現在,教育論議がかまびすしく,活況を呈しているといっても過言ではない。しかし,教育論が盛んであるわりに,教室における授業そのものが忘れられていることはないであろうか。こうした問題意識から教育方法学,特に学習指導のあり方を原理的・実践的側面から検討することによって,教師の自己変革の理論的視座を提供したい。院生は,教師の自己変革,それは「教育は教師しだいである」という古きテーゼを再確認することとなろうか。
( 1) はじめに(「理論のある実践」,「生活の論理」と「教科の論理」等) ( 2) 授業研究のあり方と授業活性化への道 「路地裏」の論理,ファジー理論に学ぶ,「新学力観」再考 授業研究の病理,授業のドラマ的側面,授業活性化への具体的条件 今日的な学習指導の様相,失敗を基盤とした学習指導 授業研究の課題,教師の自己変革・タレント性 ( 3) 教育課程論の新動向 ・・学問中心から人間中心へ・・ ( 4) 「問い」と授業構成 ( 5) 「問題解決」の教育方法学 ( 6) 「生きる力」の育成と授業改善 ( 7) 「基礎・基本」と授業構成 ( 8) 「感性」と授業改善の視座 ( 9) 「変わりゆく子ども」の実情と授業構成の視座 (10) 教育的タクト論 (11) まとめ(不易と流行への鋭敏なセンス)