スタンダード1:空間的視点に基づいて情報を収集・処理・提示するために,地図などの地理的表現・道具・技術の使い方はどうあるべきか。

幼稚園〜第4学年の認識目標:第4学年までに児童は以下のことを知り,理解する。

1.地図・地球儀・グラフ・図表・航空写真などの写真・人口衛星の作り出す映像といった地理的表現の特徴及び目的

2.引用や地理情報システム(GIS)といった道具・技術の特徴・目的

3.地図をはじめとする地理的表現における空間的情報の提示の仕方

4.地理的道具・技術の適切な利用の仕方

 幼稚園〜第4学年の技能目標:第4学年までに児童は以下のことができるようになる。

A.地理的表現,道具,技術の特徴・目的を認識・叙述する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.基本的な要素を認識したり,描いたりできるか,様々な地図を試す。(例:図名,凡例,四方位・八方位,縮尺,碁盤目,緯線,子午線)

A-2.自然的・人文的特徴を探しだし,認識するために,航空写真か人工衛星画像から情報を読み取る。(例:山脈,川,植生,都市,ダム,ガスタンク)

A-3.記号で説明される象徴を利用して生徒に選ばせた情報を示す地図をデザインする。

B.地理的表現の空間的な情報を示す。例えば以下のようなことができることによって例示される。

B-1.物語を読み,物語の内容を描き出すスケッチマップを作らせる。(例:『Make Way for Ducklings』に描かれるあひるの家族の移動を示す地図を作る。また,ロ−ラ・インガルズ・ワイルダ−の『Little House』シリ−ズでインガルズの家族が住んだ場所の地図を作る。

B-2.地域の情報を2次元の形態(例:地図上の記号を利用して)・3次元の形態(例:地域の等高線に高さを示すものを積み上げて。)により報告する。

B-3.空間的な情報を示すために図や表を作る。(例:合衆国の5大都市の人口を比較するために棒グラフを作る。)

C.地理的表現,道具,技術を利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

C-1.教師・児童が選んだ場所に関する−この位置は何か?−という質問に答えるために地図の碁盤目(例:緯線・経線,文字・数字両用の地図索引)を利用する。

C-2.人類の分布に関する質問に答えるために主題図を利用する。(例:地球上の人口分布は何と説明したらよいだろうか?)

C-3.A地点からB地点までどれだけ離れているか,という質問に答えるため,距離を測るのにいろいろな縮尺を利用する。(例:線縮尺,縮尺分数尺,言葉の縮尺)

第5学年〜第8学年の認識目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことを知り,理解する。

1.地図,地球儀,航空写真をはじめとする写真,人工衛星画像,模型の特徴,機能,応用。

2.空間的分布,様式を分析するための地図,地球儀,グラフ,表,模型,デ−タベ−スの作り方,利用の仕方。

3.地理的な課題を解決するために地図,地球儀,航空写真をはじめとする写真,人工衛星画像,模型を利用することによる相対的な利益,不利益。

5学年〜第8学年の技能目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことができるようになる。

A.地図,地理的表現,道具,技術の重要な特徴,機能を叙述する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.地図投影法,地球儀,航空写真,人工衛星画像の目的を叙述し,特徴を区別する。

A-2.地図の要素を説明する。(例:縮尺,方位,記号)

A-3.地理的データベースの特徴,目的を説明する。

B.地図,地球儀,グラフ,表,デ−タベ−ス,模型を開発し,利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。                                                       

B-1.生徒の住んでいる地域社会,州,国,世界の様々な主題図やグラフを作るために,デ−タ,様々な記号,色を利用する。(例:人口分布,疾病,経済的な特質,降雨,植生)

B-2.人,物の移動の型を示す地図,フロ−チャ−トを開発するために情報を利用する。(例:石油,小麦,カカオの国際的交易)

B-3.地球,太陽の関係を描くための模型を作り,地軸,季節,自転,公転,緯線,経線といった概念を説明するために利用する。

C.地理的課題を解決する際の価値に関して,地図,地理的表現,道具,技術の相対的な利益を評価する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

