高等学校3学年地理B
カリフォルニアの農村と環境 −自然環境と生活環境−
〜カリフォルニア米産地サクラメントバレーを例として〜
宮城県米山高等学校  山内 洋美

1.はじめに

(1)新学習指導要領との関係
 本実践では、「農村」の「環境」について、主にアメリカの農業地帯における景観の観察・資料の読み取りを行うことから、その地域性を踏まえつつ、その類似性と相違点を考察させることを目的とする。
新学習指導要領では、「2 内容」の「(1)現代世界の系統地理的考察 ウ 都市・村落、生活文化」において、「世界の都市・村落や消費、余暇に関する行動、人々の衣食住などから系統地理的にとらえる視点や方法を学習するのに適切な事例を幾つか取り上げ、世界の都市・村落、生活文化を大観させる。」とある。また、「(2)現代世界の地誌的考察 ア 市町村規模の地域」において、「直接的に調査できる地域の特色を多面的・多角的に調査して、日常の生活圏、行動圏の地域性を地誌的にとらえさせるとともに、日本又は世界の中から同規模の地域を取り上げて地誌的に考察し、それらを比較し関連付けることを通して市町村規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる。」とある。また、「(3)現代世界の諸課題の地理的考察 キ 居住、都市問題の地域性」において、「居住、都市問題を世界的視野から地域性を踏まえて追究し、それらの問題の現れ方には地域による特殊性や地域を超えた類似性がみられることをとらえさせ、・・・。」とある。(下線部筆者)
  これらの点より見られるように、「地域性」と「類似性」(一般性)を幾つかの事例の比較などから考察させ、とらえさせることが重要視されていることが分かる。
 以上を踏まえ、アメリカの「農村」あるいは「農業地帯」を「環境」に重点を置いてみることで、その「地域性」を明らかにしたい。その際に、農村地域にすむ生徒の体験・価値観を生かした形で「類似性」を考えさせ、自らの住むところの「環境」についてどのようにかかわっていくかを考えさせたい。そのことが、生徒が自ら進んで考察し、生徒なりに視点や方法を見つけ出し、課題に対する見解をもつことにつながると考える。

(2)教材化の意義及び教材観
 カリフォルニア米は私たちにも比較的なじみの深い米国産米である。米国産米の生産高のうちカリフォルニア産米は23.3%(1997)を占め、また全米では長粒種の生産比率が68.0%と最も高いのに対しカリフォルニアでは中粒種が95.3%を占めている(1997)。以上のことから、カリフォルニアはアメリカ合衆国の米どころのひとつであり、しかもジャポニカに比較的近い種類が多く栽培されるという特徴がある。栽培方法も水田による1期作であることなど、非常に日本の稲作とも共通点が多いものと考えられる。 今回、訪問したカリフォルニア州(California)、サクラメント川(Sacramento River)による内陸部の沖積平野、サクラメントバレー(Sacramento Valley)は、シエラネバダ山脈と海岸山脈の間に位置するセントラルバレー(Central Valley)の北部にあたり、主に中粒種の米を栽培する有数の農業地帯である。奇しくも宮城県米山町とサクラメントバレーの中心都市のひとつであるサクラメント市(City of Sacramento)とは緯度もさほど変わらない。
 また、カリフォルニア州は環境に対する配慮が際立っている州でもあり、農業に対してもいくつかの環境政策を行ってもいる。またそれに対し、農民組合にあたるファームビューロー(Farm Bureau)という組織が存在し、農村・農業の立場から社会的・経済的問題および環境問題に対処している。 本校の位置する宮城県米山町は、迫川・北上川等の河川によりできた内陸部の沖積平野に位置し、米作を中心とした農業地帯である。したがって本校生徒の約1/3は米作を中心とした兼業または専業農家である。本校も元は農業高校で、水田地帯の中心に位置し、また現在も水田を含めた農場を持っている。ゆえに本校生徒は、水田の広がる平野という景観には非常に馴染み深いものを持っている。
 以上を踏まえ、アメリカの事例として、サクラメントバレー南部およびそこに位置する米作農場であるスパングラー農場(Spangler Bros. Farm)を取り上げて、カリフォルニアの内陸沖積平野における稲作地帯の自然環境と生活環境についてとらえさせたい。また、日頃馴染みある宮城県米山町及び周辺地域を、同じ農業(米作)を主産業とする地域として比較させることで、「農村」およびその環境について考察させていきたい。このことで、生徒自らの「農村」観を基礎として考察を深めることができ、また自らの「農村」観や「農村」での暮らしを改めて考え直す良いきっかけともなると考えられる。

