3 管理運営組織等
 
(36)教員組織
 

@ 学校教育学系
ア 組織
学校教育学系は,修士課程の学校臨床研究コースと幼児教育コースの全教員,専門職学位課程(教育実践高度化専攻)のほとんどの教員から構成される。
前年度は,専門職学位課程において教育社会学の教員教育社会学(教育実践高度化専攻)の教員が1名が採用された。
本年度は,修士課程から情報教育(学習臨床),特別活動論(生徒指導総合)の教員が定年退職し, 学校経営学(生徒指導総合),保育内容の研究(幼児教育),国語教育(教育実践高度化専攻),理科教育学(同)の教員が転出した。他方,国語教育(教育実践高度化専攻),理科教育(同),国際理解教育(同)の教員が新たに採用又は学内配置換によるとともに,定年退職した特別活動の教員は1年間の特任教員とされた。
修士課程においては,教育史(学習臨床)に加え新たに情報教育(学習臨床)も欠員のままにある。また教育方法学(学習臨床)の公募は適任者がなく再公募となっている。
イ 運営・活動の状況
@) 学系教員会議等の開催状況
学系教員会議は,本年度は,教育研究評議会及び大学改革委員会,学系長として委員を命じられた委員会について,報告・意見交換会議を,月1回を目処に開催した。教育実践高度化専攻長並びに学校教育専攻長と連携して,4月24日,5月28日,6月19日,8月20日,9月27日,10月9日,12月18日に開催した。
A) 審議された主な事項
評議会及び大学改革委員会での審議内容を中心とした話し合いが行われたが,本年度は,専門職学院課程の定員増計画とこれにともなう修士課程の組織改革,大学のミッション定義にかかわる協議や意見交換が中心であった。教職大学院の定員増と修士課程改革については,大学執行部においてWGの設置が計画されたが,新執行部体制への移行期にあたり,次年度において本格的に検討されることになった。
B) 重点的に取り組んだ課題や改善事項等
専門職学位課程の学部免許単位としての教育実習の在り方や,同じく修士課程学生の学部免許単位の教育実習についても,整合性をもって実施するようにとの要請が強く出された。また,専門職学位課程の定員増については,その必要性とともに,慎重を期すべきとの意見も出された。
ウ 優れた点及び今後の検討課題
学校教育学系は,教職必修科目を担う教員が多く所属する組織であり,とりわけ,教職必修科目を担当する生徒指導総合,学校心理,学習臨床,幼児教育の各科目群・コース教員の負担は大きい。適正な人員配置や負担の調整など,全学的見地からの丁寧な配慮がなされるべきである。また,教育組織としては修士課程と専門職学位課程に分かれているが,大学の基盤を形成する教育研究は,教職必修科目の専門性と不可分であることから,大学執行部には,所属教員の専門性を尊重した講義担当や教育研究活動を保障し,本学教員としての充実感や誇りを維持できるよう環境整備に努めていくことが期待される。
 

A 臨床・健康教育学系
ア 組織
平成24年度は,平成23年度に引き続き,学系長として我妻敏博教授が,副学系長として上野光博教授が兼務し,23名の教員によって運営された。また,7名が心理教育相談室,11名が特別支援教育実践研究センター,及び2名が保険管理センターの業務を兼任した。なお,平成24年度で学系長及び副学系長の任期が満了になることに伴い,平成25年1月15日に学系内で学系長推薦者決定のための選挙が行われ,2名の学系長候補者を学長に推薦した。また,平成25年3月31日付けで本学系の構成員である臨床心理学コースの教授1名が転出した。
イ 運営・活動の状況
本学系における学系会議は,審議事項等の必要性に応じて随時開催されることになっているが,今年度は伝達事項や審議事項等についてはメール上で行われた。今年度は特に審議事項や重点的に取り組んだ課題等はなかった。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
本学系は,主として臨床に関わる研究領域を担当する教員によって構成されており,本学系の教員の多くは心理教育相談室,特別支援教育実践研究センター及び保健管理センターの業務を兼任し,地域の学校や保健福祉等の諸機関への専門的な支援に携わっている。したがって,本学系は本学学生の教育のみならず,学内及び地域に多大な貢献をしている点で優れている。
課題としては,現在,構成員個々のつながりはあるものの,学系の構成員全員が協働的に事業や研究活動等を進める体制はできておらず,必要が生じた際にはスピード感をもって対処できる体制を準備しておく必要があり,引き続いて課題として検討が必要である。
 

