【臨床心理学コース】
 

五十嵐 透 子(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
臨床心理学における【人】のさまざまなこころの動きに関する理論や概念を,自らの体験に基づき実感として理解すること,"からだ"や脳を含めた生物化学的側面,心理面,そして社会面からの包括的理解と対応およびシステム論からの理解と対応を教授している。評価においても,知的理解だけでなく,自らの体験に即した理解を評価点として取り入れている。
【観点2】教育の達成状況
臨床心理学の学びは臨床実践に反映され,その達成は卒業および修了後の臨床活動での長期的視点で達成されていくものである。受講時は,その基礎の習得状態で判断している。他者理解と同時に,自分に対し率直かつオープンに向き合い,ありのままの状態をみつめることを個別およびグループ力動のなかで達成されている。
研究指導
【観点1】学部
学生一人ひとりが関心のある領域の選択において,論理的に現象を考え,論文レビューから自らの研究計画の立案,分析,考察までの指導を続けている。今年度は,児童生徒にもみられる“同調行為”に関する研究を行った。
【観点2】大学院
・ さまざまな自然および人的災害が続発するなか,2011年3月11日の東日本大震災後,今まで以上にいつ何が発生するかわからない状態に人々は直面している。“不確実性への耐性 (uncertainty tolerance)”をストレス理論の“情報が明確でなかったり十分でないときの個人の混乱”との定義に基づき,精神的健康と適応の視点から検討を行い,安心感の欠如が拡大する日々の生活を送る人々への臨床心理学支援の一助とするために,情動知能を含めて検討した。
・ 精神的健康とより円滑な対人関係における“感謝”に関する理解を深め,社会文化的側面を含めたより包括的な理解と臨床心理学的および教育的活用について検討を深めている。
その他の教育活動
<非常勤講師>
・ 金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻 「臨床心理学特論」
・ 愛知県立大学大学院看護学研究科 「ストレス・マネジメント特論」
・ 新潟県立看護大学大学院看護学研究科 「対人関係特論」
<特別講義>
・ History and current status on psychological specialists and cultural issues in Japan(國立新竹教育大學教育心理與諮商學系大学院)
・ History and current status on psychological specialists and cultural issues in Japan(國立臺灣師範大學教育心理與輔導學系大学院)
特色ある点及び今後の検討課題等
臨床心理士養成教育および研究において,自らの感情体験に触れ,理解し,受容する【体験を通した学び】を大切にしている。加えて,1側面からの人の理解ではなく包括的理解を深めるため,多角的かつ多面的視野からの理解と臨床心理学および教育学の実践につながることを重視している。これは,グル―バルな視点であり。エビデンスとして検証することが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成25年2月:『教員養成大学学部生のいじめに関する認識と対応との関連』(共著) 上越教育大学研究紀要, 32, pp.181-189
(2)平成25年3月:『大学生のふれあい恐怖傾向と大学適応感および信頼感の関連』(共著) 上越教育大学心理教育相談研究, 12, pp.35-42
(3)平成25年3月:『高校生を対象としたストレス・マネジメント教育の現状と展望』(共著) 上越教育大学心理教育相談研究,12, pp.89-100
発】(1)平成24年9月:『ボディ・イメージと健康不安との関連』(共) 日本心理臨床学会第31回秋季大会
(2)平成24年9月: J-Center Conference シンポジスト デモイン,アイオワ州,アメリカ
(3)平成24年10月:『ボディ・イメージと健康不安との関連』(共) 北陸心理学会第47回大会
(4)平成24年12月: Keynote Speech『Advancement of Adolescents’ Well-Being through Promoting Teachers’ and Students’ Mental Health in Japan』(単) 2012 International Conference on Innovative Education and Computer and Network Technology in Education 新竹,台湾 國立新竹教育大學
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月10日〜平成24年9月11日:J-Center conference:出席, (2)平成24年11月18日〜平成24年11月19日:第30回日本森田療法学会出席, (3)平成25年3月16日〜平成25年3月17日:第30回日本集団精神療法学会出席, (4)平成25年3月13日〜平成25年3月14日:GID(性同一性障害)学会 第15回研究大会出席, (5)平成24年12月1日〜平成24年12月2日:2012 International Conference on Innovative Education and Computer and Network Technology in Education出席
