ま え が き

 この度,平成24年度の年次報告書を作成しました。年次報告書は,本学の活動状況に関し年次報告と自己点検・評価としてまとめたものであり,昭和60年度版(昭和61年12月発行)の発行以来,通算で第28号に当たります。
 この年次報告書は,第一章「組織の運営状況に関する自己点検・評価」,第二章「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」, 第三章「本学専門職学位課程評価基準に基づく自己点検・評価」及び第四章「資料編」の4つの章で構成されています。
 「組織の運営状況に関する自己点検・評価」では,本学の運営状況について各組織の活動状況を通じて自己点検・評価を行いました。ここから,平成24年度の本学の運営状況を見ることができます。
 また,「各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価」では,大学教員自らが自己の教育・研究活動等の現状を客観的に把握するとともに,特色ある点や改善点等を明確にすることにより点検・評価を行っています。特に,教育活動の授業関係(教育方法及び成績評価面での取組,教育の達成状況)や研究指導関係(学部,大学院)などは,教育の質の向上に大いに役立っているものと考えています。
 さらに,「本学専門職学位課程評価基準に基づく自己点検・評価」では,大学としての質の向上を目指し,本学独自の評価基準により自己点検・評価を実施しています。10項目を平成24年度から2ヵ年計画で実施するものであり,平成24年度は7項目を実施しました。
 「資料編」は,本学の活動状況を数字でまとめたもので,データとして蓄積しているものです。

 平成24年度には,「上越教育大学スタンダードに準拠させて設定した教職科目のルーブリック及び知識・理解・技能」を発行し,上越教育大学スタンダードの視点をシラバス及びFDの自己評価に反映しました。また,「教科内容学」の研究成果を教員養成カリキュラムに反映する方略等の検討を行うため,「教科内容構成に関する科目」構築のための専門部会を設置し,検討を開始しました。
 さらに,台湾の「国立新竹教育大学」と教育研究交流に関する交流協定を締結し,本学の海外の交流協定締結校は9校となりました。
 評価という点では,初めて外部の有識者による外部評価を実施し,その結果は外部評価報告書としてまとめられ公表しております。
 また,東日本大震災及び長野北部地震により被災した受験者の進学機会を確保する観点から,昨年に引き続き当該受験者の入学試験に係る検定料を全額免除とする特別措置を実施するなど支援を続けています。

 今後も,本学の自己点検・評価結果などを踏まえ,本学の持つ知的,人的,物的資源を最大限に活用しつつ,幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の学校現場,他大学,他機関,地域との連携協力を進めながら,本学の使命である優れた実践力を備えた教員の養成と現職教員の資質向上に向けて全学をあげて取り組んで参る所存です。

 本年次報告書をご覧になった方々から,本学が新構想教育大学として,これからも崇高なミッションを高水準で遂行していけますように,忌憚のないご意見と励ましのご支援等をお寄せいただければ幸いに存じます。

平成 26 年 1 月
 
上 越 教 育 大 学 長
佐 藤 芳 德