上越教育大学 教員養成GPプロジェクト

学び合いの学校文化の形成

取組の概要

タイトル

学び合いの学校文化の形成

取組教員 西川 純
目的

 本プロジェクトが生起させる多元的な協働のうち、特に現職院生と学卒院生の間の協働の教育的効果が高いことは本学においてすでに確かめられている。本学ではその指摘をさらに発展させ、1学年に百数十人在籍している現職院生という他の大学にはない資源を積極的に活用し、現職院生と学卒院生、さらに学部生という立場の異なる学生が共通履修して学び合う「実践場面分析演習」という科目を開講することで、フィールドワークやアクションリサーチ、ディベートなどを通して実践的な力量を高めている。この演習の特徴である共通履修は、いずれの立場の履修者にも高い教育効果を上げており、教員免許課程認定大学実地視察においても最上級の評価を受けている。
 この本学の資産を、近隣学校(上越教育大学の場合は上越市内学校)の教育改善と結ぶことが本GPの目的である。しかし、上越教育大学は極めて特異な大学である。一般的な教員養成系大学は、その設立された都道府県の学校との結びつきは強いが、他の都道府県の学校との結びつきは殆ど無い。一方、上越教育大学は全国各地より学部学生を集める大学である。また、全国各地の現職教員を大学院生として受け入れている大学である。従って、上越教育大学が教員養成GPを通して、学校にその成果を還元する場合、近隣学校にとどまらず、広く全国の学校に還元する方策を明らかにしなければならない。そこで、本プロジェクトでは、主に上越市外の学校との連携の成果を中心に報告する。

  筆者の研究室には従前より、全国各地より多くの教員を短期留学で受け入れている。その形式は、本GPと同様に、筆者、研究室の現職院生、学卒院生、学部生が短期留学教員の実践を分析し、その改善のために協働でサポートしている。現職院生が中心となり実践の分析を行う。学卒院生、学部生はそのサポートを行っている。そのサポートを通して、実践を学ぶことを期待している。今回のGPを通して、その活動を組織化することを狙った。
概要

 活動はGP申請中より先行して行った。活動では、協力学校に筆者が出向き、大学・大学院での成果を説明し、その可能性に関して共感して貰った。その後、定期的に協力学校の教師が上越に出向き、上越で各教師の実践を筆者、研究室の現職院生、学卒院生、学部生が協働で分析し、その改善のために協働でサポートした。そこで、協力校教師の発する質問、及び、それに対する回答を記録した。協力校教師は学校に帰り、その議論の成果を発表し、校内で議論をする。それを踏まえて、次の教師が上越に出向く。この過程を、何度も繰り返す中で、徐々に協力校全体の体制が整えられ、学校の実践が向上して言った。同時に、協力校教師との問答を通して、一般教師が理解しがたい部分と、それに対する説明の対が、精選・洗練された。これを通して教材を作成することが出来た。

  平成17年度は、連携校との緊密な関係を構築することが出来た。その成果を元に、平成18年度における実践成果をHP上に公開することが出来た。