【芸術系教育講座(音楽)】
 

 
池 田   操(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 大学院の独唱I,独唱IIでは音楽分野以外の学生も受講している。大学院であるからといって特に高度な専門性に偏らず受講生の広いニーズに応えるよう指導した。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価は達成度を評価した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 大学院2年次生は2人を指導したが、そのうち一人は修士論文に演奏を添付する[B]タイプであった。演奏研究の成果としてはKOBE国際学生音楽コンクールで入選、また、日本クラシック音楽コンクールの地区本選会で好演賞を受賞した。現在は中央の音楽学部を併設する私立大学付属小学校に教諭として勤務している。音楽性と実践力の備わった教師として今後の活動が期待される。
研究指導
【観点1】学部
 教育現場では音楽の時間には主とした位置に歌唱指導がある。目前の課題だけにとらわれず応用力も備わった実践力を目指し発声法・発音法を基礎として歌唱指導をおこなった。 
【観点2】大学院
 1年次2名、2年次2名の修士論文指導を行った。研究演奏は1年次については歌唱法の基本を、2年次については臨床的な実践力を修得するために日本の歌曲及びより高度な声楽技法を修得するためにベルカントの作品から選曲し指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成18年5月:CD作制「風に寄せて歌える、、、日本抒情歌曲集」、フォンテック (株)、ピアノ:塚田佳男
A平成18年6月:東京室内歌劇場コンサート「初夏に歌う」、ピアノ:塚田佳男,旧東京音楽学校奏楽堂
B平成18年11月:「池田操ソプラノリサイタル」、ピアノ:塚田佳男、上越リージョンプラザコンサート ホール、後援:二期会、東京室内歌劇場、他
C平成18年6月:第41回新潟県音楽コンクール予選会声楽部門審査員
D平成18年7月:第41回新潟県音楽コンクール本選会声楽部門審査員
E平成18年7月:第16回日本クラシック音楽コンクール地区予選審査委員
F平成18年9月:第16回日本クラシック音楽コンクール地区本選会[好演賞]受賞(指導)
G平成19年1月:第12回KOBE国際学生音楽コンクール[入選](指導)
◎特色・強調点等
 声楽演奏研究のひとつの柱として「日本の歌」の演奏法研究を長年続けてきたが、今年度「風に寄せて歌える、、、、日本抒情歌曲集」としてCDをリリースした(フォンテック)。また、CD作制記念として上越市リージョンプラザコンサートホールにてリサイタルを開催した。「日本の歌」は音楽授業の中でも歌唱指導のメインとなるものであり、教育実践に寄与している。
その他
 平成18年6月:第4回「卯の花音楽祭」にて演奏。ピアノ:平野俊介
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県音楽コンクール声楽部門審査員、実行委員
A日本クラシック音楽コンクール地区予選審査委員
B第4回「卯の花音楽祭」にて演奏 
C公開講座で指導:「ドイツの歌をうたおう」
◎社会への寄与等
 コンクール審査員、公開講座、リサイタル他の演奏会をとおして、地域の音楽的文化活動に関与した。
 

 
後 藤   丹(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 シラバスに準拠しながら学生の進度に合った指導をするように心がけた。「指揮法」では進度の遅れた学生に対して補講を実施した。
 
【観点2】教育の達成状況
 大学院ゼミの修了者1名は修士論文を提出し現場に復帰、4年学部ゼミの1名は上越教育大学大学院に進学した。
研究指導
【観点1】学部
 作曲の指導においてコンピュータを活用した。
【観点2】大学院
