□スタンダ−ド4:場所と地域
■場所の自然的・人文的特徴
幼稚園〜第4学年の認識目標:第4学年までに児童は以下のことを知り,理解する。
1.場所の自然的特徴(例:地形,水域,土壌,植生,天気,気候)
2.場所の人文的特徴(例:人口分布,移住パターン,言語,民族,国家,宗教)
3.いかに自然的・人文的作用が場所を形成するか
幼稚園〜第4学年の技能目標:第4学年までに児童は以下のことができるようになる。
A.地域から世界までの様々な縮尺で場所の自然的特徴を叙述し,比較する。例えば以下のようなことができることによって例示される。  
A-1.自然的特徴で構成された情報検索表(例:地形,水域,土壌,植生)を使って,言語とスケッチで地域の自然的特徴を観察し
  叙述する。  
A-2.映像資料や情報を使って(例:写真,人工衛星画像,絵,表,図)地域の自然的特徴を叙述する。その際同じような分布に注
  意する。(例:河谷における木々)  
A-3.地域の自然的特徴(例:地形,水域,植生)を示すモデルをつくるためにボール紙,木材,粘土などの材料を使う。
B.地域から世界までの様々な縮尺で場所の人文的特徴を叙述し,比較する。例えば以下のようなことができることによって例示される。  
B-1.人文的特徴で構成された情報検索表(例:経済活動;家;言語;民族;宗教)を使って,言語とスケッチで地域の人文的特徴を観察し叙述する。  
B-2.映像資料や情報を使って(例:写真,人工衛星画像,絵,表,図)地域の人文的特徴を叙述する。また以下の質問に答える。「どこに住んでいるのか?」「どんな仕事をしているのか?」「休暇をどのように過ごしているのか?」
B-3.地域の人文的特徴(例:土地利用パターン,居住地域,公共サービスの位置)を示すモデルをつくるためにボール紙,木材,粘土などの材料を使う。  
C.地域から世界までの様々な縮尺で様々な場所を叙述し,比較する。例えば以下のようなことができることによって例示される。 C-1.自分のコミュニティ−の自然的・人文的特徴を,周辺のコミュニティ−か国内の他地域のコミュニティ−の特徴と比較して観察し叙述する。  
C-2.映像資料や情報を使って(例:写真,人工衛星画像,絵,表,図)地域の人文的特徴を叙述する。その際同じような分布に注意する。(例:主要道路に位 置するコミュニティ−)  
C-3.地域の自然的・人文的特徴(例:地形,水域,植生,土地利用パターン,居住地域)を示すモデルをつくるためにボール紙,木材,粘土などの材料を使う。
D.場所の特徴を形成する自然的・人文的作用を叙述し説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
D-1.景観を形成する自然的・人文的作用を叙述するために地図や映像資料を使う。(例:地形を形成する侵食作用,堆積作用。土地利用や植生の変化にともなう農業の影響。道路建設にともなう居住の影響)
D-2.定住パターンに影響を与える要因を提案するために,地形・気候・植生・資源・歴史的事象等,自然的・人文的特徴に関する地域の人口分布を示す地図をかく。
D-3.コミュニティ−の天気に影響を与える要因を説明するために,風向・温度・降雨量 ・総合的な状況について毎日天気日誌をつける。
第5学年〜第8学年の認識目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことを知り,理解する。
1.いかに場所を形成する自然的作用が異なるか
2.いかに様々な人間集団が独自の方法で場所を改変するか
3.場所の特徴を形成するテクノロジーの役割
第5学年〜第8学年の技能目標:第8学年までに児童・生徒は以下のことができるようになる。
A.場所の自然的特徴を分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
A-1.場所の自然的特徴を認識し比較するためにフィ−ルドワ−ク,地図,その他の道具を使う。(例:土壌,地形,植生,野生動物,気候,自然災害)
A-2.地震,洪水,ハリケーンといった自然災害によって形成される場所の特徴に関する仮説をつくり試す。(例:東京・ロサンゼルス・マニラにおけるデザイン・土地利用)
A-3.自然的地形の変化の原因と結果を指摘するために地図・グラフ・人工衛星画像・表を使う。(例:森林分布,水分布,気候変動)
B.場所の人文的特徴を分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