◎特色・強調点等
学部生および大学院生の臨床心理学での研究成果を社会に還元することと,異文化教育と臨床心理学における国際的活動と研究者間交流を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成24年度 教職免許状更新講習「こころとからだの健康」講師(上越教育大学)
(2)リラクセーションの基礎と実施:現場でリラクセーションを活用するために(日本心理臨床学会,研修会講師)
(3)新潟県立高田高等学校 カウンセラー(新潟県立高田高等学校)
(4)上越市国際交流センター コンサルタント(上越市国際交流協会)
(5)マミーズネット コンサルタント(NPO法人マミーズネット)
(6)上越市若年者自立支援ネットワーク委員(上越市 上越市若年者自立支援ネットワーク会議)
(7)妙高ひまわりキャンプ運営委員会 委員(独立行政法人 国立青少年教育振興機構 国立妙高青少年自然の家)
(8)医療法人常心会 川室記念病院 臨床心理士(医療法人常心会 川室記念病院)
(9)新潟県立直江津中等学校 講演会「受験とメンタルヘルス」講師(新潟県立直江津中等学校進路指導部)
(10)新潟県立柏崎翔洋中等教育学校 保健講座「高校生とメンタルヘルス」講師(新潟県立柏崎翔洋中等教育学校)
(11)新潟県立高田高等学校研修会「高校教師とメンタルヘルス」講師(新潟県立高田高等学校保健委員会)
(12)思春期懇談会「いじめの本質を考えよう」講師(上越市清里区青少年育成会議)
(13)愛知県立大学FD委員会 FD研修会講師(愛知県立大学FD委員会)
(14)J-Centerアドバイザー(J-Center, The Center for Citizen Diplomacy)
◎社会への寄与等
国内の地域活動だけでなく全国レベルでの活動だけでなく,アメリカと台湾をはじめとした異文化交流を含めた活動を行った。
 

内 田 一 成(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
全科目ともスライドの配布資料(2単位科目で1ページあたり4スライドで,両面約30頁)を配り,スライドショウやVTRを中心に講義している。受講生の成績評価はもちろんであるが,その前提である教育の質,授業の質に注意を払うようにしている。臨床心理士試験の合格者数,質の高さが世間から問われることを認識した責任ある教育を日々心がけている。
【観点2】教育の達成状況
授業の学生自身の取り組みについては事前のシラバス確認以外はいずれも平均4.0以上で,この点,授業の方法は,4.3以上,授業内容もシラバス記載を除けば,いずれも4.5以上であった。大体達成できているが,なおいっそうの工夫を期したい。
研究指導
【観点1】学部
1名は,「過去の落ち込み体験が大学生の自己効力感と抑うつ傾向に与える影響」の卒論を完成させ,新潟市小学校教員として採用決定している。
【観点2】大学院
修士課程1年次生3名,2年次生6名,博士課程3年次生1名を担当した。2年次生のうち4名は上越市役所,上越市内の病院等の臨床心理職に着任し,1名は高等学校に復帰している。3名は私と共著で「社交不安傾向におけるパフォーマンス後の処理過程の検討 上越教育大学心理教育相談室紀要,12, 1-12, 2013.」「高校生の抑うつにおける認知過程の検討と介入プログラムの効果 上越教育大学心理教育相談室紀要,12, 13-24, 2013.」「注意スキルが怒りに及ぼす影響 上越教育大学心理教育相談室紀要,12, 25-36, 2013.」を公表しており,2件は平成25年の日本心理臨床学会大会で連名で発表予定である。またこれとは別に2件は学会誌に投稿準備中である。
その他の教育活動
・ 教育に関わる臨床的な実践力の修得を促進するため,教員派遣生の大学院生とともに研究指導を行っている。
特色ある点及び今後の検討課題等
修士課程の臨床心理学コースにおいては「scientist-practitioner model」並びに「実践即研究」の観点から,基礎研究はもとより,日常の臨床活動を科学的研究に高められる研究指導を行っており,修了生の5名中4名の学術論文が上越教育大学心理教育相談室紀要に掲載され,2編は日本心理臨床学会で発表予定,2編は学会誌に投稿準備中である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月: 『ヒルガードの心理学 第15版』(監訳) 金剛出版
論】(1)平成25年3月:『社交不安傾向におけるパフォーマンス後の処理過程の検討』(共著) 上越教育大学心理教育相談室紀要,12,1-12,2013.
(2)平成25年3月:『高校生の抑うつにおける認知過程の検討と介入プログラムの効果』(共著) 上越教育大学心理教育相談室紀要,12,13-24,2013.」
(3)平成25年3月:『注意スキルが怒りに及ぼす影響』(共著) 上越教育大学心理教育相談室紀要,12, 25-36, 2013.
(4)平成25年3月:『児童青年の抑うつの認知過程における肯定的・否定的自動思考の機能の比較検討』(共著) 上越教育大学心理教育相談室紀要,11,37-48,2013.
