□スタンダード8 自然的システム
■地球上における生態系の分布の特徴
幼稚園から第四学年までの認識目標:第4学年までに以下のことを認識し理解する
1.生態系の構成要素
2.生態系の分布と様式
3.いかに人類は生態系に関与するか
幼稚園〜第4学年の技能目標:第4学年までに児童は以下のことができるようになる。
A. 様々なスケールにおける生態系の構成要素を描写し,説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1地域の生態系構成要素の標本を採集して,それをジオラマモデルの上に配置する.
A-2食物連鎖や食物連鎖の構造を連続的な秩序を示す図や,様々な生物のサンプルを用いて説明する(例えばきのこ,昆虫,植物,動物)
A-3植物群および動物群と,それらが生活している自然環境について認識と比較を行う(例:魚と海岸域の海洋植生;草原の草,鳥,昆虫)
B.生態系の分布と様式を認識し比較する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1植物群や動物群を地球上の気候区や植生区と関連づけて記述する(例:北アメリカ中緯度地域の森林に支えられた植物および動物の生活とアフリカの熱帯雨林に見られる植物種と動物種),また,それらを写 真やその他の視覚的イメージを用いて説明する.
B-2異なる植生区の写真を世界の気候区分図,気温分布図,降水量図の上の適当な位置に配列する.
B-3児童たちの地域や州のスケッチマップを用いて様々な植物と動物の関係を示す(例:森林に住む動物,都市に生育する動物や樹木,海岸,湖,河川付近に生活する動物や植物)
C.人類がどのように生態系に関与するかについて説明する,例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1 人類がどのように生態系と関わり,それに依存しているかを理解するために,児童がある特定の日に使用する資源のリストを作成し,それらの資源がもともと生態系の中で占めていた位 置を追跡していく
C-2人類が生態系を変化させる方法について書き出す(例:森林破壊,流路の拡大,湿原の排水,火事の発生と抑制
第5学年から第8学年の認識目標:第8学年の終わりまでに児童・生徒は以下の事柄を認識し理解する
1.地域的および世界的な生態系の様式
2.いかに生態系は機能するか
3.いかに自然の作用は生態系の変化を引き起こすか
4.いかに人類の活動は生態系の変化に影響を及ぼすか
その結果児童・生徒は以下のことが可能になる
A.地域的から世界的なスケールの生態系の分布を説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1生態系と個々の生態系の違いを写真やその他のイラストなどの媒体を用いて記述する
(例:植物相と動物相を示すコラージュを作る,地域の生態系に関するビデオの作成に生徒を参加させる)
A-2土壌や気候の違いの結果としていかに地域によって生態系が変化するか,あるいは人類や自然の変遷について説明する.
A-3 人類の影響による地域的な生態系の変化について認識する(例:氾濫源の中にある河川沿いの湿原が拡大していく農地に置き換わっていく様子)
B. 生態系の機能と変遷について説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1ある生態系の植物相と動物相を認定して,それらがどのように連携し相互依存しているかについて記述する。
B-2生態系の中でのエネルギーの流れや物質の循環について説明する(例:食物連鎖あるいは水循環)
B-3食物連鎖の中での地位や構成要素の位置づけについて説明する(例:草食動物を食べる肉食動物)
C.自然の作用がいかに生態系に影響を与えるかについて説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1生態系内のある特定の人口がどのように環境のストレスに反応するかを説明する
C-2ある湖生態系の中での生活環について富栄養価の過程も含めて記述し,説明する.
C-3自然的な事象 によって引き起こされるストレスにたいする耐久力やその特性に関する観点から生態系を説明する(例: hydrillaのような植物の移植にたいする河川系の適応;植物相・動物相の変化を伴う山火事後の森林の回復)
D. いかに人類が生態系の変化に寄与するかについて説明する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
D-1児童・生徒たち自身の地域社会の近くで起こっている,人間の干渉によって引き起こされた生態系の時間に伴う変化について認識する.(例;天然の氾濫原上の湿原が農地に変化し,氾濫源に作られた農地が住宅団地に変わる)
D-2炭素,窒素,酸素の循環について特定の生態系に人類の活動が与える潜在的な影響を予測する(例:大気の温暖化の中での大気汚染の影響,自らの窒素を供給して,土中のそれを使い果 たさないえんどうやその他の豆類の成長の役割)
D-3世界の様々な地域において人間が様々な方法で生態系と影響をおよぼしあっていることについて説明する.(例:南米,アフリカ. 東南アジアの一部における移動耕作の様々な様式の理由と特徴)
第9学年〜第12学年の認識目標:第12学年までに生徒は以下のことを知り,理解する。
1. 生態系の分布と特徴
2. 生態系の生物多様性と生産性
3. 人々が環境の問題を理解する上での生態系の重要性
第9年生〜第12年生の技能目標:第12年生までに生徒は以下のことができるようになる。
A. 土壌,気候,植物,動物の相関関係を読みとり生態系の分布を分析する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
A-1太陽エネルギーと水の供給の観点からある地域の植物群の特質を分析する.
A-2気候や土壌のような自然的な特徴がいかに生態系の中の植物や動物の数や種,分布に影響を及ぼすかを記載する.
A-3様々な生態系における土壌形成に関わる因子と過程について述べる(例;気候型, 母岩物質,斜面,人間の活動の影響)
B. 生態系を生物多様性と生産性の観点から評価する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
B-1様々な生態系によって生産性が変化することに関する知識を用いて,そのようなシステムの性質に関する一般 的な考えを形づくる
B-2生物多様性と生産性のレベルによって生態系を特徴づける(例;砂漠の低い生産性と中緯度地域の森林と熱帯の森林の高い生産性),さらに生物全体の潜在価値を評価する(例:生物のための酸素の源として,土着民のための食物の源として国際的に取引される原材料の源として)
B-3土地利用の方針に関連させて様々な生態系の維持能力を評価する(例:1マイル四方の牧草地に最適な牛の数)
C.環境問題に関する問題について生態系の概念を適用して理解し,解決する.例えば以下のようなことができることによって例示される.
C-1生態系に対する生物学的な拡大の影響について述べる.(例:食物連鎖の連続するレベルへの汚染物質の混入と異なる生活型への影響)
C-2生態系に対する自然および人類の変化の影響を記載する(例:エネルギーの流れや化学的な循環の断絶や,種多様性の減少)
C-3生態系に対する人類の変更の長期的な影響について評価する(例:大気汚染による酸性雨が水や森林にどのような影響を及ぼしているか,化学製品の使用による大気中のオゾン層の減少がどのように人間の健康に影響を及ぼす可能性があるか)