(3)ねらい
サクラメント周辺の「農村」の景観等から、アメリカの「農村」の暮らしと「農村」の持つ問題を、特に「環境」について考えることができる。
サクラメント周辺の農村地帯を「環境」に重点をおいてみることで、アメリカと日本の「農村」の共通点と違いを考える(穀物栽培に特化した地域としての視点で見ることも含む)ことができる。
アメリカと日本の「農村」でより良く暮らすために、必要なことがらを考えることができる。このとき、「環境」に対する配慮も取り入れることができる。
「農村」で「環境」に配慮しつつより良く暮らすために、どのように自分たちがかかわっていけるか考えることができる。



2 授業構想

(1) 対象 宮城県米山高等学校 3学年普通科進学クラス選択 地理B 19名

(2) 単元の概要 (5時間扱い)
第1次 アメリカの「農村」の姿をとらえる(本時) 2時間
第2次 「農村」に見られる問題を考える 2時間
第3次 「農村」でより良く暮らすためにできることを考える 1時間

(3)本時案 (第1〜2時、65分で実施)
<第1時>
過程 学習活動と支援 評  価 資  料
導入
(十分)
カリフォルニア州とセントラルバレーの位置を確認する
北アメリカ西海岸の、日本の本州とほぼ同じ緯度に位置すること、内陸の沖積平野であることをとらえさせる。
地図から位置・緯度・地形を読み取ることができたか。
帝国書院『新編標準高等地図』p45
色鉛筆
展開
(四十五分)
アメリカの「農村」の姿をとらえる−セントラルバレーの鳥瞰図、景観写真から読み取ったことを発表し、まとめる
セントラルバレーがシエラネバダ山脈と海岸山脈の間の沖積平野であること、農業地帯であることをおさえさせる。
北部サクラメントバレーが稲作地帯、南部サンワキンバレーが畑作地帯であることをとらえさせ、その景観に注意させる。
スパングラー農場周辺の景観写真から、その置かれている環境を読み取らせる。
鳥瞰図からセントラルバレーの地形・景観・植生等を読み取ることができたか。また、セントラルバレーが農業地帯であることを理解できたか。
セントラルバレーの景観写真から、作物や植生、住宅等の建築物の有無などを読み取ることができたか。
スパングラー農場周辺の景観写真から、サクラメントバレー南部の稲作地帯の景観を詳しく読み取ることができたか。
セントラルバレー鳥瞰図(プリント)
サクラメントバレー航空写真
セントラルバレー(サクラメントバレー、サンワキンバレー)の景観写真
模造紙、上質紙、マジックペン
まとめ
(十分)
セントラルバレーの姿はどのようであったか、まとめる
鳥瞰図・景観写真から読み取ったことを整理してセントラルバレーの姿を見いだすことができたか。
まとめ用プリント

<第2時>
過程 学習活動と支援 評  価 資  料
導入
(十分)
セントラルバレー及びサクラメントバレーの姿を復習する
前時の復習ができたか。
まとめ用プリント
展開
(四十五分)
カリフォルニアの農村について考える
サクラメントバレーのスパングラー農場(稲作農家)での暮らしや考えを知らせ、またカリフォルニアの水環境や農村生活を支える組織や、生活環境に対する考え方を知らせ、そこで生まれるさまざまな問題について考えさせる。
カリフォルニアの「農村」の姿とその「環境」についての認識をつかむことができたか。
カリフォルニアの「農村」で暮らす際の問題点を考え、対策についても考え、理解することができたか。
スパングラー農場の様子(プリント)
サクラメントバレー土地利用図(プリント)
カリフォルニアの水環境と生活(プリント)
まとめ
(十分)
カリフォルニアの農村で暮らすために必要なことを考える
カリフォルニアの「農村」に暮らす際に必要なことがらを、自分の経験も参考にして考えることができたか。
まとめ用プリント



