□スタンダード7:自然的システム@
■地表の状態を形づくる自然の作用
幼稚園〜第4学年の認識目標:第4学年までに児童は以下のことを知り,理解する。
1. 地球の自然的システムの構成要素:大気,地殻,水圏,及び,生物圏
2. 地表における特徴のパターン( 立地,分布,結合)が自然の作用によってどのように形づくられるか
3. 地球と太陽の関係が地表の状況にどのように影響を及ぼすか
幼稚園〜第4学年の技能目標:第4学年までに児童は以下のことができるようになる。
A.地球の大気,地圏,水圏,及び,生物圏の自然的構成要素を認識し,叙述できる。例えば以下のようなことができることに例示される。
A-1.地球の自然的システムの様々な構成要素を区別するために,教材や手書きスケッチによる図を使う。( 例:山,丘,高原,平原,河谷,半島のような地圏の特徴 [地形] と海,湖,川のような水圏の特徴)
A-2. 図,地図,グラフを使って,降水量と温度から様々な気候と,それぞれと関連した植物,動物のタイプを叙述する。
A-3. 地表水や地中水に焦点を合わせて水文学的循環のモデルを作る。( 例:川,湖,海,流出, 地下水 ,帯水層,地下水面)
B. 自然の作用が地表の特徴や状態をつくるのにいかに役立つか説明する。例えば以下のようなことができることに例示される。
B-1. 児童自身の地域の自然環境とそこでの自然の作用を叙述する。( 例:天候,構造的な営力,波動,凍結と融解,重力,土壌形成作用)
B-2.自然の作用が地表に影響をいかに及ぼすかを説明するために,地図と写真を比較し解釈する。(例:植生に対する気候や天候の影響,地形における浸食や堆積の影響,丘における地すべりの影響)
B-3.赤道からの距離,標高,寒流や暖流からの距離のような要因を考慮して,世界の様々な地域における気候の状況を比較する。
C.どのように太陽に対する地球の位置関係が,地球上の出来事や状態に影響を及ぼすか叙述する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
C-1.地球上の異なる場所における季節を説明するために,太陽に対する地球の傾きを示す模型を準備するか,または実験を立案する。
C-2.日の長さが世界の異なる地域において人間の活動にどのように影響し得るかを説明する。( 例:夏時間の使用,米国の学校スケジュール,北極圏の北部地域における夏と冬の活動 )
C-3.米国農務省の耕作限界地図に生育期の種や果樹の種類を関係づける。
第5年生〜第8年生の認識目標:第8学年の終わりまでに児童生徒は以下のことを知り,理解する。
1 .自然の作用がいかに自然環境の状態を形造るか
2 .地球と太陽の関係が地球の自然の作用や状況にどのように影響を及ぼすか
3 .自然の作用が資源の形成と分布にどのように影響するか
4 .地表における自然の作用の結果をいかに予測するか
第5年生〜第8年生の技能目標:第8学年までに児童生徒は以下のことができるようになる。
A. 自然的環境の状態を説明するために自然の作用を使う。例えば以下のことができることによって例示される。
A-1.水や氷のような浸食作用がどのように特有の地形を作り出すか説明する。(例:水と荒地,氷と氷の谷,波と海食崖 )
A-2.地震地帯や火山活動のようなプレートの縁辺と関係する地形の状態を説明する。( 例:環太平洋火山帯,カリフォルニア海岸のサンアンドレアス断層)
A-3.海洋循環システムと,それが気候に影響を及ぼす方法を叙述する。( 例:北大西洋海流と西ヨーロッパの温暖な気候 )
B. 自然の状態からそれを作り出した作用を分析する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
B-1.選択された場所のクライモグラフを作成して分析し,気候における類似と差異の理由を示す。
B-2.類似した自然的特徴を持つ世界の地域を比較する。( 例: ネバダと中国西域の砂漠地域,ロシアとカナダの北極に近い地域)
B-3.自然作用の間の関係について一般化するために適切な地図を使う。( 例:海流,卓越風,大気圧団の間の関係 )
C.地球と太陽の関係が地球の自然の作用に影響をどのように及ぼし,自然の状態を形成するか説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
C-1.地球に対する太陽の位置が,地球上のエネルギーの水平的垂直的分布に影響を及ぼす方法を叙述するために,図表と地図を使う。