発】(1)平成24年9月:『中学生の抑うつと不安に対する認知行動療法プログラムの開発研究』(共) 日本心理臨床学会
学会活動への参加状況
(1)平成23年度:日本福祉心理学会理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)さいがた病院倫理委員
(2)新潟県スクールカウンセラー
(3)コミュニティスクール運営委員(清里中学校)
◎社会への寄与等
平成24年度教職12年経験者(小・中・特) 全体研修(新潟県教育委員会)として,自験例に基づいて「いじめ問題の基本的認識と学校の説明責任」の講演を行い,好評を博している。パワーポイント資料は37枚である。
 

加 藤 哲 文(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
全ての授業において,学生の学習意欲を引き出すために,講義内容に関する配付資料,パワーポイント等での視覚的な情報の提示などを工夫した。また,学生からの積極的な質問や意見を引き出すために,各授業の開始時に,テーマを板書し,そのテーマに関する問題意識や意見を出させてから,授業を開始した。これによって学生の授業テーマの問題意識を引き出すことができたと思われる。
【観点2】教育の達成状況
大学院の学生は,現職教員が原籍校や新規の学校に復帰して,教育相談や特別支援教育の専門性のある役職に着いたり,ストレートの学生は臨床心理士の資格をとり,スクールカウンセラーや病院,福祉施設での心理職についている。このことから,大学院での指導が学生の進路選択や就職において適切であったと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
学部生には,セミナーの指導や個別指導において,スクールカウンセリングや特別支援教育に関する知識や経験をもたせるために,大学院学生とともに,学校現場や心理臨床の現場を訪問させたりして,実践現場での専門性についての問題意識を高めてきたと考えられる。また,卒業論文についても,心理臨床的テーマが,人間の福祉にどのように役に立つのか,意義は何かという点を特に強調した指導を行ってきた。
【観点2】大学院
4名の大学院学生には,各々,教育,福祉,医療等において,役にたつ臨床心理学の意義や,そのための実践力について,強調した指導を行ってきた。その結果,教育現場に直接入って研究を行ったり,臨床実践を行った研究が行われた。
その他の教育活動
・ 新潟県立看護大学,富山大学,横浜国立大学での非常勤講師を努めた。
特色ある点及び今後の検討課題等
今年度も,学校,福祉,医療現場における臨床心理士の養成をめざした教育活動を進めてきた。その結果,各学生の,教育や福祉現場での問題意識を育てながら,心理臨床等に関する知識や技術を育てることができたと思われる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成25年3月:『発達障害支援必携ガイドブック』(共著) 金剛出版
論】(1)平成25年3月:『スクールカウンセラーと教員の連携に関する調査研究』(共著) 学校メンタルヘルス,第15巻,第2号,pp.250-259
(2)平成25年2月:『特別支援教育相談員の活用と評価(1)』(共著) 上越教育大学研究紀要,第32巻,pp.219-226
(3)平成25年3月:『スクールカウンセラーと教員の連携効果の検討』(共著) 上越教育大学心理教育相談研究,第12巻,pp.69-78
(4)平成25年3月:『Motivation Assessment Scaleにおける問題行動の複合機能の分析』(共著) 上越教育大学心理教育相談研究,第12巻,pp.51-58
(5)平成25年3月:『特別支援学校教師への行動コンサルテーションにおける介入の整合性と受容性の検討』(共著) 上越教育大学心理教育相談研究,第12巻,pp59-67
(6)平成25年3月:『特別支援教育が,“特別”でなくなるために』(単著) 教育創造,第173号,pp.6-13
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月25日〜平成24年5月29日:国際行動分析学会・第38回大会(アメリカ・シアトル)出席
◎特色・強調点等
研究活動においては,大学院生や学外の研究者と連携し,スクールカウンセラーやコンサルテーションに関する研究を進めてきた。それらの成果については,著書や研究論文を公表した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県特別支援教育総合推進事業運営委員会委員長(新潟県教育委員会)
(2)上越市教育委員会就学支援委員会委員(上越市教育委員会)
◎社会への寄与等
新潟県の福祉保健部および教育委員会で進めている,発達障害者支援,特別支援教育の諸事業の方針や事業の企画などを行う各委員会の委員長を務めた。これは,国で進められている発達障害者支援の推進や特別支援教育を,新潟県で策定して推進するための根幹となる委員会である。この委員長を務めたことは,新潟県のこの領域の推進のために,多大な貢献ができたと評価できる。
 

