ピッツバーグ:文化を支える人々
刈羽村立刈羽中学校
教諭 姉崎 達夫

1 ピッツバーグ市内の文化的施設
 ピッツバーグ市内には、カーネギー博物館や美術館などがあり文化的施設が充実している。
 ホームステイをさせていただいたDonnelly(ドネリー)夫妻の家の近くにあるフリック美術館もそのひとつである。USスチールの会長であったフリック氏のお嬢さんが亡くなる前にピッツバーグ市に寄贈した大邸宅の広い敷地の一部が美術館になっている。
 入り口を入ると絵画コーナーがあり風景画や肖像画が展示してある。中にはルーベンスなどの作品も展示してあり展示の内容は質の高いものであった。
 また、他のコーナーでは、南米コロンビアで収集した古美術品が多く展示されており資料として貴重なものと思われる。大学周辺の地域であることから文化的施設が多く集中する地域であった。どの施設も内容の質には高いものがあり、多くの費用をかけて質の向上のために努力している姿がうかがえた。また、それぞれの施設が安い入場料や無料で見られる。これらの施設が、多くのボランティアによって支えられていることに感動するとともにピッツバーグ市の事業の推進に対する熱意が感じとれた。

2 家族の生活
 ホームステイをさせていただいたドネリー夫妻には高校生のNed(ネッド)君と中学生のHelen(ヘレン)さんの2人の子どもがいた。2人とも驚くほど控え目でおとなしい子どもであった。
 ネッド君は、私が持参した相撲のビデオを大変に喜んでくれた。塩をまくことが清めの意味もあるという説明に他の格闘技とは違う国技としての伝統文化を感じとってくれたようであった。
 また、ヘレンさんは、3カ月ある夏休みのことや普段の授業が7時間目まであることなど学校生活について詳しく話してくれた。アメリカでは地域によって教育のシステムも大きく違うが、日本の教育と比較できて参考になった。
 ドネリー氏は医者であり、忙しいにもかかわらず、ホームステイのために時間をさいてくれた。家族のみなさんは、ボランティア精神に富み常に笑顔で、やさしく、わかりやすい英語で言葉をかけていただき、私が、快適に生活しているか、楽しんでいるかどうかを気遣っていただいた。滞在期間中、好意的に接していただき感謝している。このボランティア精神については日本人の生活にも取り入れるべきであると考えた。
 ドネリー一家のおかげで、とても楽しい2日間を過ごすことができた。

3 ホームパーティ
 1日目はホームステイ先の4軒の家の人々が集まり、ハトラー氏の家でホームパーティが開かれた。ホスト役のハトラー氏が庭先のバーベキューセットでハンバーグ、ソーセージ、トウモロコシなどを焼いてくれ、参加者にふるまってくれた。また、参加した他の家からは、一品ずつ料理を持ちよっていた。
 参加した人々は、それぞれが会話を楽しみながら各自好きなところで食事をすすめていた。形式ばったものは何もなく自由な雰囲気の中で楽しいホームパーティであった。会話の内容は、それぞれの生活のこと、子どものこと、最近のニュースなど多様で、とぎれることなく会話が続いていた。私たちの日本の生活についても多く質問を受け、質問に答えながら会話を楽しんだ。聞くところによると、このようなホームパーテイが、近所の人々、仕事先の人々、親戚など様々な組み合わせで数多く開かれており、ホームパーテイの運営にはホストも参加者も慣れているようで、週末を皆ですごし生活を楽しむ姿がうかがえた。

4 ピッツバーグ市民の娯楽
 2日目の午後は、ハトラー氏の友人が、ピッツバーグ市内で経営する映画館で映画を観賞する機会をつくっていただいた。この映画館は、10ほどの小映画館を一か所に集めた形態になっており、一度料金を払えばどの映画でも何回でも見られるシステムになっている。
 手頃な料金で多くの映画が見られるところからピッツバーグ市民に大変な人気があるようだ。この日は、日曜日ということもあって広い駐車場は、満車状態でチケット売り場も長蛇の列であった。アメリカの娯楽における映画の位置と人気を感じとることができた。


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