3 管理運営組織等
 
(25) 教員組織
 
@ 第 一 部
ア 組織
 第一部は学習臨床講座,幼児教育講座,学校教育総合研究センターで構成され,所属する現有教員数は,それぞれ17,6,8名であった。人事関係では学習臨床講座から副学長として2名が出た後は人事凍結で空白となっていたが,公募案件が1件進められて平成18年度からの1名の補充,また,教授昇任案件1件,技術科教育の教授欠員を補充するための配置換えが1件行われた。また,学校教育総合研究センターに,教育現場から3名の現職教員を3年の任期付きで助教授として採用し,授業基礎研究や教育実習事前事後指導,免許取得プログラム院生の人間教育学セミナーの指導に当たっている。
イ 運営・活動の状況
 学校教育総合研究センターが中心となって,本学の体系的教育実習並びに分離方式による初等教育実習を中心に,「特色ある教育プログラム(GP)」に申請し採択された。また,特色GPのかかわりで,教職科目における授業と教育の実際との乖離解消のために,平成18年からは「臨床教育課程演習」において,大学教員と任期付き教員とのジョイント授業が具現化し,理論と実践の統合を図ることとなり,今後の改革への先導的試行となる。
 幼児教育講座においては,免Pとのかかわりで専修実習生の増加が予想され,附属幼稚園だけでは納まりきれない事態が発生しはじめた。そこで公立の2幼稚園での受け入れを可能とし,平成17年度より公立での専修実習が開始された。
 会議としては年度のスタート時に1回開催し,教育研究評議会等の報告は毎回メールによって部員全員に周知を図る一方,各講座主任と連携を取りつつ,懸案となる事項の処理を図ってきた。
ウ 今後の検討課題等
 学習臨床講座を希望する院生は多く,60名に及ぶ現有数を指導していくには,今後とも教員補充と教授への昇任人事を進めていくこと,教職大学院の現実化に伴って更に減員が予想されるだけに人事面での改善を図っていくこと,また,教職大学院の設置に伴い,学習臨床の再編を検討していくことが今後の課題となる。
 

 
A 第 二 部
ア 組織
 第二部は生徒指導総合講座,心理臨床講座(心理教育相談室),障害児教育講座(障害児教育実践センター)で構成され,4月1日の時点で所属する現有教員数はそれぞれ,10名,11名,12名であった。4月以降,新任1(講師),学長特別補佐兼務1(教授),退職1(教授),他大学への転出2の人事が行われた。
 本年度から学部も含めて分野別の体制が整うことになったが,博士課程の連合講座の分類とのねじれ現象は残り,連絡調整や事務処理に苦慮する部分があった。
イ 運営・活動の状況
 第二部の学部主事と3講座の講座代表で構成する運営会議を運営評議会の翌日に開催することを原則として,臨時の運営会議を含め合計13回開催した。会議は,主として@教育研究評議会等の全学的重要事項についての報告と意見交換,A第二部の運営にかかわる各種委員会委員の選出等の基本的事項の協議,B各講座からの要望,であった。なお,早急の協議や連絡を要する事項については,随時メールでやり取りを行った。また,任期途中での学部主事の辞職により,次年度の学部主事候補者の選挙を実施し,選出した。
 本年度は,学内資源配分基準,心理教育相談室の増設,各種競争的資金の申請,専門職大学院設置構想及び既存組織の構想案などが主要な話題となった。
ウ 今後の検討課題等
 昨年度に新たな委員会組織となったため,委員会委員の選出ルールについて,各講座の事情も考慮し新たに明確にする必要がある。また,学部主事の選考規定についても一部再考の余地があった。
 

 
B 第 三 部
ア 組織
 第三部は,言語系教育講座(国語分野・英語分野),社会系教育講座,および実技教育研究指導センターの言語系教育分野で構成され,学部における初等教育教員養成を支え,国語,社会・地理歴史・公民,英語に関する中学校・高校一種免許状の課程を担当するとともに,大学院においては,修士課程の専門的・実践的な研究指導を行っている。
イ 運営・活動の状況
 第三部を構成する国語,英語,社会の三分野それぞれの会議(講座会議,分野会議)に加えて,第三部教員会議(部会)を開催して教育研究評議会の報告等を定期的に行っている。また,必要に応じて学部主事,両講座代表および両分野主任による第三部運営会議を行うことになっている。平成16年度からは教授会の構成が変わり,定例の教授会に教員全員が参加することになったので,通常その2週間前に開催される教育研究評議会の報告等は,評議会議事録が定まった後,教授会開催日に併せて,教員の会議日の出席状況にも配慮した形で行っている。
 平成17年度の第三部教員会議において主要な話題となったのは,「教職大学院設置構想」,「教員組織と学生組織の分離・流動化」,「研究費等の競争的資源配分」などであった。 大学全体としても重要案件である「教職大学院設置構想」については,全学教職員集会などでも説明がなされたが,専門職大学院等特別検討委員会が提起した原案に対して,教育研究組織の構造的あり方,既存の修士課程と専門職課程との院生数の配分,教員数の配置,第3部の教育研究に与える影響,今後の設置のスケジュール,それに伴う大学評価・教員審査などについて,講座会議のみでなく部会でも意見が出された。また,専門職大学院設置と平行した形での,教員組織(研究組織)と学生組織(教育組織)の分離・流動化の問題についても意見が提起された。この教員・学生組織の分離の問題については,大学改革委員会において,他大学の前例の結果等を踏まえて慎重に考える必要のある事を主事として提言させて頂いた。また,教員人事に関しては,本年度には第3部関係では,英語の外国人教師の採用人事と言語系教員1人の昇任人事が行われた。ただ,教員定員や職階別教員数による抑制,学校ヘルスケアなど新分野設置,任期制教員採用などによる影響や,一方,教員年齢構成の高進という現実の中,学長団が人事全体を管理運営する体制の下で,どのようにして部・講座・分野の意向を提示していくのか,については部内部にも議論がある所である。また,政府の推進する5年間5%の人件費削減方針に関しても,給与の側面や教員定員の側面での不安など注意喚起が必要であることも認識された。他に,学内公募の教員養成GP等の申請に対する学内選考結果についても意見等があった。
 他方,主事・講座代表・分野主任等による第三部運営会議は,主に,学部入学者選抜方法検討委員会委員,免許プログラムに関わる授業担当教員など,部として新たに選出しなければならない各種委員会委員の推薦の際に機能した。
ウ 今後の検討課題等
 言語系国語・外国語,社会系という二講座二分野の枠を越えた第三部としてのまとまりが今後,重要になると思われるので,学部主事・講座代表を中心に,より活発な情報交換及び意見集約,そのための体制・方法を今後も追求する必要があるものと思われる。
 