 学生が参観し撮影したビデオを観ながらディスカッションをおこなった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実技の場合、全員が積極的に授業に参加しそれぞれの技量を向上させることに努めた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年11月:消えた池(ピアノ連弾曲)(単著)カワイ出版 こどもたちへ メッセージ2006
論】@平成18年12月:《フィガロの結婚》のカリカチュアとしての《ドン・ジョヴァンニ》 音楽表現学 Vol.4.pp.57-66
作】@平成18年4月:無伴奏混声合唱組曲《ミネ・クレインの絵によせて》 リージョン・プラザ上越
A平成18年7月:合唱組曲《ささやかなあいさつ》混声合唱版 リージョン・プラザ上越
B平成18年10月:消えた池(ピアノ連弾曲)紀尾井ホール(東京)
C平成18年10月:連作歌曲《この世界のぜんぶ》東京文化会館小ホール(東京)
D平成19年3月:上越市民オペラ公演《愛の妙薬》の指揮
発】@平成18年6月:《フィガロの結婚》のカリカチュアとしての《ドン・ジョヴァンニ》 日本音楽表現学会岡山大会
他】@平成18年12月:後藤丹ピアノ作品集 CD ピアノ:高木裕美 R−06A0271
学会活動への参加状況等
@日本音楽表現学会(岡山大学)への参加 6月16〜18日
A日本音楽表現学会編集委員として「音楽表現学」の編集に携わった。
◎特色・強調点等
 モーツァルトに関する論文は2つのオペラの深い関係を音楽の分析から明らかにしたもので、従来なかった着眼点によるユニークなものと言えるだろう。創作では久々に連作歌曲を作曲し発表した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成18年4月:新潟県立津南中等学校の校歌作曲(新潟県)
A平成18年5月:新潟県立久比岐高等学校の校歌作曲(新潟県)
B平成18年5月:合唱ワークショップにおける講師 上越教育大学
C平成18年6、7月:新潟県音楽コンクールの審査員
D平成18年7月:卯の花音楽祭における小山作之助歌曲の編曲
E平成18年7月:新しい上越市民の歌歌詞選考委員会副委員長(上越市)
F平成18年9月:新発田市生涯学習センターでの講演
G平成18年10月:妙高市立中郷中学校のための合唱曲作曲
H平成18年11月:アドバイス・コンサート講師 上越教育大学講堂
I平成18年12月:新しい上越市民の歌の作曲及び発表会指揮(上越市)
◎社会への寄与等
 新しい市民歌の作曲に多くの時間を使った。独唱とピアノ、混声四部合唱とピアノ、混声四部合唱とオーケストラ、混声三部合唱とピアノ、女声三部合唱とピアノ、ア・カペラ、吹奏楽、など同じ曲の多くのヴァージョンを作ったためである。
 

 
茂手木 潔 子(教 授)

<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
平成18年度は,平成15年度に行った研究活動の成果(日本音楽を教えるためのキーワードの開発)をもとに授業に生かすことを試み,「めいめい」をキーワードに,日本音楽の特質と日本文化の特徴を関連させて音楽を教えることで,日本音楽の理解が深まることを確認できた。また,日本の伝統芸能の本物を学生に鑑賞させることを試み,世界遺産「文楽」の音楽の演奏会を,無形文化財の技芸員の協力で大学にて実施した。また,これまでVHSで作成していた授業用の視聴覚教材を,DVDに作成しなおし,授業資料の質の向上を目指した。授業においては,「音」について考える態度を育成するため受講生同士の意見交換を含めた時間を設けた。成績評価に当っては,出席を重視すると共に,意見交換,レポート提出などの課題に対する取組みも評価した。
【観点2】教育の達成状況
学部ゼミ学生については,大学院進学,非常勤教諭採用,また大学院ゼミ生については,採用試験合格,海外青年協力隊への参加など,学生の目的に応じた方向へと進んだ。
研究指導
【観点1】学部