3.授業実践とその概要

 第1時・第2時ともに3〜5人のグループをつくって、お互いの考えを擦り合わせる形で授業を進めた。以下はその概要である。
○第1時 (10月6日実施)
T: (鳥瞰図のプリントを配って)これがセントラルバレーの鳥瞰図です。ここから分かることをどんどん書き出しましょう。(鳥瞰図には地形、作物、道路、都市などが絵画風に描かれている)
<生徒はグループで話しながら、プリントに分かることをどんどん書き出していく>
図1   セントラルバレー鳥瞰図
S: (河川に色をつけながら)大きな川が流れてる。川が流れてるところは平地だよね。
S: まわりは山でしょう。シエラネバダ山脈だ。
S: CITRUS GROVESは?シトラスって、柑橘類?
S: 川に沿って作物の畑があるね。
S: SACRAMENTOって大きな都市?ビルがたくさん描いてある。
<模造紙にグループごとに読み取ったことを貼り出し、まとめる>
*セントラルバレーの様子
山に囲まれた平野である。
(河川が作った沖積平野である)
河川に沿って畑がある。特に南部に多い。
農村地帯である。(住宅は少ない、点在している)   アーモンド、柑橘類、トマト、野菜、ぶどう、綿花
サクラメントを中心に道路が伸びている。 サクラメントに高層ビルが集中している。

T: セントラルバレーはこのような様子だということが鳥瞰図から読み取れましたね。では、この写真を見てください。(各グループにサクラメントバレーの航空写真を配る)この写真は飛行機からセントラルバレーの北側、サクラメントバレーの一部を撮影したものです。
写真1   サクラメントバレー航空写真
S: 田んぼ?これ、田んぼでない?
S: それぞれいろんな色してる。だから畑もあるよ。
T: 9月下旬だから、ちょうど収穫期のものもあるよね。
<模造紙に、グループごとに読み取ったことを貼り出し、まとめる>
*航空写真を見て
平野である。
住宅は点在している。
農業地帯である。いろいろな作物が植えられているようだ。 道路は直線状である。

T: それでは、次に、セントラルバレーの南側、サンワキンバレーの写真を見てください。
写真2   アーモンド畑
S: 先生、これ、何の木? T:これはアーモンド。
S: ああ、鳥瞰図にもあった。
S: 土が乾燥してるべ。木も乾燥地帯の木みたいだ。
S: これ、トマトなの?背が低いよ。
T: このあぜはレーザー光線で引くんだよ。畑もレーザーでならすんだって。
<同様に、グループごとに読み取ったことを貼り出し、まとめる>
*サンワキンバレーの様子
畑作地帯である。
家がまばらである。また平屋建てである。
アーモンドやトマト、飼料用アルファルファ
平野である。 土が乾燥している。(地中海性気候)

T: では次に、セントラルバレーの北側、サクラメントバレーの写真を見てください。
写真3   カントリーエレベーターと水田
写真4   サクラメント川
S: この建物、何だべ?
S: カントリーエレベーターだっちゃ。ほら、そこにあるのと同じ。(と窓の外をさす)
S: んじゃ、これ田んぼだ。前にあるのは用水路。水がないね。
S: これ、川?湖?
T: それはサクラメント川。
S: 水が多いね。流れが静かで。何でここだけこんなに水が多いの?
S: 川のまわりには木が多いのに、田んぼのまわりには木がないよ。
<同様にグループごとに読み取ったことを貼り出し、まとめる>
*サクラメントバレーの様子
稲作地帯である。(水田耕作)
サクラメント川の水量が多く、流れがゆったりとしている。
平野である。 河川の周りに木があるが、水田の周りには木はほとんどない。
家がまばらである。  