佐 藤 淳 一(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
講義形式の授業では,毎回講義の最後に,質問コメント用紙を配布・回収し,次回の授業の中で,各自の理解の補足や疑問に答えるようにし,あわせて受講生の到達度合を参考に講義内容を調整・改善することによって,受講生の学習意欲を高めるようにした。
学部
「教育相談・カウンセリング論」(分担):心理アセスメント2回分を担当し,知能検査や人格検査を中心に,学校場面における心理査定の実際や倫理的配慮などについてパワーポイント等を用いて説明するとともに,演習形式を取り入れて受講生の受講意欲を高めた。
「臨床心理学」(分担):心理療法の理論と実際について2回分を担当し,来談者中心療法と力動的心理療法についてパワーポイント等を用いて概説した。
大学院
「臨床心理基礎実習T」(分担):臨床心理面接の基本的態度と技術を習得するため,クライエント中心療法を中心とする概説と,セラピスト役とクライエント役を通したロールプレイ形式による臨床心理面接(ロールプレイA〜C,インテーク面接)の演習を行った。また,受講生には逐語録レポートの提出を求めて,個別の添削指導を細やかに行うことにより,個々の到達度やニーズに応じるよう努めた。
「臨床心理基礎実習U」「臨床心理実習A」(分担):心理教育相談室において相談研修生としてケースを担当するゼミ生に対して臨床指導を行った。具体的には,集団スーパービジョンおよび個人スーパービジョンを通して,ゼミ生自らが,クライエントを心理臨床的に理解し,適切な心理的援助ができるような指導を心がけた。他に,インテーク・カンファレンス,ケース・カンファレンスに参加することを通して,ケースを担当する院生にはクライエントの理解を促し,相談研修生として学びの体験となるような,建設的なコメントを提供することを心がけた。
「臨床心理実習B」(分担):外部医療機関の心理実習生に対して,学内および院内における臨床指導を行った。
「学校臨床心理学特論」:学校場面において心理的問題を持つ児童生徒やその保護者への理解と援助,教職員との連携などを概説するとともに,関連文献や事例論文の発表を求めた。
「臨床実践援助法」(分担):授業全体のとりまとめを担当するとともに,被虐待児への心理臨床的援助の実際についてパワーポイントを用いて概説した。
「臨床心理学研究法特論」(分担):調査法2回分を担当し,調査研究(質問紙法による調査と描画法による調査)について概説した。
「臨床心理マネジメント特論」(分担):教育,医療,福祉における心理職の実際,ならびに臨床心理行為と他職種との連携について説明した。
「実践場面分析演習T・U」(分担):学部生の教育実習の事例に対して心理臨床の視点からコメントした。
【観点2】教育の達成状況
学生による授業評価では,おおむね良好な評価を得たと思われる。
研究指導
【観点1】学部
「臨床心理学セミナーT・U」学部3年生には,自らが興味を持ち,かつ心理学に関する研究となるようなテーマや方法論を見出せるよう支援ならびに指導した。なお,筆者が研究代表者を務める科研費採択課題の協力者を担当することによって,教育研究的還元となった。
【観点2】大学院
「臨床心理研究セミナーT・U」M1には,自らが興味を持ち,かつ臨床心理学に関する研究となるようなテーマや方法論を見出せるよう支援ならびに指導した。M2には,研究の具体的な構想,調査の実施,結果の分析,論文の執筆について,細やかに支援ならびに指導を行った。なお,筆者が研究代表者を務める科研費採択課題の協力者も担当することによって,教育研究的還元となった。
その他の教育活動
・ ゼミ生の教育実習の実施授業を参観した。
・ 上越教育大学附属中学校の教育相談員を務めた。
特色ある点及び今後の検討課題等
心理教育相談室において相談研修生としてケースを担当するゼミ生に対して臨床指導をきめ細やかに行った。具体的には個人スーパービジョンとグループスーパービジョンを通して,ゼミ生自らが来談者に対して心理臨床的に理解し,適切な援助ができるような指導を心掛けた。また,心理検査の実際,描画療法の演習,事例論文や理論書の講読なども行った。このような取り組みを通して,ゼミ生が臨床実践を行いながら,心理臨床の基礎を身につけるとともに,来談者に対して有益な心理的援助を提供できることを目指した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年5月:『ヒルガードの心理学 第15版』第6章「意識」(共訳) 金剛出版
論】(1)平成24年12月:『心理療法家における心理学的タイプ―心理療法の学派および技法のオリエンテーションとの関連』(単著)心理臨床学研究 第30巻4号 548-558頁
(2)平成25年2月:『大学生における被共感性と適応感,精神的健康との関連』(共著) 上越教育大学研究紀要 第32巻 191-199頁