卒論学生3人(学部4年)の指導。それぞれ,「学校の音環境」「能の音楽の教材化」「シュタイナー教育の音楽教育への応用」をテーマに,それぞれ個性豊かなテーマで論文を執筆した。常に3人の合同ゼミを行うことにより,学生相互の研究交流,意見交換,各々の研究への刺激にもなり,学生たちは非常に充実したゼミであったと感想を述べている。
【観点2】大学院
修士論文で,M2が3人,免P2年1人,M1の3人を指導した。
M2,免Pはそれぞれ「越後酒屋唄」「三味線音楽の教材化」「オーストリアの民俗音楽」「日本音楽の教材化」に関する研究を行った。
また,M1は「佐渡の芸能の研究」「唱歌・童謡の音楽教育における再評価」「日本の声の教育への導入」の問題について研究。
大学院の学生の論文指導としては,必要な人材情報を提供し,インタビュー等にも同行した。
博士課程院生(副指導教員)については,岡山大学に出向いて指導を行った。また,平成18年度から博士課程院生を始めて主指導教員として指導することになった。留学生は中国国籍であり,日本語は非常に堪能であるが,内モンゴル地区における音楽教育の実態と日本の音楽教育との大きな違いを確認し,異文化における「音楽教育」の指導の難しさを体験中である。
その他の教育活動
(1)4月22日:洗足学園大学現代邦楽研究所にて講演「声明と仏教の楽器」
(2)4月23日:ロンドン市の研究助成で来日した作曲家P.N.Martin氏の雅楽・声明の研究活動への協力(〜4月24日)
(3)6月7日:上越市教育委員会主催「謙信KIDSスクールプロジェクト(海と山と大地の学校)「音の学校」」講師(よろばた月影)
(4)6月22日〜23日:附属小学校研究協議会研究協力者
(5)8月2日:新潟県立小学校において,県小中高現職教員に向けての「日本音楽入門講座」講師 
(6)8月7日:金沢大学教育学部非常勤講師(集中講義〜8月10日)
(7)10月12日:柏崎市立教育センター主催専門研修講座「教科書教材を活用した日本野音楽」講師 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
筆者の専門研究分野である人形浄瑠璃の音楽研究と,地域の教師たちの「文楽の音楽」の体験希望が一致して,本物の舞台芸能を個人レヴェルで教師たちに提供することができた。
世界遺産人形浄瑠璃文楽の技芸員6人(太夫3人,三味線3人)の協力を得て,大学講堂,直江津小学校,朝日酒造松籟閣にて演奏会を行った。。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成18年6月:天台聲明音律研究会編『寺事録』禅2巻(共著)同研究会発行
「声明と聖歌−二つの宗教音楽」(pp.136-162) シンポジウム記録「東西の音楽の源をたどって−声明とグレゴリオ聖歌」(pp.163-174) 「音たちの表情 縒り合わせる」(pp.275-277) 「声の音楽について」(pp.278-279)を執筆。
(2)平成18年10月:国立劇場委嘱作品シリーズ『現代の音楽』(共著)春秋社
執筆部分は「国立劇場における伝統の創造の経緯と背景」(pp.29-36 英文翻訳も含む)
業】(1)平成18年6月:国立劇場開場四十周年記念公演にて制作協力およびプログラム巻頭原稿「キーワードはめいめい〜伝統の響きを聴く」執筆(第四二回声明公演『舞楽法会」公演資料pp.4-5)
発】(1)平成18年4月:海外出張報告会 4月24日上越教育大学にて 前年のドイツ(ケルン日本文化会館,バンベルク旧市庁舎ホール,ミュンヘン芸術家の家コンサートホール)における日本音楽演奏会,シンポジウムの報告。
他】(1)平成18年6月:演奏会「文楽の音楽」@上越教育大学講堂 A松籟閣(長岡市)B直江津小学校体育館
(2)平成19年2月:文化庁・(社)全国公立文化施設協会主催「平成18年度全国公立文化施設アートマネージメント研修会」講師(シンポジウムにVTR 出演)国立オリンピック記念青少年総合センター
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)上越教育大学付属小学校研究協議会,指導者(6/22〜6/23)