T: 鳥瞰図と写真から、セントラルバレーの様子を読み取ることができましたね。それでは、次の4枚の写真を見てください。サクラメントバレー南部にある、スパングラー農場での写真です。ここから分かることを書き出してみましょう。
写真5   等高線耕作の水田とドライヤー
写真6   収穫風景
S: 田んぼが曲がってる。すごく広いね。
写真7   用水路とポンプ
T: あぜが曲がっているのは、等高線耕作を行っているからだよ。
S: この脇の丸い建物は何だべ?
T: これは籾を乾燥させるドライヤー。中をのぞいてみたけど、短粒種の籾がたくさん入ってたよ。自然乾燥させるんだって。
S: このコンバイン、いつも見てるのの2倍はあるね!?
S: 用水路に何かついてる。ポンプだ!
S: ずいぶん、あぜに雑草が多い。
<同様にグループごとに読み取ったことを貼り出し、まとめる>
*スパングラー農場と周辺の様子
平野である。
大型機械を使って大規模農業を行っている。
水田耕作を行っている。  
等高線耕作を行っている。 周辺に住宅が少ない。
耕地が広い。    

T: それでは本日のまとめをしておきましょう。
<セントラルバレーについてまとめる>
T: 次回は今日読み取ったことを使って、ここでの生活環境について考えていきましょう。

○第2時(10月9日実施)
<前時の復習を終えて、スパングラー農場の資料および地図を渡す>
写真8   ゲイリーさんにインタビュー
T: 今配ったプリントの1枚目は、私が訪問したスパングラー農場で伺ってきたことです。2枚目の地図を見てください。サクラメントの北にニコラス(Nicolaus)という町がありますね。見つけたら印をつけてください。サクラメントからニコラスまでは何kmありますか?
S: だいたい40kmくらいです。
T: そうですね、ちょうどここ(米山町)から石巻(*仙台湾岸の都市)まで行くくらいですね。そのNicolausにスパングラー農場があります。ゲイリーさんという農場のオーナーにお話しを伺ってきました。
*ゲイリーさんからの聞き取りの概要
農地4,000エーカー(約1,600ha)のうち、米を2,000エーカー(約800ha)つくっている、中粒種が主である
農業用水は河川水を1エーカーあたり15ドル、地下水を1エーカーあたり20ドルで買っている、用水を循環させて、残留農薬がないように農薬最終散布から約2ヵ月後の収穫前後に排水する
農地は半分所有し、半分借地である 稲わらは、以前燃やしていたが、煙害が発生して禁止されたため、水を入れて腐らせるか、土にすきこんでいる
籾収穫量は年に約1,700万ポンド(7,710t)で、総収入は300万ドル、そのうち純利益は15万ドル 生活用水は地下水をくみ上げており、サクラメントの保健所が水質調査に来る
補助金を2002年まで30万ドルくらいもらっているが、もらえなくなると赤字になる 生活排水は地下にパイプを使って浸透させている
米は通常4年連作して1年休閑する、農薬は航空機で委託散布、肥料はGPSを使ってコントロールする    

