■修論原稿の添削方針について

2000.12.25. 作成
2001.12.04. 更新
2003.05.14. 加筆
2008.01.25. 加筆



 中山ゼミの修論原稿は,次のように添削指導を行います。(卒論も,期限以外は基本的に同様です。)

1.基本的考え方

  修論は院生の著作物であり,指導教員のものではありません。したがって,基本的に院生各自の責任で完成させ,提出してください。指導教員がOKを出したり,提出を「承認」したりするものではありません。

2.修論“添削”の方針

  私は修論の原稿を批判的に読み,納得できない部分についてコメントを書きます。持ってくればくるだけ,何度でもあら探しをしてコメントを返します。「これでOK」とゴーサインを出すことはありません。OKを待ち続けても無駄ですので,最後は自分の責任で完成させてください。

  また,コメントはできるだけ「ここはおかしい」という指摘だけにとどめています。どのように対処するかは,自分で考えてもらうのが原則です。

3.添削の期限

  年内(御用納めの日まで)に持ってきた原稿には,すべて目を通します。また,年明けはどんな事情があってもいっさい見ません。最後の10日間は,自分の責任で原稿を最終的にまとめるための時間です。なお,冬休み中で在室時間が一定しないときは,コメントをつけた原稿を研究室のドアにはっておきますので,適当にとっていってください。

4.原稿の分量

  原稿は原則として各章ごとに見ます。見たら翌日にはお返しします(すでに他の人の原稿が入っているときは,翌々日以降に持ち越されます)。何章もまとめて持ってこられても一度に読み切れないし,それに手間どっていると他の人たちへのコメントも遅れて,迷惑をかけることになります。また,前半部分の主張を直したら,それに応じて後半も大きく内容を変更しないといけなくなる場合だってあります。つまりせっかく書いた後半部分が,まるっきり無駄になってしまうのです。だから,たくさんの章をまとめてもってくるのは,やめてください。ただし,必要に応じて,問題と目的をいっしょに見たいとか,結果と考察をいっしょに見たいということがありますが,そのときはあらかじめこちらから指示します。

5.通読

  最終的には,全体を通して読んでみて,説明に過不足はないかを確認しないといけません。章ごとに見ればうまく書けていても,全体としては説明が重複していたり,必要な内容がどこからも漏れていたりすることがあるからです。また,考察で表現を手直ししたのに,結果の記述が直っていなかった,というような表記の不統一もよくありますので,最後の通読は欠かせません。しかし,通読してコメントを書くことは私は行いませんので,これは各自が責任をもって行ってください。

6.章立て

  本文を書き始める前に,全体の構成計画を確認するため,ゼミで章立てを発表してもらいます。心理学論文の章節の構成は,ほぼ共通で決まっているのですが,毎年微妙にちがっているものがあり,似たようなことを何度も説明するのもめんどうなので,ゼミに出してもらっています。

  また,長い論述を破綻なくまとめていくためには,節レベルの構成や順序を考えておくことは,きっと役に立つはずです。

7.原稿提出の順序

  第1回目の原稿提出は,必ず「問題」「目的」「方法」「結果」「考察」の順序を守ってください。「問題」が書きにくいからといって「方法」から提出されても,適切なコメントはできません。すべての基本は「問題」から。ここがある程度見通しが立たないと,他の章が確定しないのです。2回目以降の提出は必ずしも順序を守らなくてかまいません。

8.目次・文献

  原稿をもってくるときは,必ず原稿といっしょに「目次」と「引用文献」(論文末に書く文献リストのことです)を提出してください。論文の内容を理解し,検討するためにいろいろと参考になるからです。引用文献は,提出する章で引用している文献のみでけっこうです。

以上