(3)平成25年3月:『親面接における二重性』(単著) 上越教育大学心理教育相談研究 第12巻 79-88頁
発】(1)平成24年9月:『大学生における解離傾向と精神的健康,適応感との関連』(共) 日本心理臨床学会第30回秋季大会
学会活動への参加状況
(1)平成24年9月8日〜平成24年9月9日:日本描画テスト・描画療法学会第22回大会参加, (2)平成24年9月14日〜平成24年9月16日:日本心理臨床学会第31回秋季大会参加発表
◎特色・強調点等
・セラピスト研究の成果を学術論文誌に公刊した。
・心理臨床に関する論考を本学紀要に単独執筆した。
・学部ゼミ生の卒論の成果を本学紀要に共同執筆した
・大学院ゼミ生の修論の成果を国内学会に共同発表した。
・『ヒルガードの心理学 第15版』の分担訳を行った。
・平成24年度科学研究費補助金(若手研究B)に採択されたため,研究作業を進めている。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
心理教育相談室の相談員として,ゼミ生の担当ケースの臨床指導を行うとともに,ケースの性質に応じて自ら担当している。また,新潟県スクールカウンセラーとして,地域のカウンセリングにも従事している。
 

高 橋 靖 子(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
「心理学概論」では,評価を明確にしてほしいとの学生の声にこたえ,小テストを3回導入した。「何が重要なのかが分かりやすい」とおおむね好評だった。また,ワークショップや簡単な実験を取り入れ自己理解,他者理解が促進されるように配慮した。
「学校カウンセリング演習」では,毎回資料や映像を準備し,ロールプレイや提出レポートに対する指導やコメントを丁寧に行った。昨年度からの学校心理士のカリキュラム改正に伴い,演習内容の後半に事例検討を付け加えたため,技法習得のスケジュールが過密とならないように,進行速度に配慮した。
「臨床心理面接特論U」については,昨年度のものより教材をバージョンアップさせて臨んだ。オープンな雰囲気作りが今度の課題である。
【観点2】教育の達成状況
今年度でゼミ開始3年目となり,初めての修了生3名および新たに卒業生1名を送り出した。どの学生も,病院の心理士,スクールカウンセラー,保育士などの専門職に就くことができた。
研究指導
【観点1】学部
前期では心理学研究論文の書き方に関する書籍を,輪読することで理解を深めた。後期は実際に関心のあるテーマに関する論文を統合的・批判的読みを行い自身の問題意識を明確にできるように指導を行った。卒業論文では教員の専門分野に近い研究テーマでもあったことから適当な文献を随時紹介し,仮説の設定やデータの収集先の紹介,またデータの解析について指導を行った。
【観点2】大学院
心理学に関する研究の未経験者が多かったため,文章の書き方にはじまり,研究計画の立て方,調査対象者の紹介,予備調査の実施,分析方法,倫理的配慮などについて丁寧に指導を行った。
その他の教育活動
・ 保育実習において指導担当である学生1名の記録点検・指導を行った。
・ 臨床心理学コース4年生の学年担任であり,中学校実習における学生2名の記録点検およびフィードバックを行った。
・ 放送大学長野学習センターH24年度非常勤講師「臨床心理演習(15コマ集中講義)」受講生20名
特色ある点及び今後の検討課題等
ゼミの運営について,修士の学生の入学以前の心理学に関する知識の習得レベルの差が大きく,しかも年齢にばらつきがあることから,どのような要求水準を設定して一斉指導を行うか苦心した。ときには個別指導を取り入れ信頼関係を築きながら,緊張感を持って指導にあたった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年6月:『児童青年精神医学大事典』(共著) 西村出版
論】(1)平成25年2月:『特別支援教育支援員の活用と評価(2)―支援員と連携する小中学校教員を対象に―』(共著) 『上越教育大学研究紀要』第32巻 pp.201-209
(2)平成25年2月:『特別支援教育支援員の活用と評価(1)―支援員の役割と職務満足感を中心に―』(共著) 『上越教育大学研究紀要』第32巻 pp.219−226
業】(1)平成25年3月:『女性初等教員のキャリア形成』(共著) 上越教育大学研究プロジェクト報告書
発】(1)平成24年10月:『特別支援教育支援員の活用と評価に関する全国調査(1)』(共) 日本LD学会
(2)平成24年10月:『特別支援教育支援員の活用と評価に関する全国調査(2)』(共) 日本LD学会
(3)平成25年3月:『妊婦の愛着表象と代理対象との関連』(共) 日本発達心理学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年5月27日:日本心理臨床学会第31回春季大会(愛知)出席, (2)平成24年9月14日〜平成24年9月16日:日本心理臨床学会第31回秋季大会(愛知)出席, (3)平成24年10月6日〜平成24年10月7日:日本LD学会第21回大会(仙台)出席・発表, (4)平成25年3月15日〜平成25年3月16日:日本発達心理学会第24回大会(東京)出席・発表