(2)直江津小学校において,秦野育子教諭協力のもとに「文楽の音楽」を小学生のために公演
(3)柏崎第三中学校教諭 荻野美智江先生の研究発表への協力(11/24)
国際研究プロジェクトへの参加状況
(1)ロンドンにおける「Japonica」公演作品への資料作成協力(DVD記録に協力者として氏名記載あり)
学会活動への参加状況
(1)東洋音楽学会全国大会(10/7-10/8 京都芸術大学)参加
(2)教育大学協会音楽部会(10/26 新潟大学)参加
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県酒造従業員組合40周年記念来賓
(2)文化庁文化審議会第四専門調査会委員(文化財部会)
(3)教科用図書検定調査審議会委員(文部科学省)
(4)独立行政法人日本芸術文化振興会雅楽・声明専門委員会委員
(5) 同上 調査事業委員会委員
(6)財団法人清栄会評議員(芸術文化振興会)
(7)東洋音楽学会理事
(8)太田記念美術館運営審議会委員
(9)アサヒビールメセナ審査委員
(10)独立行政法人国際交流基金企画評価部 委員 など
◎社会への寄与等
文化庁,文部科学省,日本芸術文化振興会国立劇場,独立行政法人国際交流基金などにおける調査・審議の委員として,日本の伝統音楽の保存と継承・発展に関する諸問題に意見を述べることにより,筆者の伝統芸能の現状に関する情報を収集し研究・教育に生かすことができたばかりでなく,地方からの視点で意見を述べることにより,中央中心の視座により全国的な視点を入れることができたと考える。また,地域の文化への貢献としては,酒屋唄保存継承の活動継続により,新潟県の伝統文化の一端を保存継承することができた。
 

 
上 野 正 人(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 本学に入学してくる学生は、全員が音楽実技の能力を十分に有しているとは言い難い。しかしながら初等の教員としての最低限の能力を有し卒業することは必須である。そこで、実技の授業においてそれぞれの能力に合わせた効果的な指導を提示することを心がけ、また同時に次の授業までに有効な自習ができるよう課題も与えることで実技能力の向上を目指した。また、評価については、出席も含めた学生の学習態度、そしてそれぞれの達成度を評価の対象とした。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 私が担当した卒業生は1名である。主として実技を担当したが、卒業研究に向け、自己の演奏能力の向上のみならず、自己の発展過程が将来の教育実践力となるよう示唆を与えながら指導を行った。その結果、卒業演奏では素晴らしい成果を得ることができた。現在は自宅にて教員採用試験のために備えているところである。
 
研究指導
【観点1】学部
 実技指導では、自己の発展過程の振り返りのを通して、将来の実践力につながるような指導を行った。
【観点2】大学院
 大学院においては、教育の現状改善のために、自己の経験を通してその解決の糸口がつかみ出せるよう、学部と同様に学習と自己の振り返りをキーワードとして指導を行った。 
その他の教育活動
@新潟大学教育人間科学部非常勤講師
A本学教育実践セミナー講師 実践的歌唱指導講座―発声の基礎から歌唱の練習方法まで―
Bわくわく大学ウィーク 合唱講座担当
C上越教育大学附属中学校 合唱指導
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 特色として歌唱・合唱領域を中心として公開講座、教育実践セミナー、わくわく大学ウィークと中学生から、現職教員、一般の市民を幅広く大学での研究成果を還元できたことがあげられる。今後の課題としては、自らがかかわっている社会教育活動にどのように学生をかかわらせることで学生に社会教育の場を提供できるかにあると考える。
