上越教育大学 教員養成GPプロジェクト

ICTを活用した学力の向上とメディア・リテラシー育成〜協力校教員・大学院生・大学教員の協働的継続的アクションリサーチを通して〜

取組実績と課題

6. まとめと今後の課題

本プロジェクトの取り組みによって、協力校である新井小学校の授業実践に対して、人的サポート、物的サポートを行うことができ、主に新井小学校の総合的な学習の時間,および,放課後の特別活動で学習活動を充実させることができたと考える。

情報メディアの活用に関する知識と技術を身に付けている大学院生が、協力校におけるメディア・リテラシーを育成するための授業実践の支援者として、学級担任と協働して学習支援を行う活動は、児童にとってたいへん意義のあることである。また、協力校の教員にとっても、児童全員に気を配ったきめ細かな指導を行う意味で、有効である。さらに、参加した大学院生にとっては、児童がどのようなことに興味を持ち、どのような考えで、何をしようとしているのか、どこでつまずいているのかなどの姿に直接ふれることができ、実践場面に即した研究実践と教員としての実践的能力を磨く意味で、たいへん有効であった。

今後の課題として,学校全体で共通理解を図り、各学年の活動の中に取り込み、実践に生かすことの難しさについての指摘があった。また、実践を通して身に付けたい能力,学年の発達段階に応じた目標の設定についての共通理解と、その実現に向けた計画的取組をプロジェクトに関わる全員が理解しておく必要が再認識された。更に、メディアの利用促進を図る工夫。コンテンツ開発のため、研修の設定、支援体制整備などが必要であった。

本プロジェクトは今年度をもって終了の時期を迎えるが,2年間の取り組みを活かし、本プロジェクトのメンバーである、学習臨床コース情報教育分野の専任及び兼担教員及び大学院生と協力校である新井小学校の教員とが,今後もコラボレーションによるアクションリサーチを地道に継続していく姿勢や制度的な環境づくりが何よりも重要である。