◎特色・強調点等
今年度は,特別支援教育支援員および子育て支援の会など,学内での共同研究に比重をおいた研究活動を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)平成24年12月6日 新潟県家庭裁判所 調査官実務研究会 講師
 

 
宮 下 敏 恵(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部の授業である「教育相談,カウンセリング論」では,学校現場において生じる児童・生徒の様々な問題を理解し,対応できる実践力を身につけるために,具体的な事例をあげて,学生に対応を考えさせ,教師となったときにすぐに役立つように授業を行った。大学院の授業である「臨床心理査定演習T」では,学校現場,医療現場などで多く用いられているパーソナリティ検査を中心に,実際に心理検査用紙を用いて検査を施行,採点,結果を解釈した。実際の事例についての検査報告書をまとめさせ,添削して何度も修正することにより,臨床現場ですぐに対応できる実践力を身につけさせるようにした。また「臨床心理学特論U」では,イメージ療法,箱庭療法,遊戯療法などについて学生に発表させ,まとめることにより,より意欲的に授業に参加することができたと考えられる。シラバスにおいて,成績については明記し,評価基準通りに評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
不登校,いじめなど,学校での問題について講義を行い,学校現場における教育相談の必要性について述べ,教師となったときにどのようにしたらよいかなどを考えさせ,学校現場に出たときに自分は何を出来るか,何をしたいのかについて考えさせた。
また大学院においては,知識だけではなく,演習,実習を多く行うことで,臨床現場での実践力,即応力が身につくように行った。
研究指導
【観点1】学部
不登校,いじめなどの学校での問題についてゼミで討論を行い,学校現場における教育相談の必要性,教師となったときにどのようにしたらよいかなどを考えさせ,研究指導をおこなった。対人関係とストレスとの関係や青年期における完璧主義の影響などについて研究指導を行った。
【観点2】大学院
学校現場における教育相談の実践力を習得させるために,カウンセリング技術をはじめ,様々な臨床技法の実習を行った。さらに,心理教育相談室において受理した事例への関わりを通して,事例の見立て,面接の進め方,面接技術,介入方法,さまざまな病理や症状の知識について指導を行った。また,先延ばし行動と依存との関係,完璧主義と自尊心との関係,曖昧性耐性とストレスなどの研究について研究指導をおこなった。
特色ある点及び今後の検討課題等
学校現場,臨床現場における実践力を身につけさせるように,様々な点から指導を行っている。学校をはじめ様々な現場で活躍するために,現在本人の抱えている課題は何かを明確にし,少しずつでも成長し,変化できるように,ひとりひとりに丁寧に対応している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成24年12月:『中学校教師のバーンアウト傾向に関連する要因の検討』(単著) 学校メンタルヘルス 第15巻第1号 pp.101-118
(2)平成25年3月:『中学校教師におけるバーンアウト尺度の因子構造の検討』(共著) パーソナリティ研究 第21巻第3号 pp.278-290
(3)平成25年2月:『小・中学校教師におけるバーンアウト低減のための組織的取り組みに関する検討』(単著) 上越教育大学紀要 第32巻 pp.211-218
(4)平成25年3月:『語彙分析の方法を用いた面接プロセスの検討(5)−不登校事例における面接頻度減少による影響−』(単著) 上越教育大学心理教育相談研究 第12巻第1号 pp.43-50
発】(1)平成24年9月:『不登校事例における面接頻度減少による影響−語彙分析を用いた面接プロセスの検討−』(単) 日本心理臨床学会
(2)平成24年9月:『教師のメンタルヘルス:その改善策を探る』(共) 日本心理臨床学会
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本催眠医学心理学会編集委員, (2)平成24年度:日本学校メンタルヘルス委員会編集委員, (3)平成24年度:日本心理臨床学会代議員, (4)平成24年9月13日〜平成24年9月15日:日本心理臨床学会・日本心理臨床学会第31回大会出席
◎特色・強調点等
教師のメンタルヘルスの予防に関する研究(科学研究費による)を進めており,早期に教師のメンタルヘルスの悪化を発見するためのプログラムを作成している。また,臨床心理面接において,クライエントの発話を分析し,実証的見地から事例をまとめ分析する方法についても研究を進めている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県新任教頭メンタルへルス研修会下越講師(新潟県教育庁福利課)
