ま え が き


 本年次報告書は,平成16年(2004)年度における本学の活動状況を年次報告と自己点検・評価としてまとめたものであり,通算では第20号に当たる。
 第1号は,昭和60年度版として昭和61年12月に発行され,その目的を辰野千壽初代学長は次のように述べている。

 大学は公共的投資に支えられた社会的存在であるので,大学の活動状況を社会に明らかにすることは開かれた大学としての責任である。
 大学が自己の研究・教育・その他の活動状況を自ら点検し,評価することは,大学自体の改善・充実・発展のために必要である。
 他の大学や研究・教育機関と情報を交換したり,研究・教育上の連携を進めたりするのにも役立つ。

 以来,国立大学としての本学の活動状況を示す最後の年次報告書となる第19号(平成15年度版)まで刊行を重ねてきた。この間,大学を巡る諸環境は大きく変容しているが,年次報告書の目的は,基本的には変わっていない。細部における掲載内容については,随時見直しを行ってきた。

 平成16年度は,開学以来の大改革といえる4月の国立大学法人化を経て,今後実施される中期目標に係る業務の実績に関する評価並びに大学の教育研究水準の向上に資するための認証評価に適切に対応し,さらには,本学の諸活動を社会に積極的にアピールできるように自己点検・評価基準を再構築すると共に,年次報告書の在り方についても検証を行ったところである。このような水準から,平成16年度版の年次報告書は平成15年度版の内容を継承しつつ,毎年行う組織の運営状況等の自己点検・評価書として位置付けるとともに,組織と各教員の運営・活動状況と自己点検・評価を区分するようにした。つまり,具体的な報告とそれに対する改善点等を新たに加えることとした。

 本年次報告書をご覧になった方々から,忌憚のないご意見をお寄せいただくことを祈念する次第である。

平成 17 年 9 月
上 越 教 育 大 学 長
渡 邉  隆