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年12月:実技教育研究指導センター平成18年度実技教育研究1 研究プロジェクト【「地域貢献」と「学生支援」が融合した新しい形の合唱ワークショップの創出】の実践と検証 ーコーラスワークショップでのアンケートをもとにー
作】@平成18年9月:中島靖子作曲《鎮魂頌》故三宅雅楽倫三回忌追善演奏会 バリトン独唱(新潟市民芸術文化会館劇場)
A平成18年11月:2nd.うおぬまLiricaコンサート ビゼー《カルメン》エスカミーリョ役演唱(南魚沼市民会館大ホール)
B平成18年12月:オペラ《かぐや姫》(全2幕)帝役演唱(妙高市文化ホール)
C平成19年2月:バッハアンサンブル富山 第4回演奏会バリトン独唱(富山県教育文化会館)
D平成19年3月:上越市民オペラ公演 ドニゼッティ「愛の妙薬」総監督・演出・ドゥルカマーラ役演唱(リージョンプラザ上越コンサートホール)
他】@平成18年7月:第47回新潟県合唱祭・第20回久比岐野合唱フェスティバル 合唱指揮(高田木曜会合唱団、合唱団雪ん子)(妙高市文化ホール)
A平成18年7月:第36回上越市民芸能祭合唱のつどい 合唱指揮(高田木曜会合唱団、合唱団雪ん子)(上越文化会館大ホール)
B平成18年9月:新潟県うたごえ合唱発表会 合唱指揮(合唱団雪ん子)(五泉市村松町公民館講堂)
C平成18年10月:アウトリーチ活動 小中学校出前コンサート(長岡市立千手小学校、長岡市立宮内中学校(2日)長岡市立黒条小学校、長岡市立山本小学校(3日))(長岡市芸術文化振興財団)
D平成18年11月:全国のうたごえ in 福井 合唱指揮(合唱団雪ん子)(鯖江市文化センター)
E平成18年11月:高田木曜会合唱団第53回定期演奏会 合唱指揮(リージョンプラザ上越コンサートホール)
F平成19年3月:合唱団「雪ん子」演奏会 合唱指揮(リージョンプラザ上越コンサートホール)
◎特色・強調点等
 特色として、自己の演奏研究発表と同時に、オペラの制作や合唱団のコンサートを企画立案し、監督するなど研究と地域貢献が融合する形で行えたこと、また、指導する合唱団雪ん子が2年連続で新潟県代表としてコンクール全国大会に出場したこと、学校出前コンサートを通してアウトリーチ活動を継続して行っていることが特色と同時に、強調点としてあげられる。 
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@本学公開講座 ドイツの歌を歌おう
Aコーラスワークショップの開催(本学音楽コース、実技教育研究指導センター音楽領域、久比岐野合唱連盟共催)
B2006年第41回新潟県音楽コンクール審査員
C新潟県上越地区学校合唱大会・NHK全国学校音楽コンクール上越地区予選審査員
DNHK全国学校音楽コンクール新潟県大会審査委員
E高田木曜会合唱団 指導・指揮
F合唱団雪ん子 指導・指揮
G上越市民オペラ 総監督
◎社会への寄与等
 行政や文化の都市圏集中の弊害が叫ばれる中、地方でも独自の活動による地域おこしが盛んに行われている。そのような地域の活動で最も要望されるのがその取りまとめや企画運営をする能力を有する人材である。そのような地域の期待は「知」大学に寄せられる。その意味において18年度の活動は、地域のニーズに応えることができ、それは自身の活動にとっても意義深く実りの多いものになったと感じている。しかしながら、そのような地域の社会活動の「知」的「動」的活性化は継続して行われる必要がある。その点をふまえ、今後は地域の人材の掘り起こしによる人材の育成が課題である。
 

 
酒 井   創(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では各学生の演奏技術面で基礎力拡大が恒常的に求められており、その目標に向かって継続指導した。大学院では独奏曲における‘演奏表現の彫琢感’に力点をおいて指導し、その成果は演奏会等においてほぼ達成された。
 
<研究活動>
