□スタンダード16:環境と社会
■資源の持つ意味,利用,分布,および,重要性にに現れる変化
幼稚園から第4学年までの認識目標:第4学年の終わりまでに児童は以下のことを認識し理解する.
1. 更新性資源,非更新性資源,および流動資源それぞれの特徴
2. 資源の空間的分布
3. 日常生活の中での資源の役割
幼稚園から第4学年までの技能目標:その結果児童達は以下のことができるようになる.
A. 更新性資源,非更新性資源,および流動資源のそれぞれを位置づけ,区別する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1. 非更新性資源(例:化石燃料,鉱物)の産地の位置を確認するためにベースマップの上にシンボルを配置し,それぞれの資源がどのように利用されているかを説明する.
A-2. ある特定の日の学校,家庭,および地域社会における資源の利用を調べるための調査を計画し,実行する.さらに,それらの資源を更新性資源(例:木材),非更新性資源(例:石油),流動資源(例:流水,風)に分類する.
A-3. 他の学生に対して様々なタイプの資源の特徴やどこからくるのかを説明するドキュメンタリーの脚本を書く.
B. 資源の場所と人口の分布パターンの間の関係を説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1.地図を使って工業地域や鉄鉱石,石炭,およびその他の天然資源の産地を確認して,経済活動と資源の関係について述べる.
B-2. 消費者と資源との間をつないでいる輸送路について地図を使って説明する,さらに利用されている運搬様式(例:船,パイプライン,はしけ,あるいは鉄道)について確認する.
B-3 居住地の状態がどのように資源の発見と使用によって影響を及ぼされるかを説明するために歴史的な事例研究を利用する.(例:19 世紀における入植地の中心としてのコロラドの鉱山町,18世紀から始まったアパラチア山脈の瀑布線に沿う工業や都市の成長)
C. 児童達の日常生活における資源の役割や意味について述べる.例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1 原料の産地を示した略図を使って,電気がどのように,あるいはどこで,地域社会のためにつくられているかについて述べる
C-2 地域社会で一般に使われている品々(例:自動車,医療品,衣料,食料)を生産するための資源の産地の場所をベースマップの上で確認する.
C-3 資源の利用方法や評価のされ方に注目して,世界の他の地域で利用されている資源と,児童の地域で利用されている資源を比較して短い説明を書く.(例:アメリカ合衆国での建築に対する木材の利用と比較した,燃料のためのドミニカ共和国での木材の利用)
D. 資源の利用に関連した,危機的な現代の問題について認識し,評価する。例えば以下のようなことができることによって例示される.
D-1 様々なタイプの素材の再生や再利用することの長所と短所を列挙する.
D-2 天然資源の保全に焦点をあてた演劇か詩を書く.
D-3 水や野生生物などの地域の資源を保全するための計画を作成する.
(例;モーターボートの所有者あるいは漁師についての計画;,ハンターあるいは野生生物カメラマンについての計画)
第5学年から第8学年までの認識目標:第8学年の終わりまでに児童・生徒は以下のことを認識し理解する.
1. 世界的な資源の分布と利用
2. なぜ人々は資源の利用に関して様々な見方を持っているのだろうか.
3. 技術は,どのように資源の定義,入手,利用に影響を与えるか.
4. 社会におけるエネルギー資源の重要な役割
第5学年から第8学年までの技能目標:その結果児童・生徒は以下のことができるようになる.
A. 世界的な資源の分布と利用の状態について述べ,分析する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1 石油,石炭,銅,鉄鉱石などのなどの資源の世界的な状態について,主な埋蔵地の場所に関して地図を作成し,議論する.
A-2 ダイアモンド,銀,金,タングステン,モリブデンなどの資源の世界的な状態について,主な埋蔵地の場所に関して地図を作成し,議論する.
A-3 調査データに基づいて1900年と1990年の 三大資源の分布状況についてプレゼンテーションを行い,二つのパターンの間の違いの理由について説明する.