(2)新潟県新任教頭メンタルヘルス研修会中越・上越講師(新潟県教育庁福利課)
(3)新潟県臨床心理士会スクールカウンセラー部会運営委員(新潟県臨床心理士会)
(4)新潟県臨床心理士会メンタルヘルス委員会委員(新潟県臨床心理士会)
(5)新潟県スクールカウンセラー(新潟県教育委員会)
(6)新潟県学校派遣カウンセラー(新潟県教育委員会)
(7)新潟県臨床心理士会倫理担当理事(新潟県臨床心理士会)
(8)中越・中越沖地震こころのケアのためのカウンセラー(新潟県教育委員会)
(9)東日本大震災こころのケアのためのカウンセラー(新潟県教育委員会)
(10)新潟県こころの緊急支援活動支援員(新潟県立精神保健福祉センター)
(11)新潟県単位制高校活性事業相談員(新潟県教育委員会)
(12)柏崎市小・中・高合同研修会講師(柏崎市教育委員会)
◎社会への寄与等
小学校,中学校,高校などの各学校へのスクールカウンセラーをはじめ,中越,中越沖地震,東日本大震災のこころのケアも行っている。また教師のメンタルヘルスを中心とした研修会も行っている。
 

 
井 沢 功一朗(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
近年の大学生は数学の基礎知識に乏しい者が多く見受けられる。また,課題について思考する際に,因果関係を明確にしながら,推論したり記述したりすることが苦手な者が多いと感じている。そのため,授業においては,多様な題材を並列的に説明するのではなく,何が先行し,その結果としてどのような実験や議論が行われたのかを,「時間軸に沿って」説明するよう,心がけた。また,成績の評価についても,単なる知識の羅列や,ペダンティックな概念用語の軽率な使用について,かなり厳しく注意をうながし,「自分自身の」言葉で平易にまとめるように指導した。
【観点2】教育の達成状況
学部生対象の授業では,「自分の」平素の言葉で,論理的に考え記述するスキルをある程度身につけた生徒が多く現れた。また,大学院授業においても同様の結果を得ることができた。
特色ある点及び今後の検討課題等
学生には個別的な能力差やその他の個人差があるが,ひとつひとつ,平易な言葉で原因と結果を明確にしながら説明をし,時には自分で見本をみせ,何度でも学生に練習の余裕を与えることで,かなり高度な数学的分析方法や理論を,本学の学生は理解できるということがわかった。今後はよりいっそう,余分な説明を省いて,「むずかしくみえること」を丁寧に紐解いて検討していく態度を徹底したい。
 

山 本 隆一郎(助 教)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
例年通り,具体(具体的な事象や実践)と抽象(理論や法則など)を相互往来し,“わかりやすく・面白い”かつ教育の内容を学生が自ら応用をしたり問題解決場面で活用できることを意識した講義や演習を心がけた。また,例年通り,成績評価に関しても単独担当科目に関しては,明確な評価基準を告げ,必要に応じて成績に疑義がないように説明することを学生に伝え明瞭になるよう心がけた。
【観点2】教育の達成状況
授業評価の各項目において概ね高評価が得られ,授業評価でも満点の項目が複数見られたことから受講学生全体の満足度が高かったと考えられた。また,内容に関しても当初から目標としていた「卒後に活用できる実践知識やスキル(具体)だけでなく,様々な未解決の問題を考える力(抽象)の育成」ができたと考えている。また,昨年度に続き教員養成という視点を授業内容に取り込み,臨床心理学的視座が教員にとってどのように寄与していくかを考えさせる授業を意識したことにより,授業内容の実践的応用に寄与できたと考えている。
研究指導
【観点1】学部
セミナーは担当していないが,コース2年生の科目である心理学講読演習の講義においては,学術論文の探し方,読み方,批判的思考の重要性などを学生の発表と討論を通じて育成するよう努めた。実践セミナーなどにおいては,臨床心理学的視座がどのように教職実践に寄与できるかということに関するディスカッションやレポート課題を実施した。また,セミナーを担当していない教員としての立場を生かし,幅広く研究の計画,実施,論文執筆に関する質問を受け付けた。
【観点2】大学院
セミナーは担当していないが,学生の研究計画や統計的解析手法,研究倫理に関して積極的に助言を行なった。また,発表会などでも全員のレジュメにコメントを残し,学生全員にフィードバックを行なった。
特色ある点及び今後の検討課題等
例年通り,セミナーを担当していない立場を生かし,広く学生の質問や相談などの窓口としてコースの教育の活性化を測れるよう努めてきた。また,昨年度の検討課題として上げていた,教材研究の深化や講義内容の向上に関しても授業評価の全体的な向上が確認されたことから達成できたと考えている。今後は,この状態を維持していけるよう努力する所存である
