上越教育大学のある「上越」とは?

 上越教育大学は,新潟県南西部の上越市に位置します。新潟県は一般的に,上越市周辺の上越地方,長岡市周辺の中越地方,新潟市周辺の下越地方の3地域に区分されており,上越市とはこの地域区分に由来する地名です(上州と越後を結ぶ意味での「上越」新幹線の意とは異なります)。
 このような新潟県の地方区分は,古代この地域に国府が置かれたことによるもので,上越とは「上越後(かみえちご)」を意味しています。
 したがって,上越地方には,条里制をはじめ古代の遺構が多くみられます。また,山椒大夫の舞台である港町「直江の津」(なおえつ),上杉謙信の居城であった春日山城址,城下町と軍都の面影を色濃く残す高田市街地など歴史教材も豊富です。

 社会科教育史的にみると,初期社会科の代表的な実践である江口武正氏の『村の五年生』(耕地整理)が行われたのがここ上越です。比重は低下しましたが,稲作を主とした農業が地域の重要産業であることに変わりがありません。現在の高田平野(頸城野:くびきの)では,「昭和の耕地整理」にかわり「平成の耕地整理」が進められています。

 また,私の研究室から撮った二枚の写真で分かるように冬季は多くの積雪があり,典型的な日本海型気候として,しばしば教科書・地図帳に登場する場所です。「気候条件から見て特色ある地域」である上越の人々の生活・工夫・楽しみ(「がん木」や「スキー」など)を存分に実体験することができます。

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