B 人文・社会教育学系
ア 組織
平成24年度当初に,准教授1名が教授に昇任し,地理学の新任准教授が着任した。また,昨年度に定年退職した教授のうちの1名が特任教授となった。その結果,年度当初の教員数は28名で,教授12名,准教授13名,講師1名,特任教授1名,特任講師1名の構成となった。なお平成25年度には,准教授2名が教授に,講師1名と特任講師1名が准教授に昇任する予定であり,昨年度末に他大学に転出した言語系コース国語分野の教員の後任も着任予定である。
学系長は,昨年度に引き続いて山本教授が務め,副学系長も引き続いて平野教授が務めた。また,本年度の後期に浅倉教授がサバティカル制度を取得し,その間,大半の公務から離れた。
イ 運営・活動の状況
人文・社会教育学系の構成員は,国際交流推進室所属の1名を除いて,教育組織である教科・領域教育専攻の言語系コース及び社会系コースの構成員とほぼ一致しており,旧来よりひとつの組織として活動してきた経緯もあって,学系の運営は円滑に行われている。
学系会議は,教育研究評議会報告を議題の中心とし,情報提供が必要と考えられる場合には適宜,大学改革委員会等の論議の報告も取り入れ,原則として,毎月の教授会の日に合わせて開催した。ただし,夏の休業期間中は,構成員の研究・調査活動に配慮し,教育研究評議会報告等のメール配信をもってこれに代替した。また,報告事項のみで意見交換するほどの重要案件がないと判断された場合にも適宜,メール配信の書面をもって会議に代えることもあるため,平成24年度の学系会議開催は合計7回であった。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
学系会議への出席率は良好であり,情報交換と意見交換が積極的に行われていて,協力体制が整っている。また,各委員の選出と割り振りについても,偏りを避け,教育・研究活動に無理のかからないよう配慮して行っている。
一方で,学系の運営が順調であるのは,前項に述べたような旧来の流れを引き継ぎ,教育組織であるはずの言語系コース及び社会系コースが事実上の学系組織として機能しているからであり,組織論上,問題がないわけではない。また,コースにおける科目群の役割と権限については,引き続きの検討が必要である。
 

C 自然・生活教育学系
ア 組織
自然・生活教育学系は,大学院学校教育研究科所属の教員31名,内教授15名,准教授12名,講師4名(平成24年4月1日現在)から構成されている。構成員の所属する教育組織は,教科・領域教育専攻の自然系コース(数学),同(理科),生活・健康系コース(技術),同(家庭),同(学校ヘルスケア)及び教育実践高度化専攻の学校運営リーダーコースにわたる。本年度内の教員の異動状況は,4月に准教授1名が着任した。
イ 運営・活動の状況
本年度は自然・生活教育学系会議を9回開催した。学系会議の開催は,毎月(但し,6,7,2月を除く)教授会開催日(第3水曜)の12:30〜連合大学院委員会開始前とし,人113又は人205の教室において開催した。開催については毎回,所属教員のスケジューラ登録・メール配信により周知した。会議資料は毎回の会議次第及び教育研究評議会等の資料等から特に必要とみなしたものについてコピーを配付した。併せて,配付資料以外のファイルライブラリー掲載資料等の参照を促した。会議の主な内容は,教育研究評議会の報告,学系の緊急連絡網の整備,自然・生活教育学系長候補者の選考規則,平成25年度学系選出委員の選出等である。なお,会議の議事録は特段必要がある場合を除き作成しないこととし,出欠の確認は毎回,出欠表への出席者の自署によった。
本学系の緊急連絡網は,所属教員の研究室が自然棟に局在しているため,フロアー毎に研究室の並び順に4〜7名の計5グループとし,グループを学系長と副学系長が担当する2系統に分け,学系長が統括する形態とした。
学系構成員全員に周知すべき内容の学内通知等は,メール配信により周知した。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
全職員への教育研究評議会における審議内容等の周知の重要性から,教育研究評議会報告はメール配信によらず学系会議を開催して行った。次期学系長候補者の選考については,ネット投票を導入することによって投票者の利便性を高めると同時に,選挙管理委員の負担を軽減することができた。本年度は新たな人事案件がなかったが,適切な教員配置に向けて人事を進めることが次年度の課題である。
 