B-1.場所の人文的特徴を認識し比較するためにフィ−ルドワ−ク,地図,その他の道具を使う。(例:宗教,言語,政治といった文化的特徴,テクノロジーの利用;人口の特徴;土地利用;発達の段階)
B-2.文化的景観の共通点・相違点を仮説を立てて検証するために写真を使う。(例:マイアミの通 りの写真とラテンアメリカの都市の通りの写真)   
B-3.場所における変化の原因と結果を推論するために地図・航空写真・人工衛星画像(例:都市の成長,森林内の開墾地,交通 システムの発達)を使う。
C.テクノロジ−がいかに場所の自然的・人文的特徴を形成するか,認識し,分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
C-1.場所における様々な型のテクノロジーの影響を分析する。(例:合衆国北東部回廊地帯における19世紀の鉄道や20世紀の交通 の影響)
C-2.テクノロジーや見解の変化がいかに場所や時間をこえて人間の修正に影響を与えるか評価する。(例:多雨林における開墾,川でのダムの建設と野生動物の生息地の確認,湿地における農地の循環)
C-3.孤立したコミュニティ−がテクノロジーによっていかに変化したかということを説明する。(例:新しいハイウェ−の開通 やコンピュータの導入による変化)
第9学年〜第12学年の認識目標:第12学年までに生徒は以下のことを知り,理解する。
1.場所の意味と重要性
2.場所の自然的・人文的特徴の変化
3.自然的・人文的環境の相互関係は,場所の構造や個人的アイデンティティ−の感覚,コミュニティ−のアイデンティティ−の感覚に起因している。
第9学年〜第12学年の技能目標:第12学年までに生徒は以下のことができるようになる。
A.様々な場所の見方を説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
A-1.歴史における同じ場所で異なる時代の見方を叙述する。(例:ブリテン島のローマ軍の最前線としてのロンドンと19世紀の世界の帝国の場所としてのロンドン,明治維新直前・直後の30年間の東京)
A-2.世界の異なる場所ではなぜ特定の自然的・人文的特徴を示すかを説明する。(例:気候や地質構造の変化,居住パターン・移住パターン,位 置・敷地の構造)
A-3.地理学用語辞典にのせるために場所に関する適切な定義付けをする。
B.場所を形成する自然的作用を叙述し解釈する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
B-1.場所の特徴にいかに地球内部からの力(例:火山活動や地震といった構造作用)が影響を与えているかを叙述する。
B-2.場所を形成する際の気候の役割(例:気温・降雨・風の影響)を分析する。
B-3.場所を形成する際の侵食作用(例:ロサンゼルス近郊マリブの海岸の崖,マサチューセッツ沖のケープゴ−ド)を叙述し解釈する。
C.いかに社会的・文化的・経済的作用が場所の特徴を形成するか説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
C-1.いかに文化(例:地名,食べ物の嗜好,性役割,資源の利用,信仰の体系,交通やコミュニケ−ションの様式)が場所の特徴に影響を与えるか叙述する。
C-2.いかに場所がテクノロジーの変化によって変わってきたかを認識する。(例:農業革命や産業革命による進歩,自動車の発明,大規模農業のための機械の発達,コンピュータの発明)
C-3.経済的特徴,政治的特徴,人工の特徴に関する場所の特性を分析する。(例:大きな州の大学がいかにその位 置により小さな街に影響を与えるか,地域医療センタ−の位置がいかに老齢者を引きつけるか)
D.人間がいかに場所を形成する自然的環境と互いに関係しているか評価する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
D-1.自然的特徴を基礎とした異なる活動にとっての場所の利用の位置的利益・不利益を認識する。(例:氾濫源,森.ツンドラ,地震地帯,渡河点,海岸の氾濫源) 
D-2.自然的特徴を改変する人間の活動によりいかに場所が独特で意味のあるものになるか説明する。(例:合衆国の各州を結ぶ高速道路の建設,タイにおける丘の斜面 の段丘での米の栽培)
D-3.場所における人口増加や都市化の影響を評価する。(例:メキシコシティ−,ロサンゼルス,ミラノの大気汚染,急速な都市化に伴う農地の喪失)