引用のしかた

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引用とは?

 他人の書いた文章をそのままの形で掲載する(直接引用)だけでなく,他人の見解・研究結果などを論拠として使用する場合は,すべて引用である。つまり筆者自身のオリジナルな見解でない記述は,すべて引用であり,出典を明示する必要がある。先行研究の図表を掲載するときも同様。

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直接引用のしかた

 他者の書いた文章をそのまま書き写すのが直接引用である。直接引用する場合は,引用部分を「 」または“ ”で囲み,末尾に著者の姓,出版年,所在ペ―ジを( )内に書く。

【例1】
「…… である」(中山, 2006, p.104)と定義される。

【例2】
中山(2006)は,「…… である」(p.104)と定義している。

 所在ページの記述を忘れている論文がよくあるが,直接引用の場合は,ページは必須。「 」を使ったら,必ずページを書くと覚えておこう。

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引用が複数ページにまたがるとき

 引用元が1ページ以内のときは,「p.104」と書くが,複数ページにまたがる場合は,「pp.104-105」という書き方になる。

 ただし,冗長な引用は避け,必要な部分だけに絞り込むこと。

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翻訳書を引用するとき

 孫引きは望ましくないが,やむをえず翻訳書を引用する場合は,訳者の姓を加える。

【例】
(Ebbinghaus, 1885 宇津木訳, 1978, p.93)
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間接引用のしかた

 直接引用ではなく,内容を要約して使う場合が間接引用である。間接引用の場合は,著者の姓,出版年を書いておく。

【例1】
Bandura(1971)によれば,観察学習には4つの下位過程がある。

【例2】
母親の養育態度の影響に関する研究が行われている(松田,1973)。
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著者が2人のとき

 引用元の文献が2人の共著のときは,引用のたびに両者の姓を書く。原野(1977)のような省略はいっさいしてはいけない。邦文文献の場合,著者間の区切りは「・」,外国文献では「&」を用いる。

【例】
Friedman & Bowers(1971)   (原野・福島,1977)
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著者が3人以上のとき

 3人以上の共著のときは,最初に出てきたときだけ全員の姓を記し,2度目からは筆頭著者他(または「著者ら」,外国文献は et al. )と書く。初出から省略しないこと。

【例】
(Mischel et al., 1966)   中川他(1973)
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複数の文献をあげるとき

 同じ箇所で複数の文献を引用する場合,同じ( )内に並べて;で区切る。順序は著者の姓のアルファベット順とする。出版年順ではないので注意。同一著者の文献が複数ある場合は,出版年順に並べ,カンマ(,)で区切る。

【例】
(Green,1979; Moeser,1977; 守,1981,1982)
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何度も同じ文献に言及するとき

 同じ文献から何度も連続して引用する場合は,2回目以降は姓のみで年号を省略してもよいが,ページが離れているときはあらためて年号を入れる。

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