第一章 組織の運営状況に関する自己点検・評価
 
2 平成24年度の大学運営
 
 平成24年度は,第二期中期目標期間の3年目に当たり,中期目標・中期計画の達成に向け,以下の事項について,学長のリーダシップの下,取組を行った。
 
 一つ目に,「卒業までの到達目標・能力を明確化」するために,『上越教育大学スタンダード』に基づくカリキュラム改善を行った。具体的には@本学では,これまで『上越教育大学スタンダード』に準拠した『教育実習ルーブリック・到達目標』及び『教科のルーブリック及び知識・理解・技能等』を作成し,学内外に公表してきた。平成24年度は『教職科目に関するルーブリック及び知識・理解・技能等』を刊行し,全教員必携とすることにより,教育実習,教科,教職について,『上越教育大学スタンダード』の視点をシラバス及びFDの自己評価に反映した。
 また,A平成24年度は新たに『教員採用試験ジョブアドバイザー』の委嘱や,保護者への情報提供など,教員に対する強い志望動機の醸成と早期かつ計画的な教採準備の意識付けを図った。
 
 二つ目に,「大学院における臨床的研究の推進」として,@大学院生に対して臨床的な研究を通じて理論と実践を融合できる能力を育成することを目的に,学内研究プロジェクトの研究協力者として,参加させることを推奨している。平成24年度は,19件の学内研究プロジェクトについて,65人の大学院生が研究協力者として参加した。
 また,A教職大学院の「学校支援プロジェクト」を円滑に実施するため,『学校支援プロジェクト連絡会』と『連携協力校会議』を定期的に開催し,連携協力校との連携に努めた。平成24年度の連携協力校は,4校増の44校となり,エリア的にも,新潟市と長岡市が新たに加わった。
 
 三つ目に,「地域連携と国際交流の推進」のため,@『新潟県教育委員会,新潟市教育委員会との連携推進協議会』の開催 A教育委員会,大学等と連携し,地域社会や学校現場からのニーズに応じた各種の支援事業の実施 B国立新竹教育大学と教育研究に関する協定の締結 C海外研修プログラムの充実化 等を行った。
 
 四つ目に,「研究活動の活性化と若手研究者の育成」に関して,@学内研究プロジェクトにおいて「若手研究」区分を設定した。 A科学研究費補助金についても研究奨励費の配分等の取組により,平成25年度の応募件数は,平成21年度比24%増の94件となった。
 
 五つ目に,「教育研究成果の積極的な公開」の取組として,@学内研究プロジェクト成果発表会の実施 A上越市教育委員会と連携した,「科学的リテラシー向上プロジェクトシンポジウム」及び「インクルーシブ教育フォーラム」の開催 Bインクルーシブ教育セミナーの開催等 の取組を行った。
 
 また,上記の他,本学独自の特徴的な取組としては,以下のことを掲げることができる。
 
 FD活動の改善を目的に,通常の授業公開とは別に,授業公開週間を設定し,全授業科目を対象とする授業公開を試行的に実施した。平成25年度から,授業公開期間に実施される授業は,原則すべて公開することとした。
 
 次に,附属学校の取組として,@文部科学省の研究開発学校として,実践研究を通した新しい教育課程・指導方法の開発 A総務省「フューチャースクール推進事業」及び文部科学省「学びのイノベーション事業」の実証研究校として,ICT環境の改善とICTを利活用した単元等の開発を行った。
 
 さらに,事務等の効率化・合理化に向けた取組として,@事務組織の改組 A学長の補佐体制の充実を行った。