 近代フランス音楽のピアノ独奏用作品の研究。とくにMaurice Ravelの音楽語法を継続研究。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@レクチャー&コンサート(I.S.O)平成18年7月
 

 
時 得 紀 子(助教授)

<教育活動>
授 業
学部1年次のクラス担当教員として,また1年次クラス担当教員の代表委員長として,学部1年次の「人間教育学セミナー」の企画および,進行に携わった。具体的には,講堂における学年全体行事における外部講師を招聘しての講演会や,初めての試みであった「弁論大会」等の司会進行などを務めた。特に初の試みであった弁論大会では各クラスより選出された学生による,教育の幅広いテーマに関わる意義深い主張が数多く展開され,企画の意図を上回る成果が得られた。
「体験学習I」においては,学生全員が出演するコンサートを担当教員と共に支援した。
学部3年次の「初等音楽科指導法」においては,学校音楽の今日的課題を積極的に取り上げ,環境音への着目,創造的な音・音楽活動,ダルクローズのリトミックを活用した身体表現などを取り入れ,体験を通して体得する活動を重視した。
大学院「総合的な学習と音楽科」および「総合芸術と表現活動」では,音楽科と他教科・領域との横断的な学びの授業実践事例を手がかりに模索すること等に努めた。近年,様々な専攻の受講生が多く,ディスカッション等を通じ,音楽科と総合的な学習の視座を活性化させている。
研究指導
学部4年次では2名,3年次では3名の卒業論文指導を担当した。4年生2名の卒論題目は,「小学校音楽科における児童の音楽嫌いについて」「小・中学校における身体表現を取り入れた音楽活動の一考察」であり,うち1名は本学大学院の進学が決定。引き続き音楽教育に関する研究の継続を希望している。
大学院では2年生1名,1年生2名の修士論文指導を担当した。学部1年生の2名共に免許プログラムの院生である。M2生の「学校教育における総合表現活動の考察―音楽と総合的な学習に着目して―」の修論指導では,院生と共に関西や近県の実践事例の参観訪問に赴いた。2年間の総まとめとして,学会全国大会における共同発表を行った他,鳴門教育大学のカリキュラム開発講座の教授,院生との研究交換・交流にも努めた。
大学院では小学校現職の院生を担当,ゼミ生の論文テーマである「総合表現活動」の実践観察を広く現場に求め,大手町小学校卒業組曲の制作過程に関わったほか,京都市立御所南小,滋賀大学附属中学校など県内外の学校に同行し,インタビュー等の資料収集を支援した。
その他の教育活動
@上越教育大学附属小・中学校,新潟大学附属長岡小・中学校,上越市立大手町小学校,お茶の水女子大附属小,筑波大附属小,京都市立御所南小,大阪教育大学附属池田中学校,富山県立富山高等学校等,他全国の研究先進校において,音楽科や総合的な学習の時間における表現活動の参観及び実践指導,公開研究会の助言に多数携わった。
A平成19年3月,妙高自然の家における部活動のリーダース・トレーニング研修において,「コミュニケーショントレーニング」の指導講師を担当した。
B平成18年度「特別教職講座」において,主として小学校全科における教員採用試験の音楽に関する出題の対策を広く全国の傾向し照らし合わせ,分かりやすく展開した。
C平成18年度本学学園祭の中夜祭審査員など,学生の企画・演出による表現活動の充実に積極的に携わった。
Dアカペラ部の顧問を務め,高田公園における屋外コンサート,サマーライブ,学園祭公演等多くの発表の機会を支援した。 地域への訪問演奏の成果は教授会においても紹介された。
Eストリート・ダンス部の顧問を務め,講堂等での新歓,学園祭等の発表会をサポート。昨年度に続き,平成19年3月川崎市Club CITTA‘に於いて開催された大学生全国大会でも健闘。今年度も最も優秀な団体で構成されるグループにノミネートされた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