C-1.地理的課題に特有の質問に答えるために地図帳から適切な地図,グラフを選択する。

C-2.資料集を作るために地図,統計地図を作ることの利益,不利益を評価する。

   (例:人口分布,言語の利用,季節ごとのエネルギ−消費)

C-3.特別な目的のために特別な地図投影法を利用する利益を評価する。

D.地球上の空間的な分布,型についての質問を出したり,答えたりするために地理的道具,技術を利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

D-1.地図上で地域サ−ビスの境界を引く基準を決める。(例:生徒に急速に発展している郊外の地域を割り当てる。)

D-2.空間,時間の移動の型を理解するために地図を利用する。

   (例:ハリケ−ンの経路を何年間かにわたって地図化する。世界へのインフルエンザの広がりを地図化する。)

D-3.施設を建設するのに一番適した場所を決めるのを正当化するために地図を利用する。(例:レストランを建設する場所,リサイクルセンタ−,工場用地を選び開発する。)

第9学年〜第12学年の認識目標:第12学年までに生徒は以下のことを知り,理解する。

1.地理的課題を解決するための地図,地理的表現の利用の仕方。

2.地球上の自然的システム・人文的システムを表現し,解釈するための技術の利用の仕方。

3.地理的課題を分析,説明,解決するための地理的表現,道具の利用の仕方。

第9学年〜第12学年の技能目標:第12学年までに生徒は以下のことができるようになる。

A.地理的課題を解決するために地図やその他の地理的表現を作り,解釈する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.資源や土地利用の様々な様式にともないいかに人口密度が変化するかを叙述するために地図を開発する。(例:酪農地域対市場向け野菜栽培地域,郊外地域対都心,不毛の砂漠地帯対リゾ−ト地)

A-2.多様なメディアから情報を集め,資料を地図,グラフ,表に変える。(例:ここ5年間のアルゼンチンにおける小麦生産を示す棒グラフを作る。州別高校中退者の割合といった情報を国勢調査をもとに作る。南アジア,西アジアの国々の識字率の表を作る。都市人口に基づくラテンアメリカの国々の相対的大きさの統計地図を描く。)

A-3.地域内,地域間の空間的関係を示すために地図,グラフを開発する。(例:北欧,南欧のつながりを鉄道,航空,高速道路の接続により示す運送ネットワ−ク。)

B.世界のできごとを分析し,課題への解決策を提案するために地図をはじめとする地理的表現を利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

B-1.最近の世界のできごとの地理的関わり合いを叙述するために地図,表,グラフ,図,ダイアグラムを開発する。(例:政治的境界の変化を示す地図や自然災害の影響を被る地域を示す分布図)

B-2.長期的展望に立った計画を達成するために地域の特徴を修正する。(例:人口,環境,政治,経済,文化)

B-3.人間と環境の相互作用の結果と考えて地図を利用させる。(例:珊瑚礁の島々での熱帯性暴風雨の影響,鳥や海洋性生物にとっての湿地の枯渇,居住地の砂漠化)

C.地理的道具を応用することや,特別な目的を達成するために技術を使うことの評価をする。例えば以下のようなことができることによって例示される。

C-1.地球を学んだり探検する時の地図の中心的役割を明らかにする。(例:地図は,航海者たちやスコット,ピアリ−,ヘンセンらの北極探検家によって作られた。)

C-2.同じ現象を叙述するのに異なった材料や見方による地図の重要性を集め,比較し,説明する。(例:メディア,ビジネス,産業界,陸軍によって開発された地図は,閉ざされた陸軍による利用が市民的な目的に利用されるようになったことを示す。)

C-3.地理的課題を分析するために特別な技術を使う正当性を考える。(例:航空写真,衛星画像,地理情報システム(GIS)南アフリカにおける水害の広がりを知る。また,マダガスカルにおける森林伐採の範囲を知る。