スタンダ−ド2:人,場所,環境に関する情報を組織するためにメンタル・マップを利用できる

幼稚園〜第4学年の認識目標:第4学年までに児童は以下のことを知り,理解する

1.地域社会内における場所の位置

2.大陸,海洋の相対的位置,緯線・経線上の位置

3.合衆国,世界の自然的特徴の位置,人文的特徴の位置

幼稚園〜第4学年の技能目標:第4学年までに児童は以下のことができるようになる。

A.地図,地球儀,図式情報における様々な縮尺(地域から世界)を利用して自然的特徴,人文的特徴を認識させる。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.基本図上で位置を探しだし認識するために記号を使い,地域社会の特徴(例:商店街,レストラン,消防署,学校,郵便局を記録する。

A-2.州か合衆国の基本図上で自然的・人文的特徴(例:大都市,川,レクレ−ション地域,歴史的地域,地形,発電所)を探しだし,認識するために,ラベルや記号を使う。

A-3.地球儀,地図,その他の図式情報を利用して2地点間(例:ロサンゼルスとモスクワ,シンガポールとブエノスアイレス)の大圏航路の自然的・人文的特徴を認識する。

B.場所の位置を認識するためにメンタルマップを使う。例えば以下のようなことができることによって例示される。

B-1.地域社会の学校,店,レクレ−ション施設への往復の記憶からスケッチマップを描く。

B-2.新聞やテレビの地方,世界の特徴あるニュ−スのおおよその場所の位置を示すスケッチマップを準備する。

B-3.場所の位置に関する質問に答える。(例:メーン州はフロリダ州より東か?シンガポ−ルはヨーロッパと北アメリカのどちらに近いか?スエズ運河は紅海でさらに何という海と接続しているか?)

C.自然的・人文的特徴の位置に関する質問に答えるために正確な地図をスケッチする。例えば以下のようなことができることによって例示される。

C-1.主要な目印に関する地域社会の位置を示す地図をスケッチする。(例:主な川,都市,地形)

C-2.地理的考え方を示すために主な山脈のおおよその位置を表すスケッチマップを利用する。

  (例:いかに山々が交通路に影響を与えるか。)

C-3.歴史,国語,科学といった科目で学習した場所の位置を印をつけ,ラベルを貼る。(例:歴史的事象の空間的文脈の中でその場所を探したり国語で扱った国や地域を描くために,習慣として必ずスケッチマップを利用する。)

D.メンタルマップ利用の基礎として地理的特徴を描く。例えば以下のようなことができることによって例示される。

D-1.スケッチマップで描く記憶から簡単な報告をさせる。例えばショッピングモール,近隣の都市,地域社会のダウンタウンといった地域の大切な特徴を示すものである。

D-2.生徒の住む州の自然的・人文的特徴の記憶から描写させ,説明を加えさせるためにスケッチマップを作る。

D-3.自分の居住地以外の地域や世界の自然的・人文的特徴の記憶から短い作文を書かせる。(例:世界の中緯度地域の人口分布)

第5学年〜第8学年の認識目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことを知り,理解する。

1.異なった縮尺における主な自然的・人文的特徴の分布(地域から地球規模まで)

2.地理的情報を示したり,地理的疑問に答えたりするためにメンタルマップから正確な表現への変える方法

3.認知というものが人々の場所に関するメンタルマップ,態度にいかに影響を与えるか

第5学年〜第8学年の技能目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことができるようになる。

A.地図・地球儀上で自然的・人文的特徴及び事象を認識し,地理的疑問に答える。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.文明の中心(例:メソポタミア,ユカタン半島,ナイル川)の位置を認識する。

A-2.過去から現在に至るアメリカ合衆国における大都市地域を認識する。

A-3.地図上で主な海流,風向,地形,気候地域の印を付ける。

B.地理的疑問に答えるためにメンタルマップを利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

B-1.最近の出来事がいかに地理的な自然的・人文的文脈に結び付くか叙述する。

B-2.異なる地域のスケッチマップを描き,場所の位置や知識の正確さを決める地図帳の地図と比較する。(例:カナダ,米国,ヨ−ロッパの政治地図)