B. 現代の世界における資源の利用の結果について述べる。例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1 石油や,無煙炭,瀝青炭,ダイヤモンド,銅などの重要な資源の現在の主要な産地を地図に示し,それらの産地と消費国を結ぶ経路を追跡する.(例:ペルシャ湾から日本や大韓民国への石油の輸送,あるいは南アフリカからベルギー,イスラエル,ニューヨーク市へダイヤモンドが集中する過程)
B-2 国の生活水準と資源の入手のしやすさとの間の関係について話し合う.
(例:豊富に供給されるエネルギー,食料品,消費材を生産する原材料などの資源を簡単に入手できることは,一般 的に高い生活水準を意味し,逆は低い生活水準を意味する)
B-3 地域や国家間の対立と資源に対する競争を関係づける.(例: 1930年代における日本の満州占領, 1991年のクウェートへのイラクの侵攻)
C. 資源の利用に関する異なる見方について評価する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1 資源の利用あるいは間違った利用に対する人々の異なった意見について評価する.
(例:電気自動車,水の供給,都市の公共交通,化石燃料の利用に対する意見)
C-2 環境保護機関あるいはその他の関係した基準に基づいて,資源の間違った利用の仕方に関する一覧を作成する.さらに,基準に一致した将来の利用に対する提言を行う.(例:成熟した森林の乱伐,合衆国西部のバッファロー,半乾燥地域における土壌保全)
C-3 環境への影響の観点から資源の採取や利用の方法に関して評価する.(例:持続可能な林業及び農業の実行,氷山からの水の利用,都市の廃棄物の再生)
D. 資源の獲得と利用に対する技術の役割について認識する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
D-1 先進技術と高度の資源の採取の連係(例:露天掘りの鉱山における巨大な土砂移動機械の利用,石油やボーキサイトの調査における先進的な探索技術の利用)
D-2 技術の発達段階と資源の消費との関連の割合(例:ヨーロッパや北アメリカなどの先進社会における高い1人当たりのエネルギー利用量 とアフリカやラテンアメリカなどの発展途上国における低い1人当たりのエネルギー利用量 )
D-3 石油探索における衛星画像技術の経済的な重要性について説明する.(例:研究室で広域のあるいは近づきにくい地域に対して予察的な調査を行うことができる能力.)
E. 更新性資源,非更新性資源,および流動資源の管理と利用に関して認識し,計画を立てる.例えば以下のようなことができることによって例示される.
E-1 石炭,石油,天然ガスなどのエネルギー資源の管理に関する計画を作成する。
E-2 消費量の変化率や資源の残存量に関する様々な推定をもとに,どのくらいで現在知られている世界の化石燃料の供給がつきるかを推測する。さらに,現在の化石燃料がつきたときの代替エネルギーへの転換の計画を作成する。
E-3 水資源の保全や資材の再生に関する個人的な計画を作成し,実行する。さらに,いかに,あるいはなぜ,今後10年間にその計画が変化するかを推測する。
F 人類の発展に対するエネルギー資源の重大な重要性について説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される.
F-1 木材,木炭,風,水などのエネルギー源の新しい土地への入植に対する重要さについて説明する。(例:合衆国における西方への開拓移民,シベリアにおける東方への開拓移民)
F-2 どのように石炭や,石油,天然ガス,原子力が社会の機能に貢献しているかについて認識する。(例:交通 ,製造業,建築物の冷暖房のために供給されたエネルギーを通して)
F-3 太陽エネルギーや熱エネルギーなどの代替エネルギーの開発や広範な利用がどのように社会に影響を与えるかについて説明する。(例:大気や水の質,現存するエネルギー産業,現行の製造業の営業への影響)
第9学年から第12学年までの認識目標:第12学年の終わりまでに児童は以下のことを認識し理解する。
1. どのように資源の空間的な分布が人類の定住の状態に影響を与えるか。
2. 時間の経過に伴ってどのように資源が開発され,使用されてきたか。
3. 資源の利用と管理に関する計画や政策の地理的な結果。
第9学年から第12学年までの技能目標:その結果生徒は以下のことができるようになる.
