸問題の解明」は,継続的な努力によってしかなしえないものである。今回うまくいったからといって,これで終わりにするわけにはいかない。今後もこの取組をもとにして,学校現場と連携した実践研究に取り組んでいきたい。