教員自らも生の演奏を披露することは,表現芸術に親しむ歓びを学生に五感を通して訴える意味で,効果をもたらすと実感する。同様に学生の演奏会に教員が出向き,鑑賞することも彼らには励みや歓びとなる。昨年度は本学混声合唱団,管弦楽団,吹奏楽団,アカペラなどほぼ全ての定期演奏会に出かけ,鑑賞したコメントを学生に伝えた。講義を通じてのみならず,教室外でも多様な表現芸術の機会に親しみ,学生が感性を磨き,かつ創造性を培う素地づくりを今後も支援していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年9月:「教える人」を育てる教育『バイエル』音楽教育の現状をめぐって(単著) MUSICA NOVA第37巻第9号 音楽之友社
A平成19年3月:「総合芸術的な表現活動のもたらすものー上越教育大学附属中学校10年の取り組みから−」(単著)学校音楽教育研究 日本学校音楽教育研究会紀要2007 第11巻 日本学校音楽教育実践学会
B平成19年3月:「創造的音楽学習の今日的課題」−星野圭朗の教え子の20年後の追跡調査を通して−(共著)財団法人 市原国際奨学金研究報告書
作】@平成18年7月:上越教育大学附属中学校わくわく大学ウィーク「オペラやミュージカルなどの総合芸術に親しもう!」指導講師
A平成18年8月:新潟県国公立幼稚園協会 夏期教員研修会「音楽リズムの指導をめぐって」 於:長岡市立劇場 新潟県公立幼稚園教諭対象・指導講師
B平成18年10月:「多様な表現活動を探る」富山県高等学校教育研究発表大会 招待講演 於:県立富山高等学校
C平成18年10月:上越教育大学附属中学校教育研究協議会「総合的な学習の時間と教科の枠組みを再編した新たな教育課程の研究開発」(第3年次) 「表現創造科」研究協力者 
発】@平成18年8月19日:「総合的な表現活動のもたらすものー上越教育大学附属中学校10年の取り組みから−」日本学校音楽教育実践学会第11回全国大会 於:大阪樟蔭女子大学(小阪キャンパス)
A平成18年8月20日:同上学会全国大会 担当ゼミ現職院生・小町谷聖と共同発表「総合的な学習における音楽表現は,教科学習の音楽表現をどう変えるのか」
B平成18年10月4日:「創造的音楽学習の今日的課題」ー星野圭朗の教え子の20年後の追跡調査を通してー(共同)全日本音楽教育研究会大学部会 於:聖徳大学
他】@平成18年10月:「創造的な知性を培う」新潟大学教育人間科学部附属長岡小学校 第3年次(平成15〜18年度文科省研究開発学校)研究協議会への研究協力
共同研究の実施状況
・創造的な音楽学習の実践の成果に関する共同研究を継続中である。「東京学芸大学附属竹早小学校卒業生を対象とした追跡調査をもとに」(共)平成18年度は10月に全日本音楽教育研究会大学部会においてその成果を研究発表し,さらに市原国際奨学金研究報告書においても現在までの成果をまとめた。
国際研究プロジェクトへの参加状況
・総合表現活動のカリキュラムに関する日米比較研究および同カリキュラムの開発と評価。Teachers College, Columbia University, Prof. Harold F.Abeles(Adviser)(平成18年〜)
この国際研究の成果を踏まえ,平成18年10月,平成19年度〜21年度までの3年間の国際比較研究を企画,平成19年度文部科学省科学研究費公募に研究代表者として申請した。
学会活動への参加状況等
@平成18年5月:日本教育大学協会全国音楽部門大学部会第31回全国大会出席 於:東京芸術大学音楽学部
A平成18年7月:日本カリキュラム学会第17回奈良大会出席 於:奈良教育大学
B平成18年8月:日本学校音楽教育実践学会第11回全国大会 研究発表(単)および指導ゼミ院生と共同研究発表 於:大阪樟蔭女子大学
C平成18年10月:全日本音楽教育研究会大学部会 共同研究発表 於:聖徳大学
D平成18年11月:日本音楽教育学会第37回千葉大会出席 於:千葉大学
E平成18年11月:日本教育大学協会全国音楽部門大学部会 北陸地区音楽部門研究協議会出席 於:新潟大学
◎特色・強調点等