C-2.気象現象の出来事を地球と太陽の関係における年次変化によって推測する。(例:亜熱帯地域における秋のハリケーン,中緯度地域における春や夏の竜巻と洪水)
C-3.地球と太陽の関係変化の観点から,モンスーンの降雨様式を説明する。
D. 再生可能な資源や再生不可能な資源を生み出す過程を叙述する。例えば以下のようなことができることに例示される。
D-1.化石燃料を産出する過程を叙述し,その過程を特定の場所に関係づける。( 例 :アパラチア山脈や英国の石炭は,熱帯地方において生じ,後にプレートテクトニクス運動によって現在は石炭が生じない更に冷帯の地方へ移送された )
D-2.地形図と気候資料をもとにして,異なった地域の水力発電の可能性を予測する。( 例:スウェーデンとデンマークの水力発電の可能性;ワシントン州とカンザス州の水力発電の可能性)
D-3.肥沃な土の分布とそれらを作り出した自然の作用を,世界の農業のパターンと関係づける。( 例:ミシシッピ三角州の豊かな沖積土上における綿花栽培)
E.地表で働く特定の自然作用の結果を予測する。例えば以下のようなことができることに例示される。
E-1.自然環境への極端な気象現象の影響を予測する。( 例:海岸の生態系に対するハリケーンの強い影響)
E-2.丘陵斜面への豪雨の影響を推察する。(例:山火事の後とか,ヤギの過放牧の後)
E-3.地球のプレートの継続的動きの結果を予測 する。( 例:大陸移動,地震,火山活動)
第9年生〜第12年生の認識目標:第12年生の終わりまでに生徒は以下のことを知り,理解する。
1. 地球の自然的システムの 4 つの基礎的な構成要素の動き:大気,生物圏,地圏,水圏
2. 地球の自然的システムの相互作用
3. 地表面を横断する自然的作用の結果における空間的変化
第9年生〜第12年生の技能目標:第12年生までに生徒は以下のことができるようになる。
A. 自然の作用が,米国や世界の異なる地域にいかに影響を及ぼすか叙述する。例えば以下のことができることによって例示される。
A-1.極端な自然的な出来事が異なる地域における人間の定住生活にいかに影響を及ぼすか説明する。
 ( 例:カリブ海や米国東部地区のハリケーンとか,トルコや日本やニカラグアの地震の破壊的な影響)
A-2.洪水やハリケーンのような自然災害がいかに風景を変えることができるかを実例で説明するために地図を使う。(例:イリノイ,アイオワ,ミズーリの河谷の構造における1993年夏のミシシッピ川氾濫の強い影響とか, 1992 年の ハリケーン「 アンドリュー」によって引き起こされたフロリダ海岸に沿った変化)
A-3.乾いた環境において発生する自然の作用を叙述する。( 例:砂漠化,土壌劣化,洪水,砂嵐,砂丘移動,土壌浸食,塩類集積 )
B. 自然地理学の概念を用いて,地球の自然作用,自然的パターン,循環を説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
B-1.気団の循環,温度,湿気のような作用によって作り出される異なる型の気候( 例:海洋性気候,大陸性気候) の分布を説明する。
B-2.特徴がある地形を作り出す自然の作用 (例:浸食,褶曲運動と断層運動,火山活動)を叙述する。(例:ビュートとメサ,地塊山地と地塁,尾根-谷系のような特定のタイプの山々)
B-3.地球の自然環境への異なる自然的循環 ( 例:世界の大気の循環,海洋の循環 ) の影響を説明する。
C.地球と太陽の関係に起因する様々な相互作用を説明する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
C-1.北半球と南半球における季節変化に対する地軸の傾きの影響を叙述する。
C-2.冬至,夏至と春分,秋分の差異,及びなぜそれらが発生するかという理由を説明する。
C-3.温室効果の増加するであろう将来の世界気候の様々な可能性あるシナリオを推測する。
D. 地球の自然作用は動的で相互作用的である点を叙述する。例えば以下のようなことができることによって例示される。
D-1.なぜ海底の地形が大陸や海盆を形づくる動的な営力の証拠であるかを説明する。
D-2. 地形の変化と気候の影響の間の関係を説明する。(例:降雨による丘陵斜面の浸食,洪水による堆積 ,風による土地の造形)
D-3.気候変化の状態やその結果起こる海水面の位置,農業生産性,人口分布への重大な影響を認識する。