A. 定住地と資源のの空間的な分布の関係について分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1 定住地の状態がどのように資源の位置と関係しているかについて述べる。(例:東南アジアの密集した居住地域の周辺における農業組織,北アメリカのコーンベルトにおける村,町,都市の空間的な配置)
A-2 地域における資源の発見や開発がどのように定住を引きつけるかを説明する。(例:石炭,ニッケル,鉄鉱石の発見の結果 としてのシベリアの都市の発達;鉱業地域と水力発電能力の影響を受けたケベックおよびオンタリオ州北部のロウレンタインシールドにおける居住地の拡大)
A-3 資源の枯渇の結果としてどのように居住地の状態が変化するかを述べる。(例:コロラドの鉱業地域におけるゴーストタウンの発生,カナダ沿岸地域の漁業集落における人口減少)
B. 世界の様々な地域における資源と探検,植民地化や入植との間の関係について説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1 重商主義や帝国主義の展開の地理学的な結果について説明する。(例:16世紀および17世紀におけるスペイン人とポルトガル人のラテンアメリカへの入植,19世紀におけるオランダ人とイギリス人のアジアにおける影響範囲の拡大と)
B-2 資源の探求に関わる世界での探検と植民地化の歴史的な事例について認識し,議論する。(例:スパイスと貴金属への容易な経路であるインドと中国への航路を見つけるためのコロンブスの冒険;毛皮,魚,木材,,金の産地であるシベリア,アラスカ,カリフォルニアへのロシア人の入植)
B-3 ある時期には非常に高価であったが,
他の時期には価値が低かった資源の例について認識し,議論する。(例:冷蔵庫の出現以前の食物の保存に対する塩やスパイスの利用,内燃エンジンの発明以前の”ground oil”(地油?)として知られていた石油の放棄)
C 世界の様々な地域における資源の利用に関する政策決定に関して評価をする。例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1 いくつかの国がどのようにあるいは,なぜ平均以上の量の資源を利用するのかについて議論する。(例:ドイツにおける鉄鉱石の輸入と合衆国 および日本の石油消費)
C-2 様々なの形式のエネルギーの開発と使用の地理学な結果について説明する。(例:更新性資源,非更新性資源,および流動資源)
C-3 非更新性資源の輸出に頼っている国々の,短期および長期的の経済の見通しについて評価する。(例:リン酸塩が枯渇したときのナウルの経済に対する長期的な影響;ノバスコシア州の松林の乱伐に伴う経済的,社会的な問題)
D. 資源を再利用あるいは再生することができる方法について認識する。例えば以下のようなことができることによって例示される.
D-1 再生可能な資材の利用を追い求めた産業の移動の戦略について説明する。(例:製紙工業,容器や缶 の会社,ガラスや,プラスチック,瓶の製造業)
D-2 地域的および世界的なレベルでの有毒で,危険な廃棄物の取り扱いに関する地理的な問題について議論する。(例; 廃棄物の移動,処理,加工,貯蔵. )
D-3 資源管理に対する人々の態度を説明するために,合衆国とその他の国のリサイクルに関する法律を比較する。(例:包括的と無計画,厳格と寛大,完全な施行と一貫した軽視)
E 様々な空間的スケールにおける資源の利用に関係する政策および計画について評価をする。例えば以下のようなことができることによって例示される.
E-1 資源の利用と関連した政策決定の地理的な影響について評価をする。(例;干ばつの期間における地域社会における水使用法に関する規則;ガラス,金属,プラスチックの再生に関する地域の計画)
E-2 最近4代の大統領の施策に関して資源管理の観点から客観的に評価する。
E-3 発展途上国における資源の劣悪化と減少に関して多様な観点から評価する。(例:日本の実業家と国連の食料農業組織と一緒に保護論者によって表明されたマレーシアの熱帯雨林の使用に関する異なる見方)