「人間教育学セミナー」の新しい企画,「子どもの心を開くレク」と題して,学部1年次および免許プログラム1年次生全員を対象とし,身体表現活動を取り入れた,表現・コミュニケーション力を培う講義を体育館において担当した。我が国の今後の教員養成のカリキュラムに積極的に組み込んで行く必要性が受講生への意識調査等から明らかになった。米国の教員養成課程在学の大学生との日米調査研究として今後も継続し,カリキュラム開発と評価に生かして行きたい。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成18年10月:第56次新潟県教育研究集会 於:上越市 音楽教育分科会の指導・助言者を務めた他,講演会・シンポジウム・交流会を通じて,県内全域の小・中・高等学校の教員と,地域のみならず教科領域を超えて,広く研究交流し合う機会に参画した。
A平成18年4月:内宮音楽教室演奏会,企画,運営,司会。 於:長岡リリックホール。
B平成19年1月:新潟日報芸術欄への寄稿。新潟県立近代美術館における特別企画展を県民にP.R.した。新潟近代美術館 ディズニー・アート展に寄せて「動く絵画にため息−ディズニー・アート展−」 特に日曜・祭日は小・中学生入館無料という主催者の企画を生かし,県内の就学児童・生徒に芸術鑑賞の機会を広く呼びかけた。
C平成18年度上越市文化・スポーツ振興基金審査会委員として,上越市の文化等の推進を図るべく審査委員として,地元の社会人・学生による合唱団体などへの基金の配分を支援した。
 

 
平 野 俊 介(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 近年の傾向として、音楽実技関連の授業を音楽分野以外の他コース学生が履修する割合が高くなり、履修者の半数近くが他コースのこともある。音楽分野の学生だけなら音楽科の教員として当然備えておくべき実技力の習得に重点をおいた指導に徹するべきであるが、他コースの学生にはその必要はなく、個々のニーズに応じた柔軟な指導内容を考えていかなければならない。評価に際しても、演奏力や試験結果による一律な扱いではない柔軟な対応が求められていると思う。いずれにせよ個々の学生の能力をできるだけ引き出し発展させることができるように、一人一人の指導内容と方法に留意して進めている。
【観点2】教育の達成状況
 教育の達成状況と毎回の授業ごとのに学生が感じている充実感は大いに影響しあっていると考えるが、一回ごとの充実した授業の積み重ねが大きな教育成果に繋がると思う。
 個々の学生の学習目標の達成度の点から見ると、概ね満足いく状況にあった。
 
研究指導
【観点1】学部
 2名(うち1名4年)の演奏実技指導を担当。教育現場での実技指導に生かすことができる実践力や応用力の育成にも繋がるように努めた。
【観点2】大学院
 博士課程1名のゼミの副担当。演奏実技指導、及び音楽史の概説を行い、担当した院生の音楽的視野が広がるよう導いた。
その他の教育活動
@公開講座『ピアノ入門』4月〜6月
A出前講座「ピアノの発展と演奏様式の変遷」7月
B3月に音楽分野で実施した教育実践セミナーにおいてピアノ伴奏を担当。
C教職講座(直前実技指導)でピアノの指導
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年7月:卯の花音楽祭での池田操ソプラノ独唱の伴奏。
A平成18年11月:第53回高田木曜会合唱団の定期演奏会でピアノを担当。
B平成18年11月:第3回子供のためのアドヴァイスコンサートでのファゴットの伴奏
C平成18年12月:新しい「上越市民の歌」の発表でのピアノ伴奏。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県音楽コンクールピアノ部門実行委員、及び審査
A高田木曜会合唱団でピアノを担当 
B第3回子供のためのアドヴァイスコンサートでのアドヴァイザー
◎社会への寄与等
 公開講座、出前講座及び社会的活動では地域社会との連携に努めた。