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成24年5月:『第15版ヒルガードの心理学』(共著) 金剛出版
(2)平成24年7月:『カウンセリングの援助と実際―医療・学校・産業・行政における心理的支援』(共著) 北樹出版
(3)平成25年2月:『教育心理学』(共著) 丸善出版
(4)平成25年3月:『睡眠公衆衛生学』(共著) 日本公衆衛生協会
論】(1)平成24年10月:『身体感覚増幅傾向と睡眠問題の訴えとの関連』(共著) 不眠研究2012,23-30頁
発】(1)平成24年6月:『不眠の認知行動療法が奏功した気分障害を伴う難治性睡眠覚醒リズム障害の1例』(共) 日本睡眠学会第37回定期学術集会
(2)平成24年9月:『臨床心理学と睡眠学のインターフェース(1):臨床心理士による睡眠関連研究と実践「心療内科での睡眠問題への睡眠援助の取り組み」』(単) 日本心理学会76回大会
(3)平成24年8月:『Sleep problems and self-management of sleep among Japanese undergraduates.』(共) 12th International Congress of Behavioral Medicine
(4)平成24年8月:『Existence of social anxiety, depression and sleep problems in junior high-school students』(共) 12th International Congress of Behavioral Medicine
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)科学研究費補助金基盤研究(C)「女子学生の食行動異常予防に関する基礎的研究」 代表者:山蔦圭輔(産業能率大学)
(2)上越教育大学研究プロジェクト(一般研究)「児童と保護者の睡眠問題に関する基礎的研究小学校における睡眠健康教育の確立に向けて」 代表者:山本隆一郎(上越教育大学)
学会活動への参加状況
(1)平成24年度:日本睡眠学会誌Sleep and Biological Rythmsアドホックレビュー, (2)平成24年6月9日〜平成24年6月10日:Society of Behavioral Sleep Medicine Inaugural Meeting参加出席, (3)平成24年6月28日〜平成24年6月30日:日本睡眠学会第37回定期学術集会参加・発表出席, (4)平成24年8月29日〜平成24年9月1日:12th International Congress of Behavioral Medicine参加・発表出席, (5)平成24年9月11日〜平成24年9月13日:日本心理学会76回大会参加・シンポジウム話題提供出席
外国における研究の状況
(1)平成25年3月11日〜平成25年3月15日:台湾,「児童と保護者の睡眠問題に関する基礎的研究小学校における睡眠健康教育の確立に向けて」
◎特色・強調点等
平成24年度は,新しい研究のための基盤整備とデータ収集,依頼原稿の執筆,平成23年度より助成されている科学研究費助成事業若手研究(B)の国際会議での成果報告を行った。また,平成25年度科学研究費助成事業若手研究(B)に応募し,平成25年度より3カ年の研究助成が採択された。さらに本年度は教育課題に関する共同研究を積極的に行い,学内でのプロジェクト研究グループ(北條礼子教授,附属小学校丸山美貴教諭)を組織し,小学生の睡眠健康教育に関する研究を行った。なお,本研究は上越教育大学研究プロジェクト(一般研究)として採択された(平成24年度より2カ年)。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)6月:国立病院機構北陸病院院内研修会「行動療法―学習理論による精神障害の理解と援助―」講師(国立病院機構北陸病院)
(2)7月:新潟県立教育センター教職12年経験者研修「全体研修1」講師(新潟県教育委員会)
(3)8月:教員免許状更新講習(選択領域)「こころとからだの健康」講師(上越教育大学)
(4)9月:岐阜メイツ睡眠障害治療クリニック 院内研修会「カウンセリング総論」・「認知行動論からの不眠症の理解と援助」講師(岐阜メイツ睡眠障害治療クリニック)
(5)12月:社団法人産業カウンセラー協会上信越支部会員研修 「不眠症の認知行動療法」講師(社団法人産業カウンセラー協会上信越支部)
(6)3月:岩手認知行動療法研究会 第1回公開勉強会「睡眠の認知行動療法」招待講師(岩手認知行動療法研究会)
(7)上越教育大学出前講座「認知行動療法に基づいた不眠の理解とセルフマネジメント」(上越教育大学)
(8)上越教育大学心理教育相談室相談員(上越教育大学)
◎社会への寄与等
臨床心理士として上越教育大学附属心理教育相談室を中心に,地域における心理臨床業務を積極的に行なった。また,自身の研究・心理臨床の専門領域に関する講演等を通じ,地域の精神保健活動に関する教育に寄与した。