上越教育大学 教員養成GPプロジェクト

小学校英会話を支援する国際理解カリキュラムの開発研究

取組実績と課題

5.3年1組の授業案と授業ビデオ

3年1組 (授業者:中俣元美)

  1. 目的
    ○外国の人と直接ふれ会うことを通して,世界には様々な人がおり,多様な言語や文化があることを知る。
    ○世界のいろいろな国やそこに住む人々に興味や関心をもち,自分の国と似ている点や異なる点などがあることを知る。
  2. 授業の主な内容
    ○2名の外国の方(上越教育大学留学生の王えいさん(中国)・ユルギタさん(リトアニア)と共に授業をし,簡単なあいさつ,言葉,国の場所や生活の仕方等について学ぶ。
  3. 事前準備
    1. 外国の方複数名を知人等から教えてもらい連絡をとる。(遅くとも2週間前までにはやっておく)予定が合わないことも多いので,複数名教えてもらうことが大事。地域によっては,留学生のアルバイトのような形で紹介しているところもある。
    2. メールや携帯で連絡をとり,日程を合わせる。日本語がある程度堪能なほうが好ましい。来ていただく方の国は,異なっているほうが多様性があり,楽しい。人数は,2,3名はいたほうがよい。1人でも可能。
    3. 打ち合わせを行う。今回は大学で1時間程度,3人(授業者・留学生2名)で行った。日本語の様子,いろいろな挨拶の言葉,じゃんけんなどのゲーム,動物やものの名前(偶然鳴き声も),気候,国の位置,日本に来るまでの時間,国の生活の仕方など,情報をたくさん集めた。授業の日に何かその国の道具や,衣類,本や写真等と持ってきてくれるように頼む。
    4. 付属小に連絡する。今回は世界地図をつるしたかったので,事前に自分も行って,準備した。(和田さんの授業のとき)あと,担任の先生や担当の本田先生への挨拶を行う。担任へは,子供の様子を簡単に尋ねると共に,子供たちに外国の方が2名くることは伝えて欲しいが,どこの国かは教えないで欲しいこと,また1つでも質問を考えてきて欲しいこと,当日は床に座らせて欲しいことを頼んだ。
      ※担任は「質問の内容を何かに書いて来た方がよいか。」と言っていた。3年生でもあるし,考えてきてもすぐ忘れることから,何かに書いて来てもらった方が,よかったと思う。反省点である。
    5. 授業の構想を考える。国旗の絵・名札を作成する。使用する言葉のカードを作る。3年生の発達段階と初対面であることから,難しいことはしないようにする。じゃんけんもやめる。ゲームも時間があれば,後半の小グループごとにやってもらうことにする。
      ※結局時間がなくて,できなかった。ゲームはルールがわからなくてもめることもあるが,じゃんけん程度であれば,小グループでやってもよかったと思う。
  4. 当日の流れ
    1. ユルギタさん,王えいさんと共に付属小に行く。早めに行き,授業の流れについて確認する。
    2. 授業開始。2名の方には紹介があるまで姿を見せないように?してもらう。
    3. 授業終了。アンケートの設問の言葉の説明をする。3年生だと難しい子供もいたようだ。
    4. ユルギタさん,王えいさんを送っていく。
  5. 授業展開
    過程 学習活動 留意点
    導入
    3 分
    ○授業者の自己紹介 ・子供たちは床に座る。
    ・授業者は名札をつける。
    ・大きな世界地図があるとよい。
    ○今日の学習のめあてを確認
    ・「国際理解」の言葉の意味を簡単に説明する。
    ・世界の国の数のクイズを行う。
    ・国旗を見せ,今日は中国とリトアニアの方と一緒に勉強することを伝える。
    ・三択式にし,みんなが参加できるようにする。
    ・国旗もクイズにしてあてさせる。国旗は黒板に掲示。
    展開前半
    17分
    ○外国の方2名が登場する。
    ・どちらの人がどこの国の人なのかをあてる。
    ・ 最初に自分の国の言葉で,次に日本語で自己紹介をしてもらう。
    ・留学生はまだ名札をつけない。
    ・短い自己紹介にしてもらう。
    ・同じ内容を2つの言葉で話してもらう。
    ○2つの国の位置を地図で確かめる。
    ・日本までどうやってきたか,どれくらい時間がかかったのかを知る。
    ・最初に子供に位置をあてさせる。
    ○あいさつの言葉を知る。
    ・こんにちは,おはよう,さようなら,ありがとう等の言葉を教えてもらう。
    ・全員で繰り返し行う。
    ・後半はいくつかのあいさつの言葉を一緒に練習する。
    ・教えてもらった言葉をカードで掲示する。
    ・仲良くなるためにはどんな言葉を知っているか等の言葉をかける。なるべく子供たちから出てきた言葉を教えるようにする。
    ・事前に何種類かのカードを作っておくが,予想していない言葉のときは,チョークを使用する。
    ・言葉が掲示として残るようにし,忘れた子供も言えるようにする。
    ○動物の鳴き声クイズをする。
    ・牛やにわとり,猫等の動物の鳴き声を外国の方に言ってもらい,子供たちが動物の名前をあてる。
    ・日本と似ている鳴き声の言い方や,かなり異なる言い方もクイズにするとおもしろい。
    ・事前におもしろい鳴き声を聞いておくとよい。
    ・国によって違うという意識が残ればよい。
    展開後半
    20分
    ○2つのグループに分かれ,外国の方一人ずつと直接質問をしたり,話を聞いたりする。
    ・聞いてみたいことを質問する。
    ・持ってきてくれた品物等を見せてもらう。
    ・10分たった交代し,もう一人の方のところに行く。
    ・授業者は2つのグループを行き来し,質問の意図がうまく伝わらない時等に,言葉をかける。
    ・その場で考えて,聞きたいことがあれば,それでもよいとする。
    まとめ
    5分
    ○全体で集まり,感想発表をする。
    ・楽しかったこと,びっくりしたこと,ためになったこと,初めてわかったこと等を話し合い,今日の授業で学んだことを共有できるようにする。
    ・なるべく多くの子供に発表してもらうことで,多くの視点から,振り返りができるようにする。
    ○王えいさん,ユルギタさんにあいさつをする。 ・教えてもらった言葉を使うとよい。
    ○授業者から子供たちにあいさつをする。 ・最後にアンケートを書く。
  6. 作成したもの
    ・日本,リトアニア,中国の国旗
    ・こんにちは,さようなら,ありがとう,おはようの各国の言葉
    ・名札3枚