D 芸術・体育教育学系
ア 組織
芸術・体育教育学系は,教育組織である教科・領域教育専攻の芸術系コース(音楽)と同(美術),及び生活・健康系コース(保健体育)(以下それぞれを,音楽,美術,保健体育と称す)に所属する教員で構成され,平成24年度の教員数は,音楽8名,美術8名,保健体育8名の計24名(教授8名,准教授9名,講師6名)であった。教員の異動状況等については,4月1日付けで池川茂樹氏(保健体育)が講師として着任するとともに,公募人事2件(保健体育)と教授昇任人事1件(保健体育)が進められ,平成25年4月1日付けで竹野欽昭氏および松浦亮太氏の准教授採用と土田了輔准教授の教授昇任が決定した。退職による異動はなかった。また,平成25年3月31日付で芸術・体育教育学系長である直原幹教授の任期終了に伴い,新学系長の選考が行われ,次年度の芸術・体育教育学系長として平野俊介教授(音楽)が,副学系長として高石次郎教授(美術)が選出された。さらに,次年度からの副学長として西村俊夫教授(美術)が,附属中学校長として直原幹教授(保健体育)が選出された。サバティカル制度については,後藤丹教授(音楽)が取得し, 後期期間中に主たる公務から離れた。
イ 運営・活動の状況
学系会議は,毎月,教育研究評議会の翌週の水曜日の午後に開催されることが慣例になっており,本年度は8月の電子メールによる教育研究評議会の報告を例外として,計11回の月例会議を設けた。会議においては学系長が議長を務め,教育研究評議会の報告と学系から提出された議題等について協議した。主たる協議事項は,各種委員会からの照会事項に対する対応,芸術・体育教育学系長候補者選挙規程の見直しと修正,防災緊急連絡網の整備,学部入試実技試験実施に際しての申し送り事項の検討,各種委員会委員等の選出,選挙管理委員の選出,次期学系長候補者の推薦,駐車場対策等であった。これらの会議の議事録は音楽,美術,保健体育の輪番で作成され,学系長より電子メールで全員に配信された。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
平成24年度の芸術・体育教育学系の教員数は,音楽8名,美術8名,保健体育8名で運営され,過去の教員数に比べれば大幅な減員となっている。一方,教育職員免許取得プログラムの導入以降,授業数は増加しており,各種委員会及び担当委員数も従前のままなので労働量は確実に増えている。そのため,各教員は,まとまった研究時間がとれないという悩みを抱いているのが現状である。また,いずれも実技指導の比重の高い科目群であり,他の学系とは授業形態が異なる場合が多い。例えば,音楽ではブリッジ「音楽」において学部1年次生の全員にピアノを指導しなければならない。保健体育ではマリンスポーツやスノースポーツで多人数を同時に個別指導する必要がある。さらに,以前は実技教育研究指導センターが担っていた教員採用試験のための音楽,美術,保健体育の実技指導などは,学系所属の教員が担当している。実技を担当する教員が行ったこれらの教員採用試験受験者に対する実技指導支援は優れた点といえる。このように,芸術・体育教育学系の運営は極めて円滑に行われているが,今後は,音楽,美術,保健体育科目群における教員組織(学系)と教育組織(コース)の二重構造の解消や,上述のような実情に応じた弾力的な人員配置の実現を検討することが課題であろう。