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東アジア交流史教材の 実践と普及に関する研究 科学研究費基盤(C) 2015年4月 - 2018年3月 |
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ご 挨 拶 戦後70周年を迎えるなか,日本の近隣諸国である韓国や中国など,いわゆる東アジアから向けられる日本に対する視点は相当厳しいものがあります。現在,外交的にも経済的にも政府や民間から多様なアプローチで解決策がとられていますが,教育においても,特に社会科教育においても果たすべき役割は大きいです。その中心になるのは,「国際理解」の視点です。日本の社会科の場合,学習指導要領の目的は「国際社会に生きる平和で民主的な国家社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う」とされています。この「国際社会に生きる平和で民主的な国家社会の形成者」を育成するためには,あらゆる側面にわたって,国際理解の視点を活かした授業を構想していく必要があります。 その意味で,2012年から3年間,研究代表者の私・高を中心に本研究のメンバーは,国際理解の視点を踏まえて,国家史や政治史・経済史とは異なる,東アジアの人やモノの交流史に着目した教材を開発してきました。その成果をまとめたのが、研究成果報告書『国際理解の視点に立った東アジア交流史の社会科教材開発』(科学研究費(C)課題番号24531177)です。 本研究は,2015年から3年間,さらにその教材開発を進めて内容を深めるとともに,その教材を日本や韓国・中国の教師とともに実践して教材の有効性を検討し,それら教材の普及を行なうことを目的としています。また,東アジアに対する理解を増進するために,教材内容や授業の様子をHPに掲載し,シンポジウムを開催することで教材の普及を目指していきたいと思います。 この研究の大きな特徴は,参加しているメンバーの多様さにあると言えます。長年にわたって日中韓をはじめ東アジアの社会科研究および教材の作成に携わり,研究や実践の様々な分野で大活躍をしてきた二谷先生。二谷先生は,私たち研究会のご意見番役でもあります。本研究のHPづくりと運営を担当しながら,東アジアにたくさんの友人を持ち,日本全国はもちろん韓国や中国などを食べ歩きながら楽しく研究を進めている梅野先生。福岡の中学教師から直接韓国に飛び込んだ後,近年は東アジアにおける人の交流史に着目してその教材化に励んでいる國分先生。社会科・地理教育の専門家として北海道で教鞭をとりながら,済州島の在日コリアンなどにも興味を持ち,国際理解教育や多文化共生社会の実現に取り組んでいる金先生。中国の朝鮮族として,日本で勉強を終え,現在は広島の県立高校で国際理解教育を軸に教鞭をとりながら,日中韓の社会科教育について比較研究をしている蔡先生。そして私,高は山形の農村外国人配偶者や中国帰国者の歴史と生活を軸に「地域の中の東アジア」を探究するなど,日韓両国の歴史教育や国際理解教育を考究し続けています。 本研究のメンバーは,みんな本当に楽しくて,まじめで,明るい方々です。この集まりにこそ,すでに「東アジアの交流」が存在していると言えます。これからもこのメンバーが自分の専門分野を基に,東アジア交流史の社会科授業を様々な角度から構想し,実践と普及に努めていきたいと思います。 研究代表 高 吉嬉 KO Kilhee 山形大学・地域教育文化学部・異文化交流コース |
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研究の実施状況 新しいお知らせ |
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New!
2016/9/16 |
千葉県立安房高等学校で研究授業を実施しました。 |
New!
2016/9/5 |
釜山大学校師範大学附属高等学校で研究授業を実施しました。 |
2016/3/14 |
広島県立戸手高等学校で研究授業と研究会を実施しました。 |
2015/8/13〜14 |
第1回研究会を実施しました。(東京) |
2015/5/25 |
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2015/5/22 |
本研究の成果として二谷貞夫「倭寇対策と通信使の創設」が『中等社会科教育研究』第33号、中等社会科教育学会、2014年に掲載されました。 |
2015/4/21 |
リンク済みの論考を追加しました。 |
2015/4/15 |
「ご挨拶」を更新しました。 |
2015/4/14 |
報告書「目次」(リンク付)を掲載しました。リンク済みのタイトルはご覧いただけます。 |
2015/4/12 |
研究成果報告書「国際理解の視点に立った東アジ流史の社会科教材開発」の成果報告書(「はしがき」「研究の目的と概要」「目次」)を公開しました。 |
第1期研究 2013年4月-2015年3月 (下記のボタンでご覧いただけます) |
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