<プリントを説明しながら読み取りをさせる>
図2   サクラメントバレー土地利用図
T: ここから、どのような問題が見えてくるでしょうか。
S: 生活用水に地下水を使うのに、生活排水は地下に染み込ませるんですか?
S: 農業用水買うのにお金かかるんですね。
S: 農業排水にもやっぱり配慮が要るんだ。
<サクラメントバレーの土地利用図(白黒)を配る>
T: 今、配ったのは、サクラメントバレーの土地利用図です。Riceという記号を緑で、Urban、都市部は赤で囲んでみましょう。それから、河川を青でなぞりましょう。ここからどのようなことが読み取れますか?
<作業をしながら、プリントに気づいたことを書き込んでいく>
T: 読み取ったことを書き出してみましょう。
*サクラメントバレーの土地利用図を見て
サクラメントバレー南部、河川の合流点に田んぼが集中している。
河川沿いに都市が点在している。(特に合流点)
水田地帯は北緯39°〜北緯40°の間にある。 田んぼと都市部を囲むように果樹園が広がっている。
サクラメント市の近くに水田地帯がある。 サクラメントバレーを埋めつくすように川が流れている。
T: このような土地ではどのような問題が起こりやすいでしょうか?
S: 水害が起こりやすい。
T: そうですね。対策としては、サクラメント川下流の農地が冠水施設になっていて、洪水の際にはそこにあふれた水が流れ込むようにされているそうです。それでも、上流のスパングラーさんの所で1997年に1度被害がありました。サクラメント市もそのとき冠水しています。
S: 都市が近いから生活用水が農業用水との関係で不足するのではないですか。
T: そうですね、プリントの説明を見てください。カリフォルニア州はもともと地中海性気候で降水は少ないですから、用水の確保は長年の問題となっており、国や州をはじめとしてさまざまな対策がなされています。このサクラメント周辺でも「セントラルバレー事業(CVP)」が1933年に認知されて、貯水池やダム、配水施設等がその後作られていきます。
  また、20世紀後半には“農業に水利用の85%を占用された都市住民の不満が高まる”とありますね。プリントにもあったとおり、スパングラー農場でも用水管理はGPS(Global Positioning System・・・アメリカの静止衛星を利用し、位置情報を知る方法)を使って制御されていましたね。このスパングラー農場の周辺も宅地開発が進んできていますので、いっそう農業用水使用量の制限と生活用水の確保は重要な問題とされるでしょう。どちらかというとスパングラーさんは、そのために農業用水が値上がりすることを心配していました。
S: 農薬とか生活排水で、水質汚染も起こりますよね。
T: そうですね、プリントにもあるように、1872年にはすでに都市部での水質汚染を改善するため、清浄水法が公布されています。20世紀後半には、環境保全を核に置いた水管理へと政策が変化したことを反映して、農薬等の使用制限も厳しくなっているものと考えられます。また「農民の農民による農民のための組織」といわれるファームビューローが、農民の立場でこのような問題に対する対策を実施しています。このような環境で、農業をしながら生活していくには、どのような配慮が必要でしょうか。自分の考えをまとめておいて下さい。今回の中間考査でも出題することとします。



4.授業の評価

 この一連の授業の直後に、2学期中間考査を実施した。その際、セントラルバレーの鳥瞰図、サクラメントバレーの写真数枚、スパングラー農場での聞き取り資料を添付して、セントラルバレーの様子、サクラメントバレーの環境と生活について出題した。
 授業で触れたことがらについては、ほとんどの生徒がほぼ理解し、解答することができたと考える。しかし、授業の最後で要求した、カリフォルニアの農業地帯での生活に対する配慮という点においては、
農家が自然環境の破壊の原因とならないような作業をすることが必要
農業経営者が都市に対して悪影響(農業排水による水質汚染など)を与えないように配慮する
都市の生活用水に対して配慮する、水をむだづかいしない
都市にも農村にも良い影響を与える農業をする
その土地にあった作物を作るとともに、排水や農薬、用水に配慮する
等々、自分の生活体験に引き寄せつつ懸命に考えた跡は見られたものの、さらに細かく授業で掘り下げる必要を感じた。また、聞き取り・文献資料をもう少し整理して提示する必要があった。本校は65分授業ではあるが、これだけたくさんの資料を2時間で消化するのは、時間的にもかなりきついものがあったことも事実である。いずれにしても、生徒たちの、地図・写真等、資料から事象を読み取る力が、この授業で確実についたということだけはいえる。そこから考える力をさらに育てるための工夫をこれから必要としよう。



5.参考文献

California Farm Bureau Federation  http://www.cfbf.com/
California Department of Food and Agriculture http://www.cdfa.ca.gov/
USGS Sacramento River Basin NAWQA http://water.wr.usgs.gov/sac_nawqa/index.html
CALIFORNIA AND NEVADA(鳥瞰図) Unique Media,CANADA
中澤 弌仁 (1999) 『カリフォルニアの水資源史−ニューディールからカーター水管理政策への展開−』 鹿島出版会
勝山 達郎  (1993)  『転機に立つカリフォルニア農業と米作−地球環境問題と21世紀に向けての食料,農業農村』 地球社
食料・農業政策研究センター (1990)  『1990年度版 食料白書 アメリカの米と日本の米−消費・流通・生産−』 農産漁村文化協会