テーマ別編 小学校 1/6
写真で考えるごみ学習〜合衆国のごみ箱から〜
上越教育大学・院 社会系
(秋田市立桜小学校) 川村直子
1 はじめに
 小学校教育において、ごみに関わる学習は社会科や総合的な学習で数多く実践されているが、学習後の課題として、ごみを出しているのは自分自身で、ごみの減量には自身の生活の中に節制を見出さなければならないというジレンマがあり、ごみをめぐってのさまざまな現状は理解できても学習後の実践に結びつかないと言うのが実状である。
 今回、米日財団の御厚意でアメリカ合衆国東海岸の4都市を訪問し、小学校社会科教材の取材をすることができた。その中で、4都市で撮影したごみ箱の写真を通して、ごみに関わる問題、特にリサイクルに対する合衆国の姿勢をとらえ、我が国の学校教育に取り入れる方策を考えてみたい。また、ごみ箱をさがしまわる取材の中で感じたフィールドワークの楽しさと、写真教材の可能性についても最後に触れてみたいと思う。
2 ごみ箱の写真から―ワシントン D.C.・ピッツバーグ・ボストン・ニューヨークの4都市―
 本節では、訪れた4都市の各施設、街角で見かけたごみ箱の写真10枚を紹介し、ゴミ箱のデザイン・書かれた言葉などの情報を通して、アメリカ合衆国のごみ処理に対する姿勢の一端を考えてみたい。
1)ごみ箱の写真
モール周辺の歩道にて 国立歴史博物館食堂
写真-1 ワシントンD.C. モール周辺の歩道にて 回収が行き届いて、中身があふれているごみ箱はひとつもなかった 写真-2 ワシントンD.C. 国立歴史博物館食堂 ごみ箱には係りの方が付いていた
ピッツバーグ大学構内 ピッツバーグ大学図書館
写真-3 ピッツバーグ大学構内 聖堂調の荘厳な建築物Cathedral of Learningにもごみ箱が 写真-4 ピッツバーグ大学図書館 プリンター脇には必ずある青いコンテナ