 
C 第 四 部
ア 組織
 平成18年3月16日現在,自然系は,教授10名・助教授8名・講師1名・助手2名,生活・健康系は,教授9名・助教授10名・講師1名,さらに,保健管理センターは,教授1名,情報基盤センターは助教授1名,実技教育研究指導センター(体育教育分野)は助教授1名である。
 この構成は,数学分野の助教授から教授への昇任・講師から助教授への昇任及び助教授の採用(いずれも平成17年4月1日付),家庭分野の助手から助教授への昇任(平成17年4月1日付),技術分野の教授転出(平成17年4月1日付)及び講師から助教授へ昇任(平成18年2月1日付),保健体育分野の助教授採用(平成17年10月1日付),保健管理センターの教授採用(平成17年10月1日付),情報基盤センターへの技術分野からの助教授の配置換(平成18年3月16日付)の異動を経ている。
 また,来年度には生活・健康系の中に学校ヘルスケア分野が新設されることになり,家庭分野と保健体育分野からの教授1名づつ及び保健体育分野からの助教授1名の配置換が決定している。加えて,数学分野の助手から助教授への昇任,家庭分野の助教授から教授への昇任,健康管理センターへの教授採用,実技教育研究指導センター(体育教育分野)の助教授から教授への昇任が決定している。
イ 運営・活動の状況
 部の教員会議を月に1回開催し(内2回は部長によるレポートで代換)教育研究評議会の報告を受けたり必要な検討事項を協議したりした。さらに,必要に応じて,部長を含む講座代表の連絡会を持ち懸案の事項を処理した。司会・進行は,部長が行った。
ウ 今後の検討課題等
1) 構想中の専門職大学院と現行講座の発展的な共存関係について,部レベルとしての協議が望まれる。
2) 分野レベルにおける助手問題(教育スタッフへ昇任する方向)の解消に向けた努力が継続して必要である。その際,分野の性格と助手職との関係について,明確なスタンスを確立する必要があろう。
3) 分野レベルにおける教科教育担当の配置について,設置審の基準を充たすべく努力が必要とされる。
 

 
D 第 五 部
ア 組織
 第五部は音楽,美術の二分野からなる芸術系教育講座及び実技教育研究指導センターに所属する教員で構成される。平成17年度は前年度末に音楽分野の植村幸生助教授が東京芸術大学に転出した結果,音楽分野8名,美術分野8名,実技教育研究指導センター4名の計20名によって運営された。内訳は教授11名,助教授9名である。音楽分野の上野正人は4月1日付けで助手から助教授に昇格した。なお,年度末に美術分野の増谷直樹教授が停年退職し,音楽分野の小川昌文教授が横浜国立大学に転出した。
イ 運営・活動の状況
 部会は原則として月1回,教育研究評議会の翌週の水曜日午後12時15分に開催することを初回の会議で決定した。平成17年度は8月以外この原則にしたがって開催し,年間11回の月例部会をもった。会議は学部主事が司会を務め,最初に教育研究評議会や各種委員会の報告が行われ,続いて様々な協議が活発に実施された。
 議題は各種委員等の選考,大学院生充足への対策,各委員会からの問い合わせに対する部としての回答等から,学生の駐車に関する問題やゴミ箱の管理まで多岐に及んだ。会議の内容は終了後,担当者が議事録を作成し,メールで全員に送った。
 また,2月には部内の親睦をはかり,同時に増谷,小川両教授の送別も兼ねて学外に会場を借り懇親会を開催した。
ウ 今後の検討課題等
 第五部の大学院学生数は嘗て(平成12年頃)のような活況がなく,現在,音楽,美術とも定員数をやや下回っている。原因として各県の教育委員会で芸術系講座への入学を認めない傾向が強まってきたこと,入学学生の傾向が年々変化して来ていること,教員の停年や転出による減少で教員全体の専門領域が狭まって来たこと等が考えられる。現在,スタッフによる大学訪問,資料の送付,公開講座,電話などで定員充足に努めているが,人数とともに学生の資質の向上も考慮すべきであろう。今後さらに専門職大学院の開始で変化が予想されるが,実技教育研究センターの改組等も視野に入れて考えて行く必要がありそうだ。