上教大保健管理センター

 
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所長からのメッセージ

                                   平成24年4月2日

    保健管理センターにおける血液検査について 

                       保健管理センター所長 上野光博

 大学における保健管理センターの活動の目的は、学生および教職員の健康保持・増進であります。そのため保健管理センターでは、毎年健康診断をはじめ、健康相談、精神保健相談、禁煙支援活動、健康増進活動等を行っております。健康診断は昭和56年に開始され、現在は学生・教職員全員に対して身体計測、胸部X線撮影、心電図、尿検査を、教職員希望者全員と学部3年生に血液検査を行っておりますが、今回はこれまであまり触れたことのない血液検査について紹介してみたいと思います。

 昭和60年に初めて学生(国立大学)の健康白書が作成されることになり、本学でも学部4年生全員に採血検査を行いました。その時の検査項目は末梢血液検査、脂質、肝機能、血糖でした。その後全国の国立大学では10年ごとに行っておりますが、本学ではこの学生の採血検査を今日まで毎年行っております。これは他の国立大学では行われていないことで、特筆すべき、すばらしい取り組みといえます。平成16年に尿酸を追加し、また採血後の保健指導の充実のため、平成23年度から学部4年生から3年生に対象を変えました。さらに平成24年度からコストや精度管理のため外注検査に移行しました。そのおかげで腎機能検査のクレアチニン、尿素窒素、e-GFR、血糖検査のHbA1c、電解質のNa、K、Cl、悪玉コレステロールのLDL-コレステロールも追加することができ、充実した採血検査を行うことができています。本学の学生には血液検査の結果通知と保健指導のみでなく、血液検査の重要性も教育したいと考えております。

 教職員については、平成10年に尿酸を検査項目に追加し、特定健康診査のために平成20年度から血糖検査をHbA1cに変更し、 LDL-コレステロールを追加しました。さらに平成24年度から血糖検査を復活し、上記の腎機能検査と電解質も追加しました。したがって、現在の検査項目数は、人間ドックには劣りますが、基本的検査として申し分ない状況であるといえます。どの検査も受けて欲しい検査ばかりですので、毎年血液検査を受けることをお勧め致します。 血液検査の知識として知って欲しい点があります。その一つは、腎機能検査のe-GFRです。最近、慢性腎臓病CKDという概念が広まっていますが、e-GFRが60mL/分/1.73m2未満はCKDであり、将来腎不全(透析や移植が必要)や心血管病(脳卒中や心筋梗塞)になりやすいといわれています。是非保健指導を受けてください。もう一つは血糖検査のHbA1cです。1~2ヶ月間の血糖状態を反映する検査ですが、日本糖尿病学会(JDS)では5.1%までが基準値です。来年以降、国際標準値(NGSP値)に移行しますが、JDS値に0.4%上乗せの値になりますのでご注意ください。いずれにしてもHbA1cが基準値以上の場合は将来糖尿病になる可能性があり、注意が必要です。

 その他、質問などありましたら、遠慮なく保健管理センターにお越しください。