B-3.2地点を旅行したとして通り過ぎるであろう国々をあげるのに,場所の位置のメンタルマップを利用する。(例:パリからモスクワまで,カイロからナイロビまで,リオデジャネイロからリマまで)

C.記憶からスケッチマップを描き,分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

C-1.場所と場所との相対的位置,大きさ,距離を知るためにメンタルマップをスケッチマップの形に変える。(例:合衆国における主な都市地域)

C-2.他の地域と結ぶ交通体系の知識を説明するために児童・生徒の住む地域のスケッチマップを準備する。(例:高速道路,川,空港,道路のおおよその位置)

C-3.記憶から世界地図を描き,なぜ包括される国とそうでない国があるのか,なぜ巨大な国とそうでない国があるのか説明する。

D.人々のメンタルマップが場所に対する個人の態度に影響を及ぼすということを分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

D-1.人々が場所を見積もる際にもつ基準の違いを認識し,比較する。(例:環境アメニティ−,経済目的,犯罪率)

D-2.違う人間によるメンタルマップを基本とするスケッチマップを分析し,人々の場所の認知に影響を及ぼす要因(例:文化,教育,年齢,性別,職業,経験)を推定する。

D-3.場所に関する人間の認知に関する結論から導き出される話し合いを比較する。(例:エキサイティングな場所としてのラスベガス,ロマンティックな場所としてのパリ,人口稠密な場所としてのカルカッタ)

第9学年〜第12学年の認識目標:第12学年までに生徒は以下のことを知り,理解する。

1.複雑な地理的疑問に答えるための世界の自然的・人文的特徴を表したメンタルマップの利用の仕方。

2.メンタルマップはいかに人間の場所の認知を反映しているか

3.メンタルマップはいかに空間や環境における意思決定に影響を与えるか

第9学年〜第12学年の技能目標:第12学年までに生徒は以下のことができるようになる。

A.地理的疑問に答えるために記憶から導かれた地図を利用する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

A-1.投票パタ−ンを予測して米国の異なる政治文化の位置を導き出すためにスケッチマップを準備する。(例:サンベルト諸州への移民者の投票を知るための,1960年以降の大統領選挙における投票者の変化)

A-2.現代の事象,歴史的事象の空間的な動きを描くためにスケッチマップを準備する。(例:チェルノブイリの放射能もれ事故の広がり,14世紀ヨ−ロッパにおける腺ペストの広がり,自然的特徴がいかに移住や侵略を妨げたか)

A-3.今日の世界における空間的な相互関係に結論を導くために(貿易,輸送)伝染病(例:エイズ,コレラ,はしか)の広がりの世界的な傾向を分析する。

B.メンタルマップが位置,定住,公的政策といった人間の決定に影響を与えるということを認識する。例えば以下のようなことができることによって例示される。

B-1.意思決定のメンタルマップを理解するための情報を集める。(例:異なる地域社会の位置に関してリ−ダ−たちにインタビュ−を試みる)

B-2.価値,態度,認知は過去と現在の位置に関する決定を反映しているということを認識する。(例:景色で家の位置を決める,郊外の新しい地域社会で教会が物理的環境によって作られる選択)

B-3.他国へ移民をする決定を下す時に異なる情報源の果たす役割について結論を導く。(例:親類や友人からの手紙,新聞や雑誌の広告,テレビや映画)

C.空間的な理解や好みの発達に影響を与える普遍的な要素を認識するために個人のメンタルマップを比較する。

C-1.異なった生活経験に基づく様々なメンタルマップについて考察する。(例:人々がいかに建物や公共交通の好みをみせるかの年齢,性別の影響)

C-2.どこに住むかということに関する人々の好みの影響の要素を分析する。(例:生徒の居住地域に関する好みを探る)  

C-3.メンタルマップに影響を及ぼす要因に関する結論を導くために異なった投影法を用いた世界地図と空間認識を比較する。(例:太平洋が中心にある地図